スズキ:インド事業を拡充、乗用車市場シェア5割を維持

トヨタとの提携を強化、電動モデルの導入を推進

2018/08/27

要約

 スズキの2018年3月期の世界販売台数は前期比10.5%増の322.4万台となり、同社初の300万台超を達成した。このうち、インドは165.4万台で全体の51.3%を占める。同期の連結決算は大幅な増収増益となったが、2019年3月期は引き続きインドを中心に四輪車の販売増加を見込む一方、為替円高、研究開発費の増加を見込むため、増収減益と計画している。

 主力市場のインドでは、2017年2月に稼働を開始したグジャラート(Gujarat)工場が同年10月から2直のフル稼働(年産能力25万台)となり、2019年1月には第2ライン(25万台)、将来的に第3ライン(25万台)が稼働する計画。スズキは同州内における部品の調達体制構築を進めている。東芝およびデンソーとの合弁によるインド初のリチウムイオン電池工場もグジャラート工場に隣接するサプライヤーパークに新設され、スズキのインド製造子会社へ電池パックを供給する計画。

 スズキは2018年6月、2030年にインドで年販500万台を目指す考えを示した。2030年に年間1,000万台の市場規模が見込まれるインドで、現在の乗用車市場シェア50%を維持する意向。ラインアップを現行の16モデルから30モデル以上に倍増し、500万台のうち3割にあたる150万台をEVとする構想。

 トヨタとの業務提携については、2016年10月に発表して以降、インド市場向けEV投入やHVなどの相互供給で合意。最近ではパワートレイン開発やアフリカ市場等の開拓に関する共同プロジェクトについて協議を開始するなど、両社は提携関係を強化している。

 電動化に向けては、ISG(Integrated Starter Generator、モーター機能付発電機)と12ボルトの小型リチウムイオンバッテリーを組み合わせたスズキ独自のハイブリッドシステムを主力車種に順次導入しており、将来的には日本国内で販売する全車種に電動パワートレインを設定する方針。一方、欧州向けには48Vの駆動用電源を用いたハイブリッドシステムの開発も進める。

スズキの新車販売台数 新型スイフト
資料:スズキの決算参考資料より作成
2018年3月期に300万台超を達成。インドが全体の5割以上を占める。
新型スイフト(Swift)(バンコクモーターショー2018)
2017年に全面改良。日本、インド、タイで生産、グローバルモデルとして各国に輸出。

 

関連レポート:
インドにおける電気自動車とEVエコシステムの展望 (2018年8月)
インド:国内販売376万台、2030年までに電動車普及を目指す (2018年3月)
インドオートエキスポ2018:マルチ・スズキ、現代・起亜、ホンダ、トヨタの展示 (2018年2月)
スズキのインド事業:新工場稼働、生産能力225万台に拡大へ (2017年7月)

 



業績:世界販売300万台超、インドが5割以上を占める

 スズキの2018年3月期決算は、連結売上高が前期比18.5%増の3兆7,572億円、営業利益は40.3%増の3,742億円となり、大幅な増収増益を達成した。四輪事業の売上高は18.7%増の3兆4,358億円、営業利益は39.2%増の3,551億円。
 2018年3月期の世界販売台数は前期比10.5%増の322.4万台となり、同社初の300万台超を達成した。このうち、インドは14.5%増の165.4万台で全体の51.3%を占める。日本は4.5%増の66.8万台、欧州は14.9%増の28.1万台。所在地別では、アジア、日本、欧州、その他で増収増益となった。日本国内では前年度に投入した「ワゴンR(Wagon R)」「スイフト(Swift)」に加え、12月に投入した「スペーシア(Spacia)」「クロスビー(XBEE)」など新型車の販売が貢献。海外では、新型「ディザイア(Dzire)」「スイフト」を投入したインドをはじめ、欧州等で販売が増加し、前期を上回った。

 2019年3月期の連結業績は、売上高が前期比1.1%増の3兆8,000億円、営業利益が9.1%減の3,400億円を計画。引き続きインドを中心に四輪車の販売増加を見込む一方、為替円高、研究開発費の増加を見込むため、増収減益としている。インドの販売台数は通期で6%増を計画。研究開発費は電動化や自動運転など次世代技術の強化に向け、過去最高の1,600億円(前期比14.8%増)を計画している。
 2018年4-6月期の連結決算は増収増益となり、売上高・各利益項目とも同期として過去最高を記録。四輪車の世界販売は前年同期比16.3%増の86.2万台で、同社最大市場のインドは25.9%増の46.4万台、日本国内は8.5%増の17.3万台。好調な滑り出しだが、インドでの先行投資や電動化など技術開発を加速するとして、通年の減益見通しを据え置いた。

 

スズキの連結業績

(単位:億円)

2014年
3月期
2015年
3月期
2016年
3月期
2017年
3月期
2018年
3月期
2019年
3月期 計画
2017年
4-6月期
2018年
4-6月期
売上高 29,383 30,155 31,807 31,695 37,572 38,000 8,693 9,875
国内売上高 11,327 10,946 10,479 10,375 11,167 11,100 2,669 2,963
海外売上高 18,056 19,209 21,328 21,320 26,405 26,900 6,024 6,912
営業利益 1,877 1,794 1,953 2,667 3,742 3,400 851 1,165
経常利益 1,978 1,943 2,091 2,867 3,828 3,500 995 1,331
純利益 1,075 969 1,167 1,600 2,157 2,050 654 859
設備投資 2,136 1,945 1,715 1,988 2,134 2,500 417 780
減価償却費 1,172 1,344 1,683 1,634 1,509 1,500 402 327
研究開発費 1,271 1,259 1,310 1,315 1,394 1,600 300 317
為替 (1ドル) 100円 110円 120円 108円 111円 105円 111円 109円
為替 (1ユーロ) 134円 139円 133円 119円 130円 130円 122円 130円
為替 (1ルピー) 1.68円 1.81円 1.85円 1.63円 1.73円 1.65円 1.74円 1.64円

