協調型安全運転支援システムとプローブデータ利用の最新動向

ITS世界会議東京2013 より

2013/11/14

要 約

 東京ビッグサイトで行われた第20回ITS世界会議 東京2013のトピックスの中から、今年の特徴の一つであった「協調型安全運転支援システム」と「プローブデータやインフラセンサー情報のセンター処理による情報提供」について紹介する。

 特に「協調型安全運転支援システム」は、5つの実車走行デモンストレーションと会場での展示によって、導入効果が大きく取り上げられたので、試乗の様子を含めて紹介する。

関連レポート

 ITS世界会議 (2013年10月掲載):
 ・トヨタ・ホンダ・日産の自動運転技術展示(デモ映像あり)
 ・自動運転の現状と将来:ITS世界会議を取材して



つながる機能利用型ITSとは

 主に路車間通信を使った機能を「インフラ協調型ITS」と呼んでいるが、さらに近年は車車間通信やプローブデータを活用した機能の開発も盛んになってきている。これらの機能を搭載した車は「connected vehicle」と呼ばれ、「自律型ITS」搭載車両と区別される。(「connected」は日本では「つながる機能」と訳される)。

 本レポートでは、下表に示すようにITS機能を分類し、(領域1)「協調型自動運転」(領域2)「協調型運転支援」(領域3)「センター情報提供」を「つながる機能利用型ITS」と呼ぶ。

 

協調型(つながる機能利用型) 自律型
インフラセンサー
(車両検知センサー、
路上カメラ など)
プローブデータ 他車情報利用
(車車間通信)
車載センサー
(車載カメラ、
レーダーなど)
運転支援 自動運転 (領域1)協調型自動運転 (領域4)
自律型自動運転
安全運転支援 (領域2)協調型運転支援 (領域5)
自律型運転支援
その他の運転支援
(エコ/快適 など)
その他の
情報提供
ナビ情報 (領域3)センター情報提供 (領域6)
自律型ナビゲーション
災害時対応情報
交通管制
車両管理

 

領域名称 説明 事例
1 協調型自動運転 車外から入手した情報と車載センサー情報を組み合わせて車両運動制御を行う。 トヨタやホンダなどが発表している自動運転車
2 協調型運転支援 車外から入手した情報と車載センサー情報を組み合わせて運転支援を行う。(警報と制御) DSSS/ITSスポットサービスでの各種警報システム
3 センター情報提供 プローブデータやインフラセンサー情報のセンター処理による情報提供 VICS などの交通情報、通行止め道路標示、PTPS などの信号制御、商用車運行管理 など
4 自律型自動運転 車外から入手した情報を使わずにカメラ/レーダーなどの車載センサー情報だけを使って車両運動制御を行う。 Google Car
日産の自動運転車
5 自律型運転支援 カメラ/レーダーなどの車載センサー情報だけを使って運転支援を行う。(警報と制御) アイサイトVer.2(スバル)
6 自律型ナビゲーション GPSによる位置決めと車載地図を使ったナビゲーション装置 通信手段を備えていない
ナビゲーション装置
DSSS: Driving Safety Support System
VICS: Vehicle Information and Communication System
PTPS: Public Transportation Priority System (公共車両優先システム)


 今年のITS世界会議では、この「つながる機能利用型ITS」に関する話題が多く見られ、今後のITS分野の開発の重点の一つが「つながる機能」に関わるものであると推測される。

 

