電気自動車(BEV/PHV/FCV)販売月報 2024年10月
10月の電気自動車販売台数は前年同月比43.1%増の160.6万台(主要12ヵ国+北欧3ヵ国)
2024/11/25
- 電気自動車(BEV/PHV/FCV)のシェア
- 各国の電気自動車シェアと推移
- 主要メーカーの電気自動車販売台数推移とパワートレイン別販売構成比
- 主要12ヵ国の乗用車販売動向(電気自動車だけではなく、内燃機関など全てのパワートレインを含む)
電気自動車(BEV/PHV/FCV)のシェア
本レポートは、世界自動車販売台数(注1)の約83%をカバーする主要12カ国に北欧3カ国(注2)を加えた計15カ国の新車販売台数(マークラインズ集計データ、商用車を除く、推計値を含む。)を対象にグローバル市場における電気自動車(BEV/PHV/FCV)の動向を分析する。
主要12カ国:中国、米国、日本、インド、ドイツ、フランス、ブラジル、英国、韓国、カナダ、イタリア、タイ
北欧3カ国:ノルウェー、スウェーデン、フィンランド
電気自動車の世界販売に占めるこれら15カ国の割合は約90%。
(注1)2024年11月21日集計
過去の台数データの一部に修正が入りました。
一部のデータには推計値が含まれます。
中国の販売台数(出荷台数)は輸出台数を除く集計値となります。
(注2)北欧諸国の電動化率が高い理由
1. 国民の元々の環境意識が高い
2. 水力、風力等、再生可能エネルギーによる電力比率が高い(潤沢な再生可能エネルギーを電気自動車に使うという意識)
3. 補助金、税制面でのインセンティブ、充電インフラ整備などの手厚い政策
4. 電気自動車のモデルラインナップが多い
主要12カ国とノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北欧3カ国(計15カ国)における10月の電気自動車販売台数は160.6万台だった。前年同月比で43.1%増と大きく伸び、前月比でも6.2%増加し過去最高を更新した。10月の電気自動車シェアは28.0%で、前年同月比では7.2ポイント増、前月から0.3ポイント増加した。台数は2カ月、シェアは3カ月連続で過去最高を記録している。1~10月の電気自動車累計販売台数は、前年同期比25.6%増の1,171.5万台で、自動車販売台数全体に占めるシェアは23.0%となった。
HVの10月の販売台数は40.3万台で前月比では10.4%減だったが、前年同月比では6.3%増加した。シェアは7.0%となった。1~10月のHV累計販売台数は394.1万台、前年同期比で14.5%増加し、自動車販売台数全体に占めるシェアは7.7%だった。
欧州委員会は10月29日、中国からの電気自動車の輸入に対して、今後5年にわたり相殺関税を課すことを発表、翌日の10月30日に発効している。これに対し、中国商務部は10月30日、この決定を受け入れず、WTOに提訴したと発表した。中国側は今回の反補助金調査は多くの点で不合理であり、法的根拠がなく、不公平な競争を行う保護主義的なやり方であると繰り返し指摘してきたと主張。双方は現在新たな協議の段階に入り、EUは10月29日の発表で、調査で特定された問題に対処するため、中国とともにWTOの規則に準じた解決策を見出すよう引き続き取り組んでいくとし、中国側も双方が受け入れられる解決案に早期に合意し、貿易摩擦の激化を回避したいとしている。
米国では11月5日の大統領選で共和党候補のトランプ氏が勝利し、政権移行後の自動車政策に関する保護主義的な動きが注目されている。中国国内で電気自動車販売のシェアが拡大する一方で、中国製EVを取り巻く各国の環境はますます複雑化している。
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