デトロイトモーターショー 2014 (2):欧州メーカーの展示取材

欧州モデルの未来を示す高性能車とコンセプト車

2014/02/12

要 約

Mercedes-Benz C-Class
Mercedes-Benz C-Class

 2014年北米国際自動車ショー (デトロイトモーターショー 2014) は1月13日から26日まで開催された (一般公開は18~26日)。

 2013年の世界自動車販売は増加したが、欧州では依然として不振が続き、前年より1.7%減少。このことは、デトロイトモーターショーにおける欧州メーカーの展示にも反映されていた。他地域のメーカーが革新的・未来的なコンセプトを出展し、思い切ったモデル計画を立てているのに対し、欧州メーカーの多くは実用的なモデルやコンセプトを出展し、技術の着実な進展を披露した。

 VWは史上最もパワフルなGolfを出展する一方、Passat BlueMotionやBeetle Duneコンセプトを展示した。DaimlerはMercedes-BenzブランドのC-Class、GLA45 AMG、フラッグシップモデルのS600を初公開。BMWは2 Series、M3セダン、M3クーペを発表し、Porscheは911 Targaに追加する高性能モデルを出展した。

 本レポートは、デトロイトモーターショー2014の展示取材レポート全3本の2本目で、欧州メーカーの展示を取り上げる。VW, Daimler, BMWの展示概要を紹介するほか、Jaguar, Volvo, Porscheの展示についても触れる。1本目のレポートは米国メーカーの展示を紹介した。近く掲載される3本目のレポートは、アジアのメーカーの展示を取り上げる。

関連レポート:

デトロイトモーターショー 2014 (1):米国メーカーの展示取材
•デトロイトモーターショー 2014 (3):日本/韓国メーカーの展示取材


VWは複数のコンセプトを初公開、Audiは高級モデルを出展、PorscheはTargaを展示

 VWブランド車の展示は、真っ白なフロアと壁をバックに様々な色の照明に照らされ、モダンな印象を与えるもので、VWが出展したいくつかのコンセプトとよく調和していた。一方、Audiの展示は非常にシンプルであり、Porscheの展示は新型911 Targaが中心であった。

2015年型VW Golf R 5ドアハッチバック

Volkswagen Golf R VW Golfの量産モデルの中で最もパワフルなGolfがデトロイトで初公開された。2015年型Golf Rは、最高出力290 hp、最大トルク280 lb-ftを発生させる新世代の2L 4気筒ターボチャージャー付き直噴エンジンを搭載し、VWの最も新しいフラッグシップモデルとして登場した。 トランスミッションは初めて、6速MTか6速DSG (デュアルクラッチトランスミッション) のいずれかから選択できるようになった。6速MT仕様は0-62 mph加速が5.3秒、6速DSG仕様は同4.9秒。出力は増加しているが、2015年型Golf Rの推定ハイウェイ燃費は31 mpgである。
駆動方式は4MOTION と呼ぶ四輪駆動で、走行状況に応じて前輪駆動に切り替わり、燃料を節約する。 また、運転スタイルによって3つのモードを選択できるESCも標準装備。スポーツ走行向けに調整したスポーツサスペンションや、ステアリングのレスポンスを向上させる新開発のプログレッシブ・ステアリングも搭載する。プログレッシブ・ステアリングは累進的なギヤ比を採用し、低速走行時には少ないステアリング操作で快適な取り回しが可能。
2015年型Golf Rは外観も一目で "R" とわかるスタイルで、フロントバンパーには大きな空気口、ラジエーターグリルには "R" のロゴ、ヘッドライトケースには一体化されたLEDデイタイムランニングライトが備わっている。車の後方には、4本のクロームテールパイプが突き出し、トランクリッドには "R" のロゴが見える。車内の装備には、本革の表皮を付けたスポーツシート、自発光式インスツルメントパネル、5.8インチのタッチスクリーン(近接センサー付き)等がある。
2015年型VW Golf Rは2015年第1四半期に発売される予定で、生産はドイツにあるVWのWolfsburg工場で行われる。販売価格はまだ発表されていないが、ベース価格は35,000ドル前後と推定される。
Volkswagen Golf R
Volkswagen Golf R

 

