Fordの企業変革(下):リストラと商品力強化を同時進行

欧州は6工場を閉鎖/売却・商品ラインアップを再編、中国では新型車攻勢

2019/09/13

要約

F-150 Limited
2019年の上海モーターショー・成都モーターショーに出展したF-150 LTD

  本レポートは、先に掲載した「Fordの企業変革(上):VWと商用車・自動運転・EVで幅広く提携」に続いて、

  • ここ数年のFordの地域別業績
  • 欧州、中国、南米の再編計画
  • LMC Automotiveによる販売予測

  について報告する。


  Fordの近年の収益性は2017年がピークで、2018年の卸売台数は62.5万台減(598.2万台)、自動車部門のEBITは33.3%減(54億ドル)、純利益52.4%減(37億ドル)と下降した。また北米では76億ドルのEBITを稼いだが、他の地域のEBITは赤字で合計では22億ドルの赤字(2017年はほぼbreakeven)となった。南米事業と中国事業の赤字が大きい。


  Fordは、企業を変革し競争力を回復させる計画「Creating Tomorrow, Together」を2017年末までに作成し、2019年から本格的な実行の段階に入った。3~5年の間にリストラ経費110億ドルを注ぎ込む計画。

  まず、全社7万人のホワイトカラーの10%に相当する7,000名を削減する。コストを削減するとともに、組織をスリム化し企業内の官僚主義を排して、素早い意思決定と行動ができる組織に再生する。

  欧州では、6工場を閉鎖または売却し、12,000名を削減する(うち2,000名はグローバルで削減するホワイトカラー7,000名の一部となる)。商品ラインアップとそれを運営する組織を、(1)商用車、(2)乗用車、(3)輸入車の3つに再編する。

  中国市場では、Fordの販売台数は2017年の100万台から55万台に減少した(LMC Automotive資料)。Fordは今後3年間に、中国のニーズに合わせた30以上の新型車を投入する計画。

  南米では、ブラジルの大型トラック工場を閉鎖して事業を適正規模に縮小し、収益性の高いSUVとピックアップトラックに集中する。

  計画は順調に進んでおり、Fordは、同社が重視するリストラ費などの一時的経費を除いたEBIT(Adjusted EBIT)が、2018年の70億ドルから2019年通年では70~75億ドルになるとの予測を発表した。


関連レポート:
Fordの企業変革(上):VWと商用車・自動運転・EVで幅広く提携(2019年9月)
GM:北米5工場での生産を中止、14,000人を削減(2018年12月)