資料:スズキの決算参考資料

 

スズキの新車販売台数

(単位:1,000台)

国・地域 2014年
3月期
2015年
3月期
2016年
3月期
2017年
3月期
2018年
3月期
2019年
3月期
計画
2017年
4-6月期
2018年
4-6月期
日本 728 756 630 639 668 675 160 173
欧州 205 195 207 245 281 280 70 74
アジア インド 1,054 1,171 1,305 1,445 1,654 6%増 368 464
中国 232 253 186 148 105 n.a. 29 18
インドネシア 165 148 120 92 114 n.a. 26 28
タイ 40 20 21 23 26 n.a. 5 8
その他アジア 105 129 209 162 194 n.a. 42 52
1,596 1,721 1,842 1,870 2,093 2,157 470 570
その他 181 196 183 164 182 187 41 45
合計 2,709 2,867 2,861 2,918 3,224 3,299 741 862

資料:スズキの決算参考資料



トヨタとの業務提携:インドにおける電動化を推進、車両の相互供給など

 スズキは2016年10月にトヨタと業務提携に向けた検討を開始すると発表して以降、インド市場向けEVの投入やHVなどの相互供給で合意。最近ではパワートレイン開発やアフリカ市場等の開拓に関する共同プロジェクトについて協議を開始するなど、両社は提携関係を強化している。

発表日・タイトル 提携内容
2016年10月12日
業務提携に向けた検討を開始
スズキは軽自動車を中心に、価格競争力の高いクルマをつくる技術を一貫して磨いてきたが、先進・将来技術の開発に課題を抱え、危機感を持ってきた。一方のトヨタは、環境や安全、情報等に関する技術開発に取り組んでいるが、欧米各社よりも仲間づくり、標準づくりの面で遅れている。今回、両社が抱える課題を解決するためには、業務提携が有効であると考え、検討を開始することにした。
2017年2月6日
業務提携に向けた覚書を締結
トヨタとスズキは、「社会課題の解決」および「自動車社会の健全で持続的な発展」に両社で貢献していくことを念頭に、業務提携に向けた検討を開始する覚書を締結した。両社は「環境技術」「安全技術」「情報技術」「商品・ユニット補完」等に関して、協業の実現に向け、検討に入ること、早期に業務提携の具体化を図ることに合意。直ちに推進体制を立ち上げ、今回合意した内容の具体化を目指していく。
2017年11月17日
インド市場向けEV投入に関する覚書を締結
両社は2020年頃にインド市場に電気自動車(EV)を投入するための協力関係構築に向け、検討を進めることで合意した。インド市場向けにスズキが生産するEVにトヨタが技術的支援を行い、その車両をトヨタへ供給する。また、充電ステーションの整備や、販売網におけるサービス技術者の教育を含めた人材育成、使用済み電池の適切な処理体制の整備、インドにおけるEVの普及・定着に資するための活動について、総合的に検討を進めていく。
2018年3月29日
インドでHVなどの相互供給に向けて基本合意
トヨタとスズキは、両社の商品ラインアップを強化しつつ、インド市場における販売競争の活性化に向けて、ハイブリッド車(HV)などの相互供給を行うことに基本合意した。スズキからトヨタへ「バレーノ(Baleno)」「ビターラ・ブレッツァ(Vitara Brezza)」を供給し、トヨタからスズキへは「カローラ(Corolla)」を供給することを予定している。供給を受ける車種は、トヨタ、スズキ両社の現地子会社が、それぞれの販売網を通じて販売する予定。
2018年5月25日
開発・生産等に関する共同プロジェクトの協議開始に合意
トヨタとスズキは、開発・生産・市場開拓の分野で、新たな共同プロジェクトの協議を開始することで合意した。具体的な協議内容は以下の通り。
①スズキが主体となって開発する小型超高効率パワートレインに対し、デンソーとトヨタが技術支援を行う。
②スズキが開発した車両をトヨタのインド法人Toyota Kirloskar Motor(TKM)で生産し、トヨタ・スズキの両ブランドでインド国内において販売する。
③上記TKM生産モデルを含むスズキの開発車両を、トヨタ・スズキ両社がインドからアフリカ市場向け等に供給し、それぞれの販売網を活用して販売するとともに物流・サービス領域の協業を進める。

資料:スズキ、トヨタのニュースリリースより作成



インド事業:グジャラート工場を増強、2030年に年販500万台を目指す

 インド自動車工業会(SIAM)資料によると、スズキのインドにおける2018年3月期の生産実績は約178.1万台。インド国内で165.4万台を販売し、欧州、日本、アジア、アフリカ、中南米など、100を超える国や地域へ12.6万台を輸出した。スズキはインドの乗用車市場でシェア5割を占めている。

 マルチ・スズキの設備投資は2018年3月期に340億ルピー(約560億円)となり、2019年3月期は500億ルピー(820億円)を計画している。大半は新型車の投入に充てられ、増産が必要なエンジン工場や、研究開発施設への投資も計画されている。

インド生産・販売台数 インド乗用車シェア
資料:SIAM資料より作成
注:各年度とも4月~3月の集計値
資料:SIAM資料より作成
注:Passenger Vehicles (PVs)のシェア。 乗用車 (Passenger Cars)、ユーティリティ・ビークル (UVs)、バン (Vans)が含まれる。