VW Beetle Dune コンパクトカーコンセプト

Volkswagen Beetle Dune Concept 量産モデルになる可能性があるVW Beetle Duneコンセプトは、Beetle R-Lineにオフロードテイストを加えたモデル。パワートレインはR-Lineと共通で、最高出力210 hp を発生させる2.0L 4気筒直噴ターボエンジンと6速デュアルクラッチトランスミッション(DSG)を搭載。やはりR-Lineと同じく駆動方式は前輪駆動、サスペンションは前にストラット式、後ろにマルチリンク式を採用している。Beetle Duneの推定燃費はシティモードが23 mpg、ハイウェイモードが29 mpgである。
Beetle DuneコンセプトとBeetle R-Lineの違いは、その外観にある。Beetle Duneは全幅が2.2インチ広く、全長が0.5インチ長く、全高が0.8インチ高い。最大の違いは、オフロード向けに最低地上高が2.0インチ高いことである。 フロントは、中央が盛り上がり左右にエアベントが設けられた新デザインのエンジンフードと、中央の大型エアインテークが特徴。リアは、リアスポイラーとルーフスポイラーに、スキーやスノーボードを運搬するスキーキャリアが装着されている。

Beetle Duneのインテリアも変更されており、従来、助手席側のダッシュボード上にあった2つ目のグローブボックスは、グラブハンドルに置き換えられた。また、Beetle Duneは、7.7インチの高精細タッチスクリーンを使用するインフォテインメントシステムを採用している。

Volkswagen Beetle Dune Concept Front View
Volkswagen Beetle Dune Concept (前から)
Volkswagen Beetle Dune Concept Side View
Volkswagen Beetle Dune Concept (横から)

 

VW Passat BlueMotion 中型セダンコンセプト

Volkswagen Passat BlueMotion Concept VWが発表したもう一つのコンセプト、Passat BlueMotionコンセプトは、ハイブリッドではないガソリン車の中型セダンがどれほど低燃費になれるかを証明するモデルである。同コンセプトは最高出力が150 hp、最大トルクが180 lb-ftであるにもかかわらず、ハイウェイ燃費は42 mpgを達成。搭載する1.4L 4気筒ターボチャージャー付き直噴エンジンは、アクティブ・シリンダー・マネジメント(ACT) を採用する。ACTは、エンジンへの負荷がない場合や低い場合に2気筒を休止して、燃料を節約する。
 同車の他の低燃費装備は、コースティング機能とアイドリングストップシステムである。ドライバーがアクセルペダルから足を放し、コースティングを開始すると、トランスミッションはエンジンを切り離し、機械的抵抗を低減する。アイドリングストップシステムは、車両が止まるとエンジンを停止することにより、燃費を改善する。ドライバーがブレーキペダルから足を放すと、エンジンは再スタートする。
Volkswagen Passat Bluemotion Concept
Volkswagen Passat BlueMotion Concept
Volkswagen Passat Bluemotion Concept Interior
Volkswagen Passat BlueMotion Concept の計器盤とステアリング

 

Audi allroad shooting brake クロスオーバーコンセプト

 

Audi allroad shooting brake Audi allroad shooting brake コンセプトは、Audi TT, Audi quattro, Audi allroadなどAudiの他のモデルの概念を組み合わせたモデルである。たとえば、Audi quattroと同等の性能を実現する同コンセプトのパワートレインはプラグインハイブリッドで、2.0L 4気筒ターボチャージャー付きエンジンと2つの電気モーターで構成される。モーターのうち、一つはエンジンと共に作動し、もう一つはリアアクスルに設置。システム全体で最高出力408 hp、最大トルク479 lb-ftを発生する。リチウムイオンバッテリーも搭載し、EV走行可能距離は31マイル。デュアルクラッチトランスミッションとドライブセレクトマネジメントシステムを組み合わせることにより、同コンセプトの0-62 mph 加速は4.6秒、航続可能距離は510マイル。
Audi allroadのデザインの一部を共有する同コンセプトは、少し後方に傾いた大型六角形グリルを搭載。マトリックスLED技術を採用した控えめな印象のヘッドライトは、以前のquattroコンセプトのデザインを取り入れたものである。車両後方には、2本の排気テールパイプを統合するディフューザーと、オープンルーフスポイラーがある。Audi allroad shooting brakeコンセプトのボディパネルには、アルミと炭素繊維強化樹脂 (CFRP) が使用されている。
同コンセプトにおけるヒューマンマシンインターフェース(HMI) システムは、全米家電展示会(CES)に出展されたAudi TTのインテリアのものとよく似ている。12.3インチのTFT液晶ディスプレイは走行モードに応じて一連の情報を表示し、センターコンソール上のマルチメディアターミナルは、ドライバーの好みに応じて調整できる。
Audi allroad shooting brake concept
Audi allroad shooting brake concept

