三菱自動車(下):2013年度から欧米の収益が回復し、連結収益に貢献

優先株式を全量処理し、16年ぶりに復配

2014/08/14

要 約

地域別小売台数

地域別営業利益

 本レポート「三菱自動車(下)」は、順調に拡大する2013年度・2014年4~6月期連結業績、地域別販売・収益の状況と2014年初めに実施した資本再構築および16年ぶりの復配について報告する。

 三菱自の2013年度連結営業利益は前年度比83.2%増加し、また2014年4~6月期の売上高が前年同期比25.5%増、営業利益が93.1%増加するなど順調に拡大している。新中期経営計画の2016年度の目標である営業利益1,350億円を、2014年度に2年前倒しで実現するとしている。

 三菱自動車が2013年11月に発表した新中期計画では、「新興国市場を基盤とした成長戦略」を掲げ、特にアセアン市場の成長を取り込むとしている。しかし急成長してきたアジア地域では、最大市場であるタイの販売不振のため売上高、利益の拡大はやや足踏みしている。

 一方、北米と欧州では、売上と利益が回復している。営業赤字が続いていた北米では、2014年度に営業損益ブレークイーブンへの回復を見込む。欧州事業は2013年度に営業黒字化、2014年4~6月期は126億円の営業利益を計上し、世界全地域中最大の収益源となった。三菱自は、「復活した欧州事業をアセアンに次ぐ第二の収益の柱として強化する」としている。欧米での収益の回復が、好調な連結業績に貢献している。

 三菱自は2014年初めに、公募増資および第三者割当増資で2,540億円を調達し、三菱グループ4社が保有していた優先株式の6割強を買い戻し消却。また残りの優先株式は普通株式に転換され、優先株式を全量処理した。これにより復配が可能になり、16年ぶりの配当(1株当たり25円)を実施した。


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