富士通テン (株) 2016年3月期の動向
業績 |
(単位:百万円) |
2016年 3月期 |
2015年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 363,287 | 329,787 | 10.1 | - |
営業利益 | 5,493 | 2,812 | 95.3 | - |
経常利益 | 4,026 | 2,765 | 45.5 | - |
親会社株主に帰属する当期純利益 | (1,224) | (3,024) | - | - |
部門別売上高 | ||||
インフォテインメント機器 (CI) (*1) | 213,709 | 185,106 | 15.4 | - |
電子制御機器 (AE) (*2) | 46,396 | 45,917 | 1.0 | - |
衝突安全・予防安全機器 (AS) (*3) | 19,967 | 17,108 | 16.7 | - |
テレマティクス機器・サービス (ITS) (*4) | 83,215 | 81,656 | 1.9 | - |
(*1) インフォテインメント機器 (CI):(自動車メーカー工場装着) カーナビゲーション、ディスプレイオーディオ、カーオーディオなど。
(*2) 電子制御機器 (AE):エンジン制御、パワーマネージメントのECUなど。
(*3) 衝突安全・予防安全機器 (AS):ミリ波レーダー、エアバッグECUなど。
(*4) テレマティクス機器・サービス (ITS):(ディーラーオプション・市販) カーナビゲーション、ディスプレイオーディオ、カーオーディオ、車両周辺監視システム、タクシー配車システム、ドライブレコーダー、リモートエンジンスターターなど。
事業方針
-2016年9月、デンソー、トヨタ自動車、富士通は、富士通テンの資本構成を変更し、デンソーが51%を出資し筆頭株主になる方向で検討することに基本合意したと発表。2016年度中の最終的な契約締結を目指す。資本構成の見直しにより、高度運転支援 (ADAS) や自動運転のカギであるヒューマンマシンインターフェース (HMI) 開発を加速する狙い。富士通テンの現在の資本構成は富士通55%、トヨタ35%、デンソー10%。これをデンソー51%、トヨタ35%、富士通14%に変更する。(2016年9月10日付日刊自動車新聞より)
-ミリ波レーダーなどV-ICT (ビークルICT=車両情報通信技術) 事業を強化する。2016年4月に設立したV-ICT技術本部を中心に、先進運転支援システム (ADAS) や自動運転車向けの新製品を開発する。2020年頃にはV-ICTの売上高構成比を現在の15%から35%に引き上げる計画で、主力のカーナビゲーションなどインフォテインメント機器と電子制御機器の両事業に並ぶ柱に育てる。(2016年4月15日付日刊自動車新聞より)
「Future Link」 適用製品の国内販売開始
クラウド型タクシー配車システム
-2015年発売、日本初。デジタル無線、IP無線の両方に対応。気象情報や鉄道の運行情報、イベント開催情報など様々な位置情報に基づくビッグデータを連携させることで、タクシー需要の予測に役立つ情報を分析・提供し、計画的な車両配置や効率的な流し運行などを可能にする。
クラウド連携業務用ドライブレコーダー
-2015年発売、業界初。ヒヤリハット画像自動抽出機能を搭載。
つながるナビ 「ECLIPSE SZシリーズ」
-2014年発売、市販初。通信ユニットがセンターにアクセスすることで、毎月、新規で開通した道路の差分情報を自動で更新、ナビゲーションへ反映する。
主な受賞
受賞年 | 授与者 | 受賞者 | 賞の名称 |
2016年7月 | Maruti Suzuki | Minda F-Ten Pvt. Ltd. | 「Certificate of Appreciation for Inner parts Localization (部品現地調達部門賞)」 |
2016年5月 | Subaru of America | Fujitsu Ten Corp. of America (FTCA) | 「2015 Supplier Excellence Gold Award」 |
2016年5月 |
ダイハツ工業株式会社 |
