インドの電動二輪車 (1) 電動化政策、市場概況

主要8社のeモビリティ：TVS、Bajaj、Hero、ホンダ、Royal Enfield、ヤマハ、スズキ、Piaggio

2024/08/01

要約
電動二輪車の分類
電動二輪車市場・販売予測
メーカー別・電動二輪車販売台数
インドの電動二輪車販売に影響を与える要因
インド政府による電動二輪車の普及政策
TVS Motor（TVSモーター）
Bajaj Auto（バジャジ）/ Chetak Technology（チェタック）
Hero MotoCorp（ヒーロー）
Honda Motorcycle & Scooter India（ホンダ）
Royal Enfield（ロイヤルエンフィールド）/ Eicher Motors（アイシャー）
India Yamaha Motor（ヤマハ）
Suzuki Motorcycle India（スズキ）
Piaggio（ピアッジオ）

要約

　二輪車はインドで最もポピュラーな交通手段のひとつである。二輪車はインドにおける車両販売台数の70％以上を占めている。そのため、インドは世界最大の二輪車生産国となっている。市場はICE（内燃エンジン）二輪車メーカーが支配している。

　しかし近年、環境問題や、国内需要を満たすために輸入原油に依存している問題などから、政府は輸送分野における代替手段の推進を促している。インドでは電動二輪車の販売台数が増え続けており、昨年度は初めて100万台を突破した。

　急速な都市化、燃料価格の上昇、政府による施策、補助金、持続可能性への配慮が、インドにおいて電動二輪車の普及を後押ししている要因である。しかし、バッテリーの発火事故などの安全性への懸念、OEMによる補助金の不正利用、貧弱な充電インフラといった問題もあり、これらの要因がまだ消費者心理にマイナスの影響を与えている。

　本稿は、インドにおける電動二輪車市場の分析レポートの第1部である。本稿は、高速二輪車の現在の市場シナリオ、政府政策の概要、ICE二輪車OEMのeモビリティの業績および事業計画などを取り上げている。次回のレポートでは、電動二輪車スタートアップの計画を取り上げる。