 

2015年型Audi Q3 コンパクトクロスオーバー

Audi Q3 北米で初公開されたAudi車2車種のうち、2015年型Audi Q3はAudi初のプレミアムコンパクトSUVで、他のAudiの大型車に見られるような高度で高級な装備を数多く搭載している。標準では2.0L 4気筒直噴ターボ (TFSI) エンジン (最高出力200 hp、最大トルク207 lb-ft) を搭載。また、標準では6速トランスミッションと前輪駆動方式だが、オプションで四輪駆動方式とドライブセレクトシステムを選択できる。
エクステリアは、低いルーフライン、フラットなDピラー、ややカーブしたラップアラウンドデザインのテールゲートが特徴。キセノンヘッドライト、LEDデイタイムランニングライト、LEDテールライトを搭載し、 サイドミラーカバーにはLEDの方向指示器が組み込まれる。また、標準装備として、電動サンシェード付きパノラマサンルーフも搭載する。
 インテリアでは、12段階調整式電動本革フロントシート(シートヒーター付き)やLEDの車内灯が標準装備。シートベルトテンショナー(前席)、シートベルトフォースリミッター(前後席)、Audiヘッドレストシステムも搭載する。また、車速に応じてアシスト量を変える車速感応式パワーステアリングとESCも搭載する。
2015年型Audi Q3は2014年秋に米国市場で発売される予定。当初は、現在Audi Q3が生産されているスペインのMartorell工場か、VW Tiguanが生産されているドイツのWolfsburg工場で生産される。
Audi Q3
Audi Q3

 

2015年型Audi A8とS8 ラグジュアリーセダン

Audi A8&S8 Audi A8とS8の改良モデルも、今回のデトロイトモーターショーで北米デビューを果たした。2015年型Audi A8には、スポーティなS8を含む5つのバージョンが設定される。改良された点は、Audi A8 TFSI Quattroモデルの4.0L V8 ターボエンジンの最高出力が420 hpから435 hpに 引き上げられたこと。S8モデルの最高出力は改良前と同じ520 hpである。
フロントデザインも改良され、LEDヘッドランプが標準装備、エンジンフードも新デザインとなった。リアデザインは、テールランプが新しくなり、断面が台形のテールパイプを採用。インテリアでは、静かな車室を目指して騒音対策が改善され、収納スペース拡大のため、トランクルームのパッケージングも見直された。
改良型Audi A8は、車線逸脱時にステアリングの自動修正を行うアクティブレーンアシスト、二次衝突被害軽減システム、赤外線カメラで夜間の視界をサポートするナイトビジョンアシスタント、ヘッドアップディスプレイシステムなど多数の新しい運転支援装備も採用している。
改良型Audi A8とS8は2014年夏に米国で発売される。生産はドイツのNeckarsulmにあるAudi工場で行われる予定。
Audi A8L
Audi A8L
Audi A8L Engine Compartment
Audi A8L のエンジンルーム

 

2014年型Porsche 911 Targaクーペ

Porsche 911 Targa 2014年型Porsche 911 Targaは今回のデトロイトモーターショーで世界初公開された。Targaには2仕様あり、911 Targa 4には3.4L水平対向6気筒エンジン (最高出力350 hp、最大トルク287 lb-ft) を搭載。標準装備の7速MTと組み合わせて、0-60 mph加速が5秒、最高速度は175 mph。911 Targa 4Sには3.8L水平対向6気筒エンジン (400 hp、325 lb-ft) を搭載。7速MTの場合、0-60 mph加速は4.6秒、最高速度は183 mph。両仕様ともオプションで、デュアルクラッチ7速PDKトランスミッションを選択できる。
おそらく911 Targaで最も注目される装備は、自動開閉できるルーフシステムだろう。ボタンを押すと、リアウインドウが後ろに回転するように起き上がり、ソフト素材のルーフトップがタルガバー (Targa特有のロールバー) から離れ、後部座席の後ろに収納される。ルーフの開閉操作は、車両が停止している時にしか行えない。
 911 Targa 4と4Sは、いずれも標準で四輪駆動方式とPorscheトラクションマネジメントシステムを搭載。このシステムは、道路や走行状況に合わせてトラクションを改善するために、駆動力を最適に配分する。また、両仕様とも、標準でダイナミックレンジコントロールを備えたバイキセノンヘッドライトを搭載。標準装備のスポーツシートは、911 Targaのスポーツ性を際立たせている。
2014年型Porsche 911 Targaは2014年夏に発売される予定。ベース価格は101,600ドル。
Porsche 911 Targa 4
Porsche 911 Targa 4
Porsche 911 Targa 4S
Porsche 911 Targa 4S

