日立オートモティブシステムズ(日立製作所)株式会社 2009年3月期の動向

ハイライト

業績 ( 単位:百万円 )
  2009年
3月期
2008年
3月期
増減率
(%)
要因
売上高 331,000 - -


日立製作所からの分社化
-自動車機器事業は、世界的な自動車販売の低迷による需要の急激な減少の影響を受け、売上が大幅に減少したことに伴い、収益性が著しく悪化した。かかる厳しい事業環境に対応するため、2009年7月1日付で、同社の自動車機器事業を新設分割によって分社し、新たに設立する連結子会社に承継することとなった。新会社では、意思決定の迅速化、生産拠点の整理・統合や人員規模の適正化等による事業の効率化、環境・安全対応自動車関連システム等の注力事業への経営資源の一層の集中など、事業構造改革を推進して、収益性の改善を図る。


受注
-米国の商用車用パワートレーンの開発・生産会社であるイートン・コーポレーション(オハイオ州)から、駆動用モーター、リチウムイオン電池、インバーターなどで構成する新型ハイブリッドシステムを受注したと発表。2011年までに納入を開始する計画で、規模は年間数千台分の見通し。同システムの搭載車は北米、欧州、アジアで販売される予定。(2008年10月21日付日刊自動車新聞より)

開発動向

研究開発活動
-ドライバーのハンドル操作に合わせて自動的にブレーキやアクセルでの加減速を行う制御技術を確立したと発表。熟練ドライバーの運転技術を分析・数値化し、状況に応じたブレーキ・アクセル操作で、乗り心地に影響する加速度の変化を最小化する。神奈川工科大学と同社が、同システムを市販車両に搭載して共同で実証実験を行い確認した。バイ・ワイヤによる車両安全制御システムの要素技術として確立し、5年以内の実用化を目指す。(2008年10月22日付日刊自動車新聞より)

-モーターの軸方向の長さを従来の2分の1にし、効率を5%向上させるモーター用技術を開発したと発表。従来の5倍を超える強度を持つ圧粉磁心の材料を採用することで実現した。日立粉末冶金と日立産機システムと共同で開発。(2008年11月7日付日刊自動車新聞より)

-レアメタル(希少金属)を使用せずにエネルギー効率を高める小型モーター技術を開発したと発表。モーターの心臓部である鉄心部分にエネルギー損失が少ない「アモルファス金属」を使用するとともに、同金属の加工や磁界解析を可能とする新技術を開発することにより実現した。3年後をめどに産業機器分野の実用化を目指すのを皮切りに自動車向けでもカーエアコンやウォーターポンプなど小型モーターを使用する領域での導入を検討する。(2008年11月11日付日刊自動車新聞より)

-トランジスターの一種であるSi-MOSFETの特性を利用した高性能水素センサーを開発。センサー部分(ゲート)に、白金(Pt)とチタン(Ti)の薄膜積層構造を用いた小型水素センサーで、濃度1000ppm以上の水素を約1秒で検知可能。熱や湿度にも強く、また、現在普及している半導体製造装置で生産できる点などが特長。水素自動車などに搭載可能な小型・低消費電力水素センサーの製品化などにつながる技術として期待できる。(2008年6月19日付プレスリリースより)

-波長が数ミリメートルの電波(ミリ波)を地面に向けて照射することで自動車の絶対速度を正確に計測できる車速センサー技術を開発したと発表。ミリ波レーダーの送受信部とアンテナを1チップに一体化して超小型化を図るとともに、電波を収束する超小型ボール型レンズやパッケージ筐体そのものに、77ギガヘルツ帯ミリ波レーダーとしては初めてプラスチック樹脂を採用しコスト面の課題を解消した。自動車メーカーやブレーキシステムサプライヤーに売り込み、早ければ2、3年以内の実用化を目指す。(2008年10月9日付日刊自動車新聞より)