・ホンダは4月12日、2025年後半の電気自動車(EV)生産開始に向けて、車両生産の準備やEVバッテリーを格納し車両プラットフォームの一部となるインテリジェントパワーユニット(IPU)の内製化など、米国オハイオ州でのEVハブの設立を進めていると発表した。
・ホンダは北米でのEV生産の開始をリードするため、オハイオ州にあるメアリーズビル(Marysville)工場、イーストリバティ(East Liberty)工場、アンナ(Anna)エンジン工場の改修に少なくとも7億ドルを投資すると表明している。
・メアリーズビル工場の主な変更点には、EV生産の開始とIPUのサブアッセンブリーの開始の両方が含まれる。同工場は最近、2つの生産ラインを統合し、第2ラインの大部分を撤去して、同じラインでEVとガソリン車の両方を生産可能にした。統合により余裕ができたスペースは、ラインサイドで部品を受け渡す際の導線の改善や効率化、ソフトウェアに依存する車両機能を検証するための車両品質エリアの拡張に使用される見込み。
・また、メアリーズビル工場は、300人の従業員がEVバッテリーモジュールとそれを制御するハードウェアおよびソフトウェアを格納するIPUをサブアッセンブリーする新しい作業スペースを作るために、資材集約エリアを改修した。メアリーズビル工場とイーストリバティ工場の両方にEV生産用のIPUを供給する予定。
・アンナエンジン工場では今後、EVバッテリーモジュールを格納し、ホンダおよびアキュラのEVのフロアのメインフレーム構造となるIPUケースを生産する。これに向け、IPUケースをメガキャストする6,000トンの高圧ダイカストマシン6基の設置をすすめている。IPUケースはホンダがこれまでダイカストしてきたものよりはるかに大きく、2つの部品に分割してダイカストし、摩擦攪拌接合で継ぎ目なく溶接する。IPUケースの生産スペースを確保するため、アンナエンジン工場は2023年に2つの異なる世代のエンジン向けの部品生産をアラバマ州リンカーン(Lincoln)工場に移管した。
・イーストリバティ工場では、EVのより重い重量に耐えるように作られたラインでEV生産を行う予定。車両を運ぶオーバーヘッドコンベアを強化し、塗装工場を拡大する。車両品質エリアは、メアリーズビル工場と同様、ソフトウェアに依存する車両機能の検証のために拡張されている。
・オハイオ州ジェファーソンビル(Jeffersonville)近郊では、ホンダとLG Energy Solutionの広さ200万平方フィート(約19万平方メートル)を超える合弁EVバッテリー工場(L-H Battery Company, Inc.)の建設が進んでいる。同工場は2024年末までに完成予定で、年間生産能力は約40GWhになる見込み。ホンダとLG Energy Solutionは、この合弁工場に35億ドルを投資することを発表しており、総投資額は44億ドルに達するとみられる。
(Honda release on April 12, 2024)