Daimlerの商用車事業:2015年までに94万台販売を目指す

新興国市場の強化、車両部品の共有化と生産体制の整備

2013/02/28

要 約

ダイムラーの商用車販売台数 Daimler AGの商用車事業はDaimler Trucks, Mercedes-Benz Vans, Daimler Busesの3部門で構成される。

 2012年はDaimler Trucksの販売が2011年比8.5%増の46万1,954台となったが、Mercedes-Benz Vansは4.5%減の25万2,418台、Daimler Busesは19.3%減の3万2,088台となった。


 Daimler Trucks部門は減少した西欧の販売を北米・アジア市場が補うかたちとなっており、西欧市場が前年6.1万台から5.8万台へ5.5%減少したが、北米市場は前年11.4万台から13.5万台の18.4%増、アジア市場は前年13.5万台から16.4万台の21.3%増加となった。一方、2011年に好調だった中南米市場は、6.2万台から4.6万台と25.4%減少。

 Mercedes-Benz Vans部門は、西欧市場では7.5%減の16.5万台、アジア市場で2011年の1.8万台から2012年は25.6%減の1.3万台へと販売台数が落ち込んだ。

 Daimler Busesでは南米市場でのバス需要低下が原因で、同市場の販売は2011年の2.5万台から1.8万台へ減少した。


 Daimlerの商用車部門は、2015年にDaimler Trucksで50万台、Mercedes-Benz Vansで40万台、Daimler Busesで4万台を販売台数の目標とする。


 また、車両構成部品の共有化、拠点間の生産ネットワークの整備による生産コスト削減、モデル拡充、既存市場の強化や新規市場への展開を狙う。

 
関連レポート:
Mercedes-Benz Cars: 2015年までに世界販売160万台を目指す(2013年1月掲載)
北米の中型/大型商用車市場と商用車メーカーの動向(2013年1月掲載)



Daimler商用車事業の目標

 

Daimler Trucks ・中期計画「Daimler Trucks Number One」の目標として2015年に50万台、2020年に70万台の販売を掲げる。
・モジュール化による、パワートレインなどの車両構成部品を共有化しコストを削減。2014年までに16億ユーロの収益増加を狙う。
・モデルラインアップの拡充を行って、商品力を高め、また新興国市場向けのブランド・モデルも強化していく。
・環境対応技術/規制への対応。
・利益率(Return on Sales) 8%を目標とする。
Mercedes-Benz
Vans
・成長戦略「Mercedes-Benz Vans Goes Global」の目標として、南米やロシアなどEU域外での販売強化や現地生産を進める。
・販売台数の目標として2015年に40万台を掲げる。
・利益率(Return on Sales) 9%を目標とする。
・コスト削減を行い、収益を1億ユーロ増加させる。
Daimler Buses ・2015年までに販売台数4万台を目指す。
・「Globe 2013」に基づきコスト削減計画/成長戦略を実施して、利益率6%(Return on Sales)の達成を目指す。
・トルコ・ドイツ・チェコにある生産拠点間の生産ネットワークの整備、投資を行い、新興国市場と既存市場の両方を強化。
・Euro6に対応した長距離バス・市内バスの導入。

 

 



Daimler 商用車部門:2012年の販売台数と2013年の見込み

 2012年のDaimler Trucksの販売台数は46万1,954台と、前年比8.5%増となった。西欧市場での販売数の減少や、ブラジル市場では2012年の排気ガス規制Euro5への引き上げがあり、2011年末のEuro3対応トラック販売の駆け込み需要の影響から、2012年のトラック販売は減少。一方、2012年上半期の北米市場は買い替え需要増加による販売拡大、日本市場では2011年の震災からの復興需要の恩恵を受け増加した。

 Mercedes-Benz Vans部門は主要市場である西欧の不振の影響を大きく受け、販売台数は25万2,418台の前年比4.5%減。
Daimler Buses部門は中南米市場の不振の影響により19.3%減となった。