 

グジャラート工場の生産増強

 インドの車両生産拠点はマルチ・スズキのグルガオン(Gurgaon)工場とマネサール(Manesar)工場、スズキ100%出資により設立した生産子会社Suzuki Motor Gujarat Private Limited (SMG)のグジャラート(Gujarat)工場の3拠点。グルガオン工場とマネサール工場の生産能力は合計150万台/年。

 2017年2月に稼働を開始したグジャラート工場は、同年10月から2直のフル稼働(25万台/年)となり、月産2万台ペースで「バレーノ(Baleno)」や「スイフト(Swift)」を生産している。2018年4月にはグジャラート工場で生産している新型「スイフト」の輸出を開始。ムンバイ港から南アフリカ向けに出荷した。2019年1月には第2ライン(25万台/年)、将来的に第3ライン(25万台/年)も稼働する計画。

 スズキはグジャラート工場に隣接して大型部品のためのサプライヤーパークを設置、すでにシートメーカーが生産を開始しているほか、プレス部品メーカーなどの入居を見込んでいる。その他のサプライヤーについても最適な生産・供給体制を検討し、新たな調達体制を構築する。グジャラート州で生産される部品の調達は未だ15%程度だが、数年内に60-70%に拡大すると予想している。

 

東芝、デンソーとインド初のリチウムイオン電池工場を新設

 2017年4月、スズキ、東芝、デンソーの3社は、インドにおける自動車用リチウムイオン電池パック製造の合弁会社設立について基本合意し、契約を締結した。合弁会社の資本金は約20億円、出資比率はスズキ50%、東芝40%、デンソー10%。当初の設備投資額は約200億円。

 インド初となるリチウムイオン電池工場はスズキのグジャラート工場に隣接するサプライヤーパークに建設、2020年に稼働を開始する計画。製造する電池パックはスズキのインド製造子会社へ供給する計画。

 

4つの販売網を構築:高級車、乗用車、商用車、中古車

 マルチ・スズキは、プレミアム車の「NEXA(ネクサ)」、プレミアム車以外の乗用車の「ARENA(アリーナ)」、商用車の「Commercial(コマーシャル)」、中古車の「True Value(トゥルーバリュー)」からなる4つの販売網構築を進めている。2018年3月末時点のインド販売網は2,627拠点(中古車販売店を除く)。

 同社は2017年8月末、インド国内にある全ての乗用車販売店をARENAとして刷新すると発表した。2018年までに80以上の販売拠点を刷新する計画。ARENAのショールームは青を基調とした看板やデザインを採用。顧客はタッチスクリーンで商品ラインアップを確認することができ、販売スタッフはタブレットなどデジタルメディアを活用して顧客との連携を図る。

 高級車の販売網NEXAは店舗数を段階的に増やし、2020年までに300拠点とする方針。2017年7月末時点でインド全土に250店舗を展開しており、「Sクロス(S-Cross)」、「バレーノ(Baleno)」、「バレーノRS(Baleno RS)」、「シアズ(Ciaz)」、「イグニス(Ignis)」の5車種を販売している。
 マルチ・スズキは2018年7月、NEXAの顧客向けにテレマティクスサービス「Suzuki Connect」の提供を開始した。スマートフォンのネットワーク経由でNEXAのカスタマーケアに接続された中央サーバーに接続するテレマティクスコントロールユニット(TCU)を活用。緊急警告、車両追跡、車両状態のモニタリング、予防保守点検の通知など、ユーザーの利便性向上を図る。

 2017年8月にはインドで中古車事業を強化していく方針を発表。インドでは新車販売の増加とともに中古車需要も高まっており、スズキは高品質な中古車の販売を強化することで、バリューチェーンの構築と顧客の囲い込みにつなげていく。同社はインド国内に新車との併売や中古車専売など500弱の中古車販売拠点を構えているが、2018年3月までに認定中古車の専売拠点を150店舗新設する。
 また、認定中古車制度も刷新。新たな認定制度「True Value 2.0」では、初年度登録から7年以内または走行距離10万km以内の車両を対象とする。過去の所有者も2人までとし、商用利用や天然ガス仕様などの改造車は対象外とする。点検項目数を大幅に増やし、エンジンやブレーキ、サスペンション、ステアリング、内外装など376項目を点検対象とする。

 

2030年にインドで年販500万台を目指す

 スズキの鈴木修会長は2018年6月に開催した株主総会で、2030年にインドで年販500万台を目指す考えを示した。日本やその他の地域を含めて、2030年に世界販売を700万台に増やす構想。今後は規模拡大に向けて事業計画の策定を進める。

 年率9%の成長が見込めるインドは2030年に市場規模1,000万台に達すると想定し、現在の乗用車市場シェア50%を維持する意向。ラインアップは現行の16モデルから30モデル以上に倍増し、電気自動車 (EV) やハイブリッド車 (HV) 、天然ガス (CNG) 車なども投入、500万台のうち3割にあたる150万台をEVとする構想。年販500万台を見据え、2030年までに販売店舗数を現行の4倍にあたる1万店舗に拡充し、販売スタッフを3倍の12万人、サービススタッフも3倍強の10万人まで増員、生産拠点は年産25万台規模の工場を11カ所新設する構想を示している。

 スズキは2020年をめどにインドでEVを発売する計画。マルチ・スズキのバルガバ会長は2017年末、EVの市場投入とともに自社で充電スタンドの整備も進めていく考えを示した。