つながる機能利用型ITSの展示概要

ITS分類 内容
協調型自動運転
(領域1)
・車載カメラやレーダーに加え、車車間通信(V2V)や路車間通信(I2V)を使って車外から情報を入手し、運転制御に反映する。
・自動運転のための情報を取得するためには、車載センサー情報だけでは不足であり、車外からの情報も活用する「協調型」の方式の方が良いのではないか との共通認識が出来つつあることが、本会議での講演や展示から感じられた。
 (自動運転については、ITS世界会議の取材レポート「トヨタ・ホンダ・日産の自動運転技術展示」および「自動運転の現状と将来」に紹介されているので、本レポートでは説明を省略する。)
協調型運転支援
システム
(領域2)
・V2V / I2V およびV2P(歩車間通信)を使った協調型安全運転支援システムの開発が、国と民間会社のチームによって進められている。
 (ITSスポット、ASV、DSSSなど)
・本会議の中では、「ITS Green safety」の名称で ITSスポット、ASV、DSSSの3つのプロジェクトをまとめて実車走行デモを行い、多くの試乗体験者を集めていた。
・展示でも、実用化のための要素技術として「通信システム」の紹介が多く見られ、自動車会社からは実用化を検討している車載システム例が紹介されていた。
・本会議でのショーケースや展示内容から、「協調型安全運転システム」を今後のITSの主流にして行こうとの業界の方向性を感じた。
センター情報提供
(領域3)
・東日本大震災の際にプローブ情報を基に作成した「通行可能な道路を可視化する機能」が注目されたが、今会議でもプローブデータの処理による交通情報サービスが紹介されている。
・さらに、複数の情報を組み合わせたり、大量のプローブデータを処理する「ビッグデータ処理」による車両管理、運転支援などのサービスも紹介されている。 (詳細は後述する)
・今後も、クラウド型のビッグデータ処理を使った情報提供サービスが拡大して行くと思われる。
V2V: Vehicle to Vehicle communication
I2V: Infrastructure to Vehicle communication
V2P: Vehicle to Pedestrian communication
ASV: Advanced Safety Vehicle

 

 



「ITS GREEN SAFETY」走行デモ

 

出典:ITS Japan ホームページ
走行デモの説明パネル
(出典:ITS Japan ホームページ)
試乗車の様子
(「S03 高速道路サグ部の交通円滑化」の
試乗車の様子)

 

名称 概要
S01 次世代DSSS(I2V) 光ビーコン・電波による路車間通信を使った、
 ・ドライバーの不注意による、交差点付近での事故の防止を図る安全運転支援システム
 ・信号情報を活用したスムーズな交差点通過支援システムを体験する。
S02 通信利用型先進
安全自動車(V2V、V2P)
車車間、歩車間通信を活用し、
 ・ドライバーが認識しづらい/見落としやすい車両の接近情報を提示する
 ・ドライバーに歩行者の接近情報を提供する
機能を備える安全運転支援システムを体験する。(下記に詳細説明)
S03 高速道路サグ部の
交通円滑化(I2V、V2V)
ITSスポットからの交通円滑化のための情報を車両に提供し、車両に搭載されている。ACC/CACC機能を活用して、車間距離を制御し、スムーズな交通流を実現する走行を体験する。(下記に詳細説明)
(注)サグ部:道路勾配が上り坂方向に次第に変化する区間のことを言う。
   日本の都市間高速における渋滞の約6割がサグ部で発生している。
S04 ITSスポットサービス(I2V) 2011年から運用が始まっている「ITSスポットサービス」および開発中の新サービスの一部を体験する。
 ・現サービス:ダイナミックルートガイダンス、注意喚起による安全運転支援
 ・新サービス:駐車場料金キャッシュレス決済
S05 モバイル通信とITSスポット
の協調サービス(I2V)
ITSスポットと携帯電話網からの情報提供を連携させ、
 ・ITSスポット情報のスマートフォンへの表示
 ・携帯電話網を使った緊急避難情報
などの連続提供などを体験する。
ACC: Adaptive Cruise Control:車間距離制御型定速走行機能
CACC: Cooperative-ACC:車車間通信で前車の車両情報を受信するACC


 上記のS02とS03 に体験試乗したので、その状況を紹介する。

 

<S02>通信利用型先進安全自動車

概要  会場周辺の一般道を使って、国土交通省の先進安全自動車プロジェクト第5期として取り組んでいる「通信利用型先進安全自動車:ASV-5」の中から、6つのケースを体験した。
体験ケース ①右折時衝突防止支援システム:V2V
   交差点右折時に、対向車線を直進してくる車の存在をドライバーに報知する。
②歩行者情報提供システム:V2P
   歩行者の存在をスマートフォンを介してドライバーに報知する。
③出会い頭衝突防止支援システム:V2V
   信号のない交差点左折時に、右方向から接近車両の存在をドライバーに報知する。
④工事車両情報提供システム:V2V
   前方の工事車両の存在をドライバーに報知する。
⑤左折時衝突防止支援システム:V2V
   交差点左折時に後方から来る2輪車の存在をドライバーに報知する。
⑥緊急車両情報提供システム:V2V
   緊急車両接近とその方向をドライバーに報知する。
体験所見 ・車車間通信は5.8GHz帯を使っていたので、対象車両との間の障害物(建物、駐車車両など)の存在に弱かったが、これは別に開発が進められている700MHz帯を使えば、かなり解消する課題だと思われる。
・デモ走行では狙っている機能が良くわかり、実現すれば安全確認のための情報提供として役に立つものだと感じられた。
・しかし、実社会では、車車間通信装置を搭載していない車との混在環境になるので、普及が進まない段階ではドライバーに対して中途半端な情報提供になってしまう危険性を感じた。