 



Daimlerは未来を見据えて、フラッグシップS600、C-Classセダン、GLA45 AMGを出展

 Daimlerの展示は、Audiの展示とよく似た非常にシンプルなものだった。大半のモデルはただウッドパネルの上に置かれ、その存在を主張していた。

2015年型Mercedes-Benz C-Classセダン

Mercedes-Benz C-Class Daimlerが「最も重要な車」と呼ぶ2015年型Mercedes-Benz C-Classは、Mercedesブランドの最量販シリーズの後継車として初公開された。新型C-Classには2仕様あり、C300 4MATICは2.0L直4ターボエンジン (最高出力235 hp、最大トルク273 lb-ft) 、C400 4MATICは3.0L V6 ターボエンジン (329 hp、354 lb-ft) を搭載する。また、いずれも標準で7速ATと組み合わせ、駆動方式は四輪駆動。軽量素材を使用した結果、新型C-Classの車両重量は旧モデルより約220ポンド軽くなり、燃費も最大20%改善された。
スタイルの面では、新型C-Classは輪郭がはっきりしたデザインの採用により、旧モデルとの違いが明確である。フロントフェースは2種類から選択でき、一つは中心にスリー・ポインテッド・スターが配されたスポーティなグリル、もう一つはエンジンフードにスターが置かれた伝統的なデザインのグリルである。インテリアは高級素材を用い、車内は旧モデルより広くなっている。
新型C-Classに設定された先進装備には、ドライバーのブレーキ操作が十分でない場合に制動力を補うアダプティブブレーキアシスト、ドライバーの居眠りを検知するアテンションアシストシステム、衝突の危険に対してドライバーが反応しない場合に自動ブレーキをかける衝突被害軽減ブレーキ等がある。 車内には、7インチのディスプレイとタッチパッドを標準装備する。
 2015年型Mercedes-Benz C-Classはアラバマ州VanceのMercedes-Benz工場で生産され、2014年秋に発売される予定。
Mercedes-Benz C-Class
Mercedes-Benz C-Class

 

Mercedes-Benz S-Classクーペコンセプト

Mercedes-Benz S-Class クーペコンセプト 今回のデトロイトで北米デビューを果たしたS-Classクーペコンセプトは、Mercedes-Benzの次期ラグジュアリー・クーペのプレビューであることは間違いない。 同コンセプトは、アルミ製4.6L V8 ツインターボエンジン (最高出力449 hp、最大トルク516 lb-ft) を搭載。
"Intelligent Drive" と呼ばれる安全装備も採用する。この装備は2つのカメラを使って、車両前方の状況を3次元画像にして提示する。収集されたデータは他の安全装備にも使用され、ドライバーが周囲の状況をモニターする手助けをする。さらに、このシステムは、"Magic Body Control" というサスペンションシステムと連携し、路面状態に応じて自動的にサスペンションを調整する。
 S-Classクーペコンセプトのデザインの特徴の一つは、Bピラーがないことである。また、長いボンネットと流れるようなルーフラインの組み合わせで、スリムな印象を与える。ダイアモンド形のフルLEDヘッドランプと、ダイアモンドパターンのフロントグリルとロワーグリルにより、華やかな外観が形成されている。インテリアは、ダッシュボード上に2つ並べた12.3インチの高精細ディスプレイが目を引く。白色の子牛革シート表皮、手織りのシルクカーペット、特注のアルミ製ドアパネルが、同コンセプトの高級感をさらに高めている。
 Mercedes-Benz S-Classクーペの市販モデルは、2014年のジュネーブモーターショーで公開される予定。エクステリアはこのコンセプトと共通する部分があるが、インテリアはまったく違うものになると予想される。
Mercedes-Benz Concept S-Class Coupe
Mercedes-Benz Concept S-Class Coupe

