CATARC提携レポート 中国新エネルギー車動向 2015年12月

2015年11月生産は7万台を突破、年間生産は35万台超の見通し

2016/01/12

中国国内生産 (概要)



このレポートは北京CATARC科学技術センター*のレポートをマークラインズが編集・翻訳したものです。
過去のCATARC提携レポートはこちらをご参照ください

 2015年11月の中国における電動車生産台数は前月比で42.4%増、前年同月比で7.3倍となる75,257台(鉛酸電池搭載のEV乗用車908 台、同EV特殊車両4台を含む)となり、10月に続き過去最高を更新した。そのうち、鉛酸電池を搭載していない電動車は72,377台で、これもまた過去最高を記録した。2015年11月はEVの伸びが顕著だが、中でもEVバスの伸びが著しい。

 2015年1~11月の電動車生産台数が約30.18万台(鉛酸電池車を含む)になったことを考慮すると、2015年の年間生産台数は35万台超になると考えられる。また、2016年の年間生産台数も35万台を超える見通しである。その一方で、製品品質の向上が課題となっており、国際競争力のある製品開発が更に求められている。

図1 電動車の生産台数 (2015年6~11月)



中国国内生産

表1 電動車の車種別生産台数 (2014年11月/2015年6~11月)

車種 2014年
11月
2015年
6月
2015年
7月
2015年
8月
2015年
9月
2015年
10月
2015年
11月
前年同月比(%) 前月比(%)
PHV乗用車  2,357 6,674 5,700 6,779 5,643 7,028 7,510 218.6 6.9
PHVバス 1,672 1,656 1,660 2,142 2,453  2,389 3,911 133.9 63.7
EV乗用車 4,164 12,272 8,797 9,661 13,805  22,729 31,019 644.9 36.5
EVバス 1,273 5,543 6,371 5,365 8,876  12,814 21,804 1,612.8 70.2
EV特殊車両 507 1,165 1,373 1,495 2,943  6,846 9,045 1,684 32.1
HV乗用車 275 584 698 865 1,245  996 1,968 615.6 97.6
HVバス 111 0 29 0 15  36 0 -100 -100
FCV乗用車 2 0 0 0 0 0 0 -100 -
合計 10,361 27,894 24,628 26,307 34,980  52,838 75,257 626.3 42.4


表2 電動車の車種別生産台数 (2015年11月)

 
HV
PHV
EV
合計
乗用車
1,968
7,510
31,019
40,497
バス
0
3,911
21,804
25,715
特殊車両
0
0
9,045
9,045
合計
1,968
11,421
61,868
75,257


図2 電動車の車種別生産比率 (2015年11月)

PHV

 2015年11月のPHV生産台数は11,421台となった。そのうちPHV乗用車の生産は前月比6.9%増の7,510台となり、 PHV全体の65.8%を占めた。生産するメーカーは前月と同様、BYD、上海汽車、華晨BMW、広州汽車、浙江豪情の5社である。BYDの秦、唐、商の生産台数は6,000台超と、前月から20%近く増加した。唐は前月に続き、PHV乗用車生産で首位となった。上海汽車の550PHEVは前月からやや減少したものの、1,000台超が生産された。

 PHVバスの生産台数は約4,000台となり、前月比で63.7%増加した。生産された全てのPHVバスが全長10m超の大型バスであった。PHVバスメーカーは21社あり、上位5社は鄭州宇通、蘇州金龍、丹東黄海、廈門金龍、南車時代電動である。500台超を生産したのは上位2社のみで、その他11社の生産は100台未満であった。

EV

 2015年11月のEV生産台数は61,868台(鉛酸電池を搭載したEV乗用車 908台、同EV特殊車両4台を含む)となった。うち、EV乗用車は前年同月比7倍の31,019台となり、月次生産で初めて3万台を超えた。EV乗用車を生産しているメーカーは20社あり、上位5社(鉛酸電池搭載車は除く)は浙江吉利、湖南江南汽車、重慶力帆、北京汽車、江淮汽車である。首位の浙江吉利は12,000台超を生産した。上位メーカーが生産したEV乗用車の多くはA0およびA00セグメントで、補助金適用後の価格が4万~5万元の人気モデルである。

 EVバスの生産台数は前月比70.2%増の21,804台となり、月次生産で初めて2万台を突破した。EVバスを生産するメーカーは49社と前月から6社増加。上位5社は鄭州宇通、南京金龍、東風汽車、北汽福田、中通客車である。ここ数ヶ月、EVバス生産の70%を全長6~8mの中型バスが占めている。その要因は全長6~8mのEVバスに対して30万元の補助金が支給されるからである。

 2016年は航続距離150~250km、車重1kg当たりのエネルギー消費量が0.25以下の全長6~8m EVバスに対する補助金が2015年比で30%減額される。しかし、全長8~10mのEVバスの補助金は16%、全長6~8mでも航続距離が250km以上であれば17%の減額となる。

 EV特殊車両の生産台数は前年同月比で17.8倍、前月比で32.1%増の9,045台となった。EV特殊車両メーカーは44社あり、上位5社の重慶瑞馳、福建新龍馬、東風汽車、重慶力帆、奥新新能源が全体の56%を占めた。上位2社は1,000台超を生産したが、その他22社の生産は50台未満であった。

HV

 2015年11月のHV生産台数は1,968台で、全車種がHV乗用車であった。中でも、トヨタ系列の合弁メーカーが98.1%を占めた。

電動車輸入

 2015年11月の電動車輸入は全て乗用車で、台数は前月からやや減少し、2,275台となった。電動車輸入の78.2%がHVである。BMWは2015年11月にPHVのX5 xDrive40eの輸入を開始した。



