CATARC提携レポート 中国新エネルギー車動向 2016年1月

2015年生産は38万台を記録、2015年までの目標50万台は概ね達成

2016/02/08

中国国内生産 (概要)



このレポートは北京CATARC科学技術センター*のレポートをマークラインズが編集・翻訳したものです。

 第十二次五ヶ年計画および新エネルギー車普及政策第2弾の最終年である2015年の新エネルギー車(PHVおよびEV)生産台数は前年比4.3倍の36.6万台、省エネルギー車(HV)を含めた電動車生産は前年比4.1倍の38.1万台であった。新エネルギー車生産は2015年10月に5万台を超えてから急増し、2015年第4四半期は22.1万台を記録した。2009年から2015年までの新エネルギー車生産台数は48.6万台となり、2015年までに50万台とする目標の97%が達成されたことになる。一方、2015年の新エネルギー車販売は30万台を突破した。米国の2015年新エネルギー車販売が11.5万台なので、中国の2015年新エネルギー車生産および販売はともに世界一となった。

 2015年12月の省エネルギー車(HV)を含めた電動車生産台数は10.18万台となった。うち、新エネルギー車は95,710台で、2014年通年の生産を上回り過去最高を記録した。EVの乗用車、バス、特殊車両は全て2万台を超え、新エネルギー車のEV比率は83%となった。PHV乗用車も過去最高を記録し、台数は初めて1万台を超えた。

図1 電動車の生産台数 (2015年7~12月)



中国国内生産

表1 電動車の車種別生産台数 (2015年12月)

 
HV
PHV
EV
合計
乗用車
6,107
10,555
27,844
44,506
バス
0
5,339
27,725
33,064
特殊車両
0
0
24,247
24,247
合計
6,107
15,894
79,816
101,817


図2 電動車の車種別生産比率 (2015年12月)


表2 電動車の車種別生産台数 (2015年)

 
HV
PHV
EV
FCV
合計
乗用車
14,928
63,755
143,285
10
221,978
バス
100
24,048
88,248
0
112,396
特殊車両
0
0
46,854
0
46,854
合計
15,028
87,803
278,387
10
381,228


図3 電動車の車種別生産比率 (2015年)

PHV

 2015年は7社が8モデルのPHV乗用車を生産した。奇瑞の艾瑞澤(ARRIZO)7 PHVと浙江豪情のVolvo PHVは2015年に生産を開始。BYDは秦および唐の生産拡大により、PHV乗用車生産の75%超を占めた。上海汽車の550PHVは2015年に1万台以上が生産された。2015年のPHV乗用車生産はSUVの生産が拡大した。BYDの唐は6月の発売以降生産が増加しており、10月にはPHV乗用車販売で1位となった。2015年末にはPHV乗用車のSUV比率がセダンを上回った。2015年後半にはBYDの商が発売され、PHV乗用車に新たにMPVが加わった。

 2015年のPHVバス生産台数は24,048台で、車種別生産の伸び率が最も小さかった。PHVバスを生産するメーカーは37社あるが、モデル数はEVバスよりも少ない。PHVバスの主力は全長10m以上の大型バスで、全長8~10mの生産は200台以下であった。鄭州宇通、蘇州金龍、中通客車、廈門金龍などの上位10社がPHVバス生産の85%を占めた。2015年に生産されたPHVバスのうち、天然ガスエンジン搭載のPHVバスが65%を占め、なかでも天然ガスPHVバスの90%がCNGエンジン搭載車である。

EV

 2015年のEV乗用車生産台数は14.3万台となった。EV乗用車の主力セグメントはA00で、2015年EV乗用車生産の63%を占めた。また、A00とA0セグメントの比率は82%であった。国と地方の補助金により小型EVの価格が5万元以下になること、ランニングコストが低いEVの需要が増加していること等から、A00のEV市場が拡大している。EV乗用車を生産するメーカーの上位3社は浙江吉利、湖南江南、北京汽車で、北京汽車を除く全社が自主ブランドの中・小型車を生産している。電動車メーカー大手のBYDは、PHV乗用車を主力としているため、EVでは上位に入っていない。

 2016年は電動車の補助金や購入税免除対象車の技術仕様の見直し、大・中都市での内燃機関車に対する走行規制および購入規制が導入されるため、Aセグメント以上のEV販売が大きく伸びると予測される。また、A0セグメント以下のEVは技術の向上が期待されている。

 2015年のEVバス生産は12月が2.77万台、通年で8.8万台となった。EVバスを生産するメーカーは63社ある。EVバス生産では小型バスの比率がもっとも高く、2015年は全長6~8mのバスが5.4万台超と、60%強を占めた。2013年に全長6~8mの小型バスが国の補助金対象になって以降、多くのメーカーが小型EVバスの開発を推進した。その結果が2015年のEVバス生産拡大に繋がった。

