欧州の新型車装備 (2): PSA, Renault, 欧州GM, 欧州Ford, Volvo

Volvo V40が世界初の歩行者用エアバッグなど先進的な歩行者保護システムを採用

2012/10/12

要 約

 以下は、PSA, Renault, 欧州GM, 欧州Ford, Volvo が、2011年夏以降に欧州市場で発売した新型乗用車の主要装備の設定概要である。取り上げた新型車は合計8車種で、ブランド別ではPeugeot、Citroen、Renault、Opel/Vauxhall、Chevrolet、Volvoが各1車種、Fordが2車種 (ピックアップトラックを含む) である。

 走行安定性装備では、コーナリング時に内輪にブレーキをかけ、外輪に多めのトルクを伝えて、アンダーステア傾向を抑えるTorque vectoringの採用が増加。燃費向上につながるアイドリングストップ機構 (Start/stop system)の設定は、大半のブランドに拡大した。

 視認性確保では、ヘッドランプのハイ/ロービームを自動切替するHigh Beam assistの設定が拡大。衝突安全性装備では、運転席のニーエアバッグの設定が増加。また、欧州では、ユーロNCAPの衝突安全テストでも重視されている歩行者保護性能の向上が求められているが、Volvo は小型ハッチバック車V40に、歩行者用エアバッグを世界で初めて搭載した。

 運転・駐車支援装備では、車線逸脱警報や衝突被害軽減ブレーキなど予防安全装備の設定が拡大。Volvo V40はこの分野においても、歩行者を保護するオートブレーキ付き歩行者検知システムを設定した。

 快適性と利便性では、運転席と助手席の空調を個別に自動制御するAutomatic dual-zone air conditioningの設定が増加。車載のインフォテインメントシステムとスマートフォンの連携機能の設定が拡大している。



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(2012年9月)、
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Citroenの上級モデルDS5
Citroenの上級モデルDS5

Volvo V40
世界初の歩行者用エアバッグを搭載したVolvo V40
(レスポンス提供)


PSA, Renault, 欧州GM, 欧州Ford, Volvo が新型車に設定した主な先進装備

(2011年夏以降に欧州発売した新型車)
走行安定性
(燃費向上を含む)
Torque vectoring Volvo V40 , Ford B-Max
アイドリングストップ機構
(Start/stop system)
Renault Clio, Opel Mokka, Chevrolet Aveo,
Ford B-Max, Volvo V40
視認性確保 High beam assist Citroen DS5, Opel Mokka, Volvo V40
衝突安全性 Driver's knee airbag Ford Ranger, Ford B-Max, Volvo V40
Pedestrian airbag technology Volvo V40
運転・駐車支援 Lane departure warning system Citroen DS5, Opel Mokka, Volvo V40
衝突被害軽減ブレーキ Ford B-Max, Volvo V40
歩行者検知システム
(フルオートブレーキ付き)
Volvo V40
快適性・利便性 Automatic dual-zone
air conditioning
Peugeot 208, Citroen DS5, Opel Mokka,
Ford Ranger, Volvo V40
インフォテインメントシステムと
スマートフォンの連携
Chevrolet Aveo, Ford B-Max, Volvo V40


PSA:上級モデルCitroen DS5に走行モード選択機能や車線逸脱警報装置を設定

 PSA は、Peugeotの最量販車207の後継車208に、縦列駐車のステアリング操作を自動化したParking assistやHeated front seatsなど利便性・快適性の高い装備を設定。Citroenの上級モデルDS5のハイブリッド車には、走行状況に応じて走行モードを選択できるFour selectable driving modesや予防安全装備のLane departure warning systemを設定した。

 