国内動向

「車両・船舶税管理規定(試行)」を公布 EV徴収済みは還付へ

 国家税務局は「車両・船舶税管理規定(試行)」を公布し、2016年1月1日より施行する課税、減免税、還付に関する規定を発表した。「規定」には、税務署、保険会社、代理徴収部門に対して財政部、国家税務総局、工業・情報化部が公布する省エネルギー/新エネルギー車両・船舶減免税政策を遵守するよう記している。車両・船舶税徴収の対象外となるEV乗用車、燃料電池乗用車に関してはすでに徴収した税をただちに還付するよう求めている。

新エネルギー車免税対象リスト第6弾を発表

 2015年11月25日、中国工業情報化部は車両購置税の免除対象となる新エネルギー車の第6弾リストを発表した。今回リスト入りした725モデル(型番別)のうち、EVは591モデル(乗用車38、バス415、トラック2、特殊車両136)、PHVは134モデル(乗用車9、バス125)であった。EV乗用車はBYDの秦EV、華泰の聖達菲(Santa Fe) EV、栄威 E50、長安 逸動EVなど、19社38モデルがリストに入った。PHV乗用車では、BYD の宋と商、2016年上半期に投入される広汽集団の伝祺GA5 PHEVと伝祺GA3S PHEVがリスト入りした。

四川省:EVを主軸とした「中国製造2025四川行動計画」を発表

 四川省政府は「中国製造2025四川行動計画」を発表し、EVを主体とした自動車産業を発展させると同時にPHVおよびFCVの開発にも注力することを明らかにした。2025年までに新エネルギー車産業を500億元規模に拡大する方針である。

北京:既存のガソリン車を縮小し、新エネルギー車を6万台に拡大

 2015年11月6日、北京市は車両排ガス汚染の対策に関する討論会を開催した。その中で、北京市環境保護局は車両の電動化や車種構成の調整などを進めることで排ガス汚染を抑制すると発表した。2016年は北京市における新エネルギー車の普及台数を2015年の3万台から6万台に増やす一方、既存のガソリン車の削減を進める。2017年には北京市の新エネルギーおよびクリーンエネルギー車の普及台数を20万台に増やす計画である。

河北:公共サービスへの新エネルギー車採用を拡大

 2015年12月1日、河北省は政府専用の公用車、パトカー、ごみ収集車、郵便配達車、スクールバス、都市バス、配送車、タクシー等の分野で新エネルギー車を採用すると発表した。この分野に対する補助金の比率は従来の1:0.5から1:1に引き上げられる。また、この分野における車両の新規購入および買い替えの際は新エネルギー車を採用しなければならない。

江淮汽車、普天新能源と提携

 江淮汽車(JAC)は2015年11月30日、普天新能源有限責任公司(Potevio New Energy)と新エネルギー車事業に関する戦略的提携を締結した。提携期間は5年間。両社は新エネルギー車の販売促進や充電網の建設などで協業し、新エネルギー車事業の競争力向上とシェア拡大を目指す。

富士康、杭州に新エネルギー車のカーシェアリング会社を設立

 2015年12月1日、富士康科技集団(Foxconn Technology Group)は新エネルギー車のカーシェアリングを行う100%子会社 杭州浙誉新能源汽車服務有限公司(Hangzhou Zheyu New Energy Vehicles Service)を設立した。資本金は1億元で、総投資額は12億元。杭州浙誉新能源汽車服務の設立は2015年3月に合意した富士康集団と杭州市政府によるプロジェクトの一環で、今後3年間で5,000台のEVを投入する計画である。

広州汽車初の電動SUVを発表

 広州汽車は2015年10月に発表した新エネルギー車開発戦略「153」に基づき、GA6 PHV、GS4 PHVおよびEV、GA3S PHV、GA8 HV、A0クラスEVの6モデルを投入する。伝祺(Trumpchi)初のEVとなるGS4 EVはコンパクトSUV GS4のEV版で、航続距離は240km。最高出力105kW、最大トルク250Nmのモーターを搭載する。

塩城で奥新の新エネルギー車500台を納入

 2015年11月28日、韵達速遞(YUNDA Express)と江蘇奥新新能源汽車公司(Jiangsu Aoxin New Energy Automobile)はEV配送車500台の納入式典を塩城市で開催した。EV配送車はカーゴの容積が5立方メートルで、最大積載量は800kg、航続距離は220km。国の購入税免除の対象となっている。

 江蘇奥新新能源汽車は江蘇省塩城市にある国家開発投資公司(SDIC)の100%子会社で、EV、レンジエクステンダーEV、燃料電池車の開発、生産、販売を行っている。36の特殊車両が国の新エネルギー車リストに入っており、第13次五カ年計画の最終年となる2020年までに新エネルギー車の年間生産台数を15万台に引き上げる計画である。

出典:
Energy-saving and new energy vehicle network www.chinaev.org
CATARC Beijing Operations

*1 CATARC (China Automotive Technology & Research Center; 中国自動車技術研究センター)は国務院国有資産監督管理委員会に所属する国営企業で、自動車業界標準及び技術法規の策定、製品認証テスト、 品質保証システム認証、業界企画及び政策研究、情報コンサルティングなどを行う。
CATARCが提供する新エネルギー自動車産業向けの情報サービス「省エネ・新エネルギー車ネットワーク (Energy-saving and new energy vehicle network)」は中国の省エネ・新エネルギー車関連の情報をタイムリーに提供する情報サービスで、マーケティングおよび技術コンサルティングや調査・研究、予測等も行います。