 

2015年型Mercedes-Benz GLA45 AMGコンパクトクロスオーバーSUV

Mercedes-Benz GLA45 AMG 2015年型Mercedes-Benz GLA45 AMGを発表することにより、Daimlerは急成長しているコンパクトSUVセグメントで販売拡大を図りたいと考えている。GLA45 AMGは0-60 mph加速が4.8秒、最高速度が155 mph (リミッター作動)を誇る。高い性能を生み出しているのは、4気筒の量産エンジンの中で最もパワフルなAMG 2.0L ターボエンジンである。同エンジンの最高出力は355 hp、最大トルクは332 lb-ft。燃費と熱力学的効率性も改善されている。
GLA45 AMGの走行性能を支えるもう一つの装備は、7速デュアルクラッチトランスミッションのAMG SPEEDSHIFT DCT-7で、Manual、Sport、Controlled Efficiencyの3つの駆動モードを選択できる。また、四輪駆動システム、スポーツ排気システム、高性能ブレーキングシステム、フロントとリアのスポーツサスペンション等も標準装備。2015年型GLA45 AMGは2014年秋に発売される予定。
Mercedes-Benz GLA45 AMG
Mercedes-Benz GLA45 AMG
Mercedes-Benz GLA45 AMG Engine Compartment
Mercedes-Benz GLA45 AMGのエンジンルーム

 

2015年型Mercedes-Benz S600 ラグジュアリーセダン

 

Mercedes-Benz S600 Mercedes-Benzのフラッグシップモデルである2015年型S600も、今回のデトロイトモーターショーで世界初公開された。6.0L V12ツインターボエンジンを搭載し、最高出力523 hp、最大トルク612 lb-ftを引き出す。パワーを高める一方、アイドリングストップ機構を標準装備し、燃費は先代の16.7 mpgから21.2 mpgに改善した。 また、7速AT、路面状態に応じて自動的にダンピングを制御する "Magic Body Control" サスペンション、後輪駆動システムも標準搭載する。
そのほか、標準搭載される先進装備には、周囲の状況に応じて照射を制御するLED インテリジェントライトシステム、安全装備を取りそろえたドライビングアシスタンスパッケージプラス、衝突の危険に対してドライバーが反応しない場合に自動ブレーキをかける衝突被害軽減ブレーキ等がある。また、タッチパッドとヘッドアップディスプレイも標準装備。ラグジュアリーモデルらしく、展示されたS600の内装には上質の革が使われ、ウッドパーツが随所にあしらわれていた。2015年型Mercedes-Benz S600は2014年3月に市場投入される予定。
Mercedes-Benz S600
Mercedes-Benz S600

 



BMWは多様な車種を展示:スポーティな2 Series、ラグジュアリーなM3 & M4、電気自動車i3、MINIスモールカー

 BMWの展示で印象深かったのは、それほど広くないスペースに多様なモデルがぎっしり並べられていたことである。出展されたモデルには、高級車、スポーツカー、電気自動車(EV)、ハイブリッド車等があり、隣接するブースにはMINIブランドの小型車が展示された。

2015年型BMW 2 Seriesクーペ

BMW 2 Seriesクーペ BMW 1 Seriesクーペの後継車である2015年型BMW 2 Seriesクーペは、先代より高い性能を誇る。5種のエンジン (最高出力143 hp~326 hp) を搭載する5仕様が用意され、顧客はそれぞれのニーズに応じた仕様を選択することができる。いずれの仕様も標準で後輪駆動、トランスミッションは6速MTと8速ATから選択できる。
外観は、トランクが明確に区別されるスリーボックススタイル、フラットなシルエット、 フレームレスな窓を採用したドアが特徴。1 Seriesクーペと比較すると、2 Seriesは全長が2.8インチ長く、全幅が1.0インチ広い。ホイールベースは1.2インチ長く、全高は0.2インチ低い。このため、1 Seriesより車内スペースが広がり、空力性能も向上した。
2015年型2 Seriesクーペの全仕様は2014年春までに発売される予定。販売価格は32,100ドルから。全仕様の生産はドイツで行われる。
BMW 228i
BMW 228i

 

