東洋ゴム工業 (株) 2013年12月期の動向

ハイライト

業績

 (単位:百万円)
  2013年
12月期
2012年
12月期*
備考
全社
売上高 370,218 291,110 -
営業利益 37,240 15,650 -
経常利益 38,293 13,645 -
当期純利益 11,596 13,218 -
タイヤ事業
売上高 289,697 228,729 1)
営業利益 33,785 13,014 -
ダイバーテック事業
売上高 80,450 62,321

2)

営業利益 2,583 2,228 -
*2012年12月期は決算期変更の経過期間のため、国内連結対象会社は9カ月間 (2012年4月1日から2012年12月31日)、海外連結対象会社は12カ月間 (2012年1月1日から2012年12月31日) を連結対象期間とする。

備考
1) タイヤ事業
-新車用タイヤは、国内自動車生産台数が前年度を下回ったことにより、販売量は低調に推移したものの、高付加価値商品の拡販を推進したことにより、売上高は順調に推移。

2) ダイバーテック事業
-自動車用防振ゴムおよび自動車用シートクッションでは、国内自動車生産台数が減少したものの、北米を中心に海外での自動車生産が好調に推移したため、売り上げは前年並みを確保。

生産品目再編

-2013年11月、国内外に展開している工場の生産品目を再編する。米国市場でSUV向けタイヤの需要が拡大していることに対応して、米国工場で設備を一部 更新するなどしてSUV向けタイヤの生産比率を引き上げる。米国市場向け乗用車用タイヤは、日本やマレーシア、中国からの輸出でカバーする。中国の工場では、プレミアムタイヤの生産を増やす。市場動向に応じて、生産品目を柔軟に見直し、収益力を強化する。(2013年11月18日付日刊自動車新聞より)

海外事業

-2013年1月、2015年までに自動車用タイヤの海外生産比率を現行の20%から47%に引き上げる方針を明らかにした。同社は昨年、中国にタイヤ生産拠点を新設、現在はマレーシアに生産工場を建設している。今後、中国工場の増設やインド、中南米などの工場新設も視野に入れて、海外でタイヤの生産能力を増強して事業の拡大を図る。海外生産比率を47%にするためには、海外で年間1500万本の生産能力が必要となる。現在、マレーシアに年間250万本の生産能力を持つ工場を新設しているが、これに続いて中南米や欧州、アジアなどで工場の新設を検討する。中国やマレーシアの生産能力の増強も検討する。(2013年1月9日付日刊自動車新聞より)

<マレーシア>
-2013年9月、マレーシアのタイヤ工場で、9月から低燃費タイヤ「ナノエナジー3」を生産する。海外の生産拠点で低燃費タイヤ「ナノシリーズ」を生産するのは初めて。同国で生産した低燃費タイヤは今年末から欧州市場向けに輸出する。マレーシア工場は今年5月に稼働したばかりの工場で、生産効率の高い最新鋭設備を活用して低燃費タイヤを製造し、タイヤ事業の収益性を高めていく。(2013年9月24日付日刊自動車新聞より)

<インドネシア、フィリピン>
-2013年5月、東南アジアで自動車メーカー向けタイヤ販売体制の強化に乗り出す。従来、アジアのタイヤ販売体制では、主に販売代理店を経由して手掛けていたが、今後、アジアに同社直営の販売会社を設立、アジアに工場のある自動車メーカー向け販売活動を開始するとともに、市販向けの販売体制も強化する。今後は、インドネシアやフィリピンに販売会社の設立を検討する。同社では、東南アジアを戦略市場と位置付けており、まず販売実績を引き上げてから現地生産化し、事業拡大につなげる。(2013年5月13日付日刊自動車新聞より)

<タイ>
-2013年1月、タイ工場で高機能樹脂製等速ジョイントブーツを2014年4月から製造すると発表。現地法人に増資して、アマタナコーン工業団地内に樹脂製等速ジョイントブーツの製造拠点を設け、自動車メーカー、ドライブシャフトメーカーへ製品を供給する。(2013年1月16日付日刊自動車新聞より)