 

<S03>高速道路サグ部の交通円滑化サービス

概要  首都高速湾岸線を使って、国土交通省のITSスポットからの情報と車両のACC/CACC機能を組み合わせた交通流の円滑化を図る取り組みを体験した。
体験ケース ①車線利用適正化サービス:I2V
   追い越し車線の混雑を検知して、空いている走行車線の利用を促す情報を提供する。
②ACC活用による車間適正化サービス:I2V
   交通状況を検知し、ACC走行が交通円滑化に資すると判断した時に、
   ドライバーにACC設定ON を促す情報を提示する。
③CACC活用による車間適正化サービス:I2V
   交通状況を検知し、ACC走行が交通円滑化に資すると判断した時に、
   ドライバーにACC設定ON を促す情報を提示する。
   先行車との間での車車間通信可能な場合、車載器はドライバーに車車間通信可能情報を提示する。
   ドライバーはその情報を基に、車車間通信機能もONにして、CACC機能を使う。
体験所見 ・上記の体験ケース②と③によって、CACCの効果を体験した。CACCは車車間通信によって先行車の加減速操作情報を入手できるので、車間距離の測定による自律型安全運転支援システムであるACCよりは、早い応答の制御ができる利点を持っていることが体験できた。
・今回の体験によって、協調型安全運転支援システムの有効性が感じられたが、同時に、この有効性を享受するためには、車車間通信装置の標準装備化の必要性があることを感じた。
・同時に体験した、ドライバーにACC設定ONを促す情報を提示する「ドライバーにリコメンド情報を提供する機能」に関しては、最終判断はドライバーに委ねているので、ドライバーがどのくらい成功体験(リコメンドに従ったら快適だった)を蓄積できるかが、普及のためのポイントだと思われる。

 

 



ITSスポット に関する国土交通省の戦略

 

ITS スポットの基本サービス

スローガン  Smartway for Open ITS
ダイナミックルート
ガイダンス
・広範囲の渋滞データを配信。ITSスポット対応車載器が賢くルート選択。
・郊外から首都圏へ入る地点で、首都圏全体の所要時間データを受信。
  道路ネットワーク全体の有効活用が可能に。
安全運転支援 ・事前の注意喚起などによりドライブ中のヒヤリを減少。
・事故多発地点ではカーブ先の見えない渋滞など危険な状況を注意喚起。
  道路上の落下物などを注意喚起。
  トンネル入口等の渋滞を画像で提供。
  積雪や霧などの状況を画像で提供。
ETC ・ETCのサービスも実現。

 

