デトロイトモーターショー2017(3):日本/韓国/中国メーカーの展示取材

市場の変化に対応して、新型モデルやコンセプトモデルも変化

2017/02/20

要約

 デトロイトモーターショー2017に出展したどのメーカーにも言えることがだが、日韓中のアジアメーカーは米国市場の発展に貢献していることを終始アピールしていた。トヨタは2022年までに100億ドルを米国に投資すると発表した。ホンダは米国で2016年に販売した台数の96%は北米で生産されたと述べた上で、新型モデルに搭載する10速ATをジョージア州タラポーザ(Tallapoosa)工場で生産することを発表した。日産は2016年には100万台以上の車両を米国で生産したこと、1981年より米国に110億ドルの投資を行ってきたことを強調した。モーターショーの後で、現代-起亜(Hyundai-Kia)は、今後5年間で、米国に31億ドルを投資すると発表をした。これまでは主に中国市場に目を向けていた広州汽車(GAC)も、2017年にシリコンバレーに研究開発施設を設立すると発表。

 トヨタはLexus UX、日産はVmotion 2.0、Infiniti QX50、広州汽車はEnSpiritと、日中メーカーは、デトロイトでコンセプトモデルを披露した。いずれも今後、量産モデルに適用すべきスタイリングのテーマが表されている。また、アジアのメーカーが出展する量産モデルは共通して、米国市場に焦点を置いたものになっている。例えば、トヨタの新型Camryは、スポーティーなデザインのグリルが印象的だが、幅広い客層を持つこのブランドのイメージとは切り離されている。ホンダのOdysseyは、広い室内で離れて座る乗員同士を「つなぐ」ための、「つながる」機能を紹介した。広州汽車は米国市場への参入を意識して、SUVとクロスオーバーを出展。日産はRogue Sportが米国のコンパクト・クロスオーバー市場でも成功することを期待しての出展であった。起亜はStingerで、これまで伝統的に欧州メーカーが優勢だったセグメントへ進出しようという意欲を見せている。

 本レポートはデトロイトモーターショーを取材した3本のレポートの3本目で、トヨタ、日産、広州汽車、起亜、ホンダなどのアジアメーカーが出展したモデルを紹介する。米国および欧州メーカーが出展したモデルを紹介したレポートは掲載済みである。
Toyota Camry XSE Trim
Toyota Camry XSE Trim
Kia Stinger
起亜 Stinger



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トヨタ:新型Camry、Lexus LS、Lexus UX コンセプトで、デザインの変更をアピール

 デトロイトモーターショー2017でトヨタが出展したモデルは、CamryやLexus LSなど人気の高いモデルの次世代型が中心であった。どちらのモデルも注目すべき感情を揺さぶるようなスタイルの変更があり、セダン・セグメントに顧客を呼び戻す狙いがある。

2018年型トヨタCamryセダン

Toyota Camry XLE Hybrid
Toyota Camry XLE Hybrid

 Camryは2002年以来、米国でもっとも売れた乗用車であり続けた。今回のデトロイトショーでは、トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー(TNGA)を採用した第8世代のCamryが披露された。TNGAによりボディ剛性の向上、低重心化によって、よりワイドなスタンスが実現でき、スタイリッシュなアッパーグリルとロアグリルの対比が印象的である。先代モデルと比べると、ヒップポイントが低くなっている(ボンネット部分で1.6インチ(約41mm)、ルーフ部分で1.0インチ(25mm))。ボディに沿って流れるキャラクターラインと、新しいデザインのフロント&リアフェンダー、後部のデザインの組み合わせにより、ワイドなスタンスを強調している。新型Camryは前モデルよりも、よりスポーティーな外観となっている。

