LMC Automotive 2019年5月自動車市場月報(グローバル)

2019年5月販売は7.0%減の760.3万台、季節調整済み年率換算販売は8,975万台/年に上昇

2019/06/17

グローバル販売状況と直近の市場予測

※当レポートは自動車、パワートレイン分野の市場予測サービス専門の調査会社 LMC Automotive によるライトビークル市場トレンドレポートをマークラインズが翻訳したものです。

世界全体

  • 2019年5月の世界全体のライトビークル販売台数は前年同月比7.0%減となったが、5月の季節調整済み年率換算販売台数は8,975万台/年となり、4月時点の8,871万台/年から上昇した。
  • 5月の季節調整済み年率換算販売台数はわずかに改善したが、世界の自動車市場は金融危機以来となる長引く低迷に苦しんでいる。中国市場の減速がまたも世界販売の減少の主因となったほか、米国と西欧も停滞が続いた。こうした中で日本の販売のみがやや明るい兆しを示している。



解説

北米

  • 米国の1~4月の期間の単月販売は、月平均で前年同月比2.6%減となって推移したが、5月は前年並みの159.2万台となった。これは3月の161万台に次ぐ今年2番目の実績で、好調の主な要因は、ピックアップトラックの販売が12.7%増となったことにある。こうしたライトトラック系の人気は、5月の新車平均実売価格が前年同月比4.2%増の37,018ドルとさらに高くなったことにも現れている。一方で、5月の台あたり平均販売奨励金は6.4%減の1,627ドルに低下している。
  • カナダの5月の販売は2019年に入って以降で最高となる20.2万台に達したが、前年同月比では6.7%減となった。5月の季節調整済み年率換算販売台数は190万台/年で4月から3.5万台/年増加したが、依然として今年に入って以降2番目の低さである。メキシコの5月の販売は前年同月比11%減の10.2万台となり、5月の季節調整済み年率換算販売は131万台/年となった。これは4月時点から1.3万台/年減少している。

欧州

  • 西欧の5月の販売は前年同月比0.1%減となり、2ヵ月連続で前年同水準となった。5月の季節調整済み年率換算販売は1,641万台/年となり、4月時点の1,628万台/年から増加した。しかし、内訳を見ると、ドイツのような好調な市場と、停滞しているイタリアやスペイン、英国といった市場との間には著しい好不調の差がある。仮にドイツの販売が低迷すれば、今なお続いている英国のEUからの「合意なき」離脱やイタリアの財政懸念、スペインの政情不安といった様々なリスクもあり、西欧全体の季節調整済み年率換算販売が再び低下し始めても何ら不思議ではない状況にある。
  • ロシアの5月の販売は前年同月比6.7%減となった。これにより、1~5月累計販売は前年同期比2.2%減となった。しかしながら、4月時点で160万台/年だった季節調整済み年率換算販売は、5月はディーラー営業日数が前年同月よりも1日少なかった点も寄与し、180万台/年に上昇した。依然として、市場下支えを目指す政府によるインセンティブの導入が今年後半に予定されているほか、金利引き下げの効果もあり、ロシアの2019年通年販売は(過去のピークには大きく届かないものの)、部分的に押し上げられると見る。

中国

  • 速報値によると、中国の5月の季節調整済み年率換算販売は2,377万台/年となり、4月時点からわずかに増加した。しかしながら、相変わらず市場は低迷している。5月の販売は前年同月比15.6%減、1~5月累計販売は前年同期比13.2%減となり、前年割れは11ヵ月連続となった。
  • 販売減の主な要因は、20207月に全国での施行が予定される排ガス基準国6が、一部の省で前倒して導入されていることにある。これにより、ディーラーにおける国5適合車の在庫の積み上がりが発生している。また、米中貿易摩擦の激化が消費者と企業の購買意欲を弱めつつある。また、政府は自動車市場向けの刺激策を発表したが、内容は期待されたほど意欲的なものではなかった。こうしたことから、市場は当面停滞を続けるとみられる。

