トヨタが増産シフト:2012年にトヨタ・レクサス車890万台生産を計画

国内では、東北3社を統合し、年産10万基のエンジン生産ラインを導入

2011/08/11

要 約

 以下は、トヨタの2011年9月から2012年にかけての増産計画、その背景となる海外での生産能力増強と、国内生産体制の効率化推進の概要である。

 トヨタは震災の影響から調達網が予想より早期に回復するとして、2011年9月から大幅増産する。8月2日に、2011年度にトヨタ・レクサス車を772万台生産すると発表した。2010年度実績比38万台の増加になる。また2012年(暦年)に過去最高となる890万台を生産する計画をまとめ、部品サプライヤーに提示したとされている。米国や中国で、減産のために失ったシェアを奪回する。

 トヨタは、世界販売における新興国市場販売比率を、2010年の40%から2015年に50%に拡大する方針で、そのために新興国を中心に海外生産能力を拡充する。2011年秋にタイ・アルゼンチンで合計10万台の生産能力を増強し、2012年前半に中国長春新工場が生産を開始し、米国Mississippi新工場も稼動して、海外での生産能力を2011~2012年末までの間に年48万台分、2013年末までに82万台分を増強する。

 国内生産体制については、トヨタ車体、関東自動車工業2社を完全子会社化し、またトヨタ自動車東北、関東自動車工業、セントラル自動車の3社を統合すると2011年7月に発表した。車両生産の委託・受託の関係から、より一体化した運営に移行して効率化し、国内生産300万台の維持に貢献するとしている。セントラル自動車宮城新工場は、投資を40%削減し製造コストを6%削減する高効率ラインを装備した。またエンジン生産についても、年産10万基で採算の合う小規模高効率ラインを導入する。

 トヨタは、こうしたコスト削減努力の積み重ねで、国内生産300万台を維持する方針。しかし、直近の1ドル80円を超える円高は、地道なコスト削減の積み重ねでは解決できないレベルであり、輸入部品の採用拡大や、海外生産での現地調達率を高めていくことを検討するとしている。



2011年度業績見通しと2012年(暦年)生産計画

2011年度第1四半期決算発表時に、2011年度連結業績見通しを大幅上方修正

 トヨタは、2011年6月10日に、通常より遅れていた2011年度通期の業績見通しを発表した。

 また8月2日に、2011年度第1四半期(4~6月期)の決算を発表した。販売台数減により売上高は29.3%減、2009年度第1四半期以来の営業赤字(1,079億円の赤字)となった。また2011年度通期の想定為替レートを6月発表より2円円高の80円に修正した。

 しかし震災の影響から6月時点での予想より早く回復することが判明し、2011年度通期見通しは、6月10日発表に比べると、連結販売台数を36万台上乗せして760万台とし、売上高は4,000億円増やし19兆円、営業利益を3,000億円から4,500億円に上方修正した。

トヨタの連結決算

(100万円)
  2008年度 2009年度 2010年度 2011年度見通し 2010年度
4-6月期
2011年度
4-6月期
6月発表 8月発表
売上高
営業利益
税引前利益
当期純利益
20,529,570
(461,011)
(560,381)
(436,937)
18,950,973
147,516
291,468
209,456
18,993,688
468,279
563,290
408,183
18,600,000
300,000
320,000
280,000
19,000,000
450,000
500,000
390,000
4,871,825
211,663
263,004
190,466
3,441,050
(107,963)
(80,531)

1,160
研究開発費
減価償却費
設備投資
904,000
1,072,100
1,302,500
725,300
1,032,000
579,000
730,300
812,300
642,300
760,000
760,000
720,000


182,900
197,500
92,600
186,500
168,900
116,400
連結販売台数
(1,000台)
7,567 7,237 7,308 7,240 7,600 1,820 1,221
為替レート ドル 101円 93円 86円 82円 80円 92円 82円
ユーロ 144円 131円 113円 115円 116円 117円 117円

資料:トヨタの決算短信 (2011年 5月 11日、6月10日、8月2日発表)
(注)連結販売台数は、日野、ダイハツを含むが、中国など持分法適用関連会社の実績は含まない。

