東京モーターショー 2011:部品サプライヤーの展示取材(2)

燃費向上・軽量化関連技術、快適性や豪華さを演出する技術の出展概要

2011/12/22

要 約

 以下は、2011年東京モーターショー (2011年12月3日~12月11日開催) における、部品サプライヤーの 燃費向上・軽量化関連技術、新しいトランスミッション、ステアリング関連技術、快適性や豪華さを演出する部品・技術、安全性の技術、照明機器などの出展概要である。

 自動車メーカー各社は、内燃エンジン車の燃費向上を最優先課題の一つとして取り組んでおり、今回のモーターショーにも、燃費向上や軽量化についての様々な技術が出展された。マツダのSKYACTIVテクノロジーの一翼を担う低速ロックアップトルコン(Exedy)、ダイハツの新型軽自動車の低燃費を支えるEPSやドライブシャフト(JTEKT)などが出展された。

 トランスミッションでは、NSKは世界初のFF車用トロイダルCVTを出展、ジヤトコは従来の4機種から2機種に統合したCVTを出展した。

 快適性や豪華さを演出する部品・技術としては、東海理化が竹製ステアリングホイール、ミドリホクヨーは革製ハンドルやシート、テイ・エステックはリラックスシートを参考出品した。

 小糸製作所は、ターンランプを除き全てLED化したヘッドランプ(新型Lexus GSに搭載)、第3世代のLED (片側)2個で構成するLEDヘッドランプを出展した。

関連レポート: 東京モーターショー 2011:日本の自動車メーカーの展示取材(1)  (2011年12月掲載)

東京モーターショー 2011:日本の自動車メーカーの展示取材(2)  (2011年12月掲載)

東京モーターショー 2011:海外の自動車メーカーの展示取材 (2011年12月掲載)

東京モーターショー 2011:部品サプライヤーの展示取材(1)  (2011年12月掲載)



燃費向上技術の出展

 日米欧市場での燃費規制強化を受け、燃費向上についての多様な技術が出展された。

 Exedyは、マツダのSKYACTIVテクノロジーの重要な一翼を担う「低速ロックアップトルコン」を出展、NGKは、一般プラグ比で、JC08燃費を2.2%向上させるPremium RXプラグを出展した。

 曙ブレーキ日信工業は低引きずりキャリパーを出展、NTNはタイミングチェーンのガイドを滑り抵抗から転がり抵抗に変えフリクションを低減するチェーンガイドを提案した。


マツダのSKYACTIVテクノロジーの一翼を担う「低速ロックアップトルクコンバータ」
マツダのSKYACTIVテクノロジーの一翼を担う「低速ロックアップトルクコンバータ」
(写真の左端が4枚の多板クラッチ、Exedyの出展)


低フリクションチェーンレバー & チェーンガイド
低フリクションチェーンレバー & チェーンガイド
NTNが出展した、タイミングチェーンのガイドの滑り抵抗を転がり抵抗に変え、フリクションを低減する提案)

燃費向上技術の出展

Exedy 低速ロックアップ
トルコン
 マツダのSKYACTIVテクノロジーの一翼を担う新開発トルクコンバータ。これまでの流体継手(流体を介しての回転運動の伝達)を主体とする動力伝達から、ロックアップクラッチを主体にした動力伝達に切り替えるとの発想で開発した。
 これまでより大きな衝撃を吸収するため、4枚の多板クラッチ(通常は1枚)を採用して摩擦材にかかる圧力を分散し、またダンパースプリングの容量を拡大した。これにより、従来50%であったロックアップ領域を80%に拡大することに成功。同時に加速のダイレクト感を高め、ノイズや振動を低減した。
Schaeffler 電動VTC  Schaefflerは、開発中の電動VTC(VTCはVariable Timing Control System、SchaefflerはElectromechanical Camshaft Phasing Systemと呼ぶ)を出展した。排気エミッションと燃費の改善に貢献する。
UniAir
システム
 また別のVTCシステムとして、油圧駆動により、吸気バルブのタイミングとリフト量を連続可変させるUniAirシステムを出展。Fiat(商品名はMultiAir)と、ChryslerがFiatから技術を導入し搭載する。
曙ブレーキ 低引きずり
キャリパー
(開発中)
 ブレーキ解除時のパッドとローターのわずかな接触が、ローターの回転抵抗となり燃費に影響する。しかしパッドとパッドを押すピストンの間隔がわずかに変化しただけでもブレーキの効きのタイミングがずれて、ドライバーにブレーキについての不安を与える。
 低引きずりキャリパーは、パッドとローターの隙間をミクロン単位で最適化し回転抵抗を減少させ、車全体の燃費向上に貢献する。
 また最近は、アルミホイールの一部を空けて、外からタイヤの内側が見える構造が多くなっており、キャリパーのデザイン性の向上も重視している。
日信工業