その他アジア

  • 日本の5月の販売は前年同月比6.7%増となった。5月の季節調整済み年率換算販売台数は、きわめて好調であった4月時点の582万台/年から555万台/年へ減速した。5月は(新天皇即位を祝う)10日間の国民休日により、販売はいささか減少したといえる。しかしながら5月の販売は、新モデル投入の効果もあり、依然として好調であった。今後の展望としては、2019101日に予定される消費税引き上げにより、2019年下期の販売は押し下げられると見込まれる。
  • 韓国では、4月に171万台/年だった季節調整済み年率換算販売が5月に165万台/年となり、2ヵ月連続で減速した。5月の販売は前年同月比2.8%減となった。第1四半期には経済が世界金融危機以来最悪の落ち込みに見舞われ、雇用環境も弱まっており、今後の自動車市場も更に減速する可能性がある。

南米

  • ブラジルの5月の販売は前年同月比19.7%増の23.4万台で、今年の月次販売として最高を記録した。5月の季節調整済み年率換算販売台数販売は280万台/年で、これも2019年に入って以降で最も高く、20194月比では15.4万台/年、20185月比では37.6万台/年、それぞれ増加している。
  • 脆弱なマクロ経済環境を背景に、アルゼンチンの5月販売は今年に入って以降で最も低い水準に落ち込んだほか、5月の販売としては2005年以降で最低となった。5月の販売はわずか3.5万台となり、前年同月比では57%減の急激な落ち込みを示した。5月の季節調整済み年率換算販売台数は4月時点から4万台/年減少したほか、20185月との比較では54.3万台/年減少し、39.1万台/年となった。

グローバルライトビークル販売

販売(台) 季節調整済み年率換算販売(台/年)
2019年
 5月
2018年
 5月
増減 2019年
累計
2018年
累計
増減 2019年
  5月(*1)
2019年
累計(*2)
2018年
通期(*3)
増減(*4)
WORLD
7,602,884
8,178,691
-7.0%
37,318,526
40,001,952
-6.7%
89,747,033
89,464,542
94,618,781
-5.4%
USA
1,592,179
1,592,072
0.0%
6,917,331
7,059,096
-2.0%
17,402,128
16,853,777
17,301,160
-2.6%
CANADA
201,542
216,093
-6.7%
798,023
836,074
-4.6%
1,903,571
1,948,630
1,991,680
-2.2%
WESTERN EUROPE
1,475,959
1,477,672
-0.1%
7,156,087
7,276,260
-1.7%
16,410,327
16,430,344
16,149,001
1.7%
EASTERN EUROPE
345,418
386,482
-10.6%
1,607,019
1,757,106
-8.5%
4,110,313
4,163,244
4,231,171
-1.6%
JAPAN
391,367
366,894
6.7%
2,274,321
2,248,607
1.1%
5,547,371
5,394,740
5,201,809
3.7%
KOREA
150,068
154,346
-2.8%
707,465
729,019
-3.0%
1,649,206
1,720,743
1,777,379
-3.2%
CHINA
1,873,785
2,220,387
-15.6%
10,047,052
11,570,006
-13.2%
23,765,235
23,992,264
27,744,712
-13.5%
BRAZIL / ARGENTINA
268,832
275,360
-2.4%
1,242,434
1,352,889
-8.2%
3,190,072
3,092,635
3,247,662
-4.8%
OTHER
1,303,734
1,489,385
-12.5%
6,568,794
7,172,895
-8.4%
15,768,810
15,868,165
16,974,207
-6.5%
注記: (*1) 当該月の販売実績をベースとした季節調整済み年率換算販売台数。
(*2) 当年累計期間の販売実績をベースとした季節調整済み年率換算販売台数。
(*3) 2018年通期(1~12月)の販売実績。
(*4) 2019年累計の季節調整済み年率換算販売の対前年実績比増減率。
販売報告の遅い国々や推測したものは“Other(その他)”に含まれる。
東欧はトルコを含む。
中国のデータは、ライトビークルの輸入推計を含む。

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