 

トヨタ・レクサス車:2011年度に772万台、2012年(暦年)には890万台生産を計画

 トヨタは、9月には調達体制が復旧し、残業、休日出勤などにより大幅増産する。3月以降の減産で米国や中国で失ったシェアを奪回する計画。

 生産能力の面では、2011~2012年の間に、海外で48万台の生産能力を増強する(本レポート後半の「海外生産能力を、2011~2012年に48万台増強」をご参照ください)。また国内では受注残の多いPrius αを増産し、2011年末には関東自動車工業岩手工場で、Prius以上のヒットになると期待される小型ハイブリッド車の生産を開始する。トヨタは、2011~2012年の間に約10車種の新型ハイブリッド車を国内投入する計画で、2012年のハイブリッド車生産は、初めて100万台を超える見込み(2010年実績は約65万台)。

 数値計画としては、トヨタ・レクサス車の2011年度生産台数計画を、6月発表の739万台から8月に772万台に33万台分上方修正した。2010年度実績734万から38万台の増加になる。

 また、トヨタは主要な部品サプライヤーに対して、2012年(暦年)に過去最高となる890万台(国内で350万台、海外で540万台)を生産する計画を伝えたと報道されている。欧米経済の動向によっては860万~870万台にとどまることも想定するが、その場合でも過去最高の2007年853万台を超える水準となる。

トヨタ・レクサス車の生産・販売・輸出台数

(1,000台)
  2008年度 2009年度 2010年度 2011年度見通し 2010年度
4-6月期
2011年度
4-6月期
6月発表 8月発表
生産 国内
海外
合計
3,393
3,710
7,103
3,206
4,072
7,278
3,004
4,338
7,342
3,030
4,360
7,390
3,140
4,580
7,720
781
1,032
1,813
411
779
1,190
販売
(小売)
国内
海外
合計
1,340 1,586
5,755
7,341
1,407
6,153
7,560
1,300
6,000
7,300
1,350
6,100
7,450
373 179
輸出 2,139 1,644 1,698 1,700 1,760 424 199
資料:トヨタの決算短信 (2011年 5月 11日、6月10日、8月2日発表)
(注) 1. ダイハツ、日野を含まず、中国など持分法適用関連会社の実績を含む。なお、国内生産、国内販売および輸出台数は、トヨタ単独決算の数値と一致する。
2. トヨタの米国販売シェアは、2011年5~6月は10%台(7月は12.3%)だが、次第に回復し、2012年3月には、震災前(1~2月)の14.2%に近いレベルまで回復するとしている。

 

2011年度単独決算は、修正後も3,700億円の営業赤字の見込み

 トヨタの単独決算は、国内生産台数の減少(2006年度は419万台、2007年度は426万台を生産したが、2008年度以降は100万台規模減少した)、円高による輸出車の採算悪化などにより、2008年度以降営業赤字が続いている。

 2011年3月に発表した「グローバルビジョン」において、目標の一つに「単独営業利益の黒字化」を掲げているが、2011年度も3,700億円の営業赤字を見込む。

トヨタの単独決算

(100万円)
  2008年度 2009年度 2010年度 2011年度見通し 2010年度
4-6月期
2011年度
4-6月期
6月発表 8月発表
売上高 9,278,483 8,597,872 8,242,830 8,200,000 8,500,000 2,136,400 1,207,300
営業利益 (187,918) (328,061) (480,938) (400,000) (370,000) (63,800) (194,600)
経常利益 182,594 (77,120) (47,012) (10,000) 50,000 163,100 (3,600)
当期純利益 56,649 26,188 52,764 90,000 140,000 180,300 50,600

資料:トヨタの決算短信 (2011年 5月 11日、6月10日、8月2日発表)
(注)トヨタは、2011年3月の「トヨタ グローバルビジョン」において、今後「1ドル85円、販売台数750万台」の厳しい経営環境においても、「連結営業利益率5%(1兆円程度)と単独営業利益の黒字化」を目指すと発表した。2010年度実績では、子会社で約9,500億円の営業利益を稼いだが、トヨタ単独の営業損益が4,809億円の赤字のため、連結営業利益は4,682億円にとどまった。