Toyota Camry 新型Camryでは、3つの新しいパワートレインから選択可能。標準のパワートレインは2.5L直列4気筒エンジンと8速ATの組み合わせで、先代モデルの最大出力178hp、最大トルク170 lb-ft (231Nm)を上回る。他の2つは、3.5L V6エンジンと8速ATを組み合わせたパワートレインと、トヨタ次世代ハイブリッドシステムを採用し、2.5Lエンジンと、モーターを組み合わせた無段変速機(CVT)のパワートレインである。CamryのハイブリッドモデルはPriusと比べても、クラス最高の燃費が達成できるだろうと期待されている。
TNGAの一環で、インテリアはドライバーに焦点を当ててデザインされた。メーター、計器類はドライバーの方を向き、一方、助手席には開放的な空間が提供されている。ドライバーは相互にリンクした3つのディスプレイ(ヘッドアップ・ディスプレイ、メーターパネル内の7インチ・ディスプレイ、インストルメントパネル中央に埋め込まれたインフォテインメントとコントロールシステムの8インチ・ディスプレイ)から情報を得る。またCamryにはトヨタ・セーフティ・センスPという予防安全パッケージが標準装備されている。このパッケージには、歩行者検知機能を搭載した衝突回避支援システム、全車速追従機能付クルーズ・コントロール、ステアリング制御付レーン・ディパーチャー・アラートが含まれる。
2018年型Camryは、2017年晩夏に発売される予定である。生産はケンタッキー州ジョージタウンにあるトヨタ・モーター・マニュファクチャリング・ケンタッキーで行わる。



2018年型Lexus LS 最高級セダン

 2015年の東京モーターショーで初披露されたLexus LF-FCのコンセプトから予想されていたが、デトロイトショーでは、フラッグシップセダンであるLexus LSの第5世代型が発表された。TNGAのうち、後輪駆動式高級車用のプラットフォーム(GA-L)を採用し、Lexus史上最も剛性のあるプラットフォームとなった。またLSは先代モデルより全長も全幅も大きくなっている。プラットフォームの重さのある部分は、低く、できるだけ車体中心部に置かれるので、低重心化が図られている。アウタースライド式のサンルーフやサイドピラーと一体化した6枚のサイドウインドウなどのスタイリング上の特徴によって、Lexus LSは3ボックスセダンのスペースを持ちつつ、4ドアクーペのスタイルも持つ。

Lexus LS Lexus LS Interior
Lexus LS Lexus LS 内装
Lexus LS Lexus LSは、F1で培った技術で開発された、新型3.5LV6ツインターボエンジンを搭載している。最大出力415 hp、最大トルク442 lb-ft (600Nm)を生みだし、先代Lexus LSのV8エンジンを上回る。LC500にも採用されている10速ATが組み合わされる。LSでは後輪駆動が標準だが、全輪駆動式も選択可能。また、フロントにはハイマウント型のマルチリンク式サスペンションを、リアにはアップグレードしたローマウント型のマルチリンク式サスペンションが採用されている。VDIM(Vehicle Dynamics Integrated Management)というシャシーコントロールシステムと、レクサス・ダイナミック・ハンドリングシステム(LDH)という独立したフロント&リアステアリング・システムとで、乗り心地を向上させる。
豪華さはインテリアにも見られる。前席シートは28way調節式パワーシートで、ヒーター、クーラー、マッサージ機能が付いている。後席シートにも同様の機能が付いている。アンビエント照明は日本式の照明をイメージし、木製のトリムとマッチしている。アクティブ・ノイズ・コントロール・システムにより車外の音が軽減され、マークレビンソンの3Dオーディオ・パッケージが質の高いオーディオ体験を提供する。また、12.3インチ・ナビゲーション・ディスプレイと24インチのヘッドアップ・ディスプレイが搭載されている。Lexus Safety System+パッケージが標準装備され、歩行者検知機能を搭載した衝突回避支援システム、全車速追従機能付クルーズ・コントロール、ステアリング制御付レーン・ディパーチャー・アラートが含まれる。
2018年型Lexus LSは、2017年の終わりごろに販売される予定である。生産は日本の田原工場で行われる。



