分析レポート ランプ (日本市場編)
ADBの高性能化とコミュニケーションランプの実用化を目指した開発
2025/10/20
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はじめに
自動車用ランプは、公道を走行する車両を対象とした法令で装備が義務づけられている保安部品としての機能と、モデルの人気を左右する外観デザインを構成する装飾的機能とをあわせもつ部品群である。
本稿で扱うランプとは、ヘッドランプ、AHB/ADB/AFS等の配光可変システム、リアランプ/リアコンビネーションランプ、ハイマウントストップランプ、電子制御ユニット(ECU、バラスト/安定器など)の5種類のランプユニット製品である。これら以外の各々の構成部品、リフレクター、ターンシグナル、フォグランプ、ライセンスランプ、内装ランプ類は扱わない。
注)
- AHB(Automatic High Beam、自動切替型前照灯):ハイビーム走行用システム。ハイビームとロービームを自動的に切り替える。ヘッドランプのハイビームとロービームを対向車や前走車など前方車両の位置に応じ、自動で制御するシステム。夜間の歩行者などの早期発見ができる。ハロゲンヘッドライトでも適用できる。HBC(High Beam Control)ともいう。
- ADB(Adaptive Driving Beam、自動防眩型前照灯):ハイビーム走行用システム。LEDヘッドライトで実現できる。カメラで先行車・対向車を検知し、これらを照射するエリアのみを遮光し、他のエリアをハイビームで照射するヘッドランプシステムのことである。
- AFS(Adaptive Front Lighting System、平行光軸可変システム):ハンドルを切った方向にヘッドランプを照射し、前方視界を確保する予防安全システム。昔からある高価なシステムで、アクチュエーターによって左右に振る。実際に搭載されることはまれだったが、近年のヘッドライトのLED化によって、システムが簡素化し普及している。異なる向きにLEDを配置し、進行方向に合わせて必要なLEDを点灯させるなどの方式がある。