GM:引き続き収益性を重視、2016年の利益は約10%増の見込み
モビリティの未来を見据え、自動運転車、カーシェアリング、配車サービスに投資
2016/06/15
- 要 約
- パーソナル・モビリティの未来を形成する最先端技術へ投資
- 2016年第1四半期の販売:欧州が改善、中国ではSUVとCadillacが好調
- 2016年第1四半期の業績:純利益が20億ドル、欧州では収支均衡
- 北米市場での新型車投入計画
- 中国での新成長戦略(2016-2020年)を発表
- その他の市場:タイとインドネシアでは事業再編、ロシアでは事業縮小
- ホンダとは燃料電池車、いすゞとは小型トラックの供給で提携
- リコール問題:補償ファンドの審査は終了、司法省とは罰金9億ドルで和解
- LMC Automotive 生産予測:GMの世界生産は2019年に835万台となる見込み
要 約
2017年型GMC Acadia (デトロイトモーターショー2016) |
GMは、リコール問題が一段落した2015年には収益が改善、2016年第1四半期も好調な業績を維持している。中核事業である自動車事業の成功を背景に、未来のパーソナル・モビリティに対応するため、最先端技術やイノベーションに投資を行っている。
パーソナル・モビリティの変化をリードする上で重要な分野が、インターネット接続、自動運転、カーシェアリング、電動化等である。GMは、2016年初頭に独自のカーシェアリングサービスを立ち上げたほか、配車サービス会社Lyftと戦略提携を結んだ。また、自動運転技術を開発するCruise Automationの買収も計画している。
GMの2015年の世界販売台数は前年比0.3%増の995.8万台で、3年連続で過去最高。北米ではピックアップやSUV、中国では高級車やSUVの販売が好調で、南米やロシアの低迷をカバーした。売上高は2.3%減となったが、調整後EBIT(利払税引前利益)は前年の65億ドルから108億ドルへ、純利益は28億ドルから97億ドルへと増加し、いずれも過去最高。2016年第1四半期は、販売台数は1%減となったが、売上高は4.3%増、調整後EBITと純利益も前年同期を大きく上回り、好調を維持している。
2016年は、重要な新型車の投入、コア事業での効率改善、隣接分野での事業拡大により、さらに業績が改善する見通し。調整後EBITは2015年を上回り、調整後1株当たり利益は5.25-5.75ドル(2015年は5.02ドル)を見込んでいる。
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