富士通テン株式会社 | 「SSC事例優秀賞」 *SSC = Simple (シンプル)、Slim (スリム)、Compact (コンパクト) シンプルな設備/工程づくり、無駄を省いた仕事の仕組み等を通じて、生産性向上、リードタイム短縮、固定費削減等に貢献。 |
2017年3月期の見通し |
(単位:百万円) |
2017年3月期 (予測) |
2016年3月期 (実績) |
増減 (%) | |
全社 | |||
売上高 | 365,700 | 363,287 | 0.6 |
営業利益 | 6,000 | 5,493 | 9.2 |
経常利益 | 5,500 | 4,026 | 36.6 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 300 | (1,224) | - |
部門別売上高 | |||
インフォテインメント機器 (CI) | 204,700 | 213,709 | (4.2) |
電子制御機器 (AE) | 46,800 | 46,396 | 0.8 |
衝突安全・予防安全機器 (AS) | 22,100 | 19,967 | 10.6 |
テレマティクス機器・サービス (ITS) | 92,100 | 83,215 | 10.6 |
研究開発拠点
名称 | 所在地 | 事業内容 |
国内 | ||
東京事業所 | 東京品川区 | -次世代車載プラットフォーム構築に向けたソフトウェア技術や先進運転支援システム (ADAS) 関連技術の開発。グローバルにつながるシステム (サービス・車載器) の企画開発。 |
川崎センサ開発センター | 神奈川県川崎市 | -先進運転支援システム (ADAS) の構成要素である、ミリ波レーダーなどのセンシングシステムの先行技術開発や評価解析・シミュレーション技術の構築を行う。富士通グループとの技術連携を担う。 |
中津川テクノセンター | 岐阜県中津川 | -電磁波の評価・研究を推進する 「EMCテストラボ」 やさまざまな試験コースを設定し、追尾性能・受信感度試験など多岐にわたる実車試験を行う 「車両走行実験場」 を完備。 |
音響開発センター | 兵庫県神戸市 | -車載用のオリジナル音楽ソフト作成を行う 「スタジオ (フォルテ)」 や車室内でさまざまなテストを実際に行う 「車室内音響測定」、精密メカの騒音解析を行う 「無響室」 などを完備した、総合音響開発施設。 |
海外 | ||
Fujitsu Ten Corp. of America; Silicon Valley Creative Square | 米国 カリフォルニア州 |
-自動車関連機器・部品の開発・設計。 |
Fujitsu Ten (Europe) GmbH | ドイツ バイエルン州 |
-オーディオ・ビジュアル機器、自動車用電子機器の開発。 |
富士通天研究開発 (天津) 有限公司 [Fujitsu Ten Research & Development (Tianjin) Ltd.] |
中国 天津市 |
-デッキの開発・設計・評価、ソフト・スピーカー等の開発 |
Fujitsu Ten Solutions Philippines, Inc. | フィリピン メトロ・マニラ |
-オーディオ・ビジュアル機器、自動車用電子機器のソフトウェア開発。 -シミュレーション用ソフトウェアの開発。 |
Fujitsu Ten Minda India Pvt. Ltd. | インド ハリヤーナー州 |
-車載用マルチメディア製品および付属品の設計・開発。 |
PT. Fujitsu Ten Manufacturing Indonesia | インドネシア 西ジャワ州ボゴール県 |
-インフォテインメント機器、自動車用電子機器、予防安全システムの開発・設計。 |
製品開発
シースルービュー
-2015年3月、運転手の視線で車体を透過したような映像を表示できる機能を開発したと発表。運転席から死角となる車両周辺の状況を画面で確認できるため発進前の事故防止につながる。新機能を用いてトヨタ自動車と共同開発した 「シースルービュー」 機能が新型トヨタ 「Alphard/Vellfire」 に採用された。新機能は、車両の前後と左右ドアミラーの4カ所に取り付けたカメラの映像を合成し、周囲360度の立体的な俯瞰映像を表示できる 「マルチアングルビジョン」 の新たな画面モードとして開発した。 (2015年3月4日付日刊自動車新聞より)