 また、Daimlerの発表では、主に2012年に落ち込んだ中国需要の回復によって、2013年のトラックのグローバル市場は増加すると予想。北米市場では、米国財政上の問題から5~10%落ちこむとしている。欧州は引き続き市場不振により最大5%の低下を予想 している。日本市場は復興需要の影響を見込み、2012年と同程度と予測。ブラジル市場については、経済状況から判断して、10%の増加を予測している。

そのため、2013年前半は、主要市場の不振の影響によりDaimler Trucksの販売増加は望めず、減少もありえるとしている。しかし同年の後半より、2014年導入予定のEuro 6規制に向けて、対応車両の購入需要が増え、販売台数が増化していくと予想している。


 Vans部門では新モデルや、域外市場の強化、ロシアのGAZとの協業などによる現地生産体制の整備により販売台数の増加を狙う。


 Buses部門は事業計画「GLOBE 2013」の継続や新モデル導入による販売強化、またブラジル市場の2014年ワールドカップや2016年オリンピックの準備に併せて、需要増加による販売台数の増加が見込まれる。

Daimler Trucks 地域別販売台数
Mercedes Benz Vans 地域別販売台数
Daimler Buses 地域別販売台数

 

 

Daimlerの商用車事業:部門別販売数

(台)
2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2011年~
2012年
変化率
Trucks 472,074 259,358 355,263 425,756 461,954 8.5%
Vans 287,198 165,576 224,224 264,193 252,418 (4.5%)
Buses 40,591 32,482 39,118 39,741 32,088 (19.3%)
Total 799,863 457,416 618,605 729,690 746,460 2.3%

 資料:2013/2/7 Daimler発表資料、Daimler Annual Report 各年版

 



商用車事業の2012年売上高は4.8%増、EBITは29.6%減

 Daimlerの商用車事業の2012年売上高は、2011年から4.8%増の443億8,800万ユーロ。EBITは2011年の28億7,300万ユーロに対して、2012年は20億2,300万ユーロの29.6%減と大きく減少した。同社はEBITの減少について、Mercedes-Benz Vans部門の西欧市場不振の影響による販売台数減少と、Daimler Buses部門の2億3,200万ユーロの赤字転落、為替の影響による収入減が原因としている。

Daimlerの商用車事業:業績

(100万ユーロ)
2009年 2010年 2011年 2012年 2011年~
2012年変化
(率)
売上高 Daimler Trucks 18,360 24,024 28,751 31,389 9.2%
Mercedes-Benz Vans 6,215 7,812 9,179 9,070 (1.2%)
Daimler Buses 4,238 4,558 4,418 3,929 (11.1%)
商用車合計 28,813 36,394 42,348 44,388 4.8%
EBIT Daimler Trucks (1,001) 1,323 1,876 1,714 (8.6%)
Mercedes-Benz Vans 26 451 835 541 (35.2%)
Daimler Buses 183 215 162 (232) -
商用車合計 (792) 1,989 2,873 2,023 (29.6%)
EBITの
対売上比率
Daimler Trucks (5.5%) 5.5% 6.5% 5.5% (1.1pp)
Mercedes-Benz Vans 0.4% 5.8% 9.1% 6.0% (3.1pp)
Daimler Buses 4.3% 4.7% 3.7% (5.9%) (9.6pp)
商用車合計 (2.7%) 5.5% 6.8% 4.6% (2.2pp)
設備投資 Daimler Trucks 597 1,003 1,201 989 (17.7%)
Mercedes-Benz Vans 113 91 109 223 104.6%
Daimler Buses 78 95 103 82 (20.4%)
商用車合計 788 1,189 1,413 1,294 (8.4%)
研究開発費 Daimler Trucks 1,116 1,282 1,321 1,197 (9.4%)
Mercedes-Benz Vans 193 267 358 371 3.6%
Daimler Buses 212 223 225 222 (1.3%)
商用車合計 1,521 1,772 1,904 1,790 (6.0%)
従業員数
(人)
Daimler Trucks 70,699 71,706 77,295 80,519 4.2%
Mercedes-Benz Vans 15,226 14,557 14,889 14,916 0.2%
Daimler Buses 17,188 17,134 17,495 16,901 (3.4%)
商用車合計 103,113 103,397 109,679 112,336 2.4%