 

急激な円高への対応として、輸入部品の拡大を検討

 トヨタは、直近の1ドル80円を超える円高は、10円、20円の原価低減の積み重ねでは解決できないレベルであり、今後仕入れ先の海外拠点を利用しての輸入部品の増加や、海外生産での現地調達部品の増加を検討するとしている。

直近の急激な円高への対応

円高の影響  トヨタにとって、採算としては1ドル85円がギリギリのところで、現在80円への対応を目指して様々な角度から研究している。2010年4月から2011年8月初めの間に、16~17円円高になった。1例として、北米向け仕切り価格は平均約2万ドルで、15円円高になると 1台当り30万円の粗利が消滅する。
競合状況の変化  今日では、品質もコストも日本車に勝るとも劣らないメーカーが(韓国や欧州に)出現したため、かつてのように簡単には値上げもできない。
海外製部品の活用  現在の円高は、10円、20円の原価低減の積み重ねでは解決できないレベルであり、今後仕入れ先の海外拠点を利用しながら輸入部品を増やしたり、または海外生産での現地調達率を増やす(日本からの生産用部品の出荷は減少させる)ことを検討する。日本でのものづくりが少し流出することになるが、そうした方策も必要な時期になっている。
日本の技術力で戦う  為替レートを含め、コストでは韓国車に勝てないので、技術力で勝負することになる。そのために、日本の開発力と、サプライヤーを含めた生産基盤を活用することが重要で、トヨタの規模では年間300万台規模の国内生産を維持することが必要。

資料:2011年第1四半期決算発表での質疑応答(日刊自動車新聞 2011.8.3、日経産業新聞 2011.8.3など)
(注)トヨタが、ここ1~2年の間に実施してきた生産体制効率化については、次項「国内生産体制を再編・効率化」をご参照ください。

 



国内生産体制を再編・効率化

2010年5月に、国内生産体制の再構築を発表

 トヨタは、2010年5月に、「生産体制の再構築」について公表した。国内生産については、生産モデルの抜本的な見直しや、需要変動が吸収できるようなフレキシブルで効率的な生産体制に変更する、と発表した。

 また、高岡工場は2010年春から2ラインのうちの1ラインを休止し、2010年後半から田原工場の3ラインを2ラインに集約している。

2010年5月発表の、国内生産体制の再構築(要旨)

国内生産モデルの
抜本的な見直し
 輸出量産車は「需要のある地域での生産」を基本とし、国内は「新技術、新コンセプト、新工法への取り組み」を中心としたモデルを生産する。
需要変動が吸収できる
フレキシブルで効率的な
生産体制に変更
 モノコック、フレームの混流ラインの設置や、各工場、各ラインの位置づけ、役割、分担を明確にし、同一プラットフォームを中心とした生産体制を強化する。

資料:トヨタ広報資料 2010.5.11

 

国内生産3極体制を確立、東北をコンパクト車の拠点として強化

 トヨタは2011年7月に、トヨタ車体と関東自動車工業を完全(100%)子会社化すると発表。これにより、トヨタグループの方向性と合致した素早い経営判断を可能にし、経営のスピード化を図る。

 同時に、2012年7月を目標に、トヨタ自動車東北、関東自動車工業、セントラル自動車の3社を統合すると発表した。東北を中部、九州に続く「第3の国内生産拠点」と位置づけ、統合した東北3社をコンパクト車の企画・開発・生産からユニット部品の生産まで含めた総合車両メーカーへ発展させる。フル生産で年50万台の体制となる。また部品の現地(東北地方)調達率を早期に8割に高めたいとしている。

 トヨタは、セントラル自動車の新宮城工場に、設備投資を40%削減し、製造コストを6%削減する新しい生産技術を導入した。また中断していた宮城県のエンジン工場建設を再開する。

