マツダ:SKYACTIV技術搭載車の投入開始

中国、ASEANに続き中南米事業を強化、2011年度通期業績見通しを下方修正

2011/11/07

要 約

 マツダは、2011年度をSKYACTIV元年として、次世代技術であるSKYACTIV技術搭載車の導入を鍵に、グローバルでの販売活動を強化している。6月にはSKYACTIV技術を搭載したDemio、9月にはAxelaを日本で発売。SKYACTIV技術を全面的に導入するCX-5は、2012年に世界に投入する。2015年度には、総販売台数の80%をSKYACTIV技術搭載車とする見込み。

 新興国市場では、中国とASEAN市場で、引き続き現地生産車種の拡大等により拡販を図る。中南米市場は、今後、新興国事業戦略の第 3 の柱として強化する方針で、住友商事と合弁でメキシコに新工場を建設し、ブラジルでは販売事業を開始する。

 マツダは、2010年4月に発表した中長期施策の枠組みを、2011年 6月に更新した。円高進行や原材料価格の高騰などの環境変化に対応し、今後の施策を追加したが、2015年度の目標 (世界販売台数170万台、連結営業利益1,700億円) については変更しないとしている。

 マツダの2011年4-9月の世界販売台数は前年同期比8.3%減の60.4万台。売上高も17.1%減少し、円高の長期化等により営業損失が216億円、当期純損失が399億円。2011年度通期では、販売台数は2.9%増の131万台を見込むが、売上高は7.1%減少。円高、欧州金融不安、タイの洪水など不透明な環境下で営業損益はゼロ、当期純損益は190億円の赤字となる見通し。



商品開発 (計画):SKYACTIV技術を搭載した新型Demio, 新型Axelaを国内に投入

 マツダは、2015年までに世界販売するマツダ車の平均燃費を、08年比30%改善することを目指している。そのために、クルマの基本性能 の徹底的な向上 (次世代パワートレインの開発やボディの軽量化) を図った上で、段階的に電気デバイス (減速エネルギー回生システムやハイブリッド) を組み合わせるビルディングブロック戦略を推進していく方針。

 SKYACTIV技術は、次世代パワートレイン等に導入される技術の総称で、マツダは2011年6月からSKYACTIV技術の搭載を開始した。第1号は、SKYACTIV-G (ガソリンエンジン) を搭載したDemio (小型ハッチバック) で、10-15モード燃費30km/Lを達成。第2号のAxela (中型セダン/ハッチバック) は、SKYACTIV-Gに加え、SKYACTIV-DRIVE (6速AT) も搭載した。

 パワートレインからボディ、シャシーにわたり全面的にSKYACTIV技術を導入する CX-5 (小型クロスオーバーSUV) は、2012年にグローバルに発売する予定。CX-5にはSKYACTIV-Dのクリーンディーゼルエンジン車も設定する。

SKYACTIV 技術搭載モデルの投入 (計画を含む)