 資料:Daimler Annual Report 各年版

 



先進国市場:ドイツ・米国・日本

 2012年5月に発表されたCanter Eco Hybridなど、Euro規制を始めとする環境規制に対応したモデルの展開を行い環境対応車需要に対応。また、米国のDetroit Dieselでのパワートレイン生産を行うなど、グローバル生産ネットワークの整備を行いコスト削減と生産効率の向上を狙う。

ドイツ

Setra Comfort
Class 500発表
 2012年5月、DaimlerはSetraの新型バスComfort Class 500を発表。2012年秋に2アクスルモデルS 515 HD、2アクスル/3アクスルモデルS 516 HD、3アクスルモデルS 517 HDを発売。2014年に発効する「Euro6」に適合。軽量化と剛性を兼ね備えるとともに、Mercedes-Benzの10.7L OM 470エンジン(428hp/2,100Nm)を搭載し、燃費効率とパフォーマンスが改善されている。
環境対応車両の発表  2012年9月、Daimlerは、第64回IAA国際商用車ショー(ハノーバー)に合計70台を出展。Mercedes-Benzの7人乗り小型EVバスVito E-Cell crew busと商用バンSprinter E-CELLを世界初公開するほか、欧州初となる三菱ふそうの小型HVトラックCanter Eco Hybridなどを展示。
商用車部門で
人員削減
 2013年2月、Daimlerではドイツの商用車部門で、非生産部門800人の人員削減が行われる計画があると報じられている。

 

米国

生産体制の強化  2012年12月、Daimler傘下の米エンジンメーカー、Detroit Dieselのミシガン州Redford工場に1億2,000万ドルを投資する計画を発表した。同工場で自動化マニュアルトランスミッションDetroit DT12、非対称ターボチャージャーを装備した新エンジンDetroit DD15を生産予定。同工場ではFreightlinerおよびWestern Starブランドの商用車に搭載するパワートレインを生産。このことにより、Daimlerは北米地域で商用車向けパワートレインを自社生産することが可能になり、コスト削減につなげる。
バス事業の再編  2012年3月、Daimlerはバス事業の再編を発表。北米で展開していたOrionブランドを廃止し、Setraブランドを強化する。Orionバスは既存の受注分の生産が終了次第、カナダ・オンタリオ州のMississauga工場を2013年までに閉鎖する。また、米ニューヨーク州Oriskany工場は、交換部品の製造と既存顧客のサービスに関連した業務に限定して継続。Setraモデルは従来通りドイツで製造された車両を北米に輸出する。
Freightlinerブランド
生産拠点で
一時解雇(layoff)
 2013年2月、Daimlerは北米の商用車部門のFreightlinerブランドで、1,300人の人員削減を行うことになった。2012年1月には、大型トラックの買い替え需要増加に対応するためCleveland工場で同年9月までに1,100人を新規採用すると発表したが、2012年夏には需要の予測と異なったとして、雇用規模が半数になったとの修正計画を示していた。

 

日本

Canter Eco
Hybridの展開
 2012年5月、Daimler傘下の三菱ふそうは小型トラックCanterのHVモデルCanter Eco Hybrid発表し、日本で発売開始。欧州では、ポルトガル Tramagal 工場で新型Canter Eco HybridのKD生産を2012年9月に開始。2013年2月にオーストラリア市場への投入など、Daimlerは欧州各国やアジア等にハイブリッド車両を展開していく。
日産との協業  2012年11月、日産と三菱ふそうは日本市場向け小型トラックの相互OEM供給に関し正式契約を結んだと発表。日産からはAtlas F24を三菱ふそうのCanter Gutsとして、三菱ふそうからはCanterを日産のNT450 Atlasとして、2013年1月から供給開始。供給台数は、Canter Gutsが500台/年、NT450 Atlasが800台/年に予定されている。

