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排出ガス規制 - カリフォルニア州 乗⽤⾞+⼩型トラック (LDV/MDV 2026MY~)

(出典:Ricardo EMLEG、2023年2月現在)

状況 内容概観 2026モデルイヤー以降の基準の一般要件 小型車の排出ガス基準 – 2026モデルイヤー以降 中型車の排出ガス基準 – 2026モデルイヤー以降 参照

状況

排出ガス基準及び付帯する要件の最終草案がカリフォルニア州大気資源局(CARB)によって2022年8月に公告された。これら基準は小型及び中型車に適用される予定で、2026モデルイヤー以降カリフォルニア州規則によって定義される。

 

内容概観

2026モデルイヤー以降の小・中型車に対する排出ガス基準最終草案には、以下の各節で触れる。現行及び過去の排出ガス基準、要件の詳細はカリフォルニア州 乗用車+小型トラック を参照願いたい。同ページには、基準が用いる車両カテゴリーやカリフォルニア州の小型車向け規則を実施している米国内の他州のリストも含まれている。

 

2026モデルイヤー以降の基準の一般要件

CARBは新たに、2026モデルイヤー以降小・中型車が順守すべき一連の要件を定めた。それらは LEV III 規制の要件をもとにさらに強化されたLEV IV 排出ガス規制や付帯する条項からなる。規則書面の最終草案は2022年8月に公告されており、すみやかに最終承認が得られるものと予想される。

主な条項は書面[1]及び、認証要件や試験手順を概説した第2の書面[2]に含まれ、すべての排出ガス要件を詳述しており、規則の最終承認が済み次第カリフォルニア州規則集 1961.4節の中に新設されるセクションとして公告される。さらに、追加書面にゼロエミッション車及びプラグイン・ハイブリッド車の試験手順の詳細が示されている[3]。試験モードに関する一般的な情報は米国連邦 乗用車+小型トラック 及び試験計画を示したEPAホームページ[4]でも得られる。CARB規則による試験手順が特別に求める装置要件は、試験手順の基準を示す2つの書面に記されている。小型車及び中型車では2026年以降の排出ガス基準に基づく認証が2025年にも任意で取得可能となっている[1]。カリフォルニアに於いて連続した3年間のモデルイヤー平均販売数が4500台(基)未満である場合、少量販売メーカーに関する条項が適用される。この台(基)数は小型車、中型車、大型車及び大型エンジンの合計である。少量販売メーカーに対する条項は、上記条件を満たした翌年から適用される。

 

小型車の排出ガス基準 - 2026モデルイヤー以降

適用範囲

規則が含む小型車(LDV)への要求はカリフォルニアで生産及び販売されている乗用車(PC)、小型トラック(LDT)、中型乗用車(MDPV)に適用される。LDVは、その車両に指定された標準積載車両重量(LVW)で試験される。主な要件を以降の節に詳述する。その他の要件は簡単に述べ、関連する規則書面への参照先を示す。

 

全社平均エミッション要件

メーカーは、表1に示すLDV全社平均NMOG+NOx 排出規制値 を満足しなければならない。これら要求値は実用寿命である150,000マイル相当の全期間を通じて適用される[1]。メーカーは、各モデルイヤーごとに最大値を%で設定されたZEV+排出量調整PHEVの合計を含めることができる。排出量調整PHEV(プラグイン電動車)とは、全社平均NMOG+NOx排出量の計算に含める際にPHEV寄与係数(g/mile)を用いて排出量の値を調整したPHEVのことを指す。PHEV寄与係数と全社平均値の計算の詳細は規則に含まれている。PHEV寄与係数は2025~2028モデルイヤーのみに利用でき、2029モデルイヤー以降には適用できない。排出量貸借(クレジット及びデビット)のしくみはこれら規則に付帯しており、また少量メーカーに対する特別な条項が設定されている。

表1:LDVに対する全社平均規制値[1]

モデルイヤー NMOG+NOX
(g/mile)
ZEV + 排出量調整 PHEVの最大%
2025(1) 0.030 100
2026 0.030 60
2027 0.030 30
2028 0.030 15
2029 及び以降 0.030 0