PSA:Peugeot/Citroen ブランド乗用車の主要装備

対象は2011年夏以降の欧州発売モデル。
◎は全仕様に標準装備、○は一部仕様に標準装備、△はオプション設定。
Peugeot
208
Citroen
DS5
12年3月 12年1月
走行安定性
(燃費向上を含む)
Intelligent traction control/Tyre pressure monitor
Gear shift indicator
Four selectable driving modes (下表1)
視認性確保 Auto headlights
Smartbeam headlights (下表2)
Xenon dual-function directional headlamps ○△
Cornering assist fog lights, LED daytime running lights
Electrochrome/auto-dimming rear view mirror
Automatic rain-sensitive windscreen wipers
Automatic rear wiper (when reverse gear is engaged)
衝突安全性 Driver and passenger airbag with
passenger airbag deactivation switch
Front side airbags, Front and rear curtain airbags
Automatic hazard light activation
運転支援
駐車支援
Rear parking sensors ○△
Front parking sensors, Reversing camera ○△
Parking assist △(注3)
Automatic electric parking brake
Hill assist
Lane departure warning system (下表3)
Speed limiter
Cruise control
快適性
利便性
Automatic dual-zone air conditioning
Heated front seats ○△
Multifunction colour touch screen (7" touch screen)
Navigation upgrade
Colour head-up display ○△
Cockpit roof with toggle switches (下表4)
Bluetooth
WIFI ON BOARD
Peugeot Connect SOS and Assistance(テレマティクスシステム)
Citroen eTouch Emergency and Assistance(テレマティクスシステム)
eMyWay (下表5) ○△
資料:2012年 10月初旬の Peugeot/Citroen On-Line Catalog (英国)
1. Peugeot 208 は、Peugeotの最量販車 207の後継車で、Bセグメントの中核モデル。3ドア・5ドアハッチバック。 全長は207より7cm短いが後席の足元スペースは5cm長く、車両重量は110kg軽い。
2. Citroen DS5 は、Citroen の上級モデルシリーズ "DS" の第3弾。中型クロスオーバー。C4のプラットフォームのホイールベースを拡大して使用。ディーゼル・ハイブリッド仕様も設定。
3. Peugeot 208は2012年末からParking Assistを設定する予定。

 

PSA:主な先進装備
(1)
Four selectable
driving modes
 走行状況に応じて4種の走行モードから適切なモードを選択できる機能で、Citroen DS5 のハイブリッドモデルに搭載。"Auto"は燃費優先でディーゼルエンジン走行とEV走行を切り替え、"ZEV"は時速37マイルまでモータのみを使用し、"4WD"は前輪をエンジン、後輪をモータで駆動してトラクションを最大限にし、"Sport"はエンジンとモータの両方を使用して迅速なレスポンスを可能にする。
(2)
Smartbeam
headlights
 カメラによって周囲の光量を常に監視し、必要に応じて自動的にハイビームランプを点灯/消灯する。
(3)
Lane departure
warning system
 車線逸脱警報システム。リアミラーに搭載されたカメラが常に車線を監視。時速50マイル以上で走行中、方向指示器を出していない状態で車両が車線を超えそうになると、運転席のシート (車線を超えそうな側の座面) を振動させてドライバーの注意を喚起する。
(4)
Cockpit roof
with toggle switches
 飛行機をイメージしてデザインされた天井のコントロールパネル。各種スイッチ類は、この天井とセンターコンソールに集中配置されている。
(5)
eMyWay
 Citroenのインフォテインメントシステム。7インチの高精細スクリーン、ナビゲーションシステム、速度制限標識の表示(速度オーバー時は赤色点滅により注意喚起)、オーディオシステム、Bluetoothハンズフリーテレフォン機能、リバーシングカメラ等で構成。リアルタイムの交通情報も提供する。

 

 



Renault:小型車Clioにアイドリングストップ機構やマルチメディアシステムを設定

 Renault は、小型ハッチバック車のClioに、燃費を向上させるアイドリングストップ機構、車と外の世界を結ぶマルチメディアシステムRenault R-Linkを設定。 また、音響スピーカーの低音域の音量と音質を高めるBASS REFLEX systemを採用した。

 

