日本市場の新型車装備: 減速エネルギー回生、衝突被害軽減ブレーキの設定拡大
軽自動車にも先進的な燃費向上装備、予防安全装備を採用
2013/07/10
要 約
以下は、日本の自動車メーカーが2012年4月~2013年6月に国内販売した、新型乗用車の主要装備の概要である。本レポートで取り上げた新型乗用車は新モデルとフルモデルチェンジ車 (一部大幅改良車を含む) で、トヨタはToyota ブランド車が4車種、Lexus ブランド車が2車種、日産は5車種、ホンダと三菱自動車は各3車種、スズキと富士重工は各2車種、マツダとダイハツは各1車種で、計23車種 (OEM車は含まない)、うち7車種が軽自動車。
走行性能 (燃費向上を含む) 装備では、2012年10月に登録車に義務付けられた横滑り防止装置ESC (Electronic Stability Control) の搭載が、軽自動車にも拡大した (軽自動車への搭載義務化は2014年10月から)。燃費向上装備では、キャパシターやリチウムイオン電池を採用した高効率の減速エネルギー回生機構が、幅広く採用された。
衝突安全装備では、前席サイド/カーテンエアバッグの設定が小型車や軽自動車にも拡大。歩行者との衝突時に衝撃を緩和するポップアップフードは、高級車を中心に採用された。運転支援装備では、衝突の危険を検知すると自動ブレーキにより衝突を回避する衝突被害軽減ブレーキを、スズキ以外の全メーカーが設定。また、車両周囲の状況を上から見下ろしたような俯瞰映像を表示するアラウンドビューモニターが、軽自動車と小型車にも初めて採用された。
視認性確保では、ハイ/ロービームを自動切替するオートマチックハイビームの設定が拡大。遮光シェードを制御し、先行車や対向車にハイビームを当てないようにするアダプティブハイビームの採用も始まった。快適性装備では、前席シートヒーター/ベンチレーションが高級車を中心に採用。また、紫外線を約99%カットするスーパーUVカットガラスのフロントドアへの設定が拡大した。
関連レポート: |
欧州の新型車装備 (1)(2012年9月掲載)、(2)(2012年10月掲載)、米国の新型車装備 (2012年5月掲載) |
日本の自動車メーカーが新型車に設定した主な先進装備 |
(2012年4月~2013年6月に日本で発売した新型車) |
装備 | 設定車種 | |
---|---|---|
走行性能 (燃費向上を含む) |
ESC (軽自動車) | Nissan DAYS, Honda N-ONE, Honda N BOX +, Mitsubishi eK Wagon, Daihatsu Move |
減速エネルギー回生 | Nissan Latio, Nissan Note, Mazda Atenza, Mitsubishi eK Wagon, Mitsubishi Mirage, Suzuki Spacia, Suzuki Wagon R |
|
衝突安全 | 前席サイドエアバッグ/ カーテンエアバッグ |
Toyota 全車, Lexus IS, Lexus LS, Nissan Sylphy, Nissan Cima, Honda Accord, Honda N-ONE, Mazda Atenza, Mitsubishi Outlander, Mitsubishi Mirage, Subaru Forester, Subaru XV |
ポップアップフード | Toyota Crown, Lexus IS, Nissan Cima | |
運転支援 | 衝突被害軽減ブレーキ | Toyota Crown, Lexus IS, Lexus LS, Nissan Cima, Honda Accord, Mazda Atenza, Mitsubishi Outlander, Daihatsu Move, Subaru Forester, Subaru XV |
アラウンドビューモニター | Toyota Crown, Nissan DAYZ, Nissan Note | |
視認性確保 | アダプティブハイビーム | Toyota Crown, Lexus LS |
オートマチックハイビーム | Toyota Auris, Toyota Corolla, Lexus IS, Mazda Atenza | |
快適性 | 前席シートヒーター/ベンチレーション | Toyota Crown, Lexus IS, Lexus LS, Nissan Cima |
スーパーUVカット・フロントドアガラス | Nissan DAYZ, Mitsubishi eK Wagon, Subaru XV |
(注) 減速エネルギー回生の設定車種については、ガソリン車のみを記載した (HV は除く)。