 

 



新興国市場:インド・ロシア・中国・その他

 Daimlerは新興国市場の、現地生産や部品調達、各市場の需要を反映したモデル展開を重要視している。インド市場では新ブランドBharat Benzを設立し、2014年までにGVW 7~49トンの車両、合計17モデルを展開。中国ではFotonとの協業で、2016年よりAuman(欧曼)ブランド向けのエンジンの生産を開始する。ロシアではKAMAZにキャブのライセンスを付与、現地生産体制を確立していく。

インド

新ブランド
Bharat Benz
モデル展開予定
とシェア目標
 2012年2月、Daimlerは新ブランドBharatBenzを発表。2014年までにBharatBenzブランドでGVW7~49トンの17モデルを展開し、2020年までに市場シェア20%確保を目指す方針。
生産体制:
M-Benz・ふそうの
プラットフォーム
の活用
 Daimlerの現地子会社Daimler India Commercial Vehicle(DICV)のOragadam工場がパワートレインを含めて現地生産。2012年9月にはGVW25トン及び31トンの貨物トラックと、25トンのダンプカーの生産を開始。プラットフォームはMercedes-Benzの大型トラックAxorベースとなっている。
また、三菱ふそうの小型トラックCanterや中型トラックFighterのプラットフォームを活用した、GVW9トン及び12トンの貨物トラックと、12トンのダンプカーを2012年10月に生産開始。車両の開発・生産に当たり、Daimlerは三菱ふそうから、車両全体の設計やエンジン・トランスミッションの現地化、生産技術等の分野で協力を受けた。
新工場設立  2012年4月、Chennai郊外Oragadamに新工場が完成。Pune工場で生産していた車両を工場に移管、またR&Dチームも新工場内へ移転された。総投資額は製造部門とR&D部門合計で440億ルピー(約7億ユーロ超)。地元サプライヤーのうち40%以上が新工場から40km圏内に立地。現地調達率85%以上を目指す。また新工場からは、インド国内市場向けに販売するだけでなく、2013年に輸出を開始する見込み。輸出先としてはアジア・アフリカ地域が想定されている。
市内用バスの導入  2012年3月、DaimlerはエジプトのMCV(Manufacturing Commercial Vehicles)との協業で生産した市内用バス(city bus)の販売を開始した。同社によればインドのバス市場は中国に続き2位で2012年は4万6,000台規模。2020年までに、インドでのバスの販売台数は8万台に達し、全世界のバス需要の20%を占めるとしている。

 

ロシア

KAMAZとの協業 キャブのライセンス
生産
 2012年6月、大型トラックAxorのキャブをロシアのKAMAZに供給し、段階的にライセンス生産を認める契約を結んだと発表。DaimlerとKAMAZは2008年に提携を結び、Mercedes-Benzの大型トラックActrosやAxorなどを生産するMercedes-Benz Trucks Vostokと、小型トラックCanterを生産するFuso KAMAZ Trucks Rusの2社をロシア国内に設立。
 Daimlerは2012年にKAMAZの試作車用にキャブを供給。その後、KAMAZがタタルスタン共和国のNaberezhnye Chelny工場で組み立てるKAMAZブランドのトラック向けに個々の部品を供給する計画で段階的に現地調達率を引き上げていく。
投入・販売計画  KAMAZは2013年に新世代トラックの投入と、長期目標としてDaimlerより供給されたキャブを装備するトラックの年間2万台以上の販売を計画している。
エンジン・
アクスルの供給
 KAMAZにエンジンを年間7,000基とアクスルを1万5,000本供給すると、2012年11月に発表。DaimlerはKAMAZのNaberezhnye Chelny工場に、トラック・バス用のフロント・リヤアクスルを、独Gaggenau工場から、OM457トラック用ディーゼルエンジンとM906バス用天然ガスエンジンを独Mannheim工場から供給。将来的にロシアでアクスルの合弁生産を計画している。
GAZとの協業 Sprinter T1N
生産へ向けて投資
 2012年6月、ロシア西部にあるGAZのNizhny Novgorod工場で2013年上半期からSprinter T1Nの生産を開始する計画。プロジェクトへの投資額はDaimlerが1億ユーロ、GAZが9,000万ユーロ。Sprinter T1Nに搭載するエンジンは欧州の排ガス基準Euro4に対応したYaMZ-530で、Yaroslavl州の新工場で生産される。