新型 Demio
(一部改良)
 (2011年6月発売) 直噴 1.3Lガソリンエンジン SKYACTIV-G 1.3 を搭載。
 SKYACTIV搭載グレードは、販売構成比 60% を計画 (新型 Demio 全体の月販目標は 6,000台)。同グレードの価格は140万円 (ベースグレードは114.9万円)。CVT・i-stop も搭載し、燃費は 10-15モードで 30.0km/L、JC08モードで 25.0km/L。
新型 Axela
(一部改良)
 (2011年9月発売) SKYACTIV-G 2.0と SKYACTIV-DRIVE (6速AT) を搭載。
 SKYACTIV搭載グレードの価格は 190万円から (ベースグレードは 166万円から)。燃費は、低転がり抵抗の 15インチタイヤ装着車が 10-15モードで 20km/L、JC08モードで 17.2~17.6km/Lで、2.0L クラストップ。新型 Axela全体の月販目標は 2,000台。2011年度下期に米国・豪州にも投入し、米国仕様の highway燃費は 40mpg。
CX-5
(新モデル)
 (2012年春に発売予定) 小型クロスオーバーSUV の新モデル 。ガソリン/ディーゼルエンジン、トランスミッション、ボディ、シャシーすべてにわたって、SKYACTIV 技術を導入し、新デザインテーマ "魂動 (KODO)-Soul of Motion" を全面的に採用する、マツダの新世代商品群の第一弾。グローバルに投入する予定。
 CX-5 に初搭載する新型 2.2Lディーゼルエンジン SKYACTIV-D 2.2 は、高価な NOx 後処理装置を使用せず、世界の排出ガス規制 (欧州のEuro6、北米のTier2Bin5、日本のポスト新長期規制) に適合。i-stop 搭載車の燃費は 18.6km/L (JC08モード/2WD/AT車)、最大トルクは4.0L V6 ガソリンエンジン車をしのぐ 420Nm。CX-5の販売台数の半数をディーゼル車とすることを目指す。
雄 (TAKERI)
(コンセプト)
 (発売時期未定) SKYACTIV技術を全面的に採用する中型セダン。新デザインテーマ "魂動"をベースに、既存のセダンにはない、力強く艶やかなスタイリングを目指す。マツダが独自に開発した減速エネルギー回生システム、i-stop等を搭載。 
SKYACTIV 技術
SKYACTIV-G
(ガソリンエンジン)
 新型直噴ガソリンエンジン。高圧縮比 14.0(マツダによると量販車初、通常10-12)、クールド EGR (排気再循環) システム、マルチホールインジェクター (噴霧特性改善)、キャビティ付ピストン (ピストン頭頂部と火炎の接触を抑え、冷却損失を抑制する)、吸排気可変バルブタイミング機構 (吸気側電動式)、ピストンやコンロッドの軽量化、ピストンリングの張力低減により、低燃費を実現。
SKYACTIV-D
(ディーゼルエンジン)
 新型ディーゼルエンジン。低圧縮比 14.0 (通常16-18) により、燃費を向上させると共に、NOxやススの発生を抑制。また、2ステージターボチャージャー (大小 2個のターボを運転領域により使い分ける) の採用により、低速から高速までスムーズでリニアなレスポンスと、低速域での大幅なトルク向上を実現。
SKYACTIV-DRIVE
(AT)
 新開発の6速AT。ステップAT (遊星歯車による減速機構) の課題である燃費やダイレクト感の向上のため、従来の5速ATではJC08モードで 49%だったロックアップ領域 (クラッチ締結状態での走行領域) を、82%に拡大。ATユニット、エンジン、マウント、排気系、車体、制御等、広範囲の連携により、振動・騒音を抑制し、クラッチの信頼性を確保。
SKYACTIV-MT  新開発の6速MTで、CX-5の欧州仕様に設定 (日本仕様は6速ATのみ)。構造の見直しによりユニット単体で最大16%の軽量化と大幅なコンパクト化を実現。さらに、内部抵抗の低減により、燃費を現行比 1% 改善した。
SKYACTIV-BODY  従来比 8%の軽量化、30%の剛性向上 (基本骨格のストレート化、連続化、衝突時の荷重を複数方向に分散させるマルチロードパス構造により実現)。軽量で強度・剛性に優れるハイテン材 (超高張力鋼板) の使用割合を、40%から 60%に拡大。住友金属、アイシン高丘と共同開発した 1800MPa級 (マツダによると世界最高強度) ハイテン材を、バンパービームとして使用。
SKYACTIV-CHASSIS  サスペンション、ステアリングの機能を見直し、中低速域の軽快感と乗り心地、高速域の安定性を実現。構造の最適化により、軽量化と高剛性の両立を図り、シャシー全体で14%軽量化した。
SKYACTIVモデルに搭載した他の新開発装備
i-stop
(アイドリング
ストップシステム)
 アイドリングストップシステム。従来は Dレンジのみ作動したが、新型Demioに搭載したi-stopは Nレンジ・Lレンジでも作動。エンジンの吸気バルブのタイミングを電子制御することにより、再始動に必要な燃料を従来型の約半分に削減。使用バッテリーは現行の2個から1個に低減した。
 新たにディーゼル用 i-stop を開発して、CX-5 に搭載。日本市場で初めてクリーンディーゼルエンジンと組み合わせる。アイドリングストップ解除後、1圧縮目から燃焼を開始することで (一般的なシステムは 2圧縮目から)、0.40秒以内で再始動が可能。
i-DM
(運転スキル向上
支援システム)
 ドライバーの運転操作の向上と低燃費運転を支援するシステム (Intelligent Drive Master)。新型Demio, 新型Axela に搭載。ドライバーのアクセル、ブレーキ、ステアリング操作や車速の変化を検知し、メーター内のディスプレイに操作の判定をリアルタイムで表示。運転終了後には、得点と助言、運転スキルのレベルを表示する。

