古河電気工業(株) 2007年3月期の動向

ハイライト

業績

単位:百万円 2007年3月期 2006年3月期 増減率(%) 要因
売上高 1,104,709 872,535 26.6 情報通信関連需要の順調な回復、電子部品・自動車関連製品の売上が好調に推移したことに加え、銅・アルミなどの地金価格の高騰の影響もあり、増収増益。
営業利益 53,632 37,430 43.3 情報通信部門をはじめとする主要5部門すべてで増益。
経常利益 49,589 46,966 5.6
当期純利益 29,765 25,508 16.7 固定資産処分損などにより特別損失9,360百万円を計上したが、不動産の売却などによる特別利益17,758百万円によってカバーした。

子会社の統廃合
グループ会社9社を対象にした統廃合を実施する。同社は、2009年度を最終年度とする中期経営計画「イノベーション09」の中で、グループ会社の統廃合を一つの柱とするグループ経営体制見直しを掲げており、今回の統廃合はその一環。経営規模の拡大による事業展開力の強化などを目指す。また、グループ会社の統廃合については、今後も継続的に検討、実施していく。今回の統廃合の対象になるのは、古河エレコム、富士レックス、古河樹脂加工、九州フレックス、材工、九古マテリアル、古河ライフサービス、晃栄産業、古河電工旭開発の9社。同社では、9社の統廃合に伴い営業利益が年間約2億円増加すると見込んでいる。(2007年3月30日付日刊自動車新聞より)

海外事業
米デルファイ・コーポレーションと同社の合弁会社でワイヤーハーネスメーカーのデルファイ・フルカワ・ワイヤリング・システムズLLCは、米ミシガン州にカスタマーサービスセンターを開設したと発表。トヨタ自動車の開発・生技術拠点であるTTC(トヨタテクニカルセンター)に対するサポートの強化がねらいで、TTCの隣接地に建設するなどして、緊密な連携に向けた体制を整えた。(2006年7月20日付日刊自動車新聞より)

今後の課題
2006年3月に「2006-2009中期経営計画:イノベーション09」を策定した。
「イノベーション09」は、1. 重点分野とグローバル市場の開拓 2. 資産効率の向上 3. グループ経営体制見直しの3つから構成。

1. 重点分野とグローバル市場の開拓
重点分野として成長市場である自動車/電子/フォトニクス/環境分野を選択。また、海外市場の開拓にも重点的に取り組む。4年間で1,700億円の設備投資を実施。
2010年3月末までに、自動車/電子/フォトニクス/環境分野にて売上高1,100億円を創出し、かつ海外売上高比率を35%まで高める計画。

2. 資産効率の向上

3. グループ経営体制見直し
2004年4月よりカンパニー制に移行しており、事業の成長促進にあたり成果が出ていると判断しているが、さらなる事業の成長促進を図って、グループ経営体制の見直しを検討する。これには、ノンコア事業見直しルールの明確化・グループ会社統廃合・リスク管理体制強化・グローバル人材育成・グローバルマネジメント強化を含んでいる。

2010年3月末での到達目標は以下の通り。
1.連結売上高: 1兆2,500億円
2.連結営業利益: 700億円
3.ROE: 11.0%
4.ROA(営業利益ベース): 6.2%
5.総資産回転率: 1.1
6.D/Eレシオ: 1.3

開発動向

2007年3月期の研究開発費は19,976百万円。

国内の5研究所(横浜研究所、メタル総合研究所、環境・エネルギー研究所、ファイテルフォトニクス研究所、自動車電装技術研究所)とグループ会社の研究所、海外のOFS Lab.(米国)、FETI(ハンガリー)にて研究開発を進めている。

自動車部品関連の開発動向
・自動車へのアルミニウム部品の適応範囲拡大を進めるため、フロントパネルにアルミニウム材を使用した構造のデザイン開発を開始。アルミニウム材料の特性を正確に入力することにより、シミュレーションにて高性能を発揮するデザインを提案中。
・自動車用GPS/VICS/ETC統合アンテナは、標準アンテナとして売上を伸ばしている。

高機能バッテリーの製品化
次世代の高性能バッテリーとされる「ウルトラバッテリー」を2年以内に製品化する。充放電パワーや耐久性で優れた特性を持つウルトラバッテリーは、ハイブリッド車などの次世代自動車向けのほか新たな産業用途への展開が期待できる。同社では試験結果が良好であるため開発計画を早め、ハイブリッド車を開発する自動車メーカーなどへの提案活動も本格化させる。ウルトラバッテリーは、鉛蓄電池とスーパーキャパシタと呼ばれる電気二重層キャパシタを極板レベルで結合し、同セル内に組み込んだハイブリッドバッテリー。大電流充放電や急速充電で優れた特性を持ち、また特別な電子制御回路などを必要としない。そのため、これまで鉛蓄電池では十分に対応できなかった用途への適用が期待できる。(2007年2月7日付日刊自動車新聞より)

設備投資

・2007年3月期の設備投資費用は41,800百万円。
・電装・エレクトロニクス部門においては、自動車用部品、絶縁電線などの新製品、増産を目的とする設備投資及び工場建屋の改修を主に実施。

三重事業所内に第2工場を建設し、半導体ウェハ製造プロセス用テープの生産能力を増強すると発表した。08年1月から稼働を開始し、09年10月までにフル操業に入る予定。半導体用テープは、半導体ウェハに密着して回路面を異物から保護し、研磨時と切断時の破損から守る機能がある。現在の半導体市場は、パソコンや携帯電話、自動車用途などの需要が急拡大しており、これに伴って半導体用テープの需要も急増している。(2006年7月1日付日刊自動車新聞より)

2008年3月期は56,600百万円の設備投資を予定。
内、電装・エレクトロニクス部門の投資予定額は10,600百万円。主に、自動車用電装部品などの量産、絶縁電線製造設備の増強、ハードディスク用基板の量産を計画。