矢崎総業 (株) 2016年6月期の動向

近年の動向

業績

-2016年6月期の売上高は、前年比7.0%増の17,404億円となった。営業利益についても、前年より改善し、最終利益を確保した。


事業動向

フルカラーヘッドアップディスプレイ
-2015年、表示面積を大型化するとともに、表示色をフルカラー化したヘッドアップディスプレイ (HUD) を開発した。光学系を高倍率化し、表示面積を同社従来品の11倍と大幅に拡大した。開発したのはフロントウインドウに画像を表示するタイプのHUD。従来品は光源にVFD (蛍光表示管) を使い、緑色の単色表示だったが、開発品は液晶を採用することによりフルカラー化した。光学系を高倍率化し、非球面ミラーと表示デバイス間距離を短縮。ユニットサイズを従来品並みに抑えながら、表示面積を従来の縦31.4ミリメートル×横62.8ミリメートルから縦90ミリメートル×横240ミリメートルに拡大した。表示歪み補正非球面技術と表示デバイス画像補正により、鮮明な表示を可能にした。(2015年12月1日付日刊自動車新聞より)

AC普通充電器 「iesta (イエスタ)」 2014年度グッドデザイン賞を受賞
-AC普通充電器 「iesta (イエスタ)」 が2014年度グッドデザイン賞を受賞した。「iesta (イエスタ)」 はEV/PHV用で壁掛けタイプ。家の外観に溶け込み、親しみやすいシンプルなデザインが評価された。操作スイッチは2つだけで、軽くて持ちやすい小型充電コネクターの採用により、簡単な操作性と小型化を実現した。盗難防止のためのユーザー認証機能も装備している。

研究開発活動

経産省総務省主催、IoT推進コンソーシアムに参加
-2015年10月、経産省総務省により 「IoT推進コンソーシアム」 が発足。IoT推進コンソーシアムはIoTの他、ビッグデータや人工知能などの革新技術に対し、企業や業種の枠組みを超えて活用を推し進めることを目的にしている。自動車メーカーの他、同社、ジェイテクトブリヂストンなど部品メーカーも活動に加わる。(2015年10月26日付日刊自動車新聞より)

製品開発

ESCユニット用ケースの小型化
-2016年6月期、ESCユニット用ケースの形態を、従来は一部バスバーを使用していたが、全て基板に接続できる形態に変更。従来品比30%の小型化を実現。また、基板接続の構造をはんだ付けが不要な矢崎製造プレスフィットへ変更したことにより、納入先での生産工程における作業性も向上した。同技術はABSユニットにも使用されている。

リレーボックスの小型化とリサイクル容易化
-2016年6月期、リレーボックスの構成部品の配置変更とモジュール化により、従来品と比べ約30%の小型化と15%の軽量化を実現した。さらに、基板をインサートバスバーを使用した回路体に変更することにより、使用する樹脂材料が1種類となり、廃棄時のリサイクルを容易にした。これらの改善により、LCA (Life Cycle Assessment) 評価でCO2排出量を14%削減した。

海外投資

-2016年6月期、インド、メキシコ、インドネシア、ルーマニア、ニカラグア 計5拠点を新たに設立した。

-2016年6月期、南アフリカにおいて、自動車用メーターと自動車用低圧電線の量産を開始。

-2016年6月期、タイにおいて、デジタルタコグラフ事業を開始。

海外撤退

<サモア>
-2016年10月、サモア現地法人であるYazaki EDS Samoaでのワイヤーハーネスの生産を終了すると発表した。同社の納入先である自動車メーカーがオーストラリアでの生産から撤退することに伴うもの。Yazaki EDS Samoaは1996年に設立され、現在は従業員約740名が勤務している。(2016年10月11日付プレスリリースより)