 EV特殊車両の2015年生産台数は46,854台となった。12月は前月比2.7倍の24,247台で、車種別では前月比、前年比ともに最も高い伸び率を記録した。2015年は67社がEV特殊車両を生産しており、上位10社の生産がEV特殊車両全体の72%を占めた。



国内動向

「第十三次五ヶ年計画における新エネルギー車充電施設奨励政策および新エネルギー車普及強化に関する通知」を発表

 2015年12月16日、財政部、科学技術部、工業情報化部、国家発展改革員会、国家能源局の5部門は共同で「第十三次五ヶ年計画における新エネルギー車充電施設奨励政策および新エネルギー車普及強化に関する通知」を発表し、充電インフラの建設、新エネルギー車事業の育成、新エネルギー車の普及加速についての意見を求めた。

 「通知」では今後5年間、新エネルギー車の普及が進み、充電インフラの建設が整った省(市/区)に対して中央政府が奨励金を出すとしている。奨励金は充電施設の完備、改造、充電網の建設などの資金に充てられる。奨励金は大気汚染対策に重点を置く省/市への支給額が最も高く、2016年はこれらの省/市が普及台数3万台の目標を達成すれば9,000万元の奨励金が支給される。3万台を超えた場合は最高1.2億元が支給される。2016年から2020年までの期間は大気汚染対策に重点を置く省/市に対する普及要求が年々引き上げられ、奨励金も引き上げられる。2020年には最高1.26億元が支給される。

北京汽車、2016年に電動SUVを含めた新型車投入計画を発表

 2015年12月28日、北汽新能源は2016年の新型車投入計画を発表した。同計画の中には紳宝X25 (Senova25)ベースの電動SUVが含まれており、航続距離は300kmに達する。

パナソニック、4.12億米ドルを投資して大連に電池工場を建設

 2015年12月26日、パナソニックは500億円(4.12億米ドル)を投資して、大連に自動車用リチウムイオン電池の工場を建設すると発表した。工場は大連の東北部に位置し、主にEVとPHV向け角型電池を生産する。中国企業との合弁で、2017年の生産開始を目指す。パナソニックにとって初の電動車向け電池の専用工場となる。年産能力は電動車20万台分。

北京現代、初のEVを投入

 北京現代は自主ブランド「首望(Shouwang)」のコンセプトカーBHCD-1を発表したが、首望はまず新エネルギー車を開発し、EVとHVを2016年に投入する。主な競合車は東風日産の「啓辰晨風(Venucia e30)」。首望500eは北京現代の「伊蘭特(Elantra)」をベースにしたEVで、全長/全幅/全高は4545/1725/1425mm、ホイールベースは2610mm。

青島市、150台のEVを公用車として投入

 青島市は2016年1月13日にEV 150台を公用車として使用する式典を開いた。青島市はすでに公共の駐車場22ヵ所に415台の充電器を設置しており、それを利用したカーシェアリングサービスを展開する。公務員は指定の駐車場であればどこでもレンタルと返却が可能となる。利用料金は走行距離と時間により計算され、1kmあたり0.25元、1分間0.1元からとなる。

観致汽車、新エネルギー事業部を開設

 観致汽車(Qoros Auto)のCEO代理 陳安寧氏は、モビリティ事業部や新エネルギー事業部などの部門を新たに開設すると発表した。同社はモビリティ事業部と新エネルギー事業部を重要部門としているが、特に新エネルギー事業部に重点を置いている。またCTO(最高技術責任者)のBob Kruse氏によると、観致汽車初の新エネルギー車は観致5 SUV EVとなる。

衆泰 雲100 S発売、補助金受給後の価格は59,900元

 2016年1月10日、衆泰汽車(Zotye)の「雲(Yun) 100 S」が湖南省長沙市で発売された。「雲100 S」は最高出力27kW、最大トルク140Nmの三相交流誘導モーターを搭載しており、最高速度は105km/h。充電時間は2時間、航続距離は最大280km。ハイグレード仕様の価格は169,900元だが、国と地方の補助金を反映すると59,900元となる。

出典:
Energy-saving and new energy vehicle network www.chinaev.org
CATARC Beijing Operations

*1 CATARC (China Automotive Technology & Research Center; 中国自動車技術研究センター)は国務院国有資産監督管理委員会に所属する国営企業で、自動車業界標準及び技術法規の策定、製品認証テスト、 品質保証システム認証、業界企画及び政策研究、情報コンサルティングなどを行う。
CATARCが提供する新エネルギー自動車産業向けの情報サービス「省エネ・新エネルギー車ネットワーク (Energy-saving and new energy vehicle network)」は中国の省エネ・新エネルギー車関連の情報をタイムリーに提供する情報サービスで、マーケティングおよび技術コンサルティングや調査・研究、予測等も行います。