グローバル生産体制:中国事業の見直し、アフリカ市場開拓

中国:昌河汽車との合弁を解消、長安汽車との合弁も見直しか

 中国では2018年6月に持分法適用会社である江西昌河鈴木汽車有限責任公司の全保有株(46%)を合弁先の昌河汽車へ譲渡し、合弁事業を解消した。昌河鈴木は1994年8月に昌河飛機工業公司、岡谷鋼機およびスズキの3社で設立。1995年6月からスズキブランドの四輪車の生産・販売を行ってきたが、近年は販売計画台数を達成できず、経営的に厳しい状況が続いていた。なお、岡谷鋼機も保有株全株を譲渡した。

 スズキの中国における生産台数は近年減少傾向にあり、2018年1~7月は前年同月より半減して32,135台となった(資料:MarkLines 生産台数データ)。中国市場では所得上昇とともにSUVや大型車の需要が高まり、小型車中心のスズキは苦戦している。長安汽車との合弁会社、重慶長安鈴木は2018年4月末、「今後も消費者に高品質な製品およびサービスを提供していく」との声明を発表した。しかし、スズキが長安汽車との合弁事業も解消して中国から撤退するのではないかという報道は続いている。これに対し、スズキ広報部はコメントを控えている(2018年8月時点)。
 注: スズキは2018年9月4日、持分法適用会社である重慶長安鈴木汽車有限公司のスズキ保有の全持分(50%)を合弁先の長安汽車に譲渡すると発表した。長安鈴木は長安汽車の100%子会社として経営を継続し、スズキは長安鈴木に対し、スズキモデルの生産・販売のライセンスを継続する。(2018年9月5日追記)

 

アフリカ:アルジェリアに工場新設を検討

 スズキは2017年4月の組織改定で製造本部海外生産部にアフリカプロジェクト担当を新設した。トヨタとの提携においてもアフリカ市場の開拓に乗り出している。スズキはエジプトで商用車をKD(ノックダウン)生産しているが、アフリカで乗用車の生産は行っていない。同社はアルジェリアの現地企業タフクート(Tahkout)と合弁で「アルト」や「スイフト」など小型車の組立工場を立ち上げると報じられた。新工場で乗用車を生産することで、将来的に需要拡大が見込まれるアフリカ市場の開拓を進めていくと見られる。

 

スズキの生産拠点(四輪車の工場)

国名 運営会社 工場 生産能力
(台/年)
生産モデル・製品 備考
日本 スズキ株式会社 湖西工場 452,000 Wagon R, Spacia, Hustler, Alto, Alto Works, Alto Van, Lapin, Jimny (2018年-), Jimny Sierra (2018年-); エンジン マツダへのOEM供給モデルも生産
磐田工場 337,000 Every, Every Wagon, Carry, Super Carry (2018年-) Jimny, Jimny Sierraの生産は2018年から湖西工場に移管。Escudo 2.4の生産は2017年に終了。
マツダ、三菱、日産へのOEM供給モデルも生産。
相良工場 217,000 Solio, Solio Bandit, Swift, Swift Sport, Ignis, XBEE (2017年-);  エンジン組立, エンジン主要部品の鋳造・機械加工等 三菱へのOEM供給モデルも生産
インド Maruti Suzuki India Ltd.  Gurgaon Plant 700,000 Alto 800, Ertiga, Ertiga Diesel Hybrid (2017年-), Eeco, Wagon R, Omni (Every), Gypsy (Jimny), Estilo (MR Wagonベース), S-Cross, Vitara Brezza, Super Carry, Ignis (2017年-);  K-Seriesガソリンエンジンほか  
Manesar Plant 800,000 Dzire, A-Star (Alto), Ciaz, Celerio, SX4, Baleno; トランスミッション, 鋳造部品 Swiftの生産は2017年からグジャラート州Hansalpur plantに移管
Suzuki Powertrain India Ltd. Manesar Plant n.a. ディーゼルエンジン, MT エンジンの生産能力:300,000基/年
Suzuki Motor Gujarat Private Limited Hansalpur plant 250,000 Baleno (2017年-), Swift (2017年-); エンジン, トランスミッション (予定) 2017年2月に第1ラインの稼動開始。2019年1月に第2ライン(25万台/年)、将来的に第3ライン(25万台/年)が稼働する計画。
パキスタン Pak Suzuki Motor Co., Ltd. Karachi Plant 170,000 Wagon R, Swift, Liana, Cultus, Bolan van, Cargo van, Ravi pickup, Mehran (-2019年 予定), Alto 660cc (2019年- 予定)  
インドネシア PT Suzuki Indomobil Motor Tambun Plant 133,000 Carry, Mega Carry, Karimun Wagon R, APV, APV Arena; コンポーネント, シート  
Cikarang Plant 120,000 Ertiga, Karimun Wagon R (予定); エンジン, トランスミッション パワートレインの生産能力:エンジン 71,000基/年, AT 176,000基/年
Cakung Plant n.a. エンジンおよびトランスミッション部品 エンジンの生産能力:80,000基/年
タイ Suzuki Motor (Thailand) Co., Ltd. Rayong Plant 100,000 Swift, Celerio, Ciaz, New Swift (2018年-); シート
ベトナム Vietnam Suzuki Corp. Long Binh Plant 5,000 Carry, Swift
中国 江西昌河鈴木汽車有限責任公司
Jiangxi Changhe Suzuki Automobile Co., Ltd.
景徳鎮工場 Jingdezhen Plant 170,000 北斗星X5(Beidouxing X5, Wagon Rベース), 北斗星(Beidouxing, Wagon Rベース) 2018年6月に合弁解消、昌河汽車のモデル生産を継続。
九江分公司 Jiujiang Branch 100,000 利亜納A6(Liana A6), 利亜納(Liana), 派喜(Splash)
重慶長安鈴木汽車有限公司
Chongqing Changan Suzuki Automobile Co., Ltd.
第1工場
重慶市巴南区魚洞鎮大江工業園
180,000 天語SX4(Tianyu SX4), 天語尚悦(Tianyu Shangyue), 雨燕(Swift), 新奥拓(New Alto), 羚羊(Cultus); エンジン
第2工場
重慶市巴南区経済園天明汽摩産業園
100,000 鋒馭(S-CROSS), 啓悦(Alivio), 維特拉(Vitara), 驍途(S-CROSS, 2017年-) 2015年から長安汽車の新奔奔(New Benni)も生産
ハンガリー Magyar Suzuki Kft. Esztergom Plant 210,000 SX4 S-Cross, Vitara/Escudo Swift、Swift Sportの生産は2017年に終了
エジプト Suzuki Egypt S.A.E. Giza Plant 13,000 Carry, Carry Van Swiftなど他モデルは完成車輸入
ブラジル HPE Automotores do Brasil Ltda. Catalao Plant n.a. Jimny 三菱、スズキの車両組立委託先。生産能力:100,000台/年
エクアドル Omnibus BB Transportes S.A. Quito Plant n.a. Grand Vitara, Vitara GMの合弁工場、Chevrolet、スズキモデルを生産。生産能力:29,000台/年