資料:マツダ Press Release 2011.6.30/2011.9.27/2011.10.4/2011.10.25, 業績見通し説明 2011.6.17, 決算発表資料 2011.11.2, マツダ技報 2011 No.29, マツダ Website, 日刊自動車新聞 2011.9.28

 

HVはトヨタの技術を採用し2013年までに国内投入、EVは自社開発で2012年にリース販売

 マツダは、HV (ハイブリッド) 車については、SKYACTIV-GエンジンとトヨタのHV技術を組み合わせ、2013年までに国内、米国で販売する計画。EV (電気自動車) についてはDemioをベースに自社開発し、2012年春から国内でリース販売をする予定。

電動車両:HV車は2013年までに発売、EV車は2012年春にリース販売開始

HV  トヨタからライセンス供与を受けるハイブリッド技術と、SKYACTIV-G 2.0Lエンジンを組み合わせたハイブリッド車を、 2013年までに国内で発売、続いて米国にも投入することを目指す。車種は、トヨタの Prius (排気量1800cc) と同水準の中型乗用車 Axela になる見通し。
EV  マツダは、2011年 1月の発表によると、Demio をベースにした電気自動車を自社開発し、2012年春より国内でリース販売を開始する計画。2011年 7月には試作車を発表した。リチウムイオン電池を採用し、航続距離は 200kmを目指す。地方自治体や法人顧客を中心に販売する方針。

資料:マツダ Press Release 2011.1.24, 日経産業新聞 2011.7.26

 

2011年度中に新型BT-50を発売予定、2012年にロータリーエンジン搭載車の生産終了

 その他のモデル計画では、Fordと共同開発している1トンピックアップトラック BT-50の新型車を、豪州とASEANで2011年度中に発売する予定。また、世界の自動車メーカーの中でマツダだけが量産を続けていたロータリーエンジンの搭載車の生産は、2012年6月に終了する。ロータリーエンジンの研究開発は継続する方針。

新型ピックアップ BT-50を Fordと共同開発し、2011年度中に発売予定

 マツダは2011年度中に、海外市場向け1トンピックアップトラックの新型BT-50を、豪州・ASEANで発売する予定。初代と同様、Ford との共同開発。従来のピックアップのイメージを覆す、モダンで洗練されたフォルムで、開発コンセプトは"アクティブ・ライフスタイル・ビークル"。ビジネスユースだけでなく、ファミリー/レジャーユースにも対応。タイのAATで生産する予定。Ford名はRanger。

ロータリーエンジン搭載車 RX-8 の生産を2012年 6月に終了、REの研究は継続

 マツダは、ロータリーエンジン (RE) 搭載車の生産を2012年 6月に終了する。現在、唯一の搭載車であるスポーツカー RX-8 は、欧米では現行の排出ガス規制に適合しないため、既に販売を停止。日本では2012年からの安全規制に適合しないため、生産を中止する。1967年に RE初代搭載車 コスモスポーツ を発売して以来、45年の歴史をいったん閉じる。
 RE自体の研究開発は、国内外のメーカーとの提携も視野に入れて、継続する。現状の課題は、低回転域でのトルク向上による燃費の改善や、range-extended タイプの電動車に発電機として搭載する技術など。

資料:マツダ Press Release 2010.9.13, 業績見通し説明 2011.6.17, 日刊工業新聞2011.10.10, 日刊自動車新聞 2011.10.24/2011.1.28

 



主要地域の動向:住友商事と合弁で、メキシコに工場新設、ブラジルでは販売事業開始

 マツダは2011年度通期の世界主要地域の動向について、日本ではSKYACTIV技術搭載の新商品拡充により販売を拡大、北米ではSKYACTIV技術搭載の新型Mazda3の導入により、拡販を図る一方、Mazda6の米国での生産は、生産効率向上のため、次期モデルから日本に移管する。欧州では、重点・成長市場への効率的な資源投入で販売機会を拡大する。

