CATARC提携レポート 中国新エネルギー車動向 2016年6月

2016年5月の新エネルギー車生産は微減、EV乗用車は航続距離が拡大

2016/06/28

中国国内生産 (概要)

このレポートは北京CATARC科学技術センター*のレポートをマークラインズが編集・翻訳したものです。
過去のCATARC提携レポートはこちらをご参照ください

 2016年5月の新エネルギー車(EV、PHV、FCVが対象で、鉛酸電池搭載車は含まない)生産台数は前年同月比59.4%増、前月比4%減となる30,109台となった。車種別に見ると、乗用車の比率が73.7%と最も高く、前月を上回った。中でも、EV乗用車は新エネルギー車全体のほぼ半数を占めた。PHV乗用車は前年同月比、前月比がともにプラスとなり、2016年の月次生産で初めて7,000台を超えた。2016年1~5月の新エネルギー車生産台数は10万台を超えた。

図1 新エネルギー車の生産台数 (2015年12月~2016年5月)



中国国内生産

表1 新エネルギー車の車種別生産台数 (2016年5月)

 
PHV
EV
合計
乗用車
7,462
14,741
22,203
バス
528
7,094
7,622
特殊車両
0
284
284
合計
7,990
22,119
30,109


図2 新エネルギー車の車種別生産比率 (2016年5月)

PHV

 2016年5月のPHV生産台数は7,990台で、うちPHV乗用車は前月比33.6%増、前年同月比47.4%増の7,462台となった。PHV乗用車を生産するメーカーはBYD (深圳と西安)、上海汽車、浙江豪情、広州汽車、第一汽車、華晨BMWの6社。BYDの唐は前月に続きPHV乗用車生産の首位を維持した。BYD 秦は2,000台超を生産し、2位となった。浙江豪情のVolvo PHVは1,000台超を生産。その他のモデルは1,000台未満であった。2016年5月に生産されたPHV乗用車のモデル数は10モデルもないが、中国の主要メーカー各社はPHV乗用車の開発を表明しており、将来的には高級車やSUV等が投入される見通しである。また、海外メーカーもPHV乗用車の現地生産を進めているため、PHV乗用車市場での競争が激化すると考えられる。

 2016年5月のPHVバス生産台数は前月から減少し528台となった。全長10m以上の大型バスが中心で、10m未満は100台程度であった。PHVバスを生産するメーカーは前月比3社減の11社で、上位5社は中通客車、宇通客車、蘇州金龍、揚州亜星、奇瑞万達貴州客車であった。天然ガスエンジンを搭載したPHVバス比率は前月から9ポイント減少し、41%となった。

EV

 2016年5月のEV生産台数は2.2万台で、うちEV乗用車は1.47万台となった。EV乗用車を生産するメーカーは25社で、前月から5社増加した。上位5社は浙江吉利、BYD汽車工業、北京汽車、安徽江淮、BYDであった。浙江吉利は知豆 (Zhidou)、吉利 (Geely)、吉利美日 (Geely Meiri) の3ブランドの生産が3,500台を超え首位となった。BYD汽車工業は、深圳と西安の両工場で生産している秦EVとE6の生産が2,000台を超え2位に入った。EV乗用車に採用されている二次電池は三元系が70%以上を占めており、華泰や華晨の新モデルも三元系を採用している。航続距離では150~200kmが60%近くを占め、300km超が18%に達した。

 2016年5月のEVバス生産は7,094台で、前年同月比では2.4倍となったが、前月比では18.9%の減少となった。EVバスメーカーは前月から2社増加し33社となった。上位5社は鄭州宇通、中通客車、奇瑞万達貴州客車、蘇州金龍、南京金龍である。5月に生産されたEVバスは全長8~10mの比率が最も高く、全長6~8mの中型バスは30%と、5月も50%を下回った。全長10m以上の公共交通向けEVバスは減少傾向にある。EVバスに採用されている二次電池ではリン酸鉄リチウムイオン電池を採用している車種が99.3%を占めた。

 2016年5月のEV特殊車両生産は前月に続き減少し、284台であった。5月にEV特殊車両を生産したメーカーは前月と同じ28社で、上位5社は贛州汽車改装廠 (Ganzhou Special Automobile Works)、上汽商用車、成都大運、湖南江南、南京金龍となった。28社のうち20社は生産台数が一桁であった。



国内動向

中車時代電動、奇瑞万達に新エネルギー動力システム2万セットを供給

 2016年6月6日、奇瑞万達貴州客車股份有限公司 (Chery & Wanda Guizhou Bus Co., Ltd.)と中車時代電動汽車股份有限公司 (CRRC Times Electric Vehicle Co., Ltd.)は中車時代電動のT-Power電気駆動システム2万セットを奇瑞万達に供給することで合意した。奇瑞万達はT-Powerシステムを全長6~12mの新エネルギー小型バスまたは物流・BRT (Bus Rabid Transit)用車両に搭載する。

 奇瑞万達は小・中・大型バスを生産する奇瑞集団の子会社。奇瑞万達は2015年に中車時代電動と提携し、既に400セットを調達、新エネルギーバス100台程度を貴州省に納入している。

一汽VW佛山工場、2017年より新エネルギー車を生産

 一汽VWは2014年5月から2017年までの間、佛山工場で第2期拡張工事に着手している。拡張後にVWとAudiの新エネルギー車を生産する計画で、GolfのEV仕様e-GolfがVWブランドの国産車第1号となる予定である。一汽VWは長春、成都、佛山に車両工場を有しており、生産能力は年間150万台を備えている。一汽VWは2020年までに年産能力を300万台にまで引き上げる計画である。

出典:
Energy-saving and new energy vehicle network www.chinaev.org
CATARC Beijing Operations

* CATARC (China Automotive Technology & Research Center; 中国自動車技術研究センター)は国務院国有資産監督管理委員会に所属する国営企業で、自動車業界標準及び技術法規の策定、製品認証テスト、 品質保証システム認証、業界企画及び政策研究、情報コンサルティングなどを行う。北京CATARC科学技術センター(CATARC自動車産業発展研究所)はCATARCの北京事務所で、中国自動車産業推進政策及び方針の研究、自動車業界標準及び技術法規の策定を行う。