自動運転AIの学習に関する特許マップ
トヨタ、NVIDIA、Boschの特許事例紹介
要約
本レポートは、トヨタテクニカルディベロップメント株式会社(TTDC)が提供している「技術情報配信サービス-AI Ninja」の特許情報をもとに、昨今の⾃動⾞業界を取り巻く技術トピックスに関するレポートをマークラインズが作成した。TTDCは、知的財産(IP)事業と計測制御事業を展開。知的財産(IP)事業では世界の⾃動⾞開発に関する情報収集と解析を⾏ない、研究企画のコンサルティングをはじめ、外国特許の出願や技術翻訳を実施している。
近年、自動運転・運転支援技術の高度化に伴い、周辺環境の認識や他車両の行動予測、走行判断などに用いるAIの開発が進んでいる。こうしたAIの性能を高めるには、多様な交通状況を学習に取り込むことが重要である。一方、実際の走行では、事故につながりかねない場面や悪天候など、発生頻度の低い状況を十分に収集することは難しい。このため、実走行データから学習に有用な場面を選別・整備する技術に加え、シミュレーションや合成データによって学習用の場面を補う技術が活用されている。また、車両側での追加学習や、学習によって更新したモデルを車両に反映する仕組みも検討されている。
自動運転AIの学習に関する特許出願件数は、2020年から2025年にかけて増加している。技術分類別では、「実走行データの収集・選別・正解付与」に関する出願件数が最も多く、「シミュレーション・合成データによる学習」および「車両側学習・分散学習・更新モデル配信」がこれに続く。また、2024年から2025年にかけて、「実走行データの収集・選別・正解付与」の件数は減少している一方、「シミュレーション・合成データによる学習」および「車両側学習・分散学習・更新モデル配信」の件数は増加している。
本レポートでは、こうした背景を踏まえ、日本、米国、中国、欧州、韓国および国際出願(WO)を調査対象として、自動運転AIの学習に関する特許出願を「実走行データの収集・選別・正解付与」「シミュレーション・合成データによる学習」「車両側学習・分散学習・更新モデル配信」の3つの観点から整理する。第1の観点では、実際の車両や道路から得たデータを、学習に使える形で収集・選別し、正解情報を付ける技術を扱う。第2の観点では、仮想環境や生成技術で作成・加工した走行データを、AIの学習に用いる技術を扱う。第3の観点では、車両側や複数車両での学習と、学習・更新したモデルを車両へ配信・適用する技術を扱う。これらの出願件数の推移と主要出願人の動向を分析し、本技術領域における特許出願の全体像を把握する。
※2025年の特許出願件数は、現時点で未公開のものが多数存在するため暫定値である。

技術情報配信サービス-AI Ninja URL:https://thinktank.toyota-td.jp/pub/list
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