 なお、トヨタの国内生産体制については、いずれは生産ラインの老朽化などに伴って、いくつかのラインを廃却することになるだろうとしている(当面は、2011年秋から震災による減産を取り戻すために増産するので、瞬間的に高い生産能力が必要になる)。

東北3社を統合し、コンパクトカーの生産拠点に

トヨタ自動車東北  トヨタが100%出資する部品メーカー。制御ブレーキアクチュエータ(ABS/ECB)、Axle、Torque Converterなどを生産。
関東自動車工業  現在、東富士工場(静岡県)で、Century、Crown、Isis、輸出用Corollaを生産。岩手工場で、Belta、Auris、Blade、Corolla Rumion、ist、Ractis などの小型車を生産。2010年度に両工場で36.4万台を生産した。現在トヨタが50.1%出資。2009年度と2010年度の2年連続で最終赤字を計上したが、2011年度は50億円の最終黒字を予測。
 今後、グローバルで競争力のあるコンパクト車両の企画・開発・生産を一貫して主体的に担当する。2011年末から、岩手工場で小型ハイブリッド車を生産する。
セントラル自動車  トヨタの100%子会社。工場を相模原から宮城県に移転し、2011年1月に新宮城工場(年産能力12万台)で輸出用Yarisの生産を開始、4月にCorolla Axioの生産も開始した(相模原工場は閉鎖した)。

資料:トヨタ広報資料 2011.7.13、3社のwebsite
(注)セントラル自動車の新宮城工場は、最新鋭のコスト削減策を織り込みトヨタグループの最新鋭の工場となった。その概要は下記。

セントラル自動車宮城工場に導入した最新鋭設備
効率化と
生産コスト削減
(1)塗装ラインでは、工法と材料を見直し、2回あった塗装乾燥工程を1回にして長さを25%短縮、
(2)エンジンと足回り部品の組み付け工程では、車体を横向きに置くラインを導入し、作業効率を高め、その部分のラインの長さを35%短縮、
(3)組立ラインでは、車両を運搬する装置を天井からつり下げる方式を廃止して、台座に乗せてコンベヤーで運ぶ方式を採用。天井への補強材もハンガーもなくなり、天井を25%低くした。
(4)これらの新工法採用の効果で、初期投資を従来比4割低減し、製造コストを6%削減した。
(注) 1. 効率化した生産ラインは、2011年秋に生産を開始する米国Mississippi工場、2012年に稼働するブラジル、中国長春市などの新工場にも導入する。
2. トヨタは、設備投資のピークであった、2006~2008年度の年間1兆3,000~1兆5,000億円の効果を、今後は年7,000億円程度(2011年度の設備投資計画は7,200億円)の投資で実現するとしている。

 

多品種少量生産が可能なエンジン生産ラインを導入

 トヨタは、多品種少量生産でも採算の合う新たなエンジン生産ラインを開発し、2010年後半に、下山工場(愛知県)のラインの一部を新型に切り替え稼働させた。これまでは、1ラインの年産能力20万基を最小単位としてきたが、10万基で採算が合うラインとした。宮城県で建設を再開したエンジン工場に適用し、海外でも工場の新設や更新時に導入する。

 トヨタは円高の影響を最小化するため、海外生産拠点でのエンジンや変速機などの現地生産を加速する方針。

多品種少量生産が可能なエンジン生産ラインを、下山工場に導入

年産10万基の
エンジン生産
ラインを導入
 トヨタは、下山工場(愛知県)に新エンジン生産ラインを導入し、2010年末に稼働させた。年産能力を、これまでの基準であった20万基から10万基に半減し、投資を縮小して従来の半分の規模で利益が出る体制を構築した。また、治工具の工夫などで、生産機種を変更する段取り替えの時間を大幅短縮し、需要変動に柔軟に対応する。
 トヨタは、2011~2012年に11車種のハイブリッド車を投入し、またガソリン車でもエンジンの機種数を増加させる計画で、多品種になるエンジンを低コストでつくり分けすることが課題になっている。