Lexus UXコンセプト 高級クロスオーバー

 このコンセプト車は、2016年のパリモーターショーで初披露され、どのモデルも独自の特徴を持つべきだというアイデアを反映している。これはインテリアとエクステリアのスタイリングが相互に作用することを意識した「インサイド・アウト」というデザインコンセプトに基づくものである。エクステリアとインテリアがキャビンを中心にしたX状の線でつながった流れがそれを表している。わずかに透明なAピラーも、このデザインテーマを具現化している。後席シートのヘッドレスト主構造からキャビンへ車体が流れているのも同様である。スピンドルグリルが進化して、より立体感のある外観をもたらし、さまざまなキャラクターラインが組み合わさることでUXの奥深さを際立たせている。ホイールのリムがゴムへ伸びているようなデザインで、タイヤでさえも「インサイド・アウト」というテーマをサポートする。

Lexus UX Concept Lexus UX Concept Interior
Lexus UX Concept Lexus UX Concept 内装
Lexus UX Concept インテリアはスポーティーなドライビングと乗員の快適性の両立をサポートしている。前席には、“Kinetic Seat Concept”を採用したクモの巣パターンのネットシートを用いて、人の動きをシート上で再現するよう設計された。後席は、後部ドアと部分的に一体化したラウンジソファーのようなシートが特徴的である。車室内に使われている技術として、電子技術を駆使した調光ガラスやサイドミラーの代わりにカメラを内蔵した電子ミラーが挙げられる。


日産:Rogue Sportやコンセプトモデルでスタイリングと技術の両方をアピール

 デトロイトモーターショー2017で日産が出展したモデルは、スタイリングとターゲットの観点から、日産の今後の方向性を示している。Rogue SportとInfiniti QX50は日産がSUVのラインナップに力を入れていることを示しているのに対して、Vmotion2.0がセダンのデザインと自動運転技術の使い方の方向性を示している。

2017年型日産Rogue Sportコンパクト・クロスオーバーSUV

 2017年型Rogue Sportは、都市部で変わらず使われているセダンより、もっと収納性や使い方に柔軟性のあるクルマを求める顧客のためにデザインされた。Rogue SportはRogueと比べて、ホイールベースが2.3インチ(約58mm)短く、全長は12.1インチ(約307mm)短くなっており、操縦性が向上している。2列目のシートを折りたたむと、61.1立方フィート(約1,730リットル)の荷室スペースが生まれる。ディバイド&ハイド・カーゴシステム(Divide-N-Hide Cargo System)により状況に応じて荷室スペースを調節でき、またハッチバックドアにより荷物の出し入れが楽になる。エクステリアでは大きなフェンダー、シャープなエッジ、切れのあるボディ側面下部が存在感をアピールする。

Nissan Rogue Sport Nissan Rogue Sport Interior
Nissan Rogue Sport Nissan Rogue Sport 内装
Nissan Rogue Sport 最大出力141 hp、最大トルク147 lb-ft (200Nm)を生み出す2.0L直列4気筒エンジンが標準装備され、無段変速機と組み合わさる。前輪駆動式が標準だが、全輪駆動も選択可能である。運転支援システムとしてセーフティ・シールド(Intelligent Safety Shield)パッケージが装備され、ブラインド・スポット・ウォーニング(Blind Spot Warning)、リア・クロス・トラフィック・アラート(Rear Cross Traffic Alert)、エマージェンシー・ブレーキ(Forward Emergency Braking)、車線逸脱防止支援システム(Lane Departure Prevention)が含まれる。標準装備には、ヒルスタート・アシスト(Hill Start Assist)、アクティブライド・コントロール(Active Ride Control)、ビークル・ダイナミクス・コントロール(Vehicle Dynamic Control)、トラクション・コントロール・システム(Traction Control System)なども含まれる。NissanConnectインフォテインメント・システムはスマートフォンやシリウスXMのサービスと連携しての利用が可能である。
2017年型Rogue Sportは2017年春に販売される予定である。生産は日本の九州で行われる。