低引きずり
ブレーキ
キャリパー

 日信工業は、ブレーキが作動していない時に、効率よくブレーキパッドをブレーキディスクから離す構造を開発。従来製品比で引きずり抵抗を85%低減し、車両燃費換算で約1%(車両重量換算で20~30kgfの軽量化に相当)の向上が期待できる製品を出展した。2012年に市場投入する。
 さらに2015年の商品化に向けて、全速度領域において抵抗をかぎりなく"ゼロ"に近づけるための開発を行っている。
NGK NGK
Premium RX
プラグ
 Premium RXプラグは業界初の「新素材ルテニウム配合の中心電極」と、「白金突き出し + オーバル形状の外側電極」を採用。着火時の火炎の広がりが早く、抜群の燃焼効率を発揮する。2011年6月に発売した。
 一般プラグ比で、JC08モード燃費が2.2%、アイドル時の燃費が1.9%向上、始動時間(550rpmまでの始動時間)が0.67秒短縮、30km/h→70km/hの加速時間が0.50秒向上した。
(注)スパークプラグは、これまで一般プラグと、燃焼効率の高いイリジウム(貴金属の一種)プラグが主に中型車以上に使用されてきた。プレミアムRXプラグは新素材ルテニウム(やはり貴金属の一種)を使用し、さらに高い燃焼効率を実現した。
NTN 低フリクション
チェーンレバー
& チェーンガイド
 現在タイミングチェーンは、平面状のガイドの上を滑らせているが、ベアリングを使用することにより、滑り抵抗を転がり抵抗に変えてフリクションを最大50%、平均22%低減し、燃費を約 1%向上させることが可能。各自動車メーカーに提案し、既に 1社と2014年搭載を目指し共同実験中。
ミツバ ラジエーター前面の
シャッターを開閉する
モーター (注)
 ラジエーターの前面に設置したシャッターを開閉するモーターを出展。高速走行時にはシャッターを閉じて空気抵抗を軽減し、燃費を向上させる。
 主に欧州へ出荷している。日本では1年を通して比較的気温が高く、また長時間高速走行する機会も少ない。そのため設置してもシャッターを開けている時間が長くなるので、このシステムは普及していないとのこと。

(注)ラジエーター前面に設置するシャッターは、GMのChevrolet Cruze Eco(highway燃費42 mpgを達成した)が搭載するなど、米国でも燃費向上策の一環として採用されている。
資料:東京モーターショー2011配布資料、展示、他、以下同様。

 



軽量化技術の出展

 豊田自動織機は、Prius αが設定した、樹脂パノラマルーフを出展した。

 ヨロズは、世界初の、テーラードブランク工法を用いたリアアクスルビームを開発し、ホンダの新型軽自動車N BOXに供給する。

 ニッパツは、コイルスプリングを中空にして軽量化を図る提案を発表した。JTEKTは、ダイハツの新型軽自動車に供給する、軽量化した電動パワーステアリング、ハブユニット、ドライブシャフトを出展した。


内部を中空にして25%程度の軽量化を図るHollow Coil Spring
内部を中空にして25%程度の軽量化を図るHollow Coil Spring
ニッパツが出展、写真中央のコイルスプリング)


JTEKTが出展した、軽量化したハブユニット
JTEKTが出展した、軽量化したハブユニット (ダイハツの新型軽自動車に供給)

