CATARC提携レポート 中国新エネルギー車 (NEV)動向 2018年5月

2018年4月の新エネルギー車生産は8万台

2018/06/06

中国国内生産 (概要)



このレポートは北京CATARC科学技術センター*のレポートをマークラインズが編集・翻訳したものです。
過去のCATARC提携レポートはこちらをご参照ください

 2018年4月の新エネルギー車 (EV、PHV、FCVが対象で、鉛酸電池搭載車は含まない)生産台数は前月比で32.5%増、前年同月比で147%増となった。車種別の比率はEVとPHVが80%と20%で、乗用車が87%、バスと特殊車両がそれぞれ9%と4%となった。



中国国内生産

EV

 2018年4月のEV生産台数は前月比で43%増、前年同月比で156%増となった。

 乗用車の生産は前月比で34%、前年同月比で138%増加した。乗用車を生産したメーカーは39社。そのうち、1万台超を生産したのは比亜迪 (BYD)のみで、1千台を超えたのは13社であった。ブランド別では北京ブランドが1位となった。

 バスの生産は前月比で137%増、前年同月比では1,359%増となった。バスを生産した30社のうち、1千台超を生産したメーカーは2社であった。4月に生産されたバスは全長10m以上が最も多かった。駆動電池はリン酸鉄リチウムが最も多く、マンガン酸リチウムがこれに続く。

 特殊車両の生産は前月比で132.2%増、前年同月比で96%増となった。特殊車両を生産した30社のうち、奇瑞汽車のみ1千台を超え、100台を超えたのは6社であった。用途別では貨物運搬用車両が最も多かった。

PHV

 2018年4月のPHV生産台数は前月比で2.9%増、前年同月比で119%増となった。

 乗用車の生産は前月比1.3%増、前年同月比132%増であった。乗用車を生産したメーカーは14社。ブランド別では比亜迪と栄威が1位、2位を占めた。駆動電池は全車種で三元系電池が採用された。

 バスの生産台数は前月比73%増、前年同月比は10.8%減となった。4月にバスを生産したのは7社。駆動電池はマンガン酸リチウムの比率が最も高かった。

FCV

 2018年4月のFCV生産は全てFCVバスで、前年同月比440%増となった。



国内動向

工業情報化部など3省庁、「車両購置税免除対象新エネルギー車リスト」動態管理実施を発表

 2018年4月2日、工業情報化部、財政部、国税総局は「車両購置税免除対象新エネルギー車リスト」の動態管理を実施すると発表した。

  1. 工業情報化部と税務局は、2017年1月1日以前に「リスト」入りして公告発表日までに生産されなかったモデルと、2017年1月1日以降に「リスト」入りして12ヵ月間、生産されなかったモデルを、公示後5営業日以内に異議の申し出がない限り、「リスト」から削除する。
  2. 「リスト」から削除されたモデルは機動車合格証情報管理システムに反映されない。また、税務機関は車両購置税免除の申請を受け付けない。
  3. すでに「リスト」から削除されたモデルはメーカーが再申請して、審査が通れば再び「リスト」入りすることができる。
  4. 新車購入時に購置税を免除された車両は、譲渡・取引をする際に購置税を追徴されることはない。
  5. 工業情報化部は「リスト」に記載された企業、車種に対する事後監督検査を強化する。関係基準、法規に違反した場合、工業情報化部と税務局は処罰を与える。

工業情報化部、機動車生産企業及び製品参入管理規定意見公募稿を公布

 2018年4月18日、工業情報化部は「道路機動車両生産企業及び製品参入管理規定(意見公募稿)」(以下「意見公募稿」)を公布した。「意見公募稿」は車両生産企業参入類別の簡素化、車両製品参入管理手順と方法の最適化、車両生産企業集団管理の推進、改造車両管理の更なる規範化、新技術新材料の革新と普及の奨励、車両製品参入系列化管理の推進など具体的な措置と改善を示した。

 「意見公募稿」は、工業情報化部が技術審査結果と公示再審査結果に基づき、受け付けた車両生産企業及び製品参入許可申請に対し、可否を決定するとしている。許可したものについては、工業情報化部が公告の形で公表すると同時に車両生産企業の基本情報及び製品主要技術パラメータなどの情報を公開する。却下したものについては書面により申請者に通知し理由を説明する。

 工業情報化部による参入許可を取得した後、車両生産企業は相応の製品を生産、販売することができる。いかなる事業体も個人も、取得した車両生産企業及び製品参入許可証を転売、賃貸、貸出、或いはその他の方法により不法譲渡することはできない。