日産Vmotion 2.0 Concept セダン

 Vmotion 2.0 Conceptがデトロイトショーで初披露された。日産の今後のデザインにおける方向性と、インテリジェント・モビリティ(Intelligent Mobility)技術をAltimaと同じサイズのセダンにも適用する可能性の両方が、このコンセプトモデルに込められている。重要な側面のひとつは、MuranoやMaximaといったモデルにも見られるV-モーションというフロントデザインの進化である。Vmotion 2.0のグリルは立体的な外観で、フロントからリアに流れるキャラクターラインによって際立っている。自動運転をしているときには、グリル上の日産エンブレムの周りのライトが自動運転中であることを示すために点灯する。シルバースレッドを施したカーボン製のフィニッシャーが、エモーショナルなデザインに加え、流線的なルーフの上でアクセントとなっている。

Nissan Vmotion 2.0 Concept Nissan Vmotion 2.0 Concept Rear View
Nissan Vmotion 2.0 Concept Nissan Vmotion 2.0 Concept リアビュー
Nissan Vmotion 2.0 Concept 2020年までに完全自動運転の実現を目指して、リアディフューザーもプロパイロット(ProPilot)自動運転システムが作動すると点灯するようになっている。ブーメランのようなスタイルのテールライトはこのコンセプタカーの幅広さを表現し、ラップアラウンド・リアウインドウと流線的なCピラーが空力的な外観を与えている。Vmotion 2.0のドアは観音開きになっていて、ピラーに邪魔されることなく、広々とした車内へ乗員を誘う。ドライバーや乗員にインフォテイメント・システムがしっかり見えるようにハンドルは通常より低い位置に設置されている。センターコンソールには多機能タッチパッドが組み込まれ、後席の乗員には別のタッチパッドが後方に付いている。個別のレザーシートが快適性を提供して乗員をサポートし、ボーズのUltraNearfieldスピーカーが方向性サウンドを実現する。



Infiniti QX50 Conceptコンセプト 中型SUV

 生産が間近のコンセプトモデルということで、Infiniti QX50は「パワフル・エレガンス」というデザイン言語を持つ新しい技術を組み合わせ、デトロイトで発表された。そのスタイリング・インスピレーションは、2016年の北京モーターショーに出展したQX Sport Inspirationのコンセプトに由来し、どっしりとした構え、ボンネットからショルダーに広がる真っすぐなキャラクターラインと貝殻のようなボンネットが特徴的で、実際よりも長く見せる。ダブルアーチ・グリルはフロント部分に視線を集め、クレセントカットのDピラーはクルマをより長く見せるのに一役買っている。エクステリアにも実用的役割があり、キャビン前方の側面とハッチドアをより垂直にしたことで、車内空間が広がった。クレセントカットのDピラーは乗員にとっても見栄えがよい。

Infiniti QX50 Concept Infiniti VC-Turbo Engine
Infiniti QX50 Concept Infiniti VC-Turbo エンジン
Infiniti QX50 Concept インテリアは木とレザーとスティッチの組み合わせで、異なるタイプのレザーを織り交ぜ、3トーンの異なる風合いを出している。ダッシュボードとインストルメントパネルを覆うようなタッチスクリーンHMIが車内でドライバー席と助手席の間を明確にする。路上の障害物を認識する技術に積極的に取り組んでいたので、QX50 コンセプトでは、さまざまな道路上の危険を認識して事前に備える自動運転技術が盛り込まれている。前方衝突予測警報(Predictive Forward Collision Warning)やダイレクト・アダプティブ・ステアリング(Direct Adaptive Steering)、アクティブ・レーン・コントロール(Active Lane Control)などのシステムはレザースキャナーやレーダー、カメラを用いて、情報をひとつにまとめる。他の大きな特徴としては、量産型として世界初の可変圧縮比エンジンであるVC-Turboが搭載されることが挙げられる。2.0L 4気筒ターボエンジンVCターボは、状況に応じて圧縮比を変えることができ、他の4気筒ターボエンジンよりも高い出力とトルクを生成する。