資料:MarkLines 完成車メーカーの拠点、各社発表および報道より編集



電動化:新型車にハイブリッドシステムを順次導入

 スズキは発電効率に優れるISG(Integrated Starter Generator、モーター機能付発電機)と12ボルトの小型リチウムイオンバッテリーを組み合わせた独自の電動化技術を主力車種に導入している。「スイフト」「ソリオ」「イグニス」などにマイルドハイブリッド車として設定するほか、2017年2月に発売した「ワゴンR」ではバッテリー容量を拡大してモーターのみのクリープ走行を可能とした。「ハスラー」ではエンジンのトルクアシストを行う「S-エネチャージ」として設定している。また、AGS(オートギヤシフト)をベースにMGU(Motor Generator Unit、駆動用モーター)を組み合わせたハイブリッドシステムを「ソリオ」に続いて新型「スイフト」に設定。MGUのみでのEV走行や変速時のトルクアシストが可能となった。

 スズキは電動車の設定がないモデルにも全面改良などに合わせて順次電動パワートレインを導入し、国内向けの全車種に設定する方針。国内向けの軽自動車などは12Vのマイルドハイブリッド車を中心に対応する一方、欧州向けには48Vの駆動用電源を用いたハイブリッドシステムの開発も進める。

 

スズキのハイブリッドシステム

ハイブリッドシステム 内容
ハイブリッド デュアルジェット エンジンにMGU(Motor Generator Unit、駆動用モーター)とAGS(オートギヤシフト)を組み合わせ、低燃費と力強い走りを実現するフルハイブリッド(ストロングハイブリッド)システム。MGUのみでのEV走行に加え、加速時にアクセルを強く踏み込むとエンジン出力にモーター出力を上乗せして力強くアシスト。ECOモードスイッチで2つの走行モードが選択可能:標準モードは加速感のあるキビキビとした走り、エコモードはEV走行の頻度が上がる。
マイルドハイブリッド 発電効率に優れたISG(Integrated Starter Generator、モーター機能付発電機)により、減速時のエネルギーを利用して発電し、アイドリングストップ車専用鉛バッテリーと専用リチウムイオンバッテリーに充電。その電力を活かして、クリープ時にはモーターのみで走行、加速時にはモーターでエンジンをアシストすることで、さらなる燃費の向上を実現する。
エネチャージ
eNe CHARGE
高効率リチウムイオンバッテリーを採用し、減速時のエネルギーを利用して発電・充電を行う。蓄えた電力を電装品に使うことで、ガソリンの消費量を抑え、低燃費に貢献する。また、エンジンの負担が軽くなるため、走りも良くなる。
S-エネチャージ
S-eNe CHARGE
減速時のエネルギーを利用してISG(モーター機能付発電機)で発電し、アイドリングストップ車専用鉛バッテリーとS-エネチャージ車専用リチウムイオンバッテリーに充電。加速時にモーターでエンジンをアシストすることで、さらなる燃費の向上を実現する。また、アイドリングストップ後はISGのスターターモーター機能によりエンジンを再始動する。ISGはギヤ(歯車)ではなく、プーリーとベルトを使ってクランクシャフトを回すため、静かでスムーズな再始動が可能。

資料:スズキHP(スズキの次世代テクノロジー、各種モデルの仕様など)

 

スズキのHVモデル

モデル 販売時期 生産工場 概要
XBEE 2017年12月 相良工場 東京モーターショー2017に出展した小型クロスオーバー車のHV。マイルドハイブリッドシステムを搭載。
Swift 2017年1月 相良工場 新型スイフトのHV。2017年1月にマイルドハイブリッド、7月にハイブリッドを発売。
Ignis 2016年 相良工場 サブコンパクトクロスオーバーのHV。マイルドハイブリッドシステムを搭載。
Solio 2015年 相良工場 コンパクトトールワゴンのHV。マイルドハイブリッドは2015年8月、ハイブリッドは2016年11月に発売。
Wagon R 2017年2月 湖西工場 軽トールワゴンのHV。ワゴンRのHVとしては2代目。マイルドハイブリッドシステムを搭載。
Spacia 2015年5月 湖西工場 軽ハイトワゴンのHV。マイルドハイブリッドシステムを搭載。
Hustler 2015年5月 湖西工場 軽クロスオーバーのHV。S-エネチャージを搭載。
Landy 2016年12月 日産の九州工場 日産セレナ S-HybridのOEM供給車。
S-Cross 2017年9月 インドGurgaon工場 マイナーチェンジしたS-CrossにSHVSマイルドハイブリッドシステムを搭載。
Ertiga 2015年10月 インドGurgaon工場 マイナーチェンジしたErtigaにSHVSマイルドハイブリッドシステムを搭載。インド、東南アジアなどで販売。
Baleno 2016年 インドManesar工場 フランクフルトモーターショー2015に出展、2016年春に発売。SHVSマイルドハイブリッドシステムを搭載。
Ciaz 2015年9月 インドManesar工場 コンパクトセダンCiazにSHVSマイルドハイブリッドシステムを搭載。インドで販売。

