ロシア: AvtoVAZ-Renault-日産/Ford-Sollers/VW-GAZが生産拡大
GM/Fiatは単独で生産能力増強、トヨタ/マツダ/いすゞは極東で生産計画
2011/08/11
- 要 約
- 2010年の販売台数は30%増の191万台、生産台数は倍増の141万台
- ロシア政府:自動車組立の新規則を公布し、年産能力30万台、国産化率60%を要件へ
- ロシア政府:2011年も新車購入支援策を継続
- Renault-日産:ロシア最大手AvtoVAZ (アフトワズ) の経営権を取得してシェア4割を確保
- Ford:Sollersと折半出資合弁会社を設立してFord Transitを生産
- VW:GAZとVW/Skodaブランド車の委託生産契約を締結
- GM:自社工場とAvtoVAZとの合弁工場で35万台の年産能力を整備
- Fiat:単独で年産能力12万台の工場を建設
- その他の日本自動車メーカー
- 現代自動車: 一貫工場でロシア向けモデル Solaris を生産
- 商用車メーカー
- メーカー別乗用車・小型商用車販売台数
要 約
ロシアでの自動車販売は、2008年に293万台となり、まもなく欧州最大市場であるドイツ (同年337万台) を抜くとされていたが、2009年に金融危機の影響で5割減の147万台に急落、生産台数も6割減の72万台に縮小した。
しかし、2010年には、堅調な原油価格を背景に経済が回復に向かい、ロシア政府の自動車産業への金融支援や新車購入支援策も効を奏し、販売台数は191万台にまで回復。生産台数も141万台に倍増した。欧州ビジネス協会 (AEB) は、ロシア市場は金融危機前に近い水準に回復しつつあるとし、2011年の販売見通しを245万台と予測している。
ロシア政府は、自国の自動車産業をさらに育成するため、2011年2月に自動車組立に関する新規則を公布。自動車メーカーが輸入部品の優遇関税措置を受けるためには、年産台数30万台、国産化率60%等の厳しい条件を満たすことが求められる。
このため、海外メーカーの多くは、現地メーカーと提携して生産を拡大する。Renault-日産はAvtoVAZ (アフトワズ) の株式の過半数を取得して提携事業をさらに拡大する計画。FordはSollersと、VWはGAZと提携して生産を拡大する。GMとFiatは単独で生産設備を整備する。
トヨタ、マツダ、いすゞ等の日本メーカーはロシア極東での生産を計画。商用車メーカーのKamazも生産拡充を図り、MANはロシアでの生産を開始する。
(注) メーカー別乗用車・小型商用車販売台数をレポート末尾に記載した。
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