Ningbo Joyson Electronic Corporation[寧波均勝電子股份有限公司] 2017年12月期の動向

業績

(単位:百万元)
2017年12月期 2016年12月期 増減率(%) 要因
売上高 26,605.60 18,552.41 43.41

- KSSのタカタ資産買収費用、新製品生産強化中、米国税制改正などの影響を受け、純利益が減少したことを除き、各事業は成長を維持。

営業利益 1,047.56 759.69 37.89 -
経常利益 996.20 809.49 23.07 -
純利益 742.63 675.36 9.96 -



受注

-2017年、上汽VW、一汽VWの次世代MQB量産モデル製品CNS3.0を合計40億元受注。2019年量産開始予定。(2017年アニュアルレポートより)

-寧波均勝電子傘下のKey Safety Systems(KSS) とPreh GmbHは、間もなくテスラがラインオフするModel 3に部品を供給する。KSSはドライバーエアバッグ、ステアリング、バッテリー充電システムなど最新のセーフティシステムとエレクトロニクス技術を、Preh GmbHはインテリジェントドライブコントロールシステムをそれぞれ供給する。(2017年7月4日付け各種リリースより)

-独子会社Preh GmbHはBenz の新型48Vマイルドハイブリッド車にバッテリーマネジメントシステム(BMS)を提供する。すでに量産段階に入っている。これにより、メルセデス・ベンツは同社がグローバルに展開している新エネルギー車分野の顧客リストに加わった。(2017年6月28日付けプレスリリースより)

買収

-2017年6月、同社は傘下のKSS Holdings, Inc.タカタと資産買収の覚書に調印すると発表。15.88億米ドルを上限とする価格でタカタの硝酸アンモニウムガス発生器業務を除く資産を買収する。2018年、買収完了。 (2017年6月26日付け会社公告及び2018年4月12日付け会社公告より)


-2018
年1月10日、同社は全額出資子会社寧波均勝汽車電子股份有限公司[Ningbo Joyson Automotive Electronics Co., Ltd.]が独QUIN GmbHの株式25%を31.81百万ユーロで取得し、持ち株比率を75%から100%に引き上げたと発表した。寧波均勝電子は2015年にQUIN GmbHの株式75%を買収して以降、QUIN GmbHの既存の研究開発センターと工場に改造を加えたほか、メキシコに新工場を建設した。QUIN GmbHを買収したことで、寧波均勝電子はプロダクトラインが豊富になり、HMI、コネクテッドカー、ADASなどの製品形成が進み、カーメーカー向けスマート運転システムの供給が可能になるとしている。(2018年1月10日付け会社公告より)


-2017年11月、同社は、独子会社PrehがKongsbergのePower事業部を買収すると発表。2011年に設立されたePower事業部は、EVやハイブリッド車向けに車載充電器を開発、生産、販売している。従業員数20人で、スウェーデン国内に2カ所の開発センターを持つ。Prehは、今回の買収により、eモビリティ事業の強化を図る。買収額は非公開で双方合意。買収手続きは、2017年末までに完了する見通し。Prehは、従業員6,000人以上、売上高10億ユーロ以上の自動車部品サプライヤー。1919年にドイツで設立され、2011年から均勝電子 [Joyson Electronics] グループ。乗用車や商用車向けのHMIシステムやインフォテインメント、コネクティビティシステム、eモビリティ制御などの開発・製造を行っている。(2017年11月24日付プレスリリースより)

株式譲渡

-同社は2017年6月16日、 子会社 Preh GmbH が保有するPreh IMA Automation GmbHの株式をすべてPIA Automation Holding GmbHに譲渡すると発表。譲渡価格は1.3億ユーロ以上になる見込み。6月16日現在、同社はすでにPreh IMA Automationの株式60%を78百万ユーロで譲渡しており、残りの40%は2017年7月に譲渡することになっている。(2017年6月16日付け会社公告より)

増資

-2017年11月6日、同社と先進製造産業投資基金(有限合伙)[Future Industry Investment Fund]がKey Safety Systems Holdings, Inc.(KSS)に対して4億米ドルの増資を行うと発表。出資額は同社が1.5億米ドル、投資基金が2.5億米ドル。増資後、同社の持株比率は100%から84.85%に減少し、投資基金が15.15%を保有することになる。KSSは2003年創立。2016年6月に寧波均勝電子に買収された。自動車セーフティシステムを主要業務としている。(2017年11月6日付け会社公告より)

事業提携

-2018年5月4日、同社は子会社寧波均勝普瑞智能車聯有限公司[Ningbo Joyson Preh Intelligent Car Networking Co., Ltd.]と大唐電信集団(Datang Group)傘下の辰芯科技有限公司[Morningcore Technology Co.,Ltd.]が戦略提携合意書を結んだと発表。両社は自動車インテリジェントネットワーク技術を共同開発し、新世代TBOXとV2X(Vehicle-to-Everything)自動車用エレクトロニクス製品を作り出し、現有の車載エンタテイメントシステム(IVI)の強化を図る。両社はコネクテッドカー研究開発と産業化プラットフォームの構築を通して、新型自動車用チップと端末製品を共同開発し、車載ナビ北斗(Beidou)、天通(Tiantong)衛星通信システム、無線充電など新分野での提携を模索する計画。(2018年5月8日付けプレスリリースより)