軽量化技術の出展

豊田自動織機 樹脂パノラマ
ルーフ
 Prius αが搭載する樹脂パノラマルーフを出展。ポリカーボネート樹脂を用い、表面にハードコート薄膜を付与した構成で、ガラス製ルーフより約8kg(40%)軽量化した。世界最大面積(約1.6m2)の樹脂ウインドウ量産化に成功した。
樹脂クォーター
ウインドウ
 Lexus LFAが搭載する樹脂クォーターウインドウとパーティションも同時に展示した。素材は同じポリカーボネート。
豊田合成 薄肉超軽量
バンパー
 薄くても剛性に優れた材料を用い、CAEによる薄肉(強度)設計で、標準的に3ミリと言われているバンパーの肉厚を、最も薄い部分で1.5ミリまで薄肉化し約20%軽量化した。トヨタWishがオプション設定する「フロントエアロバンパー」に採用された。スタイリッシュなデザインにもこだわったとしている。まだコストは高いが、今後コストを下げて、軽量化ニーズへの対応を進める。
樹脂製フューエル
フィラパイプ
 従来の金属を樹脂化することにより、約50%軽量化し重量 1kg以下を実現。高密度ポリエチレンなどの5重構造により、バリア性(燃料が気化して外部に漏れることを防ぐ)や耐久性を向上させ、ジャバラ構造により強度と耐衝撃性を向上させた。トヨタiQ/Vitz/Ractisなどが搭載。
タチエス 次世代
シート骨格
 次世代のシート骨格(フレーム)を出展。電動仕様とマニュアル仕様の設計の大部分を共通化し、同社製品比で部品点数を23%削減して、重量を30%以上低減した。様々な装備(オットマンなど)の設定も、最小限の部品変更で可能。
 2012年からグローバルに量産を開始する。多様な車種に対応可能で、また現地材を使って新興国での生産も可能。自動車メーカーの採用拡大を目指す。
ヨロズ テーラードブランク
工法を用いた
リアアクスルビーム
 テーラードブランク工法は、材質や厚みの異なる鋼板(ブランク)を溶接で接合した後にまとめてプレスする工法(通常は、プレス成形した鋼板を溶接し部品に完成させる)。プレス金型数が減り、材料の歩留まりも向上する。
 車体軽量化やコスト削減につながるとして、既にフロントサスペンションメンバーなどに活用されているが、これまでは大きな力を受けない部品生産に使用され、強いねじれ力がかかるリア足回り部品への適用は困難とされていた。
 ヨロズは、一般的なアーク溶接より高温で接合するプラズマ溶接した接合部は、母材に近い特性を持つことを確認し、世界で初めてテーラードブランク工法を用いたリアアクスルビームを開発した。ホンダ"N BOX"のリアサスペンションの、トレーリングアームとトーションビームの接合に使用し、軽量化を図った。
ニッパツ Hollow Coil
Spring
 高強度のパイプを使用し、中空にして、25%程度の軽量化を図った懸架用コイルスプリング。強度は中実品(通常の中身が詰まったパイプ)と同じだが、外径がやや太くなり、コストもかかる。2015年にサンプル出荷予定。
Fully Stressed
Design
Coil Spring
 Hollow Coil Springの条件に加え、発生するモーメント分布に従って材料径を変化させ、応力分布を均一化し(応力が強くかかる部分は径を太めにする)、15%程度の軽量化を達成した。2016年にサンプル出荷を予定。
ダイハツの新型軽自動車に供給
JTEKT 軽自動車用
EPS
 軽自動車に特化した最適仕様(構造簡素化による部品点数削減など)や、新技術により、従来比軽量化(18%)、低コスト化した。
軽量
ハブユニット
 ブレーキドラムやハブユニットの強度解析結果により、軽量化、低トルク化(転がり損失などを軽減)、低コスト化を実現、燃費を0.8%向上させた。
小型軽量
ドライブシャフト
 解析技術を活用した最適形状設計で小型軽量を実現。外径を4%減らし、重量を200g(8%)削減した。

 

 



新しいトランスミッションの出展

 アイシンAIは、トヨタ86、スバルBRZが搭載する6速MTを出展した。

 NSKは、世界で初めてFF車への搭載を可能にしたトロイダルCVTを開発し出品した。世界の自動車メーカーへ提案する。多段ATやベルトCVTを凌駕する省燃費が可能としている。

 ジヤトコは、従来、エンジンのサイズ別に4機種のCVTを生産していたが、2機種に統合する。既に2009年に生産を開始した、世界初の副変速機付"Jatco CVT7"(軽自動車用と小型車用)に続き、2012年に、エンジン排気量2.0Lから3.5Lの中大型車に対応する"Jatco CVT8"を投入する。


アイシンAIが出展した、FR 6速MT
アイシンAIが出展した、FR 6速MT(トヨタ86とスバルBRZが搭載する)


FF車用トロイダルCVTの試作品
多段ATやベルトCVTより燃費効率が高いとする、FF車用トロイダルCVTの試作品(NSKの出展)


