米国の新興EVメーカー:2020年末から本格市場参入
Rivian、Lucid、Lordstown、Karma、Fisker、Bollinger、Nikola、Byton など
2020/04/09
- 要約
- Rivian Automotive:三菱の旧米国工場を購入
- Lucid Motors:アリゾナ州で生産準備を進める
- Lordstown Motors:旧GM工場を購入
- Karma Automotive:中国の万向集団傘下、PHVの4ドアスポーツカーを販売
- Fisker:2027年までに累計生産100万台体制を目指す
- Bollinger Motors:世界初のフル電動トラック発売を目指す
- Nikola:次世代FCVとEVの開発に取り組む
- Byton:電動SUVを2021年に米国で発売予定
- その他の欧米新興EVメーカー
- 全米充電ネットワークの進展
- EVをとりまく法規制の動向
要約
Karma Revero |
2020年に入り、米国の自動車業界で進む電動化の動きがさらに大きな注目を集めている。GMが戦略の柱として「オール・エレクトリックの未来」を掲げ、Ford、FCAも2020年を皮切りとする本格的なEV投入を明確にするなど、米国の主要OEMが電動化の計画や投資を競うように打ち出している。また、EV専業メーカーTeslaは2019年第4四半期の生産台数が10万台を超えて過去最高を更新し、大手OEMとしての地位を強固にした。
さらにもう1つの注目すべき動きが、EVを業界参入の機会として準備を進める新興EVメーカー群の活動であり、それらの多くが2020年後半あるいは2021年前半から新商品を投入する計画を発表している。2000年代に入ってEVの商品投入を計画、発表した第1波とも言えるベンチャーグループでは、Karma、Faraday Future、Dysonなど、事業化の遅れや見直し、撤退を余儀なくされた企業も多い。これに対し、現在具体的な計画を示す企業群は、これらの失敗や障害も教訓として、商品戦略では需要の高いSUVやトラックの重視、あるいはバッテリー供給、充電インフラの確保、既存OEMや大口顧客との提携など、事業性や市場性をにらんだ現実的、総合的な戦略やアプローチをとっている。
本稿では、電動車への新規参入あるいは事業の拡大を計画し準備を進めている主要な新興EVメーカーに焦点を当てて米国の電動化の動きを報告する。併せて、EV投入計画の成否を左右する充電ネットワーク・インフラや法規制など事業環境の動向についても触れる。なお、ここでの報告は、米国市場への投入実績、具体的な投入計画がある企業や商品に限っている。投入時期が明らかでない将来モデルや、CES等のショーで紹介されたコンセプトやコンポーネントには言及していない。
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