Renault:Renault ブランド乗用車の主要装備

対象は2011年夏以降の欧州発売モデル。
◎は全仕様に標準装備、○は一部仕様に標準装備、△はオプション設定。
Clio
12年10月
走行安定性
(燃費向上を含む)
Button-activated ECO mode
Driving style indicator, Gear shift indicator
Stop&Start
視認性確保 LED daytime running lights
Rain and light sensors
衝突安全性 Frontal airbags, Lateral head and thorax airbags
Anti-whiplash head rests
運転支援
駐車支援
Rear parking sensors ○△
Hill start assist, Cruise control with speed limiter
快適性
利便性
Renault BASS REFLEX system(下表1)
MEDIA NAV
Renault R-Link (下表2)

資料:Renault Press Kit 2012 Paris Motor Show
(注) Clioは4代目。5ドアハッチバック車。2010年秋に発表したEVスポーツコンセプトカー DeZir のデザインモチーフを導入。Renaultの新デザイン言語を導入した最初の量産車。

 

Renault:主な先進装備
(1)
Renault BASS
REFLEX system
 音響スピーカーの低音域拡大システムで、車載用としては世界で初めてベント (ダクト) を使用した。フロントドアに組み込まれ、ダクトの形状をしたベントにより、空気の乱流を大幅に低減。容積が30Lの家庭用スピーカーと同等の音量と音質を提供する。
(2)
Renault R-Link
 車と外の世界を結ぶマルチメディアシステム。7インチのタッチスクリーン/ステアリングスイッチ/音声操作により、ナビゲーション、ラジオ、Bluetoothハンズフリー通話、オーディオ等を操作できる。車両の電子制御システムとリンクしており、運転に関する車両データを収集し、エコドライブの方法を助言するDriving eco2 等の機能を提供。また、外部のネットワークともリンクしており、リアルタイムの交通情報や最適ルートの検索、車載用アプリケーションを扱うR-Link Store へのアクセスが可能。

 

 



欧州GM:Opel Mokkaに車線逸脱警報装置などの予防安全装備を設定

 GM は小型SUVのOpel/Vauxhall Mokkaに、状況に応じて8種類の配光から最適配光を選択するAdvanced adaptive forward lightingやフロントカメラを利用した3つの予防安全装備を設定。小型車のChevrolet Aveoには、スマートフォンと連動するインフォテインメントシステムChevrolet MyLinkを採用。また、両モデルにアイドリングストップ機構を設定した。

 

欧州 GM:Opel/Vauxhall/Chevrolet ブランド乗用車の主要装備

対象は2011年夏以降の欧州発売モデル。
◎は全仕様に標準装備、○は一部仕様に標準装備、△はオプション設定。
Opel/
Vauxhall
Mokka
Chevrolet
Aveo
12年末 11年夏
走行安定性
(燃費向上を含む)
Intelligent four-wheel drive
Start/stop
視認性確保 Advanced adaptive forward lighting (下表1)
Bi-xenon headlights with dynamic beam levelling
Automatic lighting control
High beam assist
Electro-chromatic anti-dazzle rear view mirror
Rain sensitive windscreen wipers
衝突安全性 Driver's and front passenger's airbags
Front seat side-impact airbags, Full-size curtain airbags
運転支援
駐車支援
Front and rear parking distance sensors
Rear parking distance sensor
Rearview camera
Hill start assist
Descent control system, Cruise control
Cruise control with speed limiter
Forward collision alert/Traffic sign recognition/
Lane departure warning (下表2)
快適性
利便性
Dual-zone electronic climate control
Flex-Fix bike carrier system (下表3)
Heated front seats, Heated steering wheel
Bluetooth
Satellite navigation
Chevrolet MyLink (下表4)
資料:2012年10月初旬の Opel/Vauxhall/Chevrolet の On-Line Catalog (英国)
1. Opel/Vauxhall MokkaはBセグメントに属する5人乗りの小型クロスオーバーSUV。Buick Encore と姉妹車。
2. Chevrolet Aveoは、Chevroletの小型世界戦略車の3代目。5ドアハッチバックと4ドアセダン。旧モデルより全長・全幅ともひと回り大きく、広いスペースとスポーティなスタイルで、若者とファミリー世代にアピールする。

 