広州汽車:初のメインフロア出展はGS7、GE3、EnSpiritなどSUVを披露

 デトロイトモーターショー2017の広州汽車(GAC)の出展で注目すべきことは、中国の自動車メーカーで初めてメインフロアで展示したことである。広州汽車が米国市場に参入する時期について、厳密なスケジュールは入手できていないが、この出展がGACのブランドと存在感をグローバルに展開していくという目標を示した。

2018年型Trumpchi GS7 中型SUV

Trumpchi GS7
Trumpchi GS7

 クロス・プラットフォーム・モジュラー・アーキテクチャー(G-CPMA)が開発され、社内技術を集結させた広州汽車の独自のデザイン要素からなるSUV、2018年型Trumpchi GS7を発表することで、グローバルな顧客の獲得を目指す。5人乗りのSUVで、“Flying Dynamics 2.0” グリル、上に向かったキャラクターライン、活発さを表現するクロームトリムが特徴。ホイールベースは107.1インチ(約2,720mm)あり、パワフルなスタンスを見せるだけはなく、同クラスのモデルと比べても車内空間が広くなっている。インテリアには10インチのセンター・タッチスクリーン、マルチway調節式レザーシート、ワイヤレス機器の充電器、自社製のIn-Joy HMI システムがある。

GS7 GS7は第2世代の320T 2.0L直列4気筒エンジンを採用している。最大出力は198 hp、最大トルク236 lb-ft (320Nm)である。このエンジンには6速ATが組み合わさり、全駆動式やマクファースン・プラス・マルチリンク・サスペンション・システムも併せて採用する。320Tエンジンと6速ATは自社で開発されたものである。GS7の予防安全装備には、ブレーキ・アシスト・システム(Brake Assist System)、前方衝突予測警報システム(Forward Collision Warning System)、車線逸脱警報システム(Lane Departure Warning System)が含まれる。
2018年型Trumpchi GS7は、中国で2017年2月に販売される予定である。



2018年型 Trumpchi GE3クロスオーバーEV

Trumpchi GE3
Trumpchi GE3

 他にデトロイトで世界初披露されたGACのモデルに、電気自動車のクロスオーバー、2018年型Trumpchi GE3がある。これには、広州汽車のエコカー戦略である“green vehicle strategy”の一環として開発された新エネルギー車のプラットフォームが採用されている。コンピューター・グラフィックにおけるモデリングの手法の一つ、ポリゴン減らした低ポリ(low-poly)形状デザインが特徴である。クルマ全体のデザインを通して、シンプルな三角形を用いていることからも、このデザインテーマがうかがえる。これらの形状はヘッドライト、テールライト、“Flying Dynamic”グリルにも見られ、クリーンなイメージをつくっている。インテリアにはより清々しい印象を与えるために、ソフトタッチ・カーボンファイバーの布地や幾何学的要素が用いられている。

GE3 GE3のパワートレインには、最大出力161 hp、最大トルク214 lb-ft (290Nm)の磁石式同期モーターが採用されている。新欧州ドライビングサイクル(NEDC)に基づいた測定では、航続距離193マイル(約311km)を可能にする、47 kWhリチウムイオン・バッテリーを搭載。このバッテリーは6.6 kW の充電器を使えば、8時間でフル充電が可能である。DC (直流) 急速充電も可能で、60 kWの充電器を使えば、30分でバッテリーの80%の充電が可能である。
2018年型Trumpchi GE3は、中国で2017年6月に販売される予定である。