 

中国

北汽福田汽車との合弁 合弁会社の設立  2012年2月、北汽福田汽車とDaimlerの合弁会社である北京福田戴姆勒汽車有限公司(Beijing Foton Daimler Automotive Co. Ltd.、以下北京福田Daimler) を、18日に北京で設立。両社の折半出資による商用車メーカーで、北汽福田汽車の欧曼(Auman)ブランドの中・大型トラックを生産していく。
新市場への参入計画  Daimlerは新会社設立により、中国トラック市場における製品ラインナップやシェア拡大をめざす。そして北京福田Daimlerを中核拠点とし、ロシアや南アジア、中南米等の地域にも段階的に合弁会社設立を計画。
エンジンの現地生産  2012年7月に発表したMercedes-Benz OM457エンジンを生産する工場は2013年上半期に着工し、2014年に稼動開始予定。最大で4.5万基の年産能力を整備する。稼動当初は部品の現地調達率が40%となる見込みで、中長期的に65%まで引き上げるとしている。エンジン工場が稼動するまでは、Mercedes-Benzの独Mannheim工場からの供給で対応する。OM457は最大馬力が450hpで、欧州排出ガス基準Euro5、またはEuro6に適合している。
 2014年には北汽福田汽車との協業で新たなエンジン工場を展開。2016年に欧曼(Auman)ブランドのトラック用エンジン工場として展開していく見込み。

注:Daimlerのアジア大洋州地域における唯一のバン生産拠点として、福建ベンツはViano、Vito、Sprinterを生産している。2007年に着工、2010年4月から稼動。

 

南米

ブラジル:
生産拠点への投資
 Mercedes-Benz do Brazilは2010年~2013年に6億5,000万ユーロを投資し、トラックを生産するSao Bernardo do Campo工場、Juiz de Fora工場と開発部門に投資を行った。年産能力は15%増加し、7万5,000台まで引き上げられた。また、Juiz de Fora工場は商用車のグローバル生産拠点の一部として、2012年よりActros、Acceloの生産を開始した。
アルゼンチン:
Sprinter生産開始と
生産体制の強化
 2012年3月、Daimler はSprinterの生産開始を発表。SprinterはMercedes-Benz Vansのフラッグシップモデルで、南米では輸送用のバスとして導入されている。Buenos Aires工場で生産されたモデルは、5月に南米市場に投入。
 2012年10月、アルゼンチン、Buenos Aires・Juan Manuel Fangio工場に約1億7,000万ドルを、今後数年間にわたり投資すると発表した。850人を新規採用し、新型の中型バン、トラックAtron 1624とAtron 1634、バスシャシーLO915、OF1722、OH1518の生産を開始する計画。
コロンビア:
CKD生産の開始
 2012年2月、コロンビアのBogota工場で、Mercedes-Benzの1016とThomas Built BusのEF 1723ベースの新型バスシャシーのCKD生産開始を発表。1016のCKDキットは独Worth工場から、EF 1723は米ノースカロライナ州High Point工場から調達する。当初の部品の現地調達率は10%だが、将来的には少なくとも18%に引き上げる計画。

 

 



Daimler商用車のモデル計画

Daimler Trucks

 Daimler Trucks部門の計画、「Daimler Trucks Number One」では車両構成部品のモジュール化やグローバル拠点での生産ネットワークの整備による生産コスト削減と、新モデルの展開を行う。また、Euro6規制対応モデルの導入や北米のGreenhouse Gas Standardなどの、各国の排出ガス規定への対応をはじめとする、環境技術も進めていく。

