・英国のCeres Holographicsは4月23日、1枚のフロントガラスに複数の透明ディスプレイを表示する世界初の面内ヘッドアップディスプレイ(HUD)のデモを行った。最大400mm×300mmの各表示領域には特別にプログラムされたホログラフィック光学素子(HOE)が内蔵されている。
・この機能は従来の反射光学系や回折光学系では扱えない領域で光を誘導・操作する機能とホログラフィーを用いることで初めて実現できる。これは今週ドイツで開催されたDriving Vision News Interior Workshopで発表された。
・このソリューションでは1枚のフィルムに最大3つのディスプレイシステムを組み込むことで、コストを削減しマルチディスプレイ透明HUDの実装に必要な生産工程全体を簡素化できる。トリプル構成の透明ディスプレイソリューションは精密に設計された後CeresのHoloflekt 1400mm幅ロール・ツー・ロール製造装置で量産する。
・ロール・ツー・ロール製造装置では自動車用に独自開発された先進的光学ポリマーフィルムを用いてフロントガラス大のフィルム1枚に複数のHOEを実装する。完成したフィルムはフロントガラスの内側にラミネートされる。このフロントガラスをコンパクトな投影ユニットと組み合わせることでフルカラー・広視野角の透明ディスプレイHUDが生産される。
・設計ではプロジェクターの仕様を定義するだけでなく対象車両の特定の形状とフロントガラスの曲率に合わせてソリューションを調整する。このマルチHOEソリューションは概念実証プロジェクト向けに一部のOEMやティア1サプライヤーが利用している。