古河電気工業(株) 2008年3月期の動向

ハイライト

古河電気工業(株) - 業績

(単位:
百万円)
2008年
3月期
2007年
3月期
増減率
(%)
主な要因
全社
売上高 1,174,247 1,104,709 6.3 海外を中心に情報通信関連の需要が回復したほか、電子部品、自動車関連製品等の需要が好調。更に、銅・アルミ等の価格高騰も影響。
営業利益 48,447 53,632 (9.7)

原材料・燃料等の価格高騰によるコストアップを製品価格への転嫁や生産面でのコストダウン努力で補いきれなかったことに加えて、税制改正により減価償却費が増加。

経常利益 40,831 49,589 (17.7) 円高ドル安による為替差損が発生。
当期純利益 15,291 29,765 (48.6) -
電装・エレクトロニクス
売上高 268,561 240,943 11.5 ワイヤーハーネス等の自動車部品の売上が伸長。
営業利益 9,072 8,716 4.1 -

事業再編

2007年10月1日付で、同社(古河電気工業)は自動車部品事業部の電装部品事業を分割し、子会社の古河オートモーティブパーツ(株) (古河AP)に統合する。また、承継会社である古河APは2007年10月1日付で社名を「古河AS(株)」に変更。事業統合に当たって、株式交換により古河AS(株)を同社の100%子会社とする。同社グループでは自動車部品のうち、ワイヤーハーネスを古河AS(株)が、その他の部品を同社が開発・製造していた。今後は一体となった組織で、ワイヤーハーネスと電装部品を開発・製造する。(2007年7月27日付プレスリリースより)

子会社設立

-インド

同社(古河電気工業)は、自動車部品メーカーグループのMinda Group(デリー市)との合弁会社「Minda Furukawa Electric Private Ltd.」を設立。現地での生産台数が拡大しているマルチ・スズキ社を始めとする日系メーカー向けに、ワイヤーハーネスの製造・販売を手がける。2010年度には50億円の売上高を目指す。将来的には、エアバッグ用ステアリング・ロール・コネクター(SRC)などの製造・販売も視野に入れる。Minda Furukawa Electricの資本金は3億8,500万ルピー(約11億6千万円)。出資比率は同社グループが51%、ミンダグループが49%。製造拠点はハリアナ州バワール工業団地内に建設し、2008年9月の操業開始を目指す。(2007年8月9日付日刊自動車新聞より)

開発動向

研究開発体制

拠点名 所在地 概要
古河電気工業(株)
自動車電装技術研究所
神奈川県
平塚市
自動車内のパワーと伝送システム技術の研究開発を行っている。

主な開発テーマ:
-自動車用電源マネジメントシステム
-車載センサ
-次世代ワイヤーハーネスシステム
-自動車部品関連シミュレーション技術

古河電気工業(株) - 研究開発費
(単位:百万円) 2008年3月期 2007年3月期 2006年3月期
全社 19,789 19,976 18,017
電装・エレクトロニクス 4,288 3,603 3,544

研究開発活動 (電装・エレクトロニクス部門 - 2008年3月期)

自動車用GPS/VICS/ETC/電話などの統合アンテナに関して、新機能を有した製品を開発し、実用化を進めている。

フラットケーブルと高輝度LED(発光ダイオード)を組み合わせた車載用ライティングシステムを開発。独自の接合法により、フラットケーブルの絶縁皮膜上から、任意の場所、数のLEDを直接装着できる。生産性に優れるほか、コスト、設計自由度、省エネルギーなどの面でもメリットがある。従来の電球系の代替デバイスとして早期の受注獲得を目指す。車載用のLED照明は、バスバーやケーブル接続、基板実装などの手法が実用化されているが、いずれも放熱や金型、生産性、設計自由度などの制約がある。フラットケーブル照明では、こうした従来方式のデメリットをすべて解決できるほか、コスト競争力も最も高いとしている。さらに、ハーネスとしても使用できるフラットケーブルの特性を生かして、部品点数を大幅に削減できるメリットもある。(2007年10月12日付日刊自動車新聞より)

古河AS(株)
- 近年の研究開発実績

ワイヤーハーネスの生産性やリサイクル性、車両への組付性を大幅に向上させるため、インストルメントパネル内における電子部品インテグレーション用製品ユニット化に成功。また、ユニット類の集約化および電線や端末の統一化などによって、電線の端末処理と配線に要した従来の時間(約25sec/回路)を約70%短縮。工程を大幅に自動化する世界初の開発によって、製品の低コスト化と納入の短期化を実現。

電線切断・端子圧着から仮組立(サブアッシー)までの工程を全自動で行えるサブアッシー機の開発に成功。従来は7工程を要したハーネスモジュールの生産ラインにおいて、前工程の4工程を完全自動化。生産リードタイムの短縮やコストダウン、品質向上に貢献。この自動機器の開発は世界初となる。

設備投資

古河電気工業(株) - 設備投資額
(単位:百万円) 2008年3月期 2007年3月期 2006年3月期
全社 45,264 41,800 30,900

設備投資 (電装・エレクトロニクス部門 - 2008年3月期)

電装部品用エナメル線の増産、自動車用電装部品などの量産化と増産を目的とした設備投資を実施した。


設備投資計画 (2009年3月期)
(単位:百万円) 設備投資
予定額
主な目的
全社 49,800 -
電装・エレクトロニクス 10,900 自動車用電装部品等の量産 等