VWのDCT "DQ500"、NSKが金色部分の構成部品を供給する
VWのDCT "DQ500"、NSKが金色部分の構成部品を供給する


2012年に生産開始する中・大型FF車用CVT「ジヤトコCVT8」
2012年に生産開始する中・大型FF車用CVT「ジヤトコCVT8」

トランスミッションの出展

アイシンAI FR車用MT  ショートストロークかつ軽快なシフトフィーリングを実現した。トヨタ86、スバルBRZに供給する。
アイシンAW 中容量FF6速AT  Peugeot 308, 3008, RCZ, 508, 5008, 408, Citroen C5, DS4, DS5, Fiat 500 が搭載している。
小容量CVT  新開発トルクコンバータや低フリクション摩擦材の採用により、燃費を前機種比3.9%(10・15モード燃費)向上させた。3代目トヨタVitz(2010年12月発売)、2代目Ractis(同11月発売)に搭載し、Vitzの1.3L 2WDアイドリングストップ搭載車は、クラストップの低燃費26.5km/Lを達成。
NSK FF車用
トロイダルCVT
 従来のトロイダルCVTは、搭載スペースの関係で大型車など後輪駆動車にのみ搭載可能だったが、本開発品は、従来バリエータ(変速の中心部であるディスクとローラ)比で全長を23%短縮、重量を27%低減し、世界で初めてFF車への搭載を可能にした。
 従来の開発段階から、許容トルクを390→400Nmに拡大し、3.5L車まで搭載可能にし、また変速比幅を4.33から6.5のワイドレンジに拡大した。より幅広い車速域で、エンジン回転数を下げることが可能。多段ATやベルトCVTを凌駕する省燃費を実現するとしている。
VWのDCT
"DQ500"
 VWが2009年に投入したDCT(Dual Clutch Transmission) "DQ500"のカットモデルを展示。NSKが構成部品を供給する。DQ500は600Nmのトルクに耐えられる、大型車の横置きエンジン向きで、7速、湿式クラッチを搭載する。
ジヤトコ 4速AT  FF小型車用4速ATを21年ぶりに刷新し、全長を11%、重量を15%、部品点数を16%削減した。日本と中国で生産する。
 日本での生産は、主に軽自動車用と世界各国への輸出車用。
 中国での生産は、コストを抑えたエントリークラス用で、日産Marchに搭載(中国ではCVTも生産しているが、4速ATの方がコストが安い)。

 

ジヤトコ:CVTを、4機種から2機種に統合

現行・従来型 新型
機種 主な搭載車 機種 主な搭載車
軽自動車用 軽自動車各車種 Jatco CVT7 日産March/Juke、スズキSwift、Wagon R
(軽自動車から、1.5L~1.6Lエンジンまで
対応可能)
小型車用 日産Tiida、Cube、Wingroad
中型車用 日産Serena/Dualis、三菱RVR Jatco CVT8 2.0L~3.5Lエンジン車に対応。
2012年に日産が北米で発売する新型車を
皮切りに、グローバルに投入する。
大型車用 日産Altima/Elgrand/Teana/Quest
(注) 1. CVT7は、世界初の副変速機を持つ、軽自動車および小型車用CVTで、2009年から搭載を開始した。
2. CVT8は、2.0~3.5L車用。そのうち2.0~L2.5L車用では、クラストップの変速比幅7.0を実現し、フリクションを約40%低減した。CVT8シリーズ全体で、従来の同社製CVT比で燃費約10%の向上を目指す(量産開始前なので、詳細なデータは発表できないとのこと)。2012年初頭から順次、メキシコと日本で生産開始する。
3. ジヤトコは、日本、メキシコ、中国で生産し、現在タイに新工場を建設中。

 

 



ステアリング関連技術の出展

 JTEKTは、ギヤ比可変ステアリングシステムとラック同軸電動パワーステアリングを一体化したインテリジェント・フロント・ステアリングを、製品と映像で紹介した。

 アイシン精機は、新型Lexus GSに供給するアクティブリヤステアリングを出展した。

 三菱電機は、2013年に発売する、世界最小・最軽量のEPS用モータコントローラユニットを出展した。


アイシン精機が出展した、アクティブリヤステアリング用アクチュエーター
アイシン精機が出展した、アクティブリヤステアリング用アクチュエーター
(トヨタ新型Lexus GSが搭載)