国内外のエンジン工場に採用

宮城新エンジン
工場に適用
 トヨタは、2011年7月、宮城県の新エンジン工場建設を再開すると発表した。2008年に建設を決定したが、金融危機後の需要急減で計画を凍結していた。トヨタ自動車東北が建設し、2012年にも生産を開始する。約20億円を投資して、年10万基程度の組立能力を構築し、関東自動車工業岩手工場で2011年末から生産する小型ハイブリッド車に供給する。
 構成部品は当初調達網のある愛知県から輸送するが、愛知県の部品メーカーに現地進出を促し、また現地で新たな仕入れ先を開拓して、数年後には年30万基程度を一貫生産できる体制を敷き、関東自動車岩手工場とセントラル自動車宮城工場で生産する小型車に供給する。

(注)トヨタの日本のエンジン生産能力は、海外生産拠点に供給する輸出分を含め600万基程度で、100万基以上の余剰がある。しかし今回東北で新たにエンジン工場を建設する背景には、(1)国内でV6/V8の中大型エンジンの能力は余っているが、4気筒エンジンの余剰は少ない、(2)東北地方で小型車を一貫生産し、国内での小型車生産コストを抑えることが急務、などがあるとされる。

中国で、
新方式により
エンジンを増産
 トヨタは2013年中国に、年産10万基の小型車用エンジン生産ラインを3ライン新設し、中国全体の生産能力を現状の100万基から130万基に引き上げる計画。投資額は200~300億円。
 天津一汽豊田発動機では、ZR型(1600cc/1800cc)用ラインと、NR型(1300cc/1500cc)用ラインを新設、広汽豊田発動機には、NR型エンジンのラインを新設する。日本の下山工場に初導入した、年産10万台の小規模高効率ラインを導入する。
 ZR型エンジンは、2012年前半から四川一汽豊田汽車の長春新工場で生産するCorollaに、NR型は、2013年に天津一汽豊田汽車と広汽豊田汽車で生産開始する戦略小型車に供給する。

資料:日本経済新聞 2010.11.20/2011.7.20、日刊工業新聞 2010.10.11/2011.7.18/2011.7.28

 

米国で6速ATを増産

米国
West Virginia工場
 トヨタは米国West Virginia工場に64百万ドルを投資して、2012年末までに6速ATの生産能力を27万基から40万基に増強する。同時にケースとハウジングを生産する子会社のBodine社(ミズーリ州)においても、8.4百万ドルを投資して生産能力を年32万個から64万個に増強する。6速ATは、Camry、Avalon、RX350などにV6エンジンと組み合わせて搭載する。

資料:トヨタ広報資料 2011.2.26

 



海外生産能力を、2011~2012年に48万台増強

 トヨタの、2010年の日米欧先進国市場と新興国市場の販売比率は60:40だが、新興国市場を強化して2015年に50:50とする計画。また新興国市場では、IMVや新開発小型車など現地生産モデルの強化に取り組むとしている。

 新開発小型車は、2010年末インド市場へのEtios投入に続き、ブラジル、中国、インドネシアに投入する計画。

 トヨタは、2011年後半から2012年にかけて、新興国を中心に海外生産能力を48万台分、2013年末までに82万台分増強する。

2011~2013年の、トヨタの海外生産能力増強計画

増強する時期   能力増 概要
2011年 9月 タイ 8万台  IMVの生産能力を、年14万台から22万台に増強。
11月 アルゼンチン 2万台  IMVの生産能力を7万台から9万台に増強。
米国Mississippi 15万台  Mississippi新工場でCorolla生産を開始。
2012年 ロシア極東 1万台  Land Cruiser PradoをKD生産(月1,000台)。
前半 インド 5万台  第1・第2工場を合わせて5万台増強し21万台へ。
前半 中国 10万台  長春新工場でCorolla生産を開始。
後半 ブラジル 7万台  新工場を建設中で、新興国向け小型車を生産する。
  2年間合計 48万台  
2013年 年初 インドネシア 4万台  年産能力を10万台から14万台に増強、新たな車種を生産。
年初 インド 10万台  2012年前半の21万台から31万台に増強。
年内 中国 20万台  中国の合弁2社で、戦略小型車を各10万台生産する。
    3年間総合計 82万台  