欧州GM:主な先進装備
(1)
Advanced adaptive
forward lighting
 多数の車載センサーにより周囲の明るさ、天候、走行速度、操舵角等を検知し、光量と照射範囲が異なる以下の 8種類の配光から最適配光を選択する。(1)Pedestrian area light(時速20マイルまで)、(2)Town light(時速20-35マイル)、(3)Country road light(時速35-70マイル)、(4)Motorway light(時速70マイル超)、(5)Adverse weather light(時速45マイルまで)、(6)High beam with assist(時速25マイル超)、(7)Dynamic curve light(全速度)、(8)Static cornering light(時速25マイルまで・後退時)。
(2)
Front camera
system
 ルームミラーに設置されたフロントカメラにより、3つの機能を提供。Forward Collision Alertは時速25マイル以上で作動し、低速で走行中の先行車に自車が急速に近づいている場合、音と表示で警告する。Traffic Sign Recognitionは、速度制限を示す交通標識を認識し、自車が速度をオーバーすると警告する。Lane Departure Warningは、道路の車線を認識し、自車が方向指示器を出していない状態で車線を逸脱すると、警告音を発する。
(3)
Flex-Fix bike
carrier system
 リヤバンパーの下から引き出して使用するスライド式キャリアシステム。3台の自転車を積載できる。また、自転車を積んだままキャリアシステムを少し手前に倒し、テイルゲートを開くことも可能。
(4)
Chevrolet MyLink
 GMの新世代インフォテインメントシステムで、Aveoには2012年夏から採用。音声コマンド、7インチ高精細タッチスクリーン、ステアリングスイッチなど多様な方法で操作が可能。スマートフォンとも連動し、スマートフォンに蓄積された電話帳、音楽ファイル、画像等のデータに、タッチスクリーンからアクセスできる。

 

 



欧州Ford:B-Maxにトルクベクタリング機構や衝突被害軽減ブレーキを設定

 Ford は小型ピックアップトラックのRangerに、荷物の積載状況に応じてESCの働きを補正するLoad adaptive controlや、トレイラーの揺れを制御するTrailer sway controlを設定。小型MPVのB-Maxには、コーナリング時に内輪にブレーキをかけ、外輪に多めのトルクを伝えて走行を安定させるTorque vectoring controlや、自動ブレーキにより衝突被害を軽減するActive City Stopを搭載した。

 

欧州 Ford:Ford ブランド乗用車(ピックアップトラックを含む)の主要装備

対象は2011年夏以降の欧州発売モデル。
◎は全仕様に標準装備、○は一部仕様に標準装備、△はオプション設定。
Ranger B-Max
11年11月 12年9月
走行安定性
(燃費向上を含む)
Electronic 4-wheel-drive shift 'on-the-fly' (スイッチで切替可能)
Torque vectoring control
Smart regenerative charging, Auto-start-stop system
Shift indicator
Ford Eco Mode (driver information system)(下表1)
視認性確保 Automatic headlights
LED day running lights
Front fog lights
Rain sensing wipers, Heated windscreen,
Electrochromatic rear view mirror
衝突安全性 Driver and passenger airbags with
Passenger airbag deactivation switch
Side airbags, Side air-curtains,
Inflatable driver's knee bolster
Emergency brake assist
Emergency brake warning
運転支援
駐車支援
Rear parking distance sensors, Reverse camera
Front parking distance sensors
Cruise control
Hill start assist
Hill descent control, Roll-over mitigation
Load adaptive control (下表2)
Trailer sway control (下表3)
Active City Stop (下表4)
快適性
利便性
Air conditioning -dual-zone electronic automatic
temperature control
Heated front seats
Ford Easy Access Door System (下表5)
Bluetooth with voice control
Satellite navigation
Integrated tow bar
Roller shutter (下表6)
Ford SYNC (下表7)
資料:2012年 10月初旬の 欧州 Ford On-Line Catalog (英国)
1. Rangerは小型ピックアップトラック。豪州においてマツダと共同開発した世界戦略車。Mazda BT-50と姉妹車。
2. B-Maxは小型MPV。Fiestaのプラットフォームをベースに開発された新モデル。

