日産:世界生産能力を60万台、人員を1万2,500人削減
2019年4~6月期の営業利益が98.5%減の16億円、営業利益率0.1%
2019/08/05
- 要約
- 事業改革:2022年度末までに6%の営業利益率を目指す
- 米国事業のリカバリー計画:商品力を強化し着実な回復を目指す
- 事業および投資効率の適正化:生産能力60万台、12,500人を削減
- 新商品、新技術、「ニッサン インテリジェント モビリティ」を軸にした着実な成長
- 2019年4~6月期世界小売販売は6.0%減少し123万台
- 2019年度4~6月期の営業利益は98.5%減の16億円、営業利益率は0.1%
要約
![]() |
e-Powerを搭載するIMQコンセプト、2022年までに欧州に投入、次いでさらに多くの地域に投入する(ジュネーブモーターショー2019に出展した)、(資料:日産、以下同様) |
日産は、2019年7月に2019年度第1四半期(4~6月期)の連結決算を発表し、同時に「事業改革」の推進について発表した。4~6月期の業績は、売上高が前年同期比12.7%減の2兆3,724億円、営業利益は98.5%減の16億円、営業利益率0.1%となった。日産の連結業績は、2018年度第4四半期(2019年1~3月期)にも売上高12.5%減(2兆9,958億円)、営業利益97.8%減(45億円)、営業利益率0.2%と落ち込み、2四半期連続で営業利益が9割強減少する厳しい決算となった。
2019年度4~6月期には、グローバル小売販売台数が6.0%減、さらに中国を除く卸売販売台数は13.5%減と減少幅が大きく、販売店在庫は3カ月の間に68,000台減少し適正化が進んだが、日産の収益を圧迫した。2019年度後半から、新商品の投入とともに台数・収益の回復を見込んでいる。
今後の取組みとしては、収益の負担になる不採算事業についてはより厳しく選択し、そして成長に関しては短期的なプッシュ販売を繰り返すのではなく着実な回復を目指す。2~3年、できれば2年間で業績を回復させていく計画。数値計画は過大なものではなく、2022年度の売上高14.5兆円(2019年度見通し13兆円)、グローバル販売台数600万台(同550万台)とし、この規模で営業利益率6.0%を確保できる体制を構築する(数値は中国合弁会社比例連結ベース)。
これらの目標に対して、「事業及び投資効率の適正化」として、生産能力の60万台削減や12,500人の削減などにより、2022年度までに収益を3,000億円改善する。また新商品、新技術、「ニッサン インテリジェント モビリティ」を軸にした着実な成長で売上高を13兆円から14.5兆円に拡大し、1,800億円の収益増を図る。2019年度の営業利益見通し3,900億円に「3,000億円 + 1,800億円」を加えて、2022年度の営業利益8,700億円、営業利益率6.0%を実現する計画。
また、「3,000億円 + 1,800億円」の40%程度を米国事業の改善から捻出するとしている。米国販売台数目標は、2019年度見通し135万台から2022年度140万台と小幅な拡大に止めている。一方、(フリート販売ではない)小売販売台数の10万台拡大を目指し、これが実現すればブランド力が回復したと言えるであろうとしている。
関連レポート:
人とくるまのテクノロジー展2019:トヨタと日産の展示 (2019年6月)
日本自動車メーカーの2018年度決算:1.9%の増収、11.5%の営業減益(2019年5月)
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。