ZF Group (China)[ZF Group (中国事業)] 2022年12月期の動向
業績 |
(単位:億ユーロ) |
2022年12月期 | 2021年12月期 | 増減率 (%) | |
売上高 | 77 | 70 | 10 |
-2022年12月期のZFグループ全体の売上高は、前年比14.4%増の438億ユーロ。うち、中国地域は77億ユーロで、前年比10%増、グループ全体の17.6%を占めた。
中国4か所目の研究開発センターを建設
-広州テクニカルセンターの建設に着工する。広州テクニカルセンターはZFの中国における4番目の研究開発センター。第1フェーズの投資額は約7億元で、敷地面積約1万平方メートルの土地に建設される。2022年末の竣工、2023年の正式稼働を予定する。完成後は約1,000名の従業員を擁し、様々な先進的試験施設とソフト・ハードウェアのテスト環境を備えると同時に、高速走行、ダイナミック走行、自動運転走行に対応するテストコースを配備する。(2022年3月23日付プレスリリースより)
新規事業部の設立
商用車ソリューション事業部
-ZFは、2022年1月1日付で新たに「商用車ソリューション (Commercial Vehicle Solutions)」(CVS) 部門を立ち上げたと発表した。この新部門は、ZFの旧商用車テクノロジー (Commercial Vehicle Technology) 部門と商用車コントロールシステム (Commercial Vehicle Control Systems) 部門を統合したもので、後者は2020年5月に買収したWABCOを引き継いでいたもの。今回の統合によって、ZFの商用車ソリューション部門は、エレクトロモビリティ、デジタル化、自動運転やネットワークドライブといったコアテクノロジーを主導し、商用車に関するリーディングサプライヤーを目指す。ZFの商用車ソリューション部門は、28カ国61ヵ所の拠点を持ち、従業員は約2万5,000名であるという。(2022年1月13日付プレスリリースより)
提携
-采埃孚商用車技術(嘉興)有限公司は、北汽福田汽車股份有限公司(福田汽車)と共同でZFの中型AMTトランスミッション工場を建設すると発表した。この工場は浙江省嘉興市南湖区に位置し、中型車向けAMTトランスミッションの組み立てラインや試験ラインを備える予定。工場は2期に分けて建設され、第1期は2024年に竣工、年産5.5万台を見込む。固定資産への総投資額は1.3億元で、福田汽車とZFが共同で出資するという。(2023年2月9日付福田汽車のプレスリリースより)
-ZFは広東省広州市花都区と投資に関する契約を締結したと発表した。車載エレクトロニクス部品工場を建設する計画。この工場では、自動運転、カメラ、センサー、ブレーキなどの生産を行う。新エネルギー車(NEV)やコネクテッドカー分野を中心に、自動化及びスマート化されたグローバルベンチマーク工場とする。新工場は2023年に稼働開始し、2025年に量産開始する予定。(2022年12月13日付ZFのWechat公式アカウントより)
新生産ライン
-ZFは、青島工場でツインシリンダーコンプレッサー(Twin Compressor)の生産を開始したと発表した。このツインシリンダーコンプレッサーは、エアサスペンションシステム向けの製品。今回、中国国内でコンプレッサーの生産が可能になったことで、製造リードタイムの短縮やコスト低減などを図る。同社のツインシリンダーコンプレッサーの生産については、2022年11月には1本目となる生産ラインが使用開始された。2023年には現在の生産ラインを改良することで生産能力を引き上げていく。今後は、市場動向や事業規模に応じてコンプレッサーの生産ラインを追加していくという。(2022年12月27日付ZFのWechat公式アカウントより)
-ZFは、400Vと800Vの両方の電圧クラスで自動車メーカーに最大限の柔軟性を提供する、拡張性に優れたモジュール型インバータ・アーキテクチャを開発したと発表した。このモジュール型インバータ・プラットフォームは、あらかじめ定義された半導体に依存せず、自動車メーカーがシリコンからシリコンカーバイド(SiC)へ移行するのをサポートする一方で、将来の半導体トレンドにも対応できるよう設計されている。このようなインバータのイノベーションは、2025年までに生産が開始される次世代電動ドライブのためにすでに準備されている。インバータ内の制御基板はインバータソフトウェアのホームである。ゲート駆動技術は、パワー半導体から絞り出すことができる電気自動車(EV)の安全性、性能、効率、航続距離を担うため、インバータの重要な構成要素の一つである。新世代のインバータは、これらのハードウェアとソフトウェアの最適化機能を顧客に提供し、パワー半導体のスイッチング時間の高速化、短回絡保護機能の向上などを実現する。ZFは、この分野において独自に、またはWOLFSPEEDのような強力なパートナーと共に、重要な知識を蓄積してきた。(2022年1月4日付プレスリリースより)