新サービスの拡大展開

自動運転への展望 ・運転支援システムの高度化により、オートパイロット=高速道路上の自動運転、を実現するシステムへ
・オートパイロットシステムの効果

  渋滞の解消・緩和、交通事故の削減、環境負荷の軽減、
  高齢者等の移動支援、運転の快適性の向上、国際競争力の強化
・オートパイロットシステムの実現に向けて
  制度面、技術・安全面、社会的受容性面の課題の検討を行う。
・自動運転実現に向けて、下記の3段階に分けて進める
  第1段階: 同一車線内の連続走行の実現
  第2段階: 車線変更を伴う走行の実現
  第3段階: 分合流時、渋滞時等の最適な走行の実現
・実現へのロードマップと達成目標
  2020年代初頭頃までに第2段階までを達成する。 (注)
ETCの
多目的な展開
・ETCの経済的効果
  4300万台突破。料金収受コスト約75%削減。
  ETC専用インターチェンジによりインターチェンジ建設コスト約1/10。
・ETCの社会的効果
  CO2削減効果約22万t/年。多様な料金施策による道路効率的利用促進。
・ETCの多目的利用の導入を進める
  公共駐車場決済サービス。客待ちタクシー待機列解消対策など。
・民間サービスへの適用展開を進める
  駐車場の自動料金決済、顧客管理の高度化、フェリー乗船の簡素化など。
ビッグデータの
活用による
道路管理の高度化
・渋滞対策へのプローブデータ活用
  渋滞箇所の特定と対策後の効果計測の手段として活用する。
・プローブデータで道路の稼働率向上を進める
  大量のプローブデータのモニタリングによって、最適な交通流を創り出す。
・交通安全へのプローブ活用を進める
  (急減速挙動の発生位置・頻度の把握など)危険箇所の特定と対策後の効果計測。
・道路関連事業の評価・雪寒対策へのプローブ活用を進める
  信号現示最適化の効果検証。悪天候時の旅行速度低下状況把握。
インターネット接続 ・サービスエリアや道の駅などで受信場所を拡大する
施設情報、道路交通情報、観光情報、空港 駐車場情報、フライト情報など、情報の種類拡大を進める。
物流支援 ・物流車両の運行管理や荷物の配送管理に活用
スマートフォンとの
連携
・ITSスポットからの情報をスマートフォンで受信できるようにする
災害時の移動支援 ・災害被害の最小化へ
  地震発生情報、津波情報などの緊急情報を車載器へ提供する。
・道路ネットワークの通行可否の状況をWebですばやく提供する
(注) <オートパイロットシステムに関する参考情報>
国土交通省HP:オートパイロットシステムに関する検討会中間とりまとめ資料

 

国土交通省の展示の様子
(国土交通省の展示の様子)

 

 



「つながる機能」実現のための要素技術に関する展示内容

展示企業 展示内容
デンソー インフラ協調
システム用
車載機
・本会議でのITS Green Safety ショーケースにおいて、デモ走行車に搭載された 「インフラ協調システム用車載機」の構成を紹介。
・車車間および路車間通信機能を備える。
 (日米欧中で2015年以降に実用化見込)
DSRC車載器 ・ETC車載器と同等サイズのITSスポット対応DSRC車載器(販売中)の紹介。
・DSRC対応ナビを必要とせず、Bluetooth通信でつながった対応スマートフォンに情報表示・音声案内することで、交通情報提供や安全運転支援を行う。
アルパイン ITS車載器 ・従来は別ユニットであった「ETC車載器」「ITSスポット車載器」「光ビーコン車載器」を一体にしたユニット(ITS車載器)を紹介。(販売中)
・路車協調対応ナビゲーションと組み合わせることで、ETC、ITSスポット、光ビーコンにすべて対応した車載ナビが実現できる。
カーナビ ・安全運転支援システム(DSSS)の提供サービスを搭載した「安全安心対応カーナビゲーション」を紹介。(販売中)
・DSSSから提供される情報と自車両の状態(ブレーキ、ステアリングなど)を組み合わせて、安全運転支援情報を表示する。
パナソニック 歩車間通信技術 ・700MHz帯を利用した歩車間通信技術(V2P communication)を紹介。
・ドライバーと歩行者双方が情報端末を持ち、相互に自分の存在を伝える。
・技術内容については、2つの論文が出されている。
 論文番号3021:V2V,I2Vと共存できるV2P通信方式
       3032:端末の小型化技術(専用ICやアンテナ構造など)
住友電工 路車協調型
テレマティクス
端末
・路車協調型テレマティクス端末(Drive Link:開発中)の紹介。
・路側通信装置と車との間での通信を制御する機能と、スマートフォンナビを介してテレマティクスセンターと車をつなぐ機能とを備えた専用装置。
・通信のセキュリティ確保のための機能と車載アプリ追加を容易にするプラットフォーム機能を備える。
沖電気 車載通信装置 ・スマートフォンと連携した安全運転支援サービス用のV2Xユニットを紹介。
・I2V、V2V、V2P用それぞれの通信ユニットを開発済み。 (添付写真参照)
・本会議でのショーケースS02 のデモ車にV2V/V2P用ユニットが搭載された。
車車間通信装置 ・NEDOのプロジェクト「エネルギーITS推進事業」にて自動運転・隊列走行用車車間通信ユニットを開発した。(添付写真参照)
・電波による車車間通信に加え、車車間光通信をサブシステムとして二重化を実現することによって、隊列走行に必要な高信頼性車車間通信を実現した。