注(1) 最新の基準によって任意で2025モデルイヤーで認証を取得したメーカーのみに適用できる。

 

FTP排出基準の要求事項

FTP試験モードに基づくLEV IV 排出規制値の詳細を表2に示す。これら数値は対応するLEV III より厳しいもので、それに伴い新しいエミッション・カテゴリーが定義されている。PM許容値のフェーズイン(漸次導入)計画は表3に示した。この基準は高地でのNMOG+NOx限度値を含む。この規制値は実用寿命150,000マイル相当の全期間を通じて適用される。

表2:LDVに対するLEV IV 排出規制値[1]

エミッション・カテゴリー NMOG + NOX(1)
(g/mile)
CO
(g/mile)
ホルムアルデヒド(HCHO)
(mg/mile)
PM (2)
(mg/mile)
高地 NMOG + NOX
(g/mile)
ULEV125(3) 0.125 2.1 4 1 0.160
ULEV70 0.070 1.7 4 1 0.105
ULEV60 0.060 1.7 4 1 0.090
ULEV50 0.050 1.7 4 1 0.070
ULEV40 0.040 1.7 4 1 0.060
SULEV30 0.030 1.0 4 1 0.050
SULEV25 0.025 1.0 4 1 0.050
SULEV20 0.020 1.0 4 1 0.030
SULEV15 0.015 1.0 4 1 0.030


(1) 車両が低標高で稼働する場合のみに適用される。
(2) 表3に概略を示すフェーズイン計画が適用される。
(3) 小量メーカー以外の生産者に対して、ULEV125カテゴリーは2026~2028モデルイヤーのみに適用できる。少量メーカーに対しては、このカテゴリーは2026~2034モデルイヤーまで適用可能である。

メーカーは、自社の小型車全車のうち与えられた最小比率分の認証を取得しなければならない。次表に示すフェーズイン計画に沿って、全実用寿命期間でPM 1 mg/mile を達成できる車の比率を最小限確保しなければならない。1 mg/mile の認証を受けられない車両は 3 mg/mile の認証を得なければならない。異なるフェーズイン計画の選択も可能で、少量メーカーのための条項も準備されている。これらは規則[1]に詳述されている。

表3:LDVに対するLEV IV 排出限度 – FTPモード – 2026モデルイヤー適用[1]

モデルイヤー 許容値 3 mg/mile で認証される台数の最大比率(%) 許容値 1 mg/mile で認証される台数の最小比率(%)
2026 50 50
2027 25 75
2028 and after 0 100

表2に記載されたすべてのエミッション・カテゴリーに対し、車両実用寿命の全期間において低標高(平地)では部分ソークに対する要求が適用される。関係する試験方法は試験手順を述べた書面に含まれており、ソーク期間10分、40分、3~12時間時点でのNMOG+NOx排出限度が表4の通り記載されている。規則にはその他の要件も述べられている。表4の規制値は表5のフェーズイン計画を基に定められている。

表4:部分ソーク時間 10分、40分、3時間でのNMOG+NOx規制値(g/mile) [1]

エミッション・カテゴリー ソーク時間 10 分 ソーク時間 40 分 ソーク時間 3~12 時間(1)
ULEV125 0.063 0.096 0.125
ULEV70 0.035 0.054 0.070
ULEV60 0.030 0.046 0.060
ULEV50 0.025 0 0.050
ULEV40 0.020 0.031 0.040
SULEV30 0.015 0.023 0.030
SULEV25 0.013 0.019 0.025
SULEV20 0.010 0.015 0.020
SULEV15 0.008 0.012 0.015

注 (1) この要求値は3時間以上12時間未満のいかなる時間に対しても引用される。

表5:部分ソーク規制の漸次導入計画[1]

