・BMWは7月22日、塗装工場の排気浄化に電気の使用を開始したと発表した。新しいプロセスにより、塗装ブースや乾燥室からの排気の熱浄化に必要な高温を、天然ガスを使用せずに電気的に発生させることができるという。
・このeRTO (electrically regenerative thermal oxidation:電気的再生熱酸化)と呼ばれるプロセスは、電気のみを使用し、ガス状物質や蒸気状物質を最大1,000℃の高温で燃焼させて浄化するものである。この方法では、塗装ブースや乾燥室からの排気が煙突から排出される前に浄化され、塗料溶剤による環境汚染を防ぐことができる。汚染された空気はセラミックベッドを通過し、そこで残留溶剤が燃焼される。電気加熱棒によりセラミックが加熱され、その熱がシステム内に保持されるため、運転に必要な電力はわずか数百kWである。
・最初のシステムは、ドイツ・レーゲンスブルク(Regensburg)工場と中国の里達(Lydia)にある合弁会社BMW Brillianceの工場でテストされ、ディンゴルフィング(Dingolfing)工場がこのプロセスを採用し、すでに塗装ラインを量産用に転換した欧州初の工場となっている。eRTOシステムは今後も導入が予定されており、2025年末にはハンガリー・デブレツェン(Debrecen)工場が、このプロセスによる排気浄化を利用して生産を開始する予定である。