電気自動車(BEV/PHV/FCV)販売月報 2024年1月

1月の電気自動車販売台数は前年同月比65.4%増の90.0万台(主要12ヵ国+北欧3ヵ国)

2024/02/27

電気自動車(BEV/PHV/FCV)のシェア

 本レポートは、世界自動車販売台数(注1)の約83%をカバーする主要12カ国に北欧3カ国(注2)を加えた計15カ国の新車販売台数(マークラインズ集計データ、商用車を除く、推計値を含む。)を対象にグローバル市場における電気自動車(BEV/PHV/FCV)の動向を分析する。

 電気自動車市場予測サービスの詳細はこちら

販売台数トップページはこちら

電気自動車販売月報12月はこちら

EV/モデル/国/etc 検索の使い方はこちら

 主要12カ国:中国、米国、日本、インド、ドイツ、フランス、ブラジル、英国、韓国、カナダ、イタリア、タイ

 北欧3カ国:ノルウェー、スウェーデン、フィンランド

 電気自動車の世界販売に占めるこれら15カ国の割合は約90%。

 

(注1)2024年2月22日集計
     過去の台数データの一部に修正が入りました。
     2024年1月よりタイを集計対象に加えました。
     中国の販売台数(出荷台数)は輸出台数を除く集計値となります。
     シェアの数字は、千台単位の台数を基に集計しております。

(注2)北欧諸国の電動化率が高い理由
    1. 国民の元々の環境意識が高い
    2. 水力、風力等、再生可能エネルギーによる電力比率が高い(潤沢な再生可能エネルギーを電気自動車に使うという意識)
    3. 補助金、税制面でのインセンティブ、充電インフラ整備などの手厚い政策
    4. 電気自動車のモデルラインナップが多い

 

 主要12カ国とノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北欧3カ国(計15カ国)における1月の電気自動車販売台数は、90.0万台となった。前年同月比は65.4%の増加、前月比では37.5%減となった。1月単月でのシェアは19.0%で、前月と比較して5.7ポイント減となった。年末の大幅な台数増の影響で前月比では減少しているものの、昨年1月は販売台数が大幅に減少していたこともあり、前年同月比では大きく伸びた。

 HVの1月の販売台数は前年同月比14.9%増、前月比で18.3%減の31.7万台。シェアは前月から変わらず6.7%だった。

 1月は米国でBEVとPHVを購入する際の税額控除に関する新規則が施行され、中国など特定の外国製バッテリーを搭載する車両が税額控除の対象外となった。この変更により、Chevrolet Blazer EVなどを含む複数のモデルが7,500ドルの税額控除を受けられなくなる。今後は米国でのバッテリー生産拠点開設の動きがさらに進むと見られ、OEM各社とバッテリーメーカーの動向にも気を配る必要がある。

 また、1月24日から26日にはドイツのシュタインマイヤー大統領がタイを訪問し、セター首相と貿易や投資、電気自動車などの分野における協力強化について協議を行った。セター首相は日本ASEAN特別首脳会議に出席するため、前年12月に日本を訪れており、日本メーカー7社と会談を行っている。その中で4社が向こう5年の投資の用意について明かし、ホンダはタイでのe:N1の生産開始も発表した。タイでは政府主導の電気自動車推進政策が奏功し、中国メーカーを中心に進出が進んでいる。競争が激化する中、タイ市場で先行する日本メーカーの今後の動きにも注目していきたい。

 

このレポートは有料会員限定です。 残り 3 章
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。