 新興国市場については、中国では販売網を強化すると共に、Mazda8や新型Mazda3の現地生産等により販売を拡大する。ASEAN市場では、Mazda3の現地生産や新型ピックアップトラック BT-50の導入により、台数・収益を拡大する。

 中南米市場について、今後、マツダは中国・ASEANに次ぐ新興国事業戦略の第 3 の柱として強化する方針。住友商事と合弁で、メキシコでは2013年度から新工場でMazda2とMada3を生産し、ブラジルでは2012年度から販売事業を開始する。

マツダ:世界主要地域での動向 (中南米を除く)

米国  現在、Ford と合弁の AutoAlliance International (AAI) で生産している北米向け Mazda 6 (日本名:Atenza) は、生産効率向上のため、次期モデルの生産から山口県防府工場に移管・統合する (2011年 6月発表)。2010年の AAI (年産能力 24万台) での生産実績は Mazda6 が 4.5万台、Ford Mustang が7.8万台。AAI の将来については、Ford と検討するとしている。
 次期Mazda6 (2012年秋発売予定) はSKYACTIV技術を全面的に採用する予定。北米仕様車は、V6エンジンの搭載を見送り、SKYACTIVガソリン/ディーゼルエンジンを搭載する。
中国  2010年12月に 8人乗りの大型ミニバン Mazda8 (日本名 MPV) を投入。生産は第一汽車集団 (FAW) に委託。中国におけるマツダの販売は、6割が Mazda6 (日本名 Atenza) で、中小型車が 9割を占めていた。Mazda8 の投入により品揃えを強化し、顧客層を拡大する計画。
 2011年10月に新型 Mazda3 (日本名 Axela) のセダンタイプを投入した。生産は、長安汽車集団/Ford と 3社合弁の Changan Ford Mazda Automobile の南京工場で行う。これに伴い、同工場の年産能力を16万台から24万台に増強した。(3社合弁会社については現在、長安/マツダと長安/Ford の 2社に分社化する計画が進行中。同社の南京工場は分社後に長安/マツダへ、重慶工場は長安/Ford に移管される見通し。)
 2011年中に中国の販売店網を 3月末時点の 312店から、2割増の 370店に拡充する (第一汽車および長安汽車との販売合弁会社2社の合計)。沿岸都市部の空白地域への出店を進め、内陸部の主要都市への出店を強化する。2011年度の中国販売見通しは10年度比 1割増の 26万台(2011年7月発表)、2015年度の販売目標は 40万台。
ベトナム  マツダは2011年10月、Mazda2 (日本名 Demio) の現地 CKD 組立を開始した。現地提携先が設立した新会社 Vina Mazda Automobile Manufacturing に生産委託し、同社が Quang Nam 省 Nui Thanh地区に新設した工場で、当面年 2,000台を現地市場向けに生産する。年産能力は 1万台 (1直) で、徐々に生産車種を増やす方針。
タイ  Ford との合弁会社 AutoAlliance (Thailand) (AAT) は 2010年 8月、ピックアップトラック工場に 3億 5,000万ドルを投資すると発表。2011年後半からの、マツダとFordの次世代ピックアップトラック (BT-50/Ranger) の生産のため、設備を更新する。
 2010年11月、AATの乗用車工場で手掛けていた豪州向け Mazda2 の生産を、宇品工場 (広島) へ移管した。フル生産が続くAATで、需要が拡大している ASEAN市場向け車両を増産するため。2011年 2月には、AATで Mazda3 の生産を開始した。
マレーシア  2011年 3月にマレーシアで、Mazda3 の現地組立を開始した。現地メーカー Inocom に年間 3,000台を生産委託する。
マツダ:中南米事業の強化
メキシコ  マツダと住友商事は2011年10月、合弁会社 Mazda Motor Manufacturing de Mexico S.Z. de C.V.(出資比率はマツダ 70%、住友商事 30%) の新工場の建設を、Guanajuato州 Salamanca市で開始した。車両工場とエンジン工場で構成され、操業開始は2013年度中。年産能力は 14万台で、Mazda2 (日本名 Demio) と Mazda3 (同 Axela) を生産する計画。投資額は 5億ドル。
 マツダは2005年にメキシコ市場での販売に参入し、2010年の販売実績は2.5万台(シェア 3.1%)。
ブラジル  マツダと住友商事は、ブラジルでの販売事業についても共同で進めることに基本合意した (2011年 6月)。合弁で販売会社を設立し、2012年度から販売を開始する計画 (当初は日本生産車を販売、メキシコ工場が完成次第、メキシコからも出荷予定)。ブラジルは、2010年には世界第 4位の市場に成長し、成長の中心はマツダの参入セグメントであるB, Cクラス。