EnSpiritコンセプト ハイブリッドクロスオーバー

 EnSpiritは、フリーダムとエキサイトメントというコンセプトに基づいた柔軟性のあるクルマを目指した、セダン、SUV、コンパーチブルの性質を兼ね備えたプラグイン・ハイブリッドである。吼えるライオンをイメージした、フロント部分に3つのLEDプロジェクターが付いたアグレッシブなフロントバンパーと“Flying Dynamic”グリルと一体化したヘッドライトが特徴である。ファーストバックス・タイルのコンバーチブルの幌、ブーメラン形状のクロームトリム、羽根状のテールライト、シャープなキャラクターラインが、EnSpiritのユニークな性質を物語っている。インテリアではドアパネルやコンソール、シートに竹製のトリムが用いられている。

GAC EnSpirit Concept GAC EnSpirit Concept Interior
GAC EnSpirit Concept GAC EnSpirit Concept 内装
GAC EnSpirit Concept 自社開発のモーターと1.5L直列4気筒アトキンソン・サイクル・エンジンによりパワーが生み出される。詳細な出力の仕様は公表されていないが、モーターだけのモードで、62マイル(約100km)の走行が、ガソリン・タンクが満タンの状態なら、430マイル(約692km)の走行が可能。また、最高時速約100マイル(約161km)で、複合燃費は180 mpgに相当する。コンセプト車では、車から降りた後の「ラストマイル」の移動手段を考え、ワイヤレス充電式の電動スケートボードが2台トランクに積まれている。


起亜:StingerとSoul Turboでその高性能をアピール

 デトロイトモーターショー2017における起亜の出展は、Stingerの初披露を中心に展開した。“起亜の歴史上もっとも高性能な量産車”と銘打ってStingerを発表し、欧州の高級自動車メーカーが伝統的に優位に立っているセグメントに参入する。

2018年起亜 Stinger スポーツ・セダン

 今回のデトロイトモーターショーで最も期待の高かったモデルのひとつであり、2011年のフランクフルトモーターショーで紹介されたGT Conceptのコンセプトをベースにして、デトロイトで初披露された。5人乗りのファーストバック・スポーツセダンで、「グランツーリスモ」から着想を得てデザインされた。つまり、長距離ドライブのためのクルマで、快適性、豪華さ、優雅さ、性能を重視している。エクステリアにはファーストバックス・タイルの側面、低車高、傾斜したフロントガラスとバックライト、幅広いフロント&リアトラックがあり、力強い自信が感じられる。どっしりとした構えは、力強いショルダー、長いルーフ、短いフロントオーバーハング、伸びたホイールベース、長いリヤオーバーハングから見てとれる。

Kia Stinger Kia Stinger Rear View
起亜 Stinger 起亜 Stinger リアビュー
起亜 Stinger Stingerは、ホイールベースが114.4インチ(約2,906mm)あり、Audi A4、BMW 4 Gran Coupe、Mercedes CLSなどの競合車よりも長い。また、全長190.2インチ(約4,831mm)、全幅73.6インチ(約1、869mm)と、同セグメントの他モデルよりも長く、室内と荷室にも広い空間が与えられている。シャシーの55%がAHSS(advanced high strength steel)を使っているため、剛性が高く、NVH特性も向上されている。2つのドライブトレインから選択可能である。標準装備は、最大出力255 hp、最大トルク260 lb-ft (353Nm)の2.0L直列4気筒ターボエンジンである。オプションで、3.3LV6ツインターボエンジン(最大出力365 hp、最大トルク376 lb-ft (510Nm))も選択可能。どちらのエンジンにも8速ATが組み合わさる。後輪駆動式と全輪駆動式が選択でき、全輪駆動式ではダイナミック・トルクベクタリング・コントロール(Dynamic Torque Vectoring Control)システムを採用し、必要に応じてトルクを変化させることができる。
Stingerには、不注意運転などを防ぐドライバー・アテンション・アラート(DDA)システムなどいくつかの運転支援技術が採用されている。他に、前方衝突防止支援(Forward Collision Assistance)、自動緊急ブレーキ(Autonomous Emergency Braking)、ASCC(Advanced Smart Cruise Control)、レーン・キープ・アシスト(Lane Keep Assist)、リヤクロス・トラフィック・アラート(Rear Cross Traffic Alert)などのシステムもある。高さ調節可能なヘッドアップ・ディスプレイ、ワイヤレス機器の充電器、UVOテレマティクスが利用できる7インチ・タッチスクリーン、高性能なオーディオシステムなど、コネクティビティやインフォテインメントのオプションにもその先進技術が見られる。
2018年型Stingerは、米国で2017年の終わりごろに販売される予定である。