三菱電機が出展した、次世代パワーステアリング用モータコントローラユニット
三菱電機が出展した、次世代パワーステアリング用モータコントローラユニット

ステアリング関連技術の出展

インテリジェント・フロント・ステアリング
JTEKT Intelligent Front
Steering
(IFS)
 JTEKTは、ギヤ比可変ステアリング(E-VGR)システムを開発、ラック同軸電動パワーステアリング(RD-EPS)のギヤに一体化することで小型化し搭載性を高めた。両システムを合わせて、IFS(Intelligent Front Steering)と称している。
 トヨタ車では、VDIM(Vehicle Dynamics Integrated Management)による車両統合制御の一環として、アンダーステア/オーバーステアを修正するなど走行安定性に貢献する。Lexus各モデルとクラウンMajestaなどが搭載する。
E-VGR  高車速域では、ハンドル角に対してタイヤ切れ角を小さくし、低車速域では、ハンドル角に対してタイヤ切れ角を大きくする。
ラック同軸EPS
(RD-EPS)
 ラック軸(フロントアクスル上にあり、ハンドル角の動きを伝えるピニオンギヤとかみ合うラックギヤが刻まれている)をダイレクトにアシストするEPS。

(注)E-VGR:Electronically Controlled Variable Ratio Steering、RD-EPS:Rack direct-drive type electric power system。

アクティブリヤステアリング
アイシン精機 アクティブリヤ
ステアリング用
アクチュエーター
 前輪のみでなく、後輪を操舵するシステム。低速での操舵時には、後輪を前輪と逆方向に切り、車両の回転半径を小さくして曲がりやすくする。また高速での車線変更時には、後輪を前輪と同じ方向に切り、走行安定性を向上させる。
 Renault Lagunaと新型トヨタLexus GSに搭載。これに伴い、新型GSは、前モデルが搭載していたアクティブ(電動)スタビライザーは設定しない。
パワーステアリング関連技術の出展
JTEKT 可変流量
制御ポンプ
 大型車が搭載する油圧パワーステアリングで、ポンプに小型電磁弁を装着し、車速、操舵角に応じて吐出流量を制御する(非操舵時には吐出流量を制限する)ことで、50%省エネした(通常の油圧パワーステアリングでは、エンジン動力により常時一定量を吐出する)。
電動ポンプタイプ
油圧パワー
ステアリング
 電動ポンプで発生させる油圧で作動するパワーステアリング。油圧パワーステアリングの力強さを活かしながら、エンジン負荷を軽減し燃費を向上させる。日産Elgrand、マツダAxelaなどに供給する。
 油圧パワーステアリングの操舵フィーリングは力強く、捨てがたい魅力があり、EPSが普及した今日でも、大型車では要望が多いとのこと。
三菱電機 EPS用モータ
コントローラユニット
 三菱電機は、モータとコントローラをコンパクトに一体化して、従来品比体積で50%、重量で30%の軽減を達成。世界最小・最軽量(2010年9月末日現在同社調べ)のモータコントローラユニットを開発し、2013年に市場投入する。
 三菱電機は、1988年に世界初のEPS用モータを開発し、Tier 2として光洋精工(現JTEKT)に納入して以来、現在もEPS用モータで世界20数%のシェアを持ち第 1位。因みに第 2位は、デンソーグループのアスモ(株)。

 

 



快適性や豪華な室内を演出する技術の出展

 東海理化は竹製ステアリングホイール、皮革メーカーのミドリホクヨーは革製のハンドルループやドアトリム、シート、豊田合成はヒーターハンドルを出展した。

 トヨタ紡織は、4人分のスポーツシートやエキサイティングなパッケージで新しいクルマのカタチを提案するコンセプトカーT-Brainを出展した。


東海理化が出展した、竹製ステアリングホイール
東海理化が出展した、竹製ステアリングホイール(新型Lexus GS 450hにオプション設定)
(写真右側に、素材となった竹が展示されている)


ミドリホクヨーが出展した、Lexus LS用ハンドルループ
ミドリホクヨーが出展した、Lexus LS用ハンドルループ
(ハンドルは豊田合成製、中央部ホーンパッドの下にエアバッグを内蔵している)