受注

カーメーカー モデル 製品
トヨタ Highlander 新車装着用タイヤ
トヨタ Corolla Axio Hybrid 新車装着用タイヤ
トヨタ Corolla Fielder Hybrid 新車装着用タイヤ
トヨタ Crown 新車装着用タイヤ
マツダ Axela 新車装着用タイヤ
マツダ Atenza (Mazda6) 新車装着用タイヤ
三菱自 Outlander PHEV 新車装着用タイヤ

中期経営計画

-同社は2020年までの経営計画「ビジョン'20」を掲げ、その中間地点である2015年を最終とする5カ年の中期経営計画「中計'11」を実行中。「ビジョン'20」の経営目標は売上高6,000億円、営業利益率10%。

-中期経営計画「中計'11」では以下4つの基本戦略に基づき、最終年度の2015年度において、売上高4,000億円以上、営業利益率10%以上の達成を目指す。
  • 成長市場、戦略事業への経営資源集中
  • 収益力向上のためのビジネスモデル構築
  • 独自技術による新需要の創出
  • 継続的な企業革新の取り組み
>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

 (単位:百万円)
2013年12月期 2012年12月期 2012年3月期
タイヤ事業 5,742 3,956 4,999
ダイバーテック事業 1,773 1,605 2,457
共通 972 648 856
合計 8,488 6,211 8,312

研究開発拠点

拠点名 所在地
タイヤ技術センター 兵庫県伊丹市
基盤技術センター 兵庫県川西市
宮崎タイヤ試験場 宮崎県児湯郡
サロマタイヤテストコース 北海道常呂郡

-2013年10月に兵庫県茨木市および伊丹市から、それぞれ研究開発センターおよびエンジニアリングセンターを川西市の新しい建屋へ移管するとともに「基盤技術センター」へ改名し、2013年12月から運用を開始。

研究開発活動

ダイバーテック事業
<輸送機器>
-自動車メーカーから高級車種向けとして、エンジンマウントなど高機能部品を多く受注し、順調に立ち上げた。
-先行技術開発においては、環境対応車向けの新製品開発を行い、市場展開を目指している。
-環境問題への対応として鉛フリー、6価クロムフリーの製品開発を実施し、製造工程・製品からVOC (揮発性有機化合物) を削減するため、新素材への切替を推進。
-車の燃費向上のために部品の軽量化および性能向上を目指し、アルミや樹脂材料の採用以外に新工法・新材料の開発を推進。

設備投資

設備投資額

 (単位:百万円)
2013年12月期 2012年12月期 2012年3月期
タイヤ事業 23,813 18,553 26,564
ダイバーテック事業 2,831 2,502 2,800
その他 2,354 1,902 402
合計 28,999 22,958 29,767

タイヤ事業
-合理化および品質向上、東洋輪胎張家港有限公司やToyo Tyre Malaysia Sdn Bhdの生産設備増強を中心に設備投資を実施。

ダイバーテック他事業
-合理化および品質向上を中心に設備投資を実施。

海外投資

<米国>
-2013年12月、米国タイヤ生産拠点のトーヨー・タイヤ・ノース・アメリカ・マニュファクチャリング (TNA) が、敷地内で増設予定の新工場棟の起工式を実施したと発表。約200億円を投じて、新しい工場建屋を建設し、キャパシティーの半分にあたる設備を導入する計画。まず年産250万本規模の製造能力増強を見込んでいる。(2013年12月20日付日刊自動車新聞より)

設備の新設計画

 (2013年12月31日現在)
事業部門 計画金額
(百万円)
設備等の主な内容・目的
タイヤ事業 26,770 合理化および品質向上、グローバル供給体制への対応
ダイバーテック事業 4,048 合理化および品質向上、グローバル供給体制への対応
全社 (共通) 2,336 基礎研究技術の強化、業務システム更新
合計 33,154 -