資料:MarkLines スズキの環境対応車データ
注:SHVS (Smart Hybrid Vehicle by Suzuki)は、ISG(モーター機能付発電機)と小型リチウムイオン電池を使用するマイルドハイブリッドシステム。アイドリングストップ、加速時のエンジンアシスト、減速時のエネルギー回生を行う。
 2018年2月、スズキがタイ政府のHV生産投資インセンティブを申請したと報じられた。Rayong工場へのHV導入を検討中とされる。

 

スズキの電動モデル販売台数

(単位:台)

モデル セグメント EV/HV 2015 2016 2017 主な販売国
Solio A HV 16,500 44,129 44,761 日本のみ
Swift B HV - - 19,607 日本、フランス、英国
Ignis SUV (Class B) HV - 24,304 14,110 日本、フランス、英国
XBEE SUV (Class A) HV - - 1,586 日本のみ
Landy MPV HV 732 343 1,036 日本のみ
Baleno C HV - 71 537 フランス、英国

資料:MarkLines モデル別 年次販売台数データ

 



新型車:HEARTECTプラットフォームの採用、予防安全技術 Suzuki Safety Supportを装備

 スズキは「スイフト」「エルティガ」など主力車種を全面改良し、「クロスビー」など小型クロスオーバー車の新モデルを投入している。コンセプトカーでは、2017年東京モーターショーでコンパクトSUV「イー・サバイバー(e-SURVIVOR)」、2018年インドオートエキスポで都市型の小型SUVデザイン「Concept FutureS」を披露した。

 近年発売した新型車・改良車には、高剛性と軽量化を実現する新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」や新軽量衝撃吸収ボディ「TECT(テクト)」、予防安全技術「Suzuki Safety Support(スズキ セーフティ サポート)」などを順次導入している。また、「スペーシア」など軽自動車の新型車・改良車にも同様の装備を採用し、安全性の向上を進めている。

XBEE e-SURVIVOR Concept FutureS
XBEE(クロスビー)
2017年東京モーターショーに出展した小型クロスオーバーワゴン。同年12月に発売。
e-SURVIVOR(イー・サバイバー)
未来のコンパクトSUV。電動化による4WDの可能性を提案。
Concept FutureS
FACE (Four-Wheel Drive, Autonomous, Connected, and Electric)コンセプトに基づく未来のモビリティを提案。

 

小型クロスオーバーの新モデルを投入

XBEE ワゴンとSUVを融合させた新ジャンルの小型クロスオーバーワゴン。2017年東京モーターショーに出展、同年12月に日本で発売。相良工場で生産。HEARTECTプラットフォームを採用、1.0L直噴ターボエンジン(K10C)と組み合わせるマイルドハイブリッドシステム、6速ATを搭載。「スズキ セーフティ サポート」を採用。
Celerio X Aセグメントハッチバック「セレリオ」がベースのクロスオーバー。マルチ・スズキのマネサール工場で生産、2017年12月にインド市場で発売。1.0Lエンジンを搭載。

 

主力車種のフルモデルチェンジ

Swift Bセグメントの5ドアハッチバック。2017年に全面改良。グローバルモデルとして、日本、インド、タイで生産・輸出を行い、世界各国・地域への拡販を図る。
新型「スイフト」は2017年1月に日本で発売。相良工場で生産、国内販売のほか、欧州、大洋州、中南米などへも輸出する。HEARTECTプラットフォーム、TECT軽量衝撃吸収ボディ、「スズキ セーフティ サポート」を採用。1.2Lデュアルジェットエンジン(K12C)、同エンジンのマイルドハイブリッド、1.0L直噴ターボエンジン(K10C)を設定。2017年7月に1.2Lエンジンと駆動用モーターおよびオートギヤシフト(AGS)を組み合わせたフルハイブリッドを発売。
インド製として3代目の新型「スイフト」は、グジャラート工場で生産。2018年2月にインドオートエキスポに出展して発売。1.2Lガソリンエンジンまたは1.3Lターボディーゼルエンジンを設定、5速MTまたはオートギヤシフト(AGS)を組み合わせる。
タイ製として2代目の新型「スイフト」は第2期エコカープロジェクトの適合モデルとして生産、2018年2月に発売。1.2LデュアルジェットエンジンにCVTを組み合わせる。
Swift Sport 3代目となる新型「スイフトスポーツ」は2017年フランクフルト・モーターショーで世界初公開。相良工場で生産、日本では2017年9月に発売、欧州では2018年春に発売。新型「スイフト」ベースのスポーツモデルで、HEARTECTプラットフォームを採用、1.4L直噴ターボ(K14C)ブースタージェットエンジンを搭載。新開発サスペンションにより高い動力性能とハンドリング性能を実現。
Ertiga 3列シート7人乗りのBセグメントMPV。MPVカテゴリーが主流のインドネシアで2018年4月に全面改良車を発表。HEARTECTプラットフォームを採用し、全長を130mm延長したことで、広い室内空間と荷室スペースを実現。新開発の1.5Lガソリンエンジンを搭載。インドネシアに続いて、インドにも投入する。「エルティガ」は2012年より両国で生産・販売を開始。世界70以上の国・地域で累計販売は68万台(2018年2月末時点)。
Swift Sport 1.4L BoosterJetエンジン Spacia
Swift Sport(スイフトスポーツ) 1.4L BoosterJetエンジン Spacia(スペーシア)