資料:マツダ業績見通し説明 2011.6.17, 決算発表資料 2011.11.2, Press Release 2010.8.26/2011.6.7 /2011.10.22, 日刊自動車新聞 2011.6.18/2011.11.2, 日経産業新聞 2011.3.3/2011.4.19/2011.5.17

 



2015年度の中長期施策の枠組みをアップデート、2015年度目標は変更なし

 マツダは2010年4月に発表した中長期施策の枠組みを、2011年 6月にアップデートした。円高進行、原材料価格の高騰等の環境変化に対し、新世代商品導入による台数・構成改善、モノ造り革新の加速によるコスト削減、ブランド価値の向上による実売価格アップ、新興国への取組強化等で対応する。2015年度の目標 (世界販売台数 170万台、連結営業利益 1,700億円、連結売上高営業利益率 5%以上) については変更しないとしている。

マツダ:中長期施策の枠組みをアップデート (2011年6月)

ブランド価値  (成果) 主要国でのブランド価値は向上 (1) 残存価値は主要国でトップクラス、(2) 米国で顧客 対応満足度が向上、(3) 顧客ロイヤリティの向上。
 (今後の施策) つながり革新 (メーカーの商品力、価格、販売店舗、販売手法、サービスなどを相互に連携) により、ブランド価値を向上させ、実売価格を高める。
モノ造り革新
の加速
 (成果) 一括企画、フレキシブル生産による成果:開発効率化 (30%以上の改善)、コスト改善 (20%レベルの改善)、生産設備投資 (20-60%の効率化)。新世代車両での性能アップとコスト改善両立の目標達成に目処 (100kg以上の軽量化、SKYACTIVエンジンはEuro6適合など)。
 (今後の施策) コスト削減の加速 (円高定着・原材料高騰への対応) (1) 国内生産車のコスト低減、(2) 海外調達率を20%から30%へ、(3) 海外生産拡大によるコスト改善・為替リスク低減
新世代商品導入  (成果) 2015年までにグローバル平均燃費を08年比30%改善する目標は予定通り進捗。SKTACTIV技術を搭載した新型Demioは、電気デバイスのアシスト無しで燃費30km/L。
 (今後の施策) SKYACTIV 技術と様々な電動化技術を積み上げるビルディングブロック戦略 (環境安全技術戦略) を進展させる。
新興国市場への
取組強化
 (成果) 中南米では、メキシコで2013年から生産開始、ブラジルで2012年から販売開始。中国では、南京工場での Mazda3 生産統合、40万台販売体制に向けて生産能力増強。ASEANでは、タイ (AAT)とマレーシアで現地組立拡大、ベトナムで販売開始。
 (今後の施策) 中国では、現地生産・組立モデルの拡充、販売網拡大。ASEANでは、タイ (AAT) を主軸にした域内現地生産・域内輸出の加速、マレーシアとベトナムで販売網を拡大、インドネシアで商品ラインアップ拡充。

資料:マツダ業績見通し説明 2011.6.17

 



2011年度通期の世界販売見通し:下期にSKYACTIV車が寄与し、2.9%増の131万台

 マツダの2010年度世界販売台数は09年度比6.7%増の127.3万台。国内では補助金制度終了や東日本大震災の影響により6.8%減の20.6万台だが、海外では、欧州以外の地域で販売が拡大し、9.8%増の106.7万台。

 2011年4-9月の世界販売は8.3%減の60.4万台。国内では震災の影響等により24.1%減、海外では、北米は好調で販売が増加したが、他の地域では減少し、海外全体では4.7%減少した。

 2011年度通期については、SKYACTIV車が下期にはフルで販売に寄与するため、前期比2.9%増の131万台を見込んでいる (2011年11月発表)。

マツダの地域別小売販売台数

(1,000台)
2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2010年
4-9月
2011年
4-9月
2011年度
6月予想
2011年度
11月予想
国内 256 219 221 206 125 95 207 209
北米 406 347 307 342 177 182 346 376
欧州 327 322 239 212 108 91 202 204
中国 101 135 196 236 112 107 270 260
その他 273 238 230 277 137 129 280 261
合計 1,363 1,261 1,193 1,273 659 604 1,305 1,310