モデルイヤー 表3の要件で認証される台数の最小比率(%)
2026 30
2027 60
2028 以降 100

FTPによる冷間CO排出規制もすべての車両に適用される。ただし天然ガス及びディーゼルを燃料とするものは除外される。表6に詳細を示す。試験温度は公称20℉で最大50,000マイル既走行車まで適用される。
無暖機急速発進及び50℉における要求事項も存在し、前者はNMOG+NOx、後者はNMOG+NOx+ホルムアルデヒド(HCHO)が規制対象である。これら要求事項の詳細は規則文面[1]に記されている。
要求事項を検証する試験の詳細は試験手順書面[2]に記載されている。

表6:LDVの冷間CO排出規制値[1]

車両分類 CO (g/mile)
乗車および小型トラ ック全車、LVW  0 ~ 3,750 ポンド 10.0
小型トラック、LVW 751 ポンド~ GVWR 8,500 ポンド
中型乗用車 (GVWR 10,000 ポンド以下)
12.5

 

US06 排出ガス要求事項

US06モードによる次表の排出限度は小型車に対して2026モデルイヤー以降適用されるもので、実用寿命(150,000 マイル)全期間に適用される。フェーズイン(漸次導入)計画が基準に含まれており、規則の中で述べられている[1]。

表7:小型車の排出規制値 - US06試験モード - 2026モデルイヤー以降[1]

エミッション・カテゴリー NMOG + NOX
(g/mile)
CO
(g/mile)
PM
(mg/mile)
ULEV125 0.125 9.6 3
ULEV70 0.070 9.6 3
ULEV60 0.060 9.6 3
ULEV50 0.050 9.6 3
ULEV40 0.040 9.6 3
SULEV30 0.030 9.6 3
SULEV25 0.030 9.6 3
SULEV20 0.030 9.6 3
SULEV15 0.030 9.6 3

プラグイン・ハイブリッド車は、表8が示す通りUS06冷間始動チャージ・デプリ―ティングモード排出ガス試験[3]が求める要求事項を満足しなければならない。この要求についてもフェーズイン計画が示されている[1]。

表8:US06(PHEV)冷間始動におけるNMOG+NOx排出規制値 (g/mile) [1]

エミッション・カテゴリー 2026 ~ 2028モデルイヤー 2029 モデルイヤー以降
ULEV125 0.350 0.250
ULEV70 0.320 0.200
ULEV60 0.280 0.175
ULEV50 0.240 0.150
ULEV40 0.200 0.125
SULEV30 0.150 0.100
SULEV25 0.125 0.083
SULEV20 0.100 0.067
SULEV15 0.075 0.050

 

SC03排出ガス要求事項

SC03モードで試験するNMOG+NOx及びCOの排出限度もまた規定される予定である。この2種の汚染物質の排出限度は、各エミッション・カテゴリーともFPT試験の数値(表2)と同一になる。

 

HFET排出ガス要求事項

ハイウェイ燃費試験(Highway Fuel Economy Test, HFET)による排出ガスは、カリフォルニア試験手順規則[2] [3]に述べられている通り、NMOG+NOxについてFTP(表2) [1]と同等の数値が限度となる予定である。

 

中型車の排出ガス基準 - 2026モデルイヤー以降

適用範囲

中型車(MDV)への要求はカリフォルニアで生産及び販売されているMDVのメーカーに適用される。MDVは、基準[1]が定める調整積載車両重量(ALVW)で試験される。

 

全社平均エミッション要求事項

メーカーは、各モデルイヤーごとに表9が示す MDV全社平均NMOG+NOx 排出規制値 を満足しなければならない。これら要求値は実用寿命である150,000マイル全期間を通じて適用される。全社平均NMOG+NOx排出量の計算式が規則に含まれており、メーカーは自身の車両を表に示されている2種の重量カテゴリーに分け、それぞれの平均を計算することになる。排出量貸借(クレジット及びデビット)のしくみはこれら規則に付帯しており、また少量メーカーに対する特別な条項が設けられている。

表9:MDVに対する全社平均規制値[1]

モデルイヤー NMOG+NOX
(g/mile)
MDV
GVWR 8,501 ~ 10,000 ポンド
MDV
GVWR 10,001 ~ 14,000 ポンド
2025(1) 0.178 0.247
2026 0.178 0.247
2027 0.174 0.232
2028 0.166 0.212
2029 0.158 0.193
2030 以降 0.150 0.175