Actros  2011年4月、新型Actrosを発表。大型トラック用新プラットフォームをベースにした、居住スペースと運転席を別途設けるなど、長期間の運用に備えた長距離輸送用のモデル。Euro6基準に対応したモデルの燃費は、旧モデルと比較して4.5%、Euro5基準対応モデルは7.6%向上した。
Antos  2012年6月、新モデルAntosを発表。大型トラック用新プラットフォームをベースの、視認性や積載量を高めた短距離輸送に特化したモデルで、Euro6基準に対応した175kW(238 hp)~375kW(510hp)のエンジンを搭載。Antosは様々な形状で提供され、車軸は2軸~3軸、2650mmから6700mmまでが用意され、顧客要望に対応。
Arocs  2012年11月、大型トラック用新プラットフォームベースの、建設現場用の新モデルArocsを発表。同モデルは、2軸、3軸、4軸のアクスルを使用する車両が用意され、ダンプカー、ミキサー車や牽引車など、顧客要望に対応して様々な形状で提供される。エンジンは175kW(238hp)~460kW(625hp)の16タイプで、全て欧州排ガス規制Euro6に適合している。同モデルは2013年4月、イギリスのCommercial Vehicle Showで初出展予定。
Atego  2013年2月、新型Ategoを発表。中型トラック用新プラットフォームを初採用するモデル。4気筒 115kW(156hp)~ 170kW(231hp)のOM934エンジンシリーズと、6気筒 175kW(238hp)~220kW (299hP)OM936エンジンシリーズが用意され、すべてEuro6基準に対応。同モデルは2013年4月、イギリスのCommercial Vehicle Showで初出展予定。
Fuso Canter
Eco Hybrid
 日本では2012年5月発売、欧州では2012年9月に投入。小型ハイブリッドトラックの2代目。デュアルクラッチトランスミッションとモーターを組み合わせた、世界初のハイブリッドシステムを採用。燃費は12.8km/L(重量車モード燃費値、GVW3.5t~5t未満、積載量2トンクラスの値)。通常のCanterと比較して、23%も燃費を向上した。

 

Mercedes-Benz Vans

 Mercedes-Benz Vans部門は2013年~2014年に販売台数の増加を計画している。Mercedes-Benz Vansの計画、「Vans Goes Global」では、南米やロシアなど新興国市場での販売強化や現地生産を進める予定。また、2013年半ばに新型バンの欧州市場への導入を計画している。

Citan  2012年2月、Daimlerは、Renault Kangooをベースに開発されたCitanを発表。搭載エンジンは、ガソリンターボ(84kW/114ps)とディーゼルターボ3種(55kW /75hp~ 81kW /110hp)で、"Blue EFFICIENCY" バージョンでは、燃費性能4.3L / 100km。Daimlerは同モデルの販売数が今後増加して行くとしている。
Sprinter  2012年10月にはSprinterの新型車を発表。電子制御式7速AT 7G-TronictとCDIエンジンを採用したモデルを発表。2012年3月よりアルゼンチンでの生産開始したのを初め、2013年前半には同モデルをロシア、GAZにて生産開始予定など域外市場展開を行う。

 

Daimler Buses

 Daimler Bus部門の計画「Globe 2013」では、6%のReturn on Sales(利益率)を目指す。目標達成のため、欧州の生産拠点間の生産ネットワーク強化や、既存市場の発展と新規市場への展開を狙う。また、2013年秋に新モデル導入予定。

Citaro  Daimler傘下、Evobusの製造する路線バスで、2012年7月、出力が220kWと260kWのOM936と、265kWと290kWのOM470の2種類の新エンジンが用意され、Euro6規制に対応したCitaroが発表された。
Setra  Daimler傘下、Evobusの生産する観光バス。2012年7月、新型Setra ComfortClass 500を発表。 Euro6規制に適合している最大出力315kW(425hp)、最大トルク2100NmのOM470エンジンを搭載。2013年秋に新モデルが導入予定。
Tourismo  Daimler Busの生産する長距離バス。2013年に新型投入予定。