2015年型BMW M3セダンとM4クーペ

BMW M3セダンとM4クーペ 2015年型BMW M3セダンとM4クーペは、BMWの次世代のハイパーフォーマンススポーツカーである。先代の4.6L V8エンジンから3.0L 直6ツインターボエンジンに変更し、排気量が1L減ったにもかかわらず、新エンジンは最高出力425 hp、最大トルク406 lb-ftを発生させる。これは、先代エンジンの最高出力414 hp、最大トルク295 lb-ftを上回る数字である。また、新エンジンは先代エンジンより22ポンド軽量化している。
M3セダンとM4クーペは、いずれも先代より車体が大きいが、重量は先代より約180ポンド軽い。M3セダンは全長が3.6インチ長く、全幅が2.8インチ広く、全高が0.9インチ高いが、重量は3,300ポンド。M4クーペは先代より2.2インチ長く、2.6インチ高いが、重量は3,351ポンドである。軽量化したことにより、両モデルとも0-60 mph加速が、オプションの7速デュアルクラッチトランスミッションの場合は3.9秒、標準の6速MTの場合は4.1秒に達している。
2015年型BMW M3セダンとM4クーペはドイツで生産され、2014年6月に発売される予定。販売価格は、M3セダンが62,950ドルから、M4クーペが65,125ドルから。
BMW M3 Sedan
BMW M3 Sedan
BMW M4 Coupe
BMW M4 Coupe

 

2015年型BMW i3 電気自動車

BMW i3 電気自動車 BMWの展示で注目を集めていたモデルの一つが電気自動車 (EV) の2015年型i3である。BMW初の量産EVで、炭素繊維強化プラスチックを使用した最初の市販車でもある。電気モーターの最高出力は170 hp、最大トルクは184 lb-ft。日常の交通状況であれば、航続距離は80~99マイル。オプションのレンジ・エクステンダー用エンジンを搭載すれば、航続距離を最大186マイルにまで伸ばすことができる。
2015年型BMW i3は、その構造や駆動装置だけでなく、装備についても数多くの先進技術を採用している。セーフティ・パッケージの一環として、衝突警告システムや歩行者警告システムを搭載。また、事故が起きた時に最寄りの警察等に自動的に通報し、車両の所在地や事故の大きさを知らせる緊急通報システムも搭載する。
2015年型BMW i3はドイツのLeipzig工場で生産されるが、炭素繊維強化プラスチック製ボディは米国ワシントン州Moses Lakeで生産される。米国市場で発売されるのは2014年夏になる予定。
BMW i3
BMW i3

 

MINI John Cooper Worksハッチバックコンセプト

MINI John Cooper Works Concept デトロイトモーターショー2014に出展されたMINI John Cooper Worksコンセプトは、MINIの広範なモータースポーツ参戦経験をベースとし、次世代のスポーツモデルの姿を垣間見せるものである。 ホイールベースを伸ばし、左右輪の距離を拡張し、車両を軽量化したこと等により、同コンセプトの走行性能は強化された。
 フロントデザインでは、MINIのすべての量産モデルにあるフォグライトを大型エアインテークに変更。専用のサイドスカート、フラップとディフューザーエレメントを備えたリアエプロン、ルーフスポイラー等により、空力性能を最大限高めている。外観はJohn Cooper Works特有のデザインを採用し、ルーフ、ルーフスポイラー、エクステリアミラーキャップは赤色でアクセントをつけている。ボディは光沢のあるブライト・ハイウェイズ・グレイで塗装し、他の部分に使われた赤色と美しいコントラストを成している。
MINI John Cooper Works Concept
MINI John Cooper Works Concept

 

2014年型MINI Cooper S Hardtop (欧州名:MINI Hatch)

MINI Cooper S Hardtop MINI Hardtop (欧州名:MINI Hatch) の3代目である2014年型MINI Cooper S Hardtopは、MINI特有のデザインを維持しながら、以前は高級車にしか搭載されていなかった先進装備を搭載している。パワートレインは2.0L 4気筒エンジンで、最高出力189 hp、最大トルク207 lb-ftを発生。標準装備の6速MTの場合は0-60 mph加速が6.5秒、オプションの6速ATの場合は同6.4秒である。
2014年型Cooper Sにはドライビング・モードを選択する機能があり、標準設定のMIDモード、SPORTモード、GREENモードの3種のモードが用意される。ドライビング・モードはアクセルペダルやステアリングの特性を変えるだけではなく、変速機やアンビエント照明にも影響を及ぼし、モードに応じて低燃費走行やレーシング走行を可能にする。フロントのシングルジョイントスプリングストラットサスペンションとリアのマルチリンクサスペンションを組み合わせたサスペンションシステムは、ゴーカート・フィーリングに似た俊敏なハンドリング特性を提供する。
そのほか標準搭載される装備には、ESC、EBD、スポーツレザーステアリングホイール (マルチファンクションスイッチ付き) などがある。また、オプションでは、ヘッドアップディスプレイ、リアビューカメラと駐車アシストシステムを含む運転支援システム、セグメント初のLEDヘッドライトが設定される。
2014年型MINI Cooper S Hardtopは、2014年春に米国市場に投入される予定。生産は英国CowleyにあるOxford工場で行われる。最近発表された価格表によると、2014年型Cooper Sのベース価格は23,600ドル。
MINI Cooper S Hardtop
MINI Cooper S Hardtop