注 (1) 最新の基準によって任意で2025モデルイヤーで認証を取得したメーカーのみに適用できる。

 

FTP排出基準の要求事項

2026モデルイヤー以降についてFTP試験モードによるLEV IV 排出規制値の詳細を表10に示す。この規制値は実用寿命150,000マイル全体を通じて適用される。50℉における排出限度も適用される。これらは規則[1]に詳述されている。

表10:MDVに対するLEV IV 排出規制値 – FTPモード – 2026モデルイヤー以降 [1]

車両分類 エミッション・カテゴリー NMOG + NOx
(g/mile)
CO
(g/mile)
ホルムアルデヒド
(HCHO)
(mg/mile)
PM
(mg/mile)
MDV
GVWR 8,501 ~ 10,000 ポンド
ULEV250(1) 0.250 6.4 6 8
ULEV200(1) 0.200 4.2 6 8
SULEV170 0.170 4.2 6 8
SULEV150 0.150 3.2 6 8
SULEV125 0.125 3.2 6 8
SULEV100 0.100 3.2 6 8
SULEV85 0.085 3.2 6 8
SULEV75 0.075 3.2 6 8
MDV
GVWR 10,001~14,000 ポンド
ULEV400(1) 0.400 7.3 6 10
ULEV270(1) 0.270 4.2 6 10
SULEV230 0.230 4.2 6 10
SULEV200 0.200 3.7 6 10
SULEV175 0.175 3.7 6 10
SULEV150 0.150 3.7 6 10
SULEV125 0.125 3.7 6 10
SULEV100 0.100 3.7 6 10

注 (1) これらのエミッション・カテゴリーは2026~2028モデルイヤーのみに適用される。

 

SFTP排出基準の要求事項

SFTP試験モードによる排出規制値の詳細を表11に示す。フェーズイン(漸次導入)計画が基準に含まれており、規則の中で述べられている。また少量メーカーに対する付帯条項と要件も含まれている[1]。

表11:MDVに対する排出規制値 – SFTPモード - 2026モデルイヤー以降[1]

車両分類 HP/GVWR (hp/lb) 試験モード エミッション・カテゴリー NMOG + NOx
(g/mile)
CO
(g/mile)
PM
(mg/mile)
MDV
GVWR 8,501~10,000 ポンド
≤ 0.024 US06 Bag2 SULEV170 0.170 15 6
SULEV150 0.150 15 6
SULEV125 0.125 15 6
SULEV100 0.100 15 6
SULEV85 0.085 15 6
SULEV75 0.075 15 6
> 0.024 Full US06 SULEV170 0.170 25 8
SULEV150 0.150 25 8
SULEV125 0.125 25 8
SULEV100 0.100 25 8
SULEV85 0.085 25 8
SULEV75 0.075 25 8
MDV
GVWR 10,001~14,000 ポンド
N/A Hot 1435 UC
(Hot 1435 LA92)
SULEV230 0.230 10 5
SULEV200 0.200 10 5
SULEV175 0.175 10 5
SULEV150 0.150 10 5
SULEV125 0.125 10 5
SULEV100 0.100 10 5

 

追加要件

SC03モード及びハイウェイ燃費試験(HFET) による排出ガス規制はMDVにも設定される予定である[1]。
2027モデルイヤー以降、連結総重量 (GCWR)が14,000ポンドを越えるMDVは、移動平均ウィンドウ法による試験手順によって 使用過程NMHC, NOx, CO及びPM規制 を満足する必要もある。これら要求事項の詳細は試験手順書面に含まれている[2]。

 

参照

出典: 本レポートは"Ricardo EMLEG"(US California-Passenger & LDT-2 21 October, 2022)の情報を基に、マークラインズ社で編集しています。

 

更新履歴

更新日時 更新内容
2022年10月28日 排出ガス基準及び付帯する要件の最終草案がカリフォルニア州大気資源局(CARB)によって2022年8月に公告された。