CATARC提携レポート 中国新エネルギー車動向 2016年3月

2016年2月の新エネルギー車生産は1万台を割り込む

2016/04/07

中国国内生産 (概要)



このレポートは北京CATARC科学技術センター*のレポートをマークラインズが編集・翻訳したものです。

 2016年2月の新エネルギー車(EV、PHV、FCV。鉛酸電池搭載車は含まない)生産台数は前月から半減したものの、前年同月比では64.3%増となる8,262台であった。2016年1~2月では2.46万台となった。前年同月比では、EV乗用車の生産が最も拡大したが、PHV乗用車は半減以下となっている。2016年2月の生産を車種別に見ると、乗用車が79.8%、バスが17.7%、特殊車両が2.5%を占めた。

図1 新エネルギー車の生産台数 (2015年9月~2016年2月)



中国国内生産

表1 新エネルギー車の車種別生産台数 (2016年2月)

 
PHV
EV
合計
乗用車
722
5,871
6,593
バス
485
975
1,460
特殊車両
0
209
209
合計
1,207
7,055
8,262


図2 新エネルギー車の車種別生産比率 (2016年2月)

PHV

 2016年2月のPHV生産台数は前月の21%となる1,207台で、うちPHV乗用車は722台となった。PHV乗用車を生産しているメー カーはBYD、浙江豪情、広州汽車、上海汽車、北京Benz、華晨BMWの6社である。BYDの唐はPHV乗用車生産の48.1%を占め、2月も1位を保ったが、2015年第4四半期の単月生産台数6,000台に比べると大幅な減少である。北京Benz はBJ7204FLHEVのPHV (C350eL)が初めて上位に入った。

 2016年2月のPHVバス生産台数は485台となった。PHVバス生産は天然ガスに対応したPHVバスの比率が高く、2月は96.3%を占めた。2月生産のPHVバスは全てが全長10m以上の中・大型車である。PHVバスを生産するメーカー8社のうち、上位5社は中通客車、廈門金龍、安凱、重慶恒通、北汽福田で、鄭州宇通が初めて上位5社から外れた。

EV

 2016年2月のEV生産台数は7,055台で、うちEV乗用車は5,871台であった。メーカー別では、北京汽車が2ヵ月連続でトップとなり、BYDが江淮汽車を抜いて2位となった。BYDの新型e6、奇瑞EQが上位5モデルに入った。EV乗用車を生産するメーカーは16社あり、北京汽車、BYDに続いて江淮汽車、湖南江南、奇瑞が上位に入っている。

 2016年2月のEVバス生産は前年同月をやや上回る975台となったが、前月の半数にも及ばなかった。EVバスメーカー23社のうち、上位5社は中通客車、安凱汽車、江蘇九龍、東風、杭州越西客車(Hangzhou Yuexi Bus)であった。2月に生産されたEVバスのうち、全長6~8mの中型バス比率は前月の78%から23.6%に減少したため、8~10mのバス比率が最も高くなった。

 2016年2月のEV特殊車両生産は209台となった。前月から半減したものの、前年同月をやや上回った。2月にEV特殊車両を生産したメーカーは15社と、2015年末から大幅に減少。EV特殊車両を生産する上位5社は上汽商用車、山東凱馬(Shandong KAMA Automobile)、少林客車(Shaolin Bus)、中聯重科(Zoomlion Heavy Industry)、福建龍馬で、上位5社がEV特殊車両生産の91.9%を占めた。EV特殊車両の主な用途は貨物輸送やごみ収集などで、90%が貨物輸送に使われている。



国内動向

発展改革委員会などが「グリーン消費の推進に関する方針」を発表 新エネルギー車の普及に更に注力

 2016年3月1日、発展改革委員会など10部門は共同で、グリーン製品購入の奨励、新エネルギー車の普及強化、充電インフラ整備の加速を促すための「グリーン消費の推進に関する方針」を策定した。

 同方針では次のことを求めている。主な公共機関の駐車場には既存の駐車場に充電ポールを設置して新エネルギー車専用の駐車スペースを10%以上設ける。2016年は公共機関用の公用車購入および買い替えに対する新エネルギー車比率を30%以上とし、2020年までに新エネルギー車を広く普及させる。省/新エネルギー車の購入などグリーン消費に対する貸付を奨励するため、金融機関に新エネルギー車向け保険の新設を奨励する。

駆動電池の研究開発プロジェクト確立に5億元を投資

 工業情報化部の苗?部長は2016年2月25日、駆動電池の研究開発プロジェクトの確立が具体化していることを明らかにした。BYDを除く新エネルギー車メーカーは電池の研究開発や生産をせず、駆動電池を外部から調達している。駆動電池技術の発展は車両の性能や安全性などに関連しているので、関連会社9社に5億元を投じて、駆動電池の研究チームおよびプロジェクトを確立しようとしている。