資料:トヨタの各計画についてのプレス リリース、日本経済新聞 2011.7.29
(注)IMVは、Innovative International Multi-purpose Vehicleの略。

 

 インドでは、現地法人の第1工場でIMVとCorolla、第2工場で2010年秋からEtiosを生産している。トヨタは221億円を投資して、インドの生産能力を2011年7月の16万台から、2012年前半に21万台、2013年に31万台に増強する。エンジン関連部品設備も増強する。

インドの生産体制を強化

  2011年7月 2012年前半 2013年初
第1工場 生産能力
生産車種
8万台/年
Innova, Fortuner, Corolla
9万台/年
Innova, Fortuner
10万台/年
Innova, Fortuner
第2工場 生産能力
生産車種
8万台/年
Etios, Etios Liva
12万台/年
Etios, Etios Liva, Corolla
21万台/年
Etios, Etios Liva, Corolla
合計生産能力 16万台/年 21万台/年 31万台/年
追加投資 - 49億円 172億円
資料:トヨタ広報資料 2011.6.27/2011.7.27
(注) 1. インドの現地法人は、トヨタが89%出資するToyota Kirloskar Motor(Bangalore市)。
2-1. トヨタグループが90%出資するTKAP(Toyota Kirloskar Auto Parts Private Limited、Bangalore市)はIMV用マニュアル・トランスミッションなどを生産している。さらにEtios向けに、2012年秋からガソリンエンジンを年10万基と、2013年初めからトランスミッションを年24万基生産する計画。
2-2. また、新たに約144億円を投資して、2014年初めからEtios用ガソリンエンジンのアルミ鋳造と機械加工を開始すると発表した。

 

 その他の新興国では、既に発表済のブラジル工場と、中国の長春新工場に加え、インドネシアでの増産とロシアVladivostokでのKD生産の計画を発表した。

 また中国では2013年から、合弁2社で戦略小型車を生産する。

インドネシア工場を増強、ロシア極東でKD生産

インドネシア  トヨタは、インドネシアの車両生産会社Toyota Motor Manufacturing IndonesiaのKarawang工場に165億円を投資して、年産能力を10万台から2013年初めに14万台に増強する。
 Karawang工場は、2010年に、IMVシリーズのKijang Innova/FortunerとAvanzaを10.7万台生産した。新たに、新開発の戦略小型車生産を始める見込み。
ロシア
Vladivostok
 トヨタは、2011年3月、ロシアのVladivostok市で、2012年春からLand Cruiser Pradoを月1,000台規模組立て、トヨタのロシア販売網で販売すると発表した。トヨタは2007年からSt. Petersburg工場でCamryを生産しており、ロシアで2番目の拠点になる。
 三井物産とロシアSollers社が、折半出資で設立した合弁会社"OOO Sollers-Bussan"が生産を担当する。トヨタは、生産技術と部品を供給するが、当面出資はしない。
ブラジル  約6億米ドルを投資し、2012年後半から新開発小型車(インドで2010年末に発売したEtiosをベースとするモデル)を、当初年産7万台規模で生産する。新開発小型車は、中南米の周辺諸国への輸出もする計画。ブラジルの既存のIndiatuba工場は、年産能力7万台でCorollaを生産している。
中国
長春新工場
 トヨタは、四川一汽豊田汽車の長春新工場を2012年前半に稼働させると発表した。現工場は年間1万台の能力でLand Cruiserを生産しているが、新工場は年間10万台の能力でCorollaを生産する。 長春新工場は、2008年10月に起工式を行ったが、環境の変化から建設工事を中断していた。
中国合弁2社  トヨタは中国に約400億円を投資して、新興国向け戦略小型車を年産20万台規模で2013年に生産開始する計画。合弁2社で、ほぼ同時期に各10万台生産を開始する見通し。インドに投入したEtiosよりやや大型な車体で、1500cc前後のエンジンを搭載する見込み。

資料:トヨタ広報資料 2010.4.28/2010.5.19/2010.7.6/2010.9.9/2011.3.1、日本経済新聞 2100.7.29

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