 

沖電気のV2Xユニットの展示状況
沖電気のV2Xユニットの展示状況:左から
・ショーケースS02で使われたV2V/ V2Pユニット
・I2Pユニット ・V2Pユニット
・表示用スマートフォン ・V2Vユニット
沖電気の自動運転・隊列走行用車車間通信ユニットの展示状況
沖電気の自動運転・隊列走行用車車間通信ユニットの展示状況
左から
 ・電波式車車間通信ユニット
 ・光式車車間通信ユニット を展示している。
(2台分を展示しているので、同じ装置が2セットある。)

 

 



協調制御/つながる機能利用 に関する自動車会社の展示内容

展示企業 展示内容
トヨタ自動車 ・道・クルマ・人が協調しながら、より安全・エコな運転を実現する「協調型ITS」が街にどんどんひろがっていく様子を表す「協調型ITS全体図」を展示している。(添付写真参照)
・また、各種協調システムのサービス内容を紹介。
 ・Driving Safety Support System (DSSS) :(実用化済)
   光ビーコンから周辺状況を提供する。
 ・ITSスポットサービス :(実用化済)
   広域な交通情報や安全運転を支援する情報を提供する。
 ・車車間協調システム(V2V) :(実用化間近)
   お互いの位置情報や速度をやりとりし、周辺車両の存在や挙動を検知する。
 ・路車間協調システム(V2I) :(実用化間近)
   ドライバーからは見えにくい車両・歩行者の存在や信号等の交通情報を提供する。
 ・歩車間協調システム(V2P) :(実用化間近)
   クルマが歩行者の持つ端末と通信し、ドライバーに歩行者の存在を提供する。
本田技研 ・車だけでなく、二輪車やMonpalなどの電動カートを含めた協調通信によって、安全かつ円滑な交通を実現するコンセプトを提案。
・合わせて、通信手段としてWi-Fi通信の活用も提案。(添付写真参照)
 車から車両状態情報を、Monpalから位置情報とドライバーの操作情報を送信する。
日産自動車 ・自動運転に関する展示の中で「知能化が創る未来」として、「自動運転の進化」だけでなく、自動運転カー同士のコミュニケーションやインフラ協調の活用によって、事故や渋滞のない 交通社会が実現するとの方向性を示した。
富士重工 ・本会議でのショーケースS02、S03に参加した試乗車への搭載機能を紹介。
 ・ASV通信利用型先進安全自動車
   V2V / V2P により車両や歩行者との事故を防止する。
 ・CACC(協調型追従クルーズコントロール)による高速道路サグ部の交通円滑化
   V2V により応答性の良いスムーズな加減速を実現。最適な車間距離を維持する。

 

「協調型ITSは街にどんどんひろがっていく」様子を表す全体図
トヨタ自動車の「協調型ITSは街にどんどんひろがっていく」様子を表す全体図
 ・左下にはITSスポットサービス 左上にはDSSSのサービス
 ・右上にはASV-5サービス そして
  右下には次世代DSSSサービス  が示されている。
本田技研の協調通信に関する展示パネル
本田技研の協調通信に関する展示パネル
 ・中段に、車とMonpal間の通信の様子が示されている。
富士重工のショーケース用試乗車
富士重工のショーケース用試乗車

 

 