豊田合成が出展した、コックピットモジュールコンセプト
豊田合成が出展した、コックピットモジュールコンセプト


トヨタ紡織が出展した、移動空間モデル"T-Brain"
トヨタ紡織が出展した、移動空間モデル"T-Brain"、左側にガルウイングドアが開いている


"座ること"の理想形を追求した「リラックスシート」
"座ること"の理想形を追求した「リラックスシート」(テイ・エステックの出展)

快適性や豪華な室内を演出する部品・技術の出展

アイシン精機 パノラマ
ムーンルーフ
 ルーフを全面ガラス化し、見栄えの良い外観とした。Prius、サイオンtC(北米)、Lexus ES(同)に供給。Priusでは、ソーラーパネルを内蔵し、駐車時換気システム用の電力を供給する。
東海理化 竹製ステアリング
ホイール
 本物の竹を使用したステアリングホイールで、優しくかつ頼もしい手触りを提供する。新型トヨタLexus GS 450hにオプション設定される。
ミドリホクヨー 革製ハンドル
ループ
 トヨタLexus LSの革製ハンドルループ(ハンドルは豊田合成製)。エアバッグを内蔵するホーンパッドも、エアバッグの作動性を確保しながら、革製とすることに成功した)。
 トヨタLexus LFAのハンドルループに使用された(ハンドルは豊田合成製)。
革製シート  各自動車メーカー・各モデルの革製シートのサンプルを展示した。日本各社は国内向け中型車以上に革製シートを設定している。輸出車ではホンダFit、スズキEscudoなどにも設定している。
豊田合成 ヒーターハンドル  ハンドルリングにヒーター機能を備え、グリップ表面が暖まることにより寒い季節の運転も快適。トヨタLexus LSが搭載するが、今後EV/HVへの搭載を目指す。乗員の手を直接温めることでエアコン(暖房)の設定温度を下げることができ、燃費や蓄電池の消費量低減に貢献する。
コックピット
モジュール
コンセプト
 ITとクラフトマンシップを融合した近未来のコックピットの提案。タッチディスプレイによる先進的HMI(Human Machine Interface)と、革・木目・金属とLED演出の組み合わせによる多彩なバリエーションが可能。
デンソー リモートタッチ
コントローラ
 センターコンソールに配置され、カーナビ、オーディオ、エアコンなどを、ドライバーの手元で自在に操作できるようにしたコントローラ。操作ノブは表示ディスプレイ上のポインタと連動する。パソコンのマウスと同様の感覚で、ポインタを上下左右に自在に動かすことができる。トヨタLexus RX/HS/CT/LFAが搭載する。
トヨタ紡織 移動空間モデル
T-Brain
 「エキサイティングな移動空間を家族4人で共有したい」をコンセプトに、新鮮な視界を提供するニューパッケージと体を包み込むスポーツシート(4人分)でクルマにのる楽しさやよろこびを体感できるコンセプトカーを出展。
テイ・エステック リラックスシート  "座ること"の理想形である無重力状態での中立姿勢を、ワンタッチで体感できるシート。各種調整機構により、ユーザーの好みや体格差に応じた位置への調整が可能。また触感の良い革、漆塗装を採用し、細部まで快適さを感じられるように仕立てた。世界初公開。
インテリジェント
シート
 コーナー等の走行時、運転姿勢を適切にサポートすることで車と一体感を感じ、運転する楽しさを味わうことができるシート。コーナー時の体の動きを抑える「サイドサポート機能」、ハンドル操作時の肩の動きを補助する「シートバック座面可変機構」により、ドライバーを包み支えてくれる。世界初公開。

 

 



安全性を高める新技術の出展

 Continentalは、システムがアクセルペダルを戻すべきだと判断すると、モータが駆動してペダルを押し戻す働きをするAccelerator Force Feedback Pedalを出展した。警告灯や警報音より効果的だとしている。