2017年型Soul Turboコンパクト・クロスオーバー

Kia Soul Turbo
起亜 Soul Turbo

 2016年11月のロサンゼルスモーターショーで北米デビューを果たした2017年型Soul Turboは、現行のSoulに、トリム上の特徴が加わった他、新しいパワートレイン 最大出力201 hp、最大トルク195 lb-ft (264Nm) の1.6L直列4気筒ターボエンジンを採用。これはSoulに搭載されていた2つのパワートレイン(最大出力130 hp、最大トルク118 lb-ft (160Nm) の1.6L直列4気筒と、最大出力161 hp、最大トルク150 lb-ft (203Nm) の2.0L直列4気筒)と対照的である。このエンジンにより、燃費が改善され、以前の2つのエンジンの燃費が平均27mpgであるのに対し、こちらは28mpgである。このエンジンには7速デュアル・クラッチ・トランスミッションが組み合わさる。

 追加されたトリムには、専用の18インチホイール、赤のアクセントが付いたボディトリム、グリルの上のクロームトリム、デュアル・クローム・ツインチップ・キゾーストパイプ、ユニークなSoulロゴのテイルゲイトバッジがある。インテリアには、革巻きD型ハンドル、プッシュスタートボタン、ハーマンカードンのオーディオシステム付きUVO3テレマティクス&インフォテインメント・システムが加わった。運転支援システムには、リヤクロス・トラフィック・アラート(Rear Cross Traffic Alert)、死角検出(Blind Spot Detection)がある。2017年型Soul Turboは、韓国、光州で生産されている。現在発売中である。



ホンダ:人気のミニバン、Odysseyの次世代型を初披露

 デトロイトモーターショー2017で新型Odysseyを発表したホンダは、米国におけるミニバンのセグメントで、他のメーカーからの追随がある中、セグメントリーダーという位置づけを維持することを目標としている。新型Odysseyは、快適性や利便性をサポートする技術の提供に重点をおいているだけでなく、性能やスタイルにも改善が見られる。

2018年型ホンダOdyssey ミニバン

Honda Odyssey
Honda Odyssey

 7年連続で米国でもっとも売れたミニバンの一つであり、2018年型Odysseyからは、快適性や利便性を提供する技術や特徴を追加することで、その人気を確固たるものにする狙いがうかがえる。超高張力鋼、アルミニウム、マグネシウムが含まれた材料からできた新型ボディなど、ミニバンの性能を高めるためのさまざまな変更が見られる。これらの材料を使うことにより、先代モデルよりも、重量を96ポンド(約43.5kg)も減らし、ねじり剛性は44%も増加した。エクステリアでは、空力を向上させる新しい外装と、燃費を向上させるアクティブ・シャッター・グリル(Active Shutter Grille)が特徴である。