 

軽自動車の新型車・全面改良車

Spacia
Spacia Custom
全面改良を行った軽ハイトワゴンの「スペーシア」と「スペーシア カスタム」を2017年12月に発売。湖西工場で生産。HEARTECTプラットフォームを採用、0.66L(R06A)エンジンで発進時のクリープ走行が可能なマイルドハイブリッドシステムを搭載。「スズキ セーフティ サポート」を採用し、軽自動車で初めて後退時の衝突被害軽減ブレーキを装備する。ヘッドアップディスプレイ(HUD)や3Dビューも軽自動車で初採用。
Jimny
Jimny Sierra
軽四輪駆動車「ジムニー」および小型四輪駆動車「ジムニーシエラ」を20年ぶりに全面改良し、2018年7月に発売。これまで磐田工場で生産されていたが、新型車から湖西工場に移管した。新型「ジムニー」には専用にチューニングした0.66L(R06A)ターボエンジン、新型「ジムニーシエラ」には新開発した1.5L(K15B)エンジンを搭載。FRレイアウト、副変速機付パートタイム4WD、3リンクリジッドアクスル式サスペンションなど、ジムニー伝統の車体構成を継承している。電子制御のブレーキLSDトラクションコントロールを標準装備し、高い走破性能を実現。「スズキ セーフティ サポート」も搭載。
Super Carry 新型軽トラック「スーパーキャリイ」を2018年5月に発売。軽トラック「キャリイ」に対し、キャビンを後方へ拡大して室内空間を広くさせながら、キャビン下に空間を設け「キャリイ」と同等の荷台フロア長を実現した。「スズキ セーフティ サポート」の誤発進抑制機能と後方誤発進抑制機能を軽トラックで初めて採用、あわせて「キャリイ」にも同機能を標準装備した。

 

スズキの次世代テクノロジー

テクノロジー 内容
ハーテクト
HEARTECT
構造や部品の配置を全面刷新し、高い剛性と軽量化を実現した新プラットフォーム。アンダーボディは屈曲した骨格を最短距離で滑らかにつなぎ、合理的かつシンプルな形状の理想的な骨格構造とした。サスペンション部品も骨格の一部として利用。骨格同士が結合する強い部分を部品の固定に利用することで補強部品を削減。部品の配置を最適化したことにより、広い室内空間や荷室スペースも確保した。
テクト
TECT
軽量化と高い安全性を両立した新軽量衝撃吸収ボディ。ボディに高強度かつ軽量な素材(超高張力鋼板や高張力鋼板)を使用。軽量化によりエンジンの負担を軽減し、低燃費走行に貢献する。
デュアルジェットエンジン
Dual Jet engine
高圧縮比化とフリクション低減により、熱効率を徹底的に高めたエンジン。デュアルインジェクションシステム(1気筒あたり2つのインジェクターで燃料を噴射)を採用。燃料を微粒化し噴射することで燃えやすくなり、燃焼を安定させ熱効率が向上。さらにインジェクターを燃焼室の近くに配置し、燃料を効率よく充填することで燃焼室温度を下げ、ノッキング(異常燃焼)を抑制する。また、排気ガスの一部を冷却して燃焼室内に戻し、燃焼温度を下げる水冷式のクールドEGRシステムを採用。ノッキング抑制効果を高めることで熱効率向上に貢献する。
ブースタージェットエンジン
Booster Jet engine
高出力・高トルクを実現した直噴ターボエンジン。燃料をシリンダー内に直接噴射することで使用量を最適にコントロール、消費燃料を抑えながら混合気を冷却してノッキング(異常燃焼)も抑制する。燃料噴射の制御を緻密に安定して行なうために、6つの噴射口を持つマルチホールインジェクターを横一列にレイアウトしたサイドインジェクションタイプを採用。高圧燃料ポンプにより燃料を高微粒化して無駄のない燃焼を促す。さらに、低回転域から高いトルクを引き出すターボチャージャーを搭載。過給圧はウエストゲートバルブの開閉により排気ガスの流入量を調節することで緻密にコントロールする。
オートギヤシフト
Auto Gear Shift (AGS)
一般的にAMT(Automated Manual Transmission)とよばれるトランスミッション。MTをベースにクラッチおよびシフト操作を自動で行う電動油圧式アクチュエーターを採用。通常AMTに装備されていない、駐車時やエンジン始動時に使用するPレンジや、クリープ機能を採用。

資料:スズキHP(スズキの次世代テクノロジー、各種モデルの仕様など)

HEARTECTプラットフォーム 1.2L 4気筒直噴ターボガソリンエンジン S-エネチャージ
HEARTECTプラットフォーム(左)
従来のプラットフォーム(右)と比べて、屈曲した骨格を採用し、高い剛性と軽量化を実現。
ハイブリッドシステム
EV走行も可能なフルハイブリッドシステム
S-エネチャージ専用リチウムイオンバッテリー
東芝製リチウムイオン電池を使用するデンソー製バッテリーパックを採用。


LMC Automotive 販売予測:スズキの世界販売は中期的に320万台水準、インドは着実に増加し約180万台に

(LMC Automotive, 2018年第2四半期)

