製造業の加熱プロセスの熱源では、一般的に「熱板」や「熱風炉」などが用いられていますが、これらの設備では、加熱・乾燥時間、加熱による変形、熱のムラによる品質低下などの課題が発生します。また、昨今の脱炭素化への施策が推進されている状況で生産速度を高めようとすると、炉の出力を上げなければならずCO2削減につながらなかったり、塗膜内部まで乾かず品質問題が起きたりといった課題も見受けられます。

そこで、優れた加熱設備として注目されているのが、「赤外線ヒーター」です。
自動車業界において実に200以上の製造工程で用いられている加熱や乾燥プロセスの熱源で、加熱・乾燥プロセスの効率化、省エネルギー、省スペース化に貢献しています。

＜赤外線加熱の活用例＞
・成形（成型）前加熱や他のプロセス前加熱
・プラスチックの溶着とバリ取り
・接着剤の活性化、など

<赤外線乾燥の活用例>
・塗装乾燥
・コート乾燥
・スプレーコーディングの乾燥、など

本資料では、自動車業界の製造プロセスにおいて赤外線ヒーターがどのように用いられているかを導入事例/導入効果とともに詳しくご紹介。
赤外線技術が「生産効率の向上」「省エネルギー化と省スペース化の貢献」「CO2削減と脱炭素化の推進」をどのように実現するのかをご確認いただけます！

■　非接触で熱を加熱対象物に透過します。このため、クリーンで高い照射効率を得ることができます。
■　応答時間が短く、制御性に優れています。このため、プロセス速度の向上と省エネルギー化が可能になります。
■　加熱対象物の赤外線吸収波長、電圧、出力と形状に精密に合わせることができます。
■　輻射するエネルギーを効率よく目的物に直接照射できるため、高効率な製造プロセスを実現します。
■　炉外が不要なため、省スペース化が可能になります。

赤外線ヒーターの用途：
■　予備加熱（予熱）
■　コーティング乾燥
■　しわ取り
■　バリ取り
■　溶着
■　活性化

赤外線ヒーターの実績：
■　高性能消音パッドの加熱
■　フロアカーペットの成形前加熱
■　TPOやPVCシートの真空ラミネート
■　防音シート（PE-EVA）の予備加熱
■　車のループトップのしわ取りとエージング加工のための予備加熱
■　ブラックアウトフィルムを貼付するためのBピラーの予備加熱
■　ドアパネルの内装用生地のしわ取り除去
■　カーペットのプレカットブランク材の成型前加熱
■　輸送ボックス用熱可塑性高密度ポリエチレンパネルの熱溶着
■　ガラス繊維ポリプロピレン製圧力タンクの熱溶着
■　グローブボックスとドアハンドルのバリ取り
■　射出成形やプレス成形された樹脂部品のバリ取り
■　内装トリムの粘着コーティングの活性化
■　ヘッドライナーの真空加熱プロセス
■　ドアパネル内装トリムの接着剤活性化
■　表皮、布、ポリ塩化ビニルなどの加飾成型用材料の接着剤の活性化
■　スポイラーとエンブレムの接着
■　合わせガラスへの赤外線熱乾燥スクリーン印刷
■　乗用車やバイク用サスペンションスプリングの粉体塗装乾燥
■　合金ホイールの粉体塗装乾燥
■　車両バンパーのスプレー塗装
■　サイドエアバッグのナイロン66へのコーティング乾燥と予備加熱
■　リアライトクラスターの反射塗料の乾燥
■　燃料タンクの水性スプレーコーティングの乾燥
■　シーラントおよび耐チップ塗装の予備硬化
■　金型の予熱

■赤外線加熱システム■
赤外線加熱システムは、あらゆる製造用途に対応する赤外線加熱・乾燥プロセスの構成要素です。赤外線ユニットは、特定プロセスに合わせて設計・調整されており、個々のプロセスに対応するさまざまなサイズに設計ができます。ユニット設計では、特注の赤外線ヒーターを含むヒーター設計から、取り付け、熱的および機械的安定性、視覚保護および接触防止、排気など、赤外線加熱・乾燥プロセスに見られる懸念点も考慮しています。ユニットは新規プロジェクトはもちろんのこと、既存の設備への改造にもお使いいただけます。また、幅の異なる生産ライン、特定の温度プロファイル、高い出力密度を要する条件は、制御仕様を含めて対応可能です。
このユニットに加えて、赤外線ヒーター用の自動出力制御と製品の温度制御を備えたものが赤外線加熱システムとなります。

【特長】
■　均一加熱：優れた加熱効率と搭載ヒーターの配置に関する知見により、温度ムラのない均熱加熱が可能
■　制御性：　細やかな制御設定が可能、優れた立ち上がり、立ち下がり性能により緊急時の即時OFFが可能
■　省スペース：ワーク幅に合わせた赤外線ユニットの設計が可能、大型な炉体を必要としないため、省スペースで設置面積の縮小化が可能
■　プロセス環境：オープンスペース、かつワークを非接触でクリーンな加熱が可能
■　プロセス技術：事前の照射試験により加熱プロセスパラメータを確立
■　エンジニアリング力：試作機から量産機まで、各種ワークサイズに対応する赤外線ユニットの設計、照射試験結果を基にした加熱パラメータを実現する赤外線システムを設計、提案
■　冷却機構：　空冷式、水冷式に対応
■　運転方式：　基本的な運転から、ステップ運転、タクト運転にも対応

当社では様々なホワイトペーパーをご用意しています。以下はほんの一例ですが、ご興味のある方はぜひお問い合わせください。
・軽量化における赤外線プロセスの応用例
・選定・導入の前に知っておきたい赤外線ヒーターの種類による違いと選び方
・【基礎知識】赤外線ヒーター導入ガイドブック、など