2018年の業績見通し

-2018年、同社は売上高500億元超を目指す。

受賞

-2017年、子会社寧波普瑞均勝汽車電子有限公司は上汽VWのサプライヤー優秀品質パフォーマンス賞、上汽GMの2017年品質イノベーション賞を受賞。独Preh Holding GmbHは米John Deere社のパートナーサプライヤー賞を受賞。

-2017年4月、子会社「Preh Holding GmbH」はHMI製品の供給、John Deereの2016年度パートナーシップサプライヤー賞を獲得

特許

-2017年末現在、世界で1,500件余りの特許を取得。関連エンジニア数は3,000名余り。

研究開発費用

(単位:百万元)
2017年12月期 2016年12月期 2015年12月期
研究開発費用 1,980.14 1,159.63 530.88
売上高に占める割合(%) 7.44 6.25 6.57



研究開発施設

-均勝電子:寧波、上海、長春に製品開発センターを保有。KSSのアクティブセーフティとPREHのインテリジェントネットワークの中国におけるR&Dセンターも拡張している。国内外の納入先と並行して開発を行なえる体制を整備。研究開発の分野は以下の通り:

  • 製品の早期モデル化
  • 製品の設計・開発
  • 金型の設計・開発
  • 治工具設備の設計・開発
  • 工程技術開発
  • ハード・ソフトウェアの開発
  • 電子情報の開発

-KSS:米ミシガン州、中国蘇州、韓国ソウルにR&Dセンターを保有。それぞれ室内、フロントエンド、サラウンドビューという分野の製品を開発。

-Preh:ドイツ、米国、ルーマニア、中国には研究開発機能を持っている。2017年4月バート・ノイシュタットでは、新しいR&Dセンターが稼動。同センターでは、製品設計や、構造設計、ハード・ソフトウィエアの開発とテスト、センシング技術、産業エンジニアリング、金型、ツーリング技術などの従来業務の他に、現在、主にドライバーインテリジェントドライブコントロールシステムと新エネルギー車パワーマネジメントシステムの研究開発を行う。

-QUIN:昨年独Prehの新研究開発センターの運用を開始したのに続き、2018年3月、新たにグローバル研究開発センターを独Stuttgartに開設。この研究開発センターの投資額は10百万ユーロ。敷地面積は4,400平方メートル。完成までに27カ月を費やした。自動車機能部品と自動車用エレクトロニクス製品の研究開発に注力するとともに、均勝電子の全額出資子会社独QUIN GmbHの発展を牽引する。QUIN GmbHは自動車機能部品のグローバルサプライヤー。均勝電子に買収されて3年で売上は倍増し、2018年の売上高は2桁成長が見込まれている。(2018年3月9日付けプレスリリースより)

-均勝電子:2018年2月7日、敷地面積154,667平方メートルの「新工業城」の運用を開始。「新工業城」は同社のインテリジェントドライブと新エネルギー車産業を集約した生産拠点であり、工業情報化部が指定した「知能化製造モデル工場」と「工業インターネット応用モデル工場」でもある。「新工業城」には新エネルギー車動力管理システムの研究開発および生産センター、インテリジェントドライブ製品の生産工場、コネクティビティや安全システムなどを含む研究開発センター、生産拠点、管理部が建設されている。主な製品は、HMI製品とEV電池管理システム(BMS)などで、BMW、ベンツ、VW、フォード、GMなどの大型車に広く使用されている。 (2018年2月9日付けプレスリリースより)


設備投資

(単位:百万元)
2017年投資額
金型 -
機械設備 1,037.70
改築など 107.44
均勝新拠点のインフラ建設 125.32

国内投資

-2017年12月14日、同社は国内外の6つのプロジェクトに投資するため30億元を調達すると発表。プロジェクトは次の通り。寧波普瑞均勝汽車電子有限公司が実施するヒューマンマシンインタラクション(HMI)関連製品の国内生産ライン拡張工事に7.35億元。Preh GmbHが実施するHMI関連製品のドイツ生産ライン拡張工事に6.46億元。寧波均勝普瑞智能車聯有限公司が実施する車載インターネットシステム生産ライン拡張工事に11.59億元。寧波均勝汽車電子股份有限公司が実施するハイエンド機能部品国内生産ライン拡張工事に2.20億元。Quin Romania SRLが実施するハイエンド機能部品ルーマニア生産ライン拡張工事に4.45億元。上海均勝百瑞自動駕駛研発有限公司が実施する上海自動運転研究開発技術センターの建設に5.46億元を投資。(2017年12月14日付け会社公告より)