-ZFは、「S-Cam 4.8」をはじめとする軽自動車前方カメラ事業を含むセンサー群を通じて、自動運転の基盤を提供すると発表した。ZFは、中距離レーダーやフルレンジレーダーなどの次世代レーダー・ポートフォリオを発表し、主要センサーを効果的かつ手頃なオプションで提供するとともに、検知範囲と解像度を強化したレーダーも発表する。ZFの次世代レーダーファミリーには、高度な3Dアンテナを搭載したオプションや、データを中央処理装置に送り込み、手頃な価格で360度のセンシングを可能にするリモートレーダーヘッドを搭載したシステムなどがある。ZFのセンサー群には、カメラとレーダーの冗長性を高め、より詳細に環境を感知するための第3のセンサーとなるLiDARオプションも含まれる。また、ZFはパートナーであるドイツのLiDAR メーカーIbeoと協力し、2022年以降ソリッドステートのIbeoNEXT LiDARの導入を支援するとともに、優れた性能と手頃な価格のバランスを備えた将来のLiDAR製品を開発している。(2022年1月4日付プレスリリースより)
国内投資
-ZFは、張家港工場のシャシー部品システムおよび、後輪操舵システムであるAKC (アクティブ・キネマティクス・コントロール)工場の建設に着手したと発表した。ZFは約1億ドルを投資し、張家港工場の既存のシャシー部品の製品ラインの拡充と生産能力の拡大を図る。稼働開始は2024年を予定しており、2027年には売上高が約20億元に達する見込み。完成すればコントロールアーム、ステアリングナックル、ステアリングタイロッド、スタビライザーバーコネクティングロッド、スタビライザーバーコネクティングロッドなど幅広いシャシー製品をラインナップすることになる。(2022年11月21日付ZFのWeChat公式アカウントより)
-ZFは、800Vの電動アクスルを杭州市蕭山区の工場でラインオフしたと発表した。この製品は、ZFの上海の現地チームが主導で開発したもの。ZFは同製品の生産に向け、杭州工場に約3億ドルを投資して、第1期は加工ライン、組立ライン、生産ラインの3本を建設し、年間40万セットのアクスルドライブシステムや減速機のギアセットを生産する。また、新しく建設開始された第2期工場では、ヘアピン式同期モーター固定子及びローター生産ライン、電動アクスル組立ライン、全自動検査設備を導入し、主に800Vの電動アクスルアセンブリを生産する。生産能力は年間20万セットに達し、インダストリー4.0のベンチマーク工場として機能させるという。(2022年9月2日付ZFのWechat公式アカウントより)
-ZF亜太集団有限公司[ZF Asia Pacific Group Co., Ltd.]が張家港経済技術開発区管理委員会と協定書を締結したと発表した。協定によると、ZFは1億ドルを投資して張家港での生産能力増強を行う。2022年の着工、2024年の稼働開始を予定し、2027年には売上高として約20億元を見込んでいる。ZF汽車科技(張家港)有限公司は2014年3月に設立された拠点。現在、同社はZFにとってアジア太平洋地区における最大規模の生産拠点となっている。これまでの総投資額は18億元、敷地面積は18.4万平方メートル。ブレーキシステム、パッシブセーフティシステム、電動パワーステアリングシステム、シャシー部品の4工場を順次建設している。(2022年8月18日付ZF公式WeChatより)
-ZFは、傘下のZF汽車科技(上海)有限公司と上海安亭経済発展中心が投資契約を締結したと発表した。ZFは、3.2億元を投資して電動パワーステアリング(EPS)の生産能力の増強を行う。ZFが上海市嘉定区に保有する安亭工場で行うもので、床面積約4,000平方メートルの工場を増築する。2023年中に生産を開始する予定。また、2024年には増産による売上高は、2022年比で約10億元増になる見込み。(2022年8月3日付ZF公式WeChatより)
-ZFは、60百万ユーロを投じて山東省日照市に工場を建設すると発表した。2022年末までに生産、販売を開始する計画。3年後には年産高が10億元を超える見込み。工場敷地面積は1.4万平方メートル。エアバッグなどの研究開発、生産、販売を行い、製品は中国国内市場向けにに加えて、タイ、韓国、米国、日本、ベトナムなどへも輸出される予定。(2022年7月9日付けZF公式WeChatより)