 「つながる」というコンセプトに基づき、Odysseyでは「つながる」装備の重要性を強調している。8インチ画面のオーディオ・タッチスクリーンがインストルメントパネルに組み込まれ、Apple CarPlayやAndroid Autoも利用可能である。後席乗員は、スマートフォンのアプリで操作するルーフ付けリア・エンターテインメントシステムが楽しめる。“CabinWatch”カメラシステムで、昼間も夜もドライバーや前席乗員から2列目と3列目の乗員が見え、“CabinTalk”システムで、ドライバーは後席乗員とスピーカーやヘッドフォーンで会話ができる。他には、マジック・スライドシートがあり、これは2列目のシートを、収納スペースや、3列目へのアクセスなど必要に応じて、調節できる。安全運転支援システム「ホンダ・センシング」が、上位のトリムレベルで標準装備になっており、衝突被害軽減ブレーキ(Collision Mitigation Braking System)やレーン・キープ・アシスト(Lane Keeping Assist)、路外逸脱抑制機能(Road Departure Mitigation)、アダプティブ・クルーズ・コントロール(Adaptive Cruise Control)が含まれる。

Honda Odyssey Odysseyには3.5L V6直噴i-VTECエンジンが搭載され、280 hpの出力を生み出す。前モデルと比べ、32 hpもアップしている。トリムレベルによって、エンジンには9速か10速のATが組み合わせられ、前輪駆動式である。改良された空力デザインと合わせて、Odysseyはこのクラス最高の性能と燃費を実現する。他には、デュアルピニオン電動パワーステアリング(Dual-Pinion Electric Power Steering)システム、より強化されたブレーキ・システム、インテリジェント・トラクション・マネージメント(Intelligent Traction Management)システム、制御の安定性を図るアジャイル・ハンドリング・アシスト(Agile Handling Assist)がある。
2018年型Odysseyは、2017年春に販売される予定。新型Odysseyとそのエンジンはアラバマ州のリンカーン(Lincoln)工場で生産される。10速ATはジョージア州のタラポーザ(Tallapoosa)工場で生産される。


スバル:新しい性能と安全装備をもって新型WRX、WRX STI を発表

 デトロイトモーターショー2017では、プレスコンファレンスこそなかったものの、スバルは新型のWRXとWRX STIを出展し、米国市場における存在感を誇示した。この2つのモデルはセダンのセグメントにおいて性能に焦点を絞っている。

2018年型スバルWRX、WRX STI スポーツ・セダン

 2018年型のWRXとWRX STIは、改善された性能と快適性を強調した変更が特徴である。どちらのモデルもエクステリアでは、新しいスタイルのフロント外観、より特徴的なグリル、より大きいローワー・グリル・オープニングが目立つ。室内騒音は、より厚くなった窓ガラスやドアシーリングなどにより軽減された。どちらのモデルもより大きな多機能ディスプレイが搭載され、7インチのSTARLINKインフォテインメント・システム、ビークル・ホールド(Vehicle Hold)やアイサイトの状態や警報をフロントガラスに表示するアイサイト・アシスト・モニターが付いたアイサイト運転支援システムが利用可能である。

Subaru WRX Subaru WRX STI
Subaru WRX Subaru WRX STI
Subaru WRX/WRX STI デザインは刷新されたが、パワートレインは前モデルと変わらず同じである。WRXは2.0L水平対向4気筒のボクサーエンジンで、最大出力268 hp、最大ルク258 lb-ft (350Nm)。一方WRX STIは、2.5L水平対向4気筒ターボのボクサーエンジンで、最大出力305 hp、最大トルク290 lb-ft (393Nm)である。WRXはシンメトリカルAWD(Symmetrical All Wheel Drive)とアクティブ・トルク・ベクタリング(Active Torque Vectoring)が特徴で、WRX STIでは、全輪駆動用のドライバーズ・コントロール・センター・デフ(Driver Control Center Differential)が特徴である。どちらのモデルも安定性と快適性を向上させるため、新しいサスペンション・システムを採用している。WRXとWRX STIでは6速MTが標準装備だが、WRXでは無段変速機(CVT)も選択可能である。

2018年型WRX、WRX STIは、どちらも米国市場で2017年春に販売を開始する。



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