 中国の新エネルギー車生産は累計50万台に近づいているが、駆動電池については先進国から大きく遅れをとっている。李克強総理は新エネルギー車産業への支援体制を強化するため、まず駆動電池の開発を加速するよう求めた。

新疆自治区:新エネルギー車普及加速に関する政策を発表

 2016年2月17日、新疆ウイグル自治区政府は新エネルギー車の普及加速に関する政策を発表した。2016年より同自治区の各州・市は3~5箇所のモデル地区で新エネルギー車を普及させるため、公共機関や事業体は自動車を新規購入または買い替える際、全体の10%以上を新エネルギー車とする。2020年までにモデル地区での新エネルギー車普及率を一定の規模まで拡大するため、新規購入および買い替え車両に対する新エネルギー車比率を50%以上とする。公共機関、事業体では同比率を30%以上とする。また各州・市は、モデル地区の主要公共サービス機関、車両密集区域、商業・住宅区域、高速道路のサービスエリアをカバーする新エネルギー車充電施設網を建設し、電池交換や急速および普通充電のサービススポットを配置する。

ハルビン市:新エネルギー車普及と産業発展に関する政策を発表

 ハルビン市政府は新エネルギー車の普及と産業発展に関する政策を打ち出した。各行政機関や公企業などの公用車及び公共交通バス、ゴミ収集車などの新エネルギー車比率を2016年から毎年引き上げ、2017年までに30%以上とする。

 新エネルギー車を購入する事業体および個人は中国政府の補助金に加え、市政府の補助金をEVなら国と同額、PHVなら国の8割が支給される。しかし、補助金の総額は車両販売価格の60%までとなっている。

 新たに建設する集合住宅の駐車スペースには全てに、大型公共建造物の駐車場や公共駐車場にはスペースの10%以上に充電設備を設けるか、充電設備が据え付けられるようにしておかなければならない。

 新エネルギー車の関連管理部門は新エネルギー車の登記、ナンバープレートの交付、整備場などに新エネルギー車専用レーンの「緑色通道」を設ける。また、市内ではナンバーによる通行規制が免除される。

北京汽車、航続距離400kmのEVを2017年に投入

 北京汽車集団の徐和誼董事長は2016年3月7日、政府の打ち出した公用車改革の一環として、91の中央国家機関と180の北京市政府機関をカバーするカーシェアリングサービスを提供すると発表した。そのため、北京汽車は2016年に5,000~6,000台のEV公用車を提供する。2015年は1,300台超を提供し、70の充電施設と1,000基超の充電ポールを建設した。また、北京汽車は新エネルギー車の車種が単一であることや、航続距離が短いなどの課題を解決するため、製品戦略を見直している。2016年は航続距離300kmのモデルを、2017年には400km以上のモデルを発売する。

格力電器が銀隆新能源を買収、新エネルギー車へ参入

 2016年3月6日、珠海格力電器股?有限公司[Gree Electric Appliances, Inc. of Zhuhai] は珠海銀隆新能源有限公司[Zhuhai Yinlong New Energy Co., Ltd.] を買収すると発表した。この買収により格力電器は新エネルギー車事業への参入を狙う。

吉利と科力遠、新エネルギー車の研究開発プロジェクトを立ち上げ

 浙江吉利集団と湖南科力遠新能源股?有限公司[Hunan Corun New Energy Co., Ltd.]は2016年3月6日、自主ブランドを生産する自動車メーカーと共に、新エネルギー車ハイブリッド技術の研究開発プロジェクトを立ち上げると発表した。2016年3月までに長安汽車などの中国メーカーがこのプロジェクトへ参加している。

 吉利と科力遠は合弁事業を立ち上げ、年間100万基のハイブリッドパワートレインを生産するプロジェクトを進めている。工場建設は2月28日に第一期工事が湖南長沙で始まった。第一期工事の投資額は36.85億元で、2017年に稼働、2018年にフル稼働する。第一期工事後の年産能力は30万基を計画している。

出典:
Energy-saving and new energy vehicle network www.chinaev.org
CATARC Beijing Operations

*1 CATARC (China Automotive Technology & Research Center; 中国自動車技術研究センター)は国務院国有資産監督管理委員会に所属する国営企業で、自動車業界標準及び技術法規の策定、製品認証テスト、 品質保証システム認証、業界企画及び政策研究、情報コンサルティングなどを行う。
CATARCが提供する新エネルギー自動車産業向けの情報サービス「省エネ・新エネルギー車ネットワーク (Energy-saving and new energy vehicle network)」は中国の省エネ・新エネルギー車関連の情報をタイムリーに提供する情報サービスで、マーケティングおよび技術コンサルティングや調査・研究、予測等も行います。