 



Jaguarは高性能車F-Typeを出展、VolvoはコンセプトXCクーペを発表

 Jaguarの展示は、ほぼすべてがハイパーフォーマンスモデルで、その中でもF-Typeの存在が目立っていた。一方、Volvoの展示スペースは落ち着いた雰囲気で、同ブランド車のデザインの特徴を見せる展示となっていた。

2015年型Jaguar F-Typeクーペ

Jaguar F-Typeクーペ   ロサンゼルスモーターショーで初公開された2015年型Jaguar F-Typeクーペは、ボディのほぼすべてがアルミ製である。3種の仕様があり、それぞれ異なるエンジンが用意される。F-Typeクーペは3.0L V6 スーパーチャージャー付きエンジン (最高出力340 hp、最大トルク332 lb-ft)、F-Type S クーペは3.0L V6 スーパーチャージャー付きエンジン (380 hp、339 lb-ft)、F-Type R クーペは5.0L V8 スーパーチャージャー付きエンジン (550 hp、502 lb-ft) を搭載する。いずれもZF 製8速ATと組み合わせる。
軽量化のため、F-Typeクーペのサイドボディは1枚のアルミパネルから造られている。1枚のパネルしか使用しないため、パネルを接合する必要がなく、接合分の重量を軽減できる。ボディの中でアルミ製でない唯一のパーツはテールゲートで、これには複合材料が使用されている。また、F-Typeには格納式のリアスポイラーがあり、外観にアクセントをつけるだけでなく、高速時にはせり上がり車体が浮き上がるのを防ぐ。これらの特徴により、F-Typeクーペの最高速度は161 mphに達しているが、ハイウェイ燃費は28 mpgを実現している。
 その他の標準装備には、LEDデイタイムランニングライト付きHIDキセノンヘッドランプ、格納式ドアハンドル、スポーツシート、3本スポークレザーステアリングホイール等がある。3仕様ともアイドリングストップ機構を搭載。オーディオシステムは、2種のMeridianオーディオシステムから選択する。
2015年型Jaguar F-Typeクーペは2015年春に発売される予定。販売価格は65,000ドルから。生産は英国バーミンガムのCastle Bromwich組立工場で行われる。
Jaguar F-Type R Coupe
Jaguar F-Type R Coupe

 

VolvoコンセプトXCクーペ

VolvoコンセプトXCクーペ Volvo コンセプトXC クーペは、Volvoが新世代車台Scalable Product Architecture (SPA) プラットフォームを使用して製作する予定の3台のコンセプトの第2弾。 同ブランドの将来のデザインの方向、特に2014年後半に発売予定のSUV XC90の方向性を示すものである。「ロッククライミング用の最新のスポーツ用品からインスピレーションを得た」コンセプトXCクーペは、21インチのホイール、強調されたホイールアーチ、より高いルーフライン等により、第1弾のVolvoコンセプトクーペよりも力強い姿を見せている。
Volvo コンセプトXCクーペのデザインが重視するもう一つのポイントは、車体のスタンスである。新たにデザインされた長いボンネットやベルトラインは、そのスタンスを際立たせるものである。フロントマスクには、T字型デイタイムランニングライトを採用したヘッドライトが、フローティンググリルの左右に配される。また、独特な形状のLEDテールライトは、Volvo コンセプトXCクーペのもう一つの重要なビジュアル・エレメントとなっている。
Volvo Concept XC Coupe
Volvo Concept XC Coupe
Volvo Concept XC Coupe Interior Cutaway
Volvo Concept XC Coupe の内装

 

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