プローブデータ処理・利用に関する展示内容

展示企業 展示内容
NEC 安全運転
情報提示
・ドライバーの安全運転を支援するクラウド型車両管理サービスの構成を紹介。
・ドライブレコーダーに車載カメラ映像と運転操作を記録し、それをデータセンターに送り、データセンターにてビデオ映像と運転操作を解析。
・解析データを基に、ドライバーに安全運転情報を提示。
周囲情報提示 ・プローブデータ収集頻度最適化による大規模データの分析結果を遅れなく通知するシステムの構成を紹介。
・現状技術の3-5倍のプローブデータ処理を扱えるようにしたことにより、車両の将来位置を考慮した予測型の周辺車両存在警報システムが実現できる。
高速道路
交通管制
・NEXCO中日本にて稼働中の交通管制システムの構成を紹介。
・高速道路の車両検知データの収集頻度を従来の5倍にした大量データ解析によって、よりきめ細かい交通流制御を行う。
NTT 車両運行管理 ・関連会社のNCS(日本カーソリューションズ株式会社)から発売されているテレマティクスサービス「NCSドライブドクター」の紹介。
・NTTドコモの通信機能を備えた車載端末から自動的に送られてくる走行データを解析し、車両運行状況や運転者の安全運転実施状況をWeb上で把握する。
分析可視化技術 ・テレマティクスビッグデータの分析可視化技術の紹介。
・テレマティクスデータを天候等の外部状況や様々なイベントを組み合わせて分析可視化する技術であり、応用例として
  ・車の移動パターンや車載センサー情報から危険マップ等を構築する。
  ・様々な異種複合時系列情報を組み合わせた移動パターンを分析可視化する。
 を紹介。
・多面的分析により将来予測ができる技術確立を目指す。
パナソニック 交通情報提供 ・プローブ活用シームレス交通情報システムを紹介。
・プローブデータの活用によって、現状の交通情報提供サービスエリアを拡大できる。
三菱重工 電気自動車
充電管理
・プローブデータマネジメントによる電気自動車充電管理システムを紹介。
・電気自動車保有者と充電設備管理者をつなぐシステムであり、車両位置/状態をプローブデータで把握し、充電設備状態を考慮して充電案内をする。
・世界各地で実証実験中。(けいはんな地区、マスダール・シティ(UAE)など)
住友電工 経路情報
交通情報提供
・運用中のテレマティクスにおけるデータ解析処理技術の紹介。
・プローブデータと渋滞/規制情報を組み合わせて旅行時間予測をし、ドライバーにエコ運転支援のための経路情報や交通情報を提供する。
一般道信号制御 ・運用中の走行軌跡データを活用した交通管制システムを紹介。
・光ビーコンで収集した走行軌跡データと感知情報を使って渋滞末尾を検出適切な信号制御を実施する。
日立製作所 交通情報提供 ・運用中のプローブ交通情報システムを紹介。
・走行中車両から収集したプローブデータを分析し、マップマッチング、経路探索によりプローブ情報をリンク旅行時間に変換して、交通情報として渋滞状況などとして提供する。
本田技研 安全運転
コーチング
・インターナビリンクサービスの一つとして運用中の「安全運転コーチング」の紹介。
  ・プローブデータによって危険地点を検出し、ドライバーに提供する。
  ・プローブデータをもとに、安全運転スキルを教示する。
 など。
災害被害
防止・軽減
・インターナビリンクサービスの一つとして運用中の「災害被害防止・軽減」機能の紹介。
  ・津波情報などをテレマティクススステムで提供する。
  ・車載器に通行可能道路を標示する。
 など。

 

 



つながる機能利用型ITSの今後の動向

 ITS分類 内容
協調型運転支援システム  ・情報提供/警報および運動制御の両面で、今後実用化事例を拡大して行くと思われる。
・しかし、実用化のためには「インフラ設備の普及」および「対応車載器の普及」という課題の解決が必要になることが、ショーケースの体験などから感じられた。
・路側から適切な情報が適切なタイミングで提供されることが望まれるが、そのためにはインフラ側でのデータ処理機能の充実と道路への情報端末の設置数の増加という「インフラ設備の普及」が必要になる。
・さらに、車車間通信による運転支援機能の効果を享受するためには、自車周辺に車車間通信できる相手の車が存在する必要があり、そのために「対応車載器の普及」が必要になる。
・本会議にて、協調型運転支援システムの効果を訴求する展示やショーケースによる走行デモの実施など、国や関連業界の「普及」に向けての方向性が感じられた。
・したがって、今後も本システムの搭載によるユーザメリットの体験のための実証実験や、普及のための新技術の開発(例えば、Wi-Fi技術の車載適用)などが継続的に進められると思われる。
センター情報提供 ・プローブデータの活用に関しては、本会議の中で、交通情報提供や運転支援情報提供
 あるいは交通管制など、多くの適用システム事例紹介が行なわれた。
・さらに、従来の3-5倍の大量データを効率良く処理する技術やプローブデータと天候などの外部状況を組み合わせて分析可視化する技術などの基盤技術の紹介も見られた。
・したがって、今後もビッグデータ処理技術の進歩に裏付けされた運転支援情報提供や運行管理システムおよび交通管制などの分野での新しいサービス展開が拡大して行くと思われる。

 

以上

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>