スズキのライトビークル販売予測

 LMC Automotiveの販売予測(2018年第2四半期)によると、スズキのライトビークル世界販売は2018年に前年比5.2%増の326万台となる見通し。中期的には2021年まで年間約320万台を維持する見通しで、このうちインドが170万台を占める。日本については数年内に60万台を下回ると予想している。

 スズキとトヨタは2017年第4四半期にインド市場向けの新たな契約を結び、事業提携を強化した。製品の相互供給契約のもと、マルチ・スズキは新型バレーノ(Baleno)とビターラ・ブレッツァ(Vitara Brezza)をトヨタに供給し、トヨタはマルチ・スズキにカローラ(Corolla)を供給する。LMC Automotiveでは、スズキブランドのカローラが2019年第2四半期にインド市場に投入されると想定している。

 2018年5月には、スズキが開発したモデルをトヨタのインド子会社が生産することに合意、トヨタおよびスズキブランドそれぞれのネットワークを通じてインドで販売する。LMC Automotiveは、トヨタブランドのバレーノおよびビターラ・ブレッツァが最初のモデルになると見ている。これらの車両は双方のOEM供給により、アフリカおよびその他の市場に輸出され、それぞれのディーラーで販売される。また、スズキはデンソーとトヨタから技術支援を受け、コンパクトで超高効率のパワートレインを開発する。こうした最近の取り決めに先立ち、スズキとトヨタは2017年11月、スズキが生産する電気自動車を2020年までにインドに導入することで合意していた。

 スズキはトヨタとの提携を通じて、特に電気自動車の欠点を克服することに重点を置き、将来の技術的課題に直面する準備を進めている。インド市場に特化した取引は、スズキにとって世界最大市場である同国で優位性を維持することを意図している。スズキの世界生産台数に占めるインドのシェアは2025年までに65%に拡大すると予測される。

 インド市場について、LMC Automotiveは急成長しているSUVセグメントに特に重点を置いている。マルチ・スズキと現代自動車は最近、それぞれビターラ・ブレッツァとクレタ(Creta)で成功している。これらは2017年のインド市場におけるSUVのトップ2車種で、2018年4月末までSUVセグメントの販売を牽引し、以前に主力モデルだったMahindra Bolero、Mahindra Scorpio、Ford EcoSportを追い抜いた。LMC Automotiveは、SUVがインドで最も急速に成長するセグメントと見て、今後7年間はCAGR(年平均成長率)12%、2025年までに200万台を超えると予測している。

 日本では引き続き軽自動車やハイブリッド車が市場をリードする。スズキは他の日系メーカーとは異なり、軽自動車以外の製品はほとんど無く、それが日本市場におけるアキレス腱とされている。インドで実施している数件のプロジェクトも含め、トヨタと協力して次世代車両を開発することで、今後数年間に他のグローバル市場で製品ポートフォリオを拡大していく必要がある。

 

スズキのライトビークル販売予測 (LMC Automotive、2018年第2四半期)

(下記10カ国以外の販売予測データはこちらからダウンロード可能です。)
(単位:台)

COUNTRY GLOBAL MAKE 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021
Suzuki Group Suzuki 2,700,525 2,729,865 3,052,819 3,207,840 3,245,848 3,216,462 3,261,504
Toyota 0 0 0 0 7,977 11,572 10,298
Chevrolet 4 20 12 11 0 0 0
Maruti-Suzuki 35,462 36,654 42,985 47,792 19,971 0 0
Total 2,735,991 2,766,539 3,095,816 3,255,643 3,273,796 3,228,034 3,271,802
India Suzuki 1,284,883 1,395,268 1,609,087 1,677,818 1,716,040 1,759,910 1,777,676
Toyota 0 0 0 0 7,977 11,572 10,298
India sub-total 1,284,883 1,395,268 1,609,087 1,677,818 1,724,017 1,771,482 1,787,974
Japan Suzuki 636,730 623,254 666,378 692,698 649,494 585,432 594,581
Pakistan Suzuki 98,510 73,059 87,828 98,519 123,545 144,466 147,662
Maruti-Suzuki 35,206 36,654 42,985 47,792 19,971 0 0
Pakistan sub-total 133,716 109,713 130,813 146,311 143,516 144,466 147,662
Indonesia Suzuki 121,805 91,686 111,660 147,693 155,704 152,857 144,880
China Suzuki 181,350 155,669 119,335 95,606 101,261 95,156 96,408
Chile Suzuki 22,087 24,058 26,718 31,076 31,798 33,052 34,996
Germany Suzuki 30,957 31,392 38,192 41,514 39,484 33,816 34,020
UK Suzuki 34,437 38,167 40,343 36,765 33,862 29,767 31,239
Thailand Suzuki 21,286 22,913 25,011 33,735 28,628 30,544 30,171
Italy Suzuki 18,518 22,596 31,083 32,868 31,039 27,532 28,265

Source: LMC Automotive "Global Automotive Sales Forecast (Quarter 2, 2018)"
* 国名は一部抜粋のため、各国の合計値は表中のSuzuki Group Totalと一致しません。
(注) 1. データは、小型車(乗用車+車両総重量 6t以下の小型商用車)の数値。
2. 本表の無断転載を禁じます。転載には LMC Automotive 社の許諾が必要になります。
   モデル別やパワートレインタイプ別等のより詳細な予測データのご用命、お問い合わせはこちらのページへ


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キーワード
スズキ、トヨタ、インド、アフリカ、グジャラート、Gujarat、電動化、EV、HV、ハイブリッド車、S-エネチャージ、リチウムイオン電池、ISG、MGU、AGS、オートギヤシフト、HEARTECT、Suzuki Safety Support、クロスビー、XBEE、スイフト、Swift

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