財政部など4省庁、2017年以前の新エネ車補助金申請の受付を開始

 2018年4月19日、財政部、工業情報化部、科学技術部、発展改革委員会は「2017年度以前の新エネルギー車普及応用補助金清算申請に関する通知」を出し、各部門に現地自動車生産企業の2017年1月1日から12月31日までの中央政府補助金清算申請報告を提出するよう指示した。2015年度、2016年度に販売され、まだ補助金を受け取っていない車両については対応する年度の補助基準に基づき実施する。

 個人が購入した新エネルギー乗用車と作業用特殊車両、党政府機関の公用車、民用航空の空港内使用車両を除く新エネルギー車は走行距離が累計2万キロ(2017年12月31日現在)に達していれば補助金を受け取ることができる。

北京7社、新エネルギー車補助金の申請額は26億元超

 2018年5月4日、北京市科学委員会は2017年以前に北京市が推薦し中央政府に補助金を申請した新エネルギー車の状況について公表した。2015~2017年は北汽新能源、北汽、北汽福田、華林特装車、普蘭客車、北汽製造廠、北京現代の7社の新エネルギー車52,619台が26億元を超える補助金を申請した。2015年に推薦されたのは26台で、補助金申請額は342万元。2016年は3,208台で補助金申請額は5.56億元、2017年は49,385台で20.6億元が申請された。

海南省、新エネルギー車の普及を加速し、内燃機関車の販売を段階的に禁止

 2018年4月14日、国務院は「海南省の全面的改革開放支持に関する指導意見」を公布し、シェアリングエコノミーを発展させ、モビリティ、教育、職業訓練などの分野でモデル事業を展開するよう提起した。機動車両の保有台数を抑制し、新エネルギー車と省エネルギー車の普及を加速して、海南島での内燃機関車販売を段階的に禁止するとしている。

長沙市、コネクテッドカーの道路実証試験管理における実施細則を発表

 2018年4月16日、「長沙市コネクテッドカーの道路実証試験管理における実施細則(試行)」が発表された。「実施細則」には管理機構及び職責分業、試験申請条件、試験申請及び審査、試験管理、交通違反と事故処理などの内容が含まれている。

 試験区域は等級ごとに段階を追って申請、開放、分類管理し、交通安全リスクの制御を強化する。これは全国のコネクテッドカー実証試験規則の中では初めてのことである。具体的には、第1段階である第1級試験区は湘江新区インテリジェントシステム試験区とし、閉鎖型と半開放型の試験環境とする。第2段階である第2級試験区は開放型道路とし、一般車両、通行人、家畜の通り抜けを禁止しない。但し、道路実証試験区であることを明らかにする標識を設置する。試験申請は試験区の段階を追って厳しくなり、段階が上がればインテリジェント運転技術条件も高くなる。試験主体と車両は第1級試験区で一定時間試験を行い、一定の基準に達して初めて第2級試験区に進むことができる。

万向123の53AhVDA電池セルが釘刺し試験に合格

 万向集団は子会社Wanxiang 123 LLC.の53AhVDA電池セルの設計が完成したと発表した。この製品のエネルギー密度は260Wh/kgで、高温寿命は1500回以上に達する。GBT-31485-2015標準の試験はすでにクリアしており、米国先進バッテリー協会(USABC: United State Advanced Battery Consortium)のEUCAR2釘刺し試験にも合格。液漏れ、発煙、発火、爆発が起きないことが確認されている。

億華通の2017年純利益は前年比229%増

 2018年4月26日、水素燃料電池システムを手掛ける億華通 [SinoHytec]は2017年の業績を発表した。売上高は前年比46.35%増の2.01億元、純利益は同比229%増の3,044.56万元、一株あたり利益は0.71元となった。

出典:
Energy-saving and new energy vehicle network www.chinaev.org
CATARC Beijing Operations

* CATARC (China Automotive Technology & Research Center; 中国自動車技術研究センター)は国務院国有資産監督管理委員会に所属する国営企業で、自動車業界標準及び技術法規の策定、製品認証テスト、 品質保証システム認証、業界企画及び政策研究、情報コンサルティングなどを行う。
CATARCが提供する新エネルギー自動車産業向けの情報サービス「省エネ・新エネルギー車ネットワーク (Energy-saving and new energy vehicle network)」は中国の省エネ・新エネルギー車関連の情報をタイムリーに提供する情報サービスで、マーケティングおよび技術コンサルティングや調査・研究、予測等も行います。