 

欧州Ford:主な先進装備
(1)
Ford Eco Mode
 エコ運転を可能にするためのアドバイスシステム。走行速度やギアシフティング等が燃費に及ぼす影響を評価し、どうすれば燃費が向上するかをアドバイスする。
(2)
Load adaptive control
 荷物を積載していないとき、一部積載しているとき、あるいは満載のときに車両の重心を検知し、ESCの反応を調整して、ESCの働きを補正する。
(3)
Trailer sway control
 ESCの機能の一つ。トレイラーの揺れを検知すると、システムがエンジントルクを抑え、適当な車輪にブレーキをかけて、コントロールを取り戻す。
(4)
Active City Stop
 低速走行時の衝突被害軽減ブレーキ。時速19マイルまでの走行中、先行車が突然停止すると、システムが自動ブレーキをかけ、衝突を回避または衝突の衝撃を低減する。
(5)
Ford Easy Access
Door System
 Bピラーをなくし、その分ドアを強化することにより、フロントドアを開け、リアのスライドドアを開けると、開口部が1.5mとワイドになり、乗員の乗降が容易となる。
(6)
Roller shutter
 ピックアップトラックの荷台を覆う巻き上げ式のトノカバー。高強度のアルミニウム製で、丈夫で防水性もある。二段式のロック機構付き。
(7)
Ford SYNC
 Fordのインフォテインメントシステム。まもなく導入される新機能のEmergency Assistanceは、車両が事故にあったことを検知すると、システムが自動的にモバイルフォンを使って緊急通報を行う。また、やはり新機能のAppLinkは、音声コマンドによるスマートフォンのアプリケーション操作を可能にする。

 

 



Volvo: V40に多数の衝突安全・予防安全装備を設定

Volvoは小型ハッチバック車のV40に、世界初の歩行者用エアバッグを設定。従来からある歩行者検知システムも設定し、先進的な歩行者保護装備を充実させた。また、衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱防止システムなど、多くの予防安全装備も採用した。その結果、同モデルは、2012年8月に発表されたユーロNCAPの衝突安全テストで、歩行者保護性能のカテゴリーで過去最高の88%、安全補助装置の有無 (予防安全技術を含む) のカテゴリーで満点の100%を達成し、総合点で過去最高の評価を獲得した。

Volvo Cars:Volvo ブランド乗用車の主要装備

対象は2011年夏以降の欧州発売モデル。
◎は全仕様に標準装備、○は一部仕様に標準装備、△はオプション設定。
Volvo
V40
12年5月
走行安定性
(燃費向上を含む)
Advanced stability control and Torque vectoring (下表1)
Start/stop
視認性確保 Active bending xenon lights with headlight cleaning system
Headlight levelling system
Active high beam
LED daytime running lights
Autofolding power door mirrors with ground lights
Autodimming rear view mirror
Heated front windscreen
Rain sensor with automatic wiper function ○△
衝突安全性 Dual stage driver and passenger airbags
Dual chamber side impact protection airbags
Inflatable curtains, Knee airbag (driver's side)
Passenger airbag cut off switch
Pedestrian airbag technology (下表2)
WHIPS (Whiplash Protection System)
Adaptive brake lights including high level LED brake lights
運転支援
駐車支援
Rear park assist/Rear park assist camera
Park Assist Pilot (下表3)
Cruise control ○△
Adaptive cruise control
Pedestrian detection (下表4)
City Safety (下表5)
Enhanced blind spot information system (下表6)
Lane keeping aid (下表7)
Lane change merge aid, Cross traffic alert
Driver alert control, Road sign information display
Collision warning with full auto braking
快適性
利便性
Electronic climate control (two-zone)
Heated front seats, Heated rear seats
Intelligent Drive Information System
Volvo On Call (テレマティクスシステム)
Volvo Sensus (下表8)
Bluetooth hands-free system

資料:2012年10月初旬の Volvo On-Line Catalog (英国)
(注) V40 は、初代はステーションワゴンだったが、8年ぶりに車名を復活させた今回の新型車は5ドアハッチバック車。プレミアムコンパクトとしてBMW 1 SeriesやAudi A3 Sportback等と競合する。

