米国新興EVメーカーの動き

Rivianに続き、Lucid、Nikola、Lordstownなどが生産を本格化

2023/02/08

要約

VinFast
CES2023で米国向けラインアップを披露したVinFastは、2024年の米国生産を目指す(出典:VinFast)

 2000年以降に続々と設立された米国の新興EVベンチャーの中からはTeslaが大きく飛躍しEV市場でのリーダーとなったが、その他の企業も商品開発と生産準備を進め、Rivian、Lucid、Nikolaなどいくつかの主要なメーカーが2021年末から2022年にかけて独自のEVモデルの市場投入を始めている。

 しかしながら、多くの企業が、巨額の先行投資を抱えた中で、昨今の資金コスト上昇、サプライチェーンの制約により、量産化に至らず、公表した市場導入計画の先延ばしを繰り返してきた。かろうじて初期ロットの納入を果たした企業も、赤字を拡大させ、財務的に苦しい状況にある。

 そのような環境でも、いずれもの企業も、商品戦略、生産体制、販売システムにおいて、独自の成長戦略やグルーバル展開のシナリオを描き、実行に移している。ユニークな商品性や性能だけでなく、大口フリート顧客との提携、製造/主要コンポーネント外注による効率化、或いは海外のファンドや企業グループからの資金確保により、競争力と市場獲得を図る企業も多い。

 既存の大手OEMが幅広いセグメントで参入し、覇者のTeslaが一律値下げを実行するなど、多くの強力なプレーヤーによる本格的な競争が始まったEV市場で、新興EVベンチャーが資金を確保しながら、自身のポジションを築いて行けるかは、ここ1~2年の計画実行のスピードと商品に対する市場評価に掛かっていると言える。

 本レポートでは、米国の新興EVメーカーの動向を報告した前回レポート(2022年2月掲載)のアップデート版として、それらの企業の最近の動向と、発表された計画を整理し、報告する。

 

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