資料:マツダ決算発表資料 2011.4.28/2011.6.17/2011.11.2

マツダの世界生産台数
(台)
2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2010年
4-9月
2011年
4-9月
2011年度
6月予想
2011年度
11月予想
国内生産 1,046,948 899,448 827,910 866,992 454,401 409,393 900,000 895,000
海外生産 279,042 234,707 315,594 410,502 186,586 159,999    
世界生産 1,325,990 1,134,155 1,143,504 1,277,494 640,987 569,392    
日本からの輸出台数
日本からの
輸出
825,153 742,571 649,260 719,445 346,522 301,971

資料:マツダ 生産・販売状況 (速報) 2010.10.25/2011.4.25/2011.10.26
(注) 海外生産台数は、マツダブランド車のラインオフ台数 (CKD を除く)。

 



2011年度通期の業績見通し:売上高は7.1%減、営業損益はゼロ、最終赤字は190億円

 マツダの2010年度売上高は、販売台数増加により09年度比7.5%増の2兆3,257億円、営業利益は収益改善により238億円 (09年95億円)、当期純損益は震災・北米事業損失引当による特別損失や繰延税金資産の一部取崩しにより、600億円の赤字 (同65億円の赤字)。

 2011年4-9月の売上高は販売台数減少等により17.1%減の9,592億円。円高の長期化等により収益も減少し、営業損益は216億円の赤字、当期純損益も399億円の赤字となった。

 2011年11月発表の2011年度通期見通しでは、全利益の黒字化を目指していた当初予想 (6月発表) を下方修正した。売上高は7.1%減の2兆1,600億円、円高、欧州金融不安、タイの洪水等の影響で営業損益はゼロ、当期純損益は190億円の赤字で、4期連続の最終赤字となる見通し。マツダは、SKYACTIV車の拡販やコスト改善により、収益性改善に取り組むとしている。

マツダの連結業績

(100万円)
2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2010年
4-9月
2011年
4-9月
2011年度
6月予想
2011年度
11月予想
売上高 国内
海外
880,100
2,595,700
620,300
1,915,600
575,000
1,588,900
541,500
1,784,200
304,100
853,600
270,200
689,000
580,000
1,610,000
570,000
1,590,000
合計 3,475,789 2,535,902 2,163,949 2,325,689 1,157,698 959,162 2,190,000 2,160,000
営業利益
経常利益
当期純利益
162,147
148,461
91,835
(28,381)
(18,680)
(71,489)
9,458
4,644
(6,478)
23,835
36,862
(60,042)
12,178
20,809
5,516
(21,636)
(30,610)
(39,879)
20,000
15,000
1,000
0
(2,000)
(19,000)
設備投資
研究開発費
75,500
114,400
81,800
96,000
29,800
85,200
44,700
91,000
18,300
45,700
31,300
47,300
80,000
95,000
80,000
92,000
従業員数 39,364 39,852 38,987 38,117        
為替
レート
円/US$ 114 101 93 86 89 80 83 78
円/EUR 162 144 131 113 114 114 113 110

 

マツダ:2010年度営業利益変動要因
(億円)
台数・構成 為替 コスト改善 販売費用 その他
2010年度営業増益 (143億円) 357 (437) 112 (56) 167
(予想) 2011年度営業減益 (238億円) (124) (391) 167 (27) 137

資料:マツダ決算発表資料 2011.4.28/2011.11.2, 業績見通し説明 2011.6.17

 

マツダ:タイ洪水の影響でAATでの生産停止

 マツダは、 タイ・Rayong県にある Fordとの合弁工場について、洪水による直接被害は受けていないが、部品調達網寸断のため、2011年10月19日 (一部は11日) から生産を停止している。Mazda2, Mazda3 の生産については、同モデルを生産している日本と中国から部品を調達し、11月半ばから生産を再開する予定。ピックアップの BT-50の部品は現地調達が主体となっているため、代替調達が難しく、影響が長引きそうだとしている。

資料:日刊自動車新聞2011.10.22/2011.10.31, 産経ニュース 2011.11.4

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