Volvo Cars:主な先進装備
(1)
Advanced stability
control and
Torque vectoring
 ESCに追加された機能。Advanced stability control は、ロール角センサーが早い段階で横滑りの予兆を感知するため、ESCが早期に高い精度で作動する。また、Torque vectoring はコーナリング時に内輪にブレーキをかけ、外輪に多めのトルクを伝えるため、急なカーブもアンダーステア傾向を抑えながら曲がることができる。
(2)
Pedestrian airbag
technology
 時速20-50kmで作動する歩行者用エアバッグ。歩行者がボンネットやフロントガラス、Aピラー部分に頭を打ち付けて致命傷を負う可能性を防ぐ。Volvoによると世界初。
 車の正面に埋め込まれた7つのセンサーにより、車体と何らかの物体との接触を感知。感知した物体を人間の脚として認知すると、ボンネットのヒンジ部分が外れ、同時にボンネットの下に設置された歩行者用エアバッグが膨張を開始する。エアバッグが膨張する際にボンネットを10cm持ち上げ、ボンネットと固い部品との間に隙間を作ると共に、膨張したエアバッグがフロントガラスの3分の1とAピラーをカバーして、歩行者と衝突した際の衝撃を和らげる。起動から完全に膨らむまで200-300分の1秒。
(3)
Park Assist Pilot
 前方、後方、側方の超音波センサーを使用した縦列駐車アシストシステム。作動させると、システムはまず両側をスキャンし、車両の全長の1.2倍以上のスペースを見つけると、音で知らせ、停止するよう指示する。縦列駐車のステアリング操作はシステムが行い、ドライバーは最初にギアをリバースに入れた後は、速度の操作のみを行う。
(4)
Pedestrian detection
 フルオートブレーキ付き歩行者検知システム。レーダーとカメラで車の前の道路に人が入って来るのを感知すると、警告音と、フロントガラスのヘッドアップディスプレイに点滅する光警告を発する。ドライバーが警告に反応せず、衝突の可能性が高まると、自動的にフルブレーキがかかる。時速35kmまでなら歩行者との衝突を回避し、時速35km以上なら被害を低減する。システムは、身長80cm以上の人を検知する。
(5)
City Safety
 低速走行時の追突を未然に回避、または追突被害を軽減する最新式の緊急ブレーキシステムで、VolvoとしてはV40に初搭載。従来は時速30kmまでだったが、最新式は時速50kmまで作動。先行車との速度差が時速15kmまでなら追突は回避でき、時速15-50kmまでなら、衝突の衝撃を軽減できる。
(6)
Enhanced blind spot
information system
 最新式の死角検知システムで、VolvoとしてはV40に初搭載。従来はレーダーで車両斜め後方の死角を監視したが、新システムは後方70mの範囲まで常にモニターし、接近する車両を検知する。車両を検知すると、Aピラーに設置したLEDが点灯。LEDの点灯時に、ドライバーが方向指示器を出して車線を変更しようとすると、LEDが点滅して警告する。
(7)
Lane keeping aid
 最新式のアクティブな車線逸脱防止システム。時速65-200kmで作動。前方を向いたカメラが左右の白線をモニターし、ドライバーが意図していないのに車両が白線に近づくと、ステアリングにわずかにトルクを加え、車両を元のコースに戻す。車両が車線を逸脱すると、ステアリングを振動させてドライバーに警告する。
(8)
Volvo Sensus
 Volvoのインフォテインメントシステム。5インチまたは7インチのカラーモニターを、ステアリングスイッチとモニター下部のスイッチで操作し、ナビゲーション、オーディオ、ハンズフリー通話等を行うことができる。
 ダウンロードしたMobile appとスマートフォンにより、Volvo On Callの緊急通報機能のほか、駐車中の車とスマートフォンを結ぶ機能 (車の所在地探索、遠隔操作による車のドアの施錠、乗車前の暖房、乗車前の燃料チェック等) が利用できる。

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>