DaimlerのCASE戦略:BMWと提携しモビリティと自動運転開発を加速
Mercedes-BenzのEV第1弾「EQC」は2019年に生産開始、2022年までにEVを10車種投入
2019/04/09
- 要約
- Daimler Groupの戦略:コアビジネスの強化とCASEを推進
- BMWとモビリティ事業を統合、10億ユーロを投資
- BMWと自動運転の共同開発
- 電動化戦略:2025年までに総販売台数の15~25%をEVに
- Daimlerの業績:2018年から収益性が低下、収益向上策を検討
- LMC Automotive生産予測:Daimlerグループの2022年生産は318万台
要約
CASEのトレンドは自動車業界の基礎を揺さぶる変化をもたらす(本レポートの資料の出展は全てDaimler、ただしBMW iNEXTを除く) |
本レポートは、2019年2月に発表された2018年決算資料を中心にDaimlerのCASE戦略を報告する。
Daimlerは、世界をリードする自動車メーカーとしてコアビジネスを強化するとともに、CASE戦略を推進する。その体制強化のためグループを再編し、持株会社Daimler AGのもとに、Mercedes-Benz AG(乗用車とバン)、Daimler Truck AG(トラックとバス)、Daimler Mobility AG(モビリティとファイナンス)の3社の体制とする。2019年5月の株主総会で承認を得たうえで、11月に新体制へ移行する。
2018年3月にBMWとモビリティ事業についての包括的な提携を発表、2019年2月さらに具体的に、分野別に5社のJVを立ち上げると発表した。また同じ2019年2月(5社のJVの発表の2週間後)、BMWと自動運転の開発で提携すると発表した。Daimlerによると、自動運転はモビリティサービスから導入され、またモビリティへの需要をさらに高めていくであろうとのこと。自動運転開発に関わる巨額の経費を負担し合い開発を加速する。
また電動化関連では、Mercedes-BenzのEVである「EQ」ブランドの第1弾「EQC」の生産を2019年に開始し年央に市場投入、2018年11月にプラグイン機能を持つFCV「GLC F-Cell」を欧州で発売した。
Daimlerの業績は、ここ数年間売上高・利益とも順調な拡大を続けてきた。しかし2018年には販売台数は2.4%、売上高は2.0%と微増したが、EBITは22%減となった。Daimlerは、ディーゼルエンジンの問題、WLTPテストモードへの移行、世界的な貿易戦争の影響を受けた。包括的な収益向上策を検討している。
関連レポート:
欧州での2021/2030年のCO2規制、ディーゼル車への逆風と電動化(2018年4月)
OEM各社の電動化戦略:EV・PHVのラインアップ拡充を加速(2018年3月)
Daimler:2025年までに世界販売の15-25%をEVへ(2018年1月)
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。