 ユーシンは、機械的接点を持たずに、磁束密度の変化をとらえてブレーキランプをON/OFFするストップランプスイッチを出展した。

安全性を高める新技術の出展

Continental Accelerator Force
Feedback Pedal
 先行車に近づいた場合など、システムがアクセルペダルを戻すべきだと判断すると、モータが駆動してペダルを押し戻す力が働き、ドライバーに警告して安全性を高める。また急加速やスピードの出し過ぎを警告し、燃費の良い運転スタイルを促す。実験では、最大7%の燃費改善が可能としている。
 また実験の結果、ドライバーから、警告灯や警報音よりも確かな(強い)反応があるとしている。このシステム単独で、またはカメラシステムなど他の運転支援システムと組み合わせて設定することが可能。
 日本自動車メーカーでは、日産フーガが、「インテリジェントペダル(ディスタンスコントロールアシスト)」の名称で設定している。
ユーシン 機械的接点の
ないストップ
ランプスイッチ
 機械式接点を持たず、マグネットの移動による磁束密度の変化をホールICで検知することで、ストップランプのON/OFFを制御するスイッチ。従来品で問題になることがある、機械式接点の磨耗や異物侵入によるトラブルを防止する。自動車メーカーにプレゼン中。
非接触スイッチ  「機械的接点のないスイッチ」と同じ原理を応用するが、金属板を近づけて磁場を作ることでスイッチを作動させるシステムで、「機械的接点のないスイッチ」に一箇所残っている物理的接触をゼロにした。トランスミッションのシフト位置判定など、過酷な環境下でも使用が可能。
スタンレー電気 車両周辺
監視システム
 カメラによる画像に加え、発光した赤外線が対象物に反射し戻るまでの時間を計測することで距離を算出し(TOF: Time of Flight、飛行時間法と呼ぶ)、画像だけでは難しい位置と距離情報を提供する。

 

 



照明機器の出展:小糸製作所が、All LED Headlampを出展

 小糸製作所は、全ての照明を自動制御し、ボディーも何らかの機能を担って発光するコンセプトカーを出展した。

 またこれまでLEDランプは、ロービームのみに使用してきたが、2012年初頭に発売される新型Lexus GS 450hが搭載する"All LED Headlamp"(ただしターンランプを除く)を出展した。

 LEDの性能向上により、2011年12月にマイナーチェンジしたトヨタPrius、新型LexusGS 450hから、片側LED 2個のヘッドランプを搭載する。スタンレー電気も、片側LED 2個のヘッドランプを開発している。さらに省電力が進むとしている。


小糸製作所が出展した、コンセプトカー「次世代のライティング」
小糸製作所が出展した、コンセプトカー「次世代のライティング」


小糸製作所が出展した、All LED Headlamp(新型Lexus GS 450hが搭載)
小糸製作所が出展した、All LED Headlamp(新型Lexus GS 450hが搭載)

照明機器の出展

小糸製作所 次世代の
ライティング
 次世代ライティングのコンセプトカーを出展。ランプのON/OFF、明るさ、ロー/ハイビーム切替などを全て自動で調節する。さらに車の各部分が点灯することで、車の様々な状況(電池への充電状態など)を表示する。
ハイビーム可変
ヘッドランプ
(ADB)
 前方監視カメラで前方車両を認識し、車速センサ、舵角センサの機能も合わせてヘッドランプの配光を自動制御し、対抗車や前走車に眩しさを与えることなくドライバーの前方視界を拡大する次世代ヘッドランプシステム、ADB(Adaptive Driving Beam Headlamp)を出展。
 既に実用化されているAdaptive Front Lighting System(AFS)は、ロービームが照らす方向を操舵角に合わせて切り替えるシステムであり、ADBはAFSよりさらにシステムの精度を高めることが必要で、技術的に困難度が高いとのこと。
All LED
Headlamp
 東京モーターショー2011に出展し、2012年初頭に発売される新型Lexus GS 450hが搭載するAll LED Headlamp。ターンランプ以外のランプを、ハイビーム、ナイトビュー用の赤外線照射も含め全てLED化した。
 これまではロービームのみLED化してきたが、LEDの性能が向上し、少ないLEDでの照明が可能になり、ALL LED headlampを実現した。
LED 2個の
ヘッドランプ
 小糸製作所は、2007年発売のLexus LS 600hに(片側)5個のLEDヘッドランプ(小糸製作所は第1世代と呼ぶ)を搭載、2009年からLED3個の第2世代を投入した。2011年12月にマイナーチェンジしたPrius、2012年初頭に発売する新型Lexus GS450hからLED 2個の第3世代ヘッドランプを搭載する。
スタンレー電気 LEDヘッドランプ
(量産品)
 現在LEDを3個使用し、モジュール重量1,000gのLEDヘッドランプモジュールを、三菱i-MiEVに供給している。(次項も含めパネル展示での紹介。)
LEDヘッドランプ
(開発品)
 またLEDの効率を向上させ、LED 2個で重量を400gに軽量化したLEDヘッドランプモジュールを開発中。

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>