日本自動車メーカーの決算:2016~2017年度の2期連続で減益見込み

収益伸び悩みのなか、2017年度に過去最高の設備投資と研究開発投資を計画

2017/05/30

要約

日本自動車メーカ9社連結売上高

 日本自動車メーカー9社(決算を開示していない三菱ふそうとUD Trucksを除く)の2016年度決算は、リーマンショック後の2011年度以来の減収・減益(売上高は前期比3.4%減の66兆8,861億円、営業利益は16.8%減の4兆5,319億円)となった。為替の影響が2兆円弱の営業減益要因となり、また市場の拡大が止まり価格競争が激化した北米市場での収益減が響いた。

 2017年度業績予想では、売上高は1.2%増の67兆6,600億円を見込むが、営業利益は2期連続の減益(11.5%減の4兆120億円)を予想している。

 収益は低迷するが、各社は将来に向けての投資は抑制せず、2017年度に設備投資3兆200億円(6.9%増、初めて3兆円を超える)、研究開発費2兆9,540億円(6.8%増)を計画している。トヨタの豊田社長は、「自動車産業ではパラダイムシフトが求められており、特にAI、ロボティクス、コネクテッドなど新しい領域が重要。今後も10年先、20年先を見据えた種まきを続けていく」としている。また、各社は電動化技術にも積極的に投資する計画。



日本自動車メーカー9社の連結売上高と利益

(億円)

  2010
年度
2011
年度
2012
年度
2013
年度
2014
年度
2015
年度
2016
年度
2017年度
計画
連結売上高 464,621 452,105 508,466 599,097 649,252 692,082 668,861 676,600
連結営業利益 19,187 14,184 28,215 45,346 51,230 54,482 45,319 40,120
営業利益率 4.1% 3.1% 5.5% 7.6% 7.9% 7.9% 6.8% 5.9%
当期純利益 13,640 9,362 20,391 34,600 38,932 40,560 35,428 32,620

同上前年度比

  2010
年度
2011
年度
2012
年度
2013
年度
2014
年度
2015
年度
2016
年度
2017年度
計画
連結売上高 6.5% -2.7% 12.5% 17.8% 8.4% 6.6% -3.4% 1.2%
連結営業利益 99.0% -26.1% 98.9% 60.7% 13.0% 6.3% -16.8% -11.5%
当期純利益 152.9% -31.4% 117.8% 69.7% 12.5% 4.2% -12.7% -7.9%
資料:各社の決算資料



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