Mobile World Congress 2022 バルセロナ (4) 5GAA カンファレンス

5G C-V2X:欧州、中国、米国における安全なコネクテッドモビリティの展開

2022/05/20

要約

Official event logo
イベントロゴ
(GSMA MWC™ Barcelona、主催:© GSM Association)

  MWC™ BarcelonaはGSM協会が主催する年次イベントで、「Connectivity Unleashed(解き放たれたコネクティビティ)」をテーマに2022年2月28日から3月3日までスペイン・バルセロナのFira Barcelona展示会場で開催された。
  Mobile World Congress Barcelona(https://www.mwcbarcelona.com/)
  Global System for Mobile Communication Association(https://www.gsma.com/)

  今回のMWCはバーチャルだけでなくオンサイトでも開催された。新型コロナウィルス流行のため2020年は中止、2021年は夏に延期された上、発表の多くがオンラインとなり例年より小規模な開催となっていた。1987年に始まったMWCは、今や欧州最大のモバイル通信見本市であり、コネクティビティ業界にとって、世界で最も影響力のあるイベントだと言われている。

Fira Barcelona exhibition site
Fira Barcelona 展示会場
(GSMA MWC™ Barcelona、主催:GSM Association)

 5GAA(5G Automotive Association)の主催による会議が、3月2日に「安全なコネクテッドモビリティの実現(Turning Connected and Safe Mobility into Reality)」というテーマの下に開催された。この会議では、次の5GAAメンバー企業の代表者によるプレゼンテーションが行われた:ドイツテレコム(Deutsche Telekom)、ベライゾン(Verizon)、チャイナ・モバイル(China Mobile)、ハーマン(Harman)、コンチネンタル(Continental)、テレフォニカ(Telefónica)、クアルコム(Qualcomm)。

  5GAAは、C-V2Xを推進するために設立された、130を超えるメンバーを擁するグローバルな業界横断的な組織で、自動車メーカー、テクノロジーおよび電気通信会社で構成されている。

 5GAAの目標は、輸送業界全体を改善し、車両、道路利用者、周辺インフラの安全性、環境保護性、効率性を向上させることである。

 会議は、5GAAの事務局長を務めるJohannes Springer氏と、欧州委員会のフューチャーコネクティビティシステム責任者のPeter Stuckmann氏による開会挨拶で始まった。

 最初のセッションでは、欧州、中国、米国など、各地域における5G-V2Xの導入環境についての説明が行われた。登壇者は、すべてのユーザーが5Gネットワークに確実にアクセスするために、エコシステムの連携と国境を越えるプロジェクトを強化する必要性を強調した。

 2番目のセッションでは、交通弱者の保護など、この技術がもたらす安全面と利点に焦点が当てられた。

 2つのセッションとも、将来のモビリティデータに関する活気あふれるパネルディスカッションによって盛り上がりをみせた。

 Johannes Springer氏は、現在5GAAが直面している最大の課題は、さまざまなユースケースに対応する持続可能な個別のビジネスモデルを定義し、市場に投入することであると強調し、セッションを終了した。5GAAはコラボレーションプラットフォームを提供し、規制当局と良好な関係を築いている。運送事業者や都市行政が適切な投資を行っていくには規制が必要となるだろう。5GAAが彼らに技術的な専門知識を提供することで、適切な意思決定を支援できる。


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