ルノー・日産・三菱アライアンス:中期方針(2020年5月末発表)の進捗(下)
ルノーは組織再編・コスト削減計画と電動化を軸とする成長戦略
2020/09/29
- 要約
- ルノーの変革計画:20億ユーロ超の固定費節減、15,000人の人員削減を図る
- ブランドに基づく4事業部門への組織再編計画を発表
- 欧州での電動化のリーダーを標榜しハイブリッド追加でさらなる強化を図る
- 華晨ルノー、新しい研究開発センターが稼働
- 2020年度上半期は34.9%の販売台数減、72.9億ユーロの最終赤字
- LMC Automotive生産予測:ルノー・日産・三菱アライアンスの2023年生産は2019年比0.3%増に留まる
要約
ルノー・日産・三菱3社連合(R-N-Mアライアンス)は、去る5月27日にアライアンス方針を発表した。それと整合性をとる形でこれまでに各社は中期的な事業計画を発表すると共に、体質改善やブランド強化など具体策の展開を進めてきた。
アライアンス方針では、商品、技術開発、市場、で各社の「リーダーとフォロワー」の役割を明確にし、アライアンスのメリット拡大に向け更なるシナジー効果を狙うことを基本方針として打ち出した。
ルノーは、2020年5月29日に変革計画(transformation plan)を発表し、3年間で20億ユーロ超のコスト削減を含む効率向上と収益改善の計画を示した。ルノーはこれに沿って主力工場閉鎖の交渉を進めると共に、一方で得意分野と位置付ける電動化を牽引力として成長に向けた積極的な取り組みを行っている。9月初めには、ブランドを軸とする組織再編の方針を発表した。
しかしながら、その間に報告されたアライアンス3社の業績(日産、三菱は2020年度第1四半期、ルノーは上半期)はいずれも大幅な赤字損益となっており、厳しい経営環境の中で、アライアンス方針で示された諸施策の実行が注目される。
今回のレポートでは、R-N-Mアライアンス方針発表後(2020年5月28日~)の3社の計画具体化に関するレポートの後編として、ルノー・グループに係わる発表や関連ニュースをもとに最近の動きを報告する。併せてLMC Automotiveによる3社アライアンスの中期生産台数予測を掲載した。
日産と三菱の動きについては、ルノー・日産・三菱アライアンス:中期方針(2020年5月末発表)の進捗(上)をご覧下さい。
関連レポート:
ルノー・日産・三菱アライアンス:中期方針(2020年5月末発表)の進捗(上) (2020年9月)
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