 

 



(参考) Daimler全体の2012年業績

Daimlerの部門別販売と生産台数

生産台数(台)
部門 2009年
販売台数
2010年
販売台数
2011年
販売台数
2012年
販売台数
2009年
生産台数
2010年
生産台数
2011年
生産台数
2012年
生産台数
Mercedes-Benz Cars 1,093,905 1,276,827 1,381,416 1,451,569 1,031,562 1,312,456 1,392,083 1,455,650
Daimler Trucks 259,328 355,263 425,756 461,954 235,474 360,896 435,918 450,622
Mercedes-Benz Vans 165,576 224,224 264,193 252,418 156,667 227,975 268,851 257,496
Daimler Buses 32,482 39,118 39,741 32,088 32,666 39,405 40,391 31,384
合計 1,551,291 1,895,432 2,111,106 2,198,029 1,456,369 1,940,732 2,137,243 2,195,152

 資料:2013/2/7 Daimler発表資料、Daimler Annual Report 各年版

Daimlerの部門別売上高とEBIT

EBIT (100万ユーロ)
部門 2009年
売上高
2010年
売上高
2011年
売上高
2012年
売上高
2009年
EBIT
2010年
EBIT
2011年
EBIT
2012年
EBIT
Mercedes-Benz Cars 41,318 53,426 57,410 61,660 (500) 4,656 5,192 4,389
Daimler Trucks 18,360 24,024 28,751 31,389 (1,001) 1,323 1,876 1,714
Mercedes-Benz Vans 6,215 7,812 9,179 9,070 26 451 835 541
Daimler Buses 4,238 4,558 4,418 3,929 183 215 162 (232)
Financial Service
(金融サービス)
11,996 12,788 12,080 13,550 9 831 1,312 1,292

 資料:2013/2/7 Daimler発表資料、Daimler Annual Report 各年版

 



(参考) Daimlerの商用車事業:部門別・地域別販売数

Daimler Trucks部門

(1000台)
西欧 NAFTA 中南米 アジア その他 合計
(内ドイツ) (内米国) (内日本)
2009年 44.0 24.9 61.7 52.4 37.1 86.7 23.1 29.5 259.3
2010年 55.4 30.3 76.7 62.6 58.1 120.4 24.8 44.6 355.3
2011年 61.4 31.2 114.0 96.9 61.9 134.9 27.0 53.5 425.8
2012年 58.0 31.1 135.0 113.8 46.2 163.7 35.0 59.0 462.0

 資料:2013/2/7 Daimler発表資料、Daimler Annual Report 各年版

Mercedes-Benz Vans部門

(1000台)
西欧 東欧 NAFTA 中南米 アジア その他 合計
(内ドイツ) (内米国) (内中国)
2009年 128.1 58.2 11.0 2.6 1.6 9.5 5.3 1.3 9.2 165.6
2010年 156.8 62.2 16.4 13.3 10.5 12.5 16.4 12.2 8.8 224.2
2011年 178.3 77.6 22.6 22.3 18.0 13.7 17.6 13.5 9.6 264.2
2012年 164.9 71.0 24.0 26.4 21.5 14.0 13.1 8.8 10.0 252.4

 資料:2013/2/7 Daimler発表資料、Daimler Annual Report 各年版

Daimler Buses部門

(1000台)
西欧 東欧 NAFTA 中南米 アジア その他 合計
(内ドイツ) (内米国)
2009年 7.2 2.8 1.3 3.9 0.9 16.3 2.0 1.8 32.5
2010年 7.2 2.6 1.3 3.9 0.6 23.2 1.5 2.1 39.1
2011年 5.9 2.2 1.6 4.0 0.5 25.0 1.7 1.5 39.7
2012年 5.9 2.0 1.7 3.9 0.4 17.8 1.9 0.9 32.1

資料:2013/2/7 Daimler発表資料、Daimler Annual Report 各年版


レポート資料:Daimler発表資料、Daimler Annual Report 各年版、各紙報道

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