河西工業 (株) 2015年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2016年 3月期 |
2015年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 237,992 | 214,884 | 10.8 | 1) |
営業利益 | 16,373 | 11,651 | 40.5 | - |
経常利益 | 16,116 | 11,759 | 37.0 | - |
当期純利益 | 8,543 | 6,572 | 30.0 | - |
要因
1) 売上高
<日本>
-主要得意先の堅調な販売を受け、前年比5.6%増の60,323百万円。
<北米>
-主要得意先の好調な販売から、前年比29.2%増の107,905百万円。
<欧州>
-主要得意先の堅調な販売動向により、前年比9.6%増の15,478百万円。
<アジア>
-中国市場が堅調に推移したが、アセアン市場での販売状況により、前年比26.1%増の31,177百万円。
受注
<Land Rover>
-英ランドローバーと取引を始める。内装部品を受注したもので、今年半ばから納入を始める。同社は英国に工場を構え、日系自動車メーカーの英国工場にドアトリムなどの内装部品を納入している。現地メーカーも取引先に加えることで、欧州ビジネスの強化につなげる。受注したのはトランクの内側を覆うソフトトリム。主要車種で2015年に1車種、16年に1車種の合計2車種で受注した。(2015年7月1日付日刊自動車新聞より)
<Renault>
-ルノーからドアトリムなどの内装部品をインドで受注した。ルノーとの取引はこれが初めてで、ルノーがアライアンスを組む日産自動車との取引実績を基盤に受注に結び付けた。受注したのは、ドアトリムのほか、ピラー部などのボディーサイドトリム。インドで生産されるルノー車2車種向けに納入する。インド南部・タミルナドゥ州チェンナイ市の製造子会社で、来春と来秋に、相次いで生産を立ち上げる。初受注を機に、中国など他の地域でもルノーへの受注活動を強化する。(2014年12月17日付日刊自動車新聞より)
事業提携
-フランスの内装部品メーカーと協業し、欧州でルノー・日産向けの製品供給体制を整える。ルノーの工場で生産される予定の日産車の内装部品を受注したため、現地企業と新たな協力関係を結ぶことにした。受注したのは、日産が2016年以降の市場投入を計画している次期コンパクト車のドアトリムなど。日産は同モデルの欧州市場向けの生産をルノーの仏フラン工場で行うことを決めている。協業先はフランスの内装部品メーカー、ユーロスタイルシステムズ社。フランスに開発・生産拠点を持つほか、スペインや東欧に工場を展開している。フランスでの協業を機に、ユーロスタイルシステムズが拠点を持たない地域では河西工業が供給を担うといったビジネスも検討していく。(2015年5月27日付日刊自動車新聞より)
合弁事業
<中国>
-遼寧省大連市に東風ビステオンと合弁でドアトリムの生産子会社を設立すると発表した。2015年半ばに稼働する。14年に稼働する東風日産大連工場向けに供給し、中国事業の拡大につなげる。資本金6500万元(約10億円)を河西工業と東風ビステオンが50%ずつ出資して新会社を設立する。ニッサンブランドモデルの現地生産に対応して部品を供給する。16年に売上高1億3千万元(約20億円)を目指す。(2014年7月28日付日刊自動車新聞より)
海外事業
<インド>
-インド合弁会社の株式を追加取得し完全子会社化することを決めたと発表した。インドでの生産量拡大を見込み、単独で事業基盤を強化する。インド合弁会社はスペインの内装部品メーカー、グループ・アントリンとの折半出資によって2012年に設立した。今回、Grupo Antolinが保有する全株を364万7千ユーロ(約5億5千万円)で取得することを決めた。10月末までに実施する。(2014年9月29日付日刊自動車新聞より)
事業計画
-2014年、長期経営ビジョン 「KR10 (Kasai Realize 10)」を策定。対象期間は2014年から2023年。テーマとして「グローバルで統一したモノづくりにより、優秀な品質を提供する」、「ONLY1技術を生み出し、No.1技術に進化させる」、「自動車業を主軸に新規ビジネスに挑戦する」を掲げており、最終年度の数値目標は以下の通り:
- 売上高:300,000百万円
- 営業利益率:8%
- 内装トリムのグローバルシェア:10%
-連結売上高に占める日産自動車向けの割合を、2019年度をめどに6割弱に引き下げる。日産ビジネスの継続的な獲得に加え、ホンダや日系他メーカー、海外メーカーとの取引を増やすことにより、日産への依存度を下げる。23年度の長期ビジョンでは、売上高を13年度比67%増の3千億円に引き上げる目標を掲げている。取引先を広げることによって、経営を安定化させながら事業規模の拡大を目指す。長期ビジョンに向け、主力のドアトリムに加え、成形天井、サンバイザー、樹脂部品などの販売を強化していくほか、納入先の分散化を進める。日産に次ぐ取引先であるホンダ向けの割合を現状の2割から19年度に25%程度に高めるほか、日系他メーカーや、海外メーカーとの取引を拡大する。(2014年11月29日付日刊自動車新聞より)
2016年3月期の見通し |
(単位:百万円) |
2016年3月期 (予測) |
2015年3月期 (実績) |
増減率 (%) |
|
売上高 | 220,000 | 214,884 | 2.4 |
営業利益 | 12,000 | 11,651 | 3.0 |
経常利益 | 11,800 | 11,759 | 0.3 |
当期純利益 | 6,600 | 6,572 | 0.4 |
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2016年3月期 | 2015年3月期 | 2014年3月期 | |
全社 | 1,339 | 1,211 | 1,128 |
-研究開発費用はすべて日本に投資。
研究開発体制
-研究開発は、同社の先行・製品工法開発部 (日本) を中心に実施。
-中国開発センターが2014年に運営を開始しているほか、北米開発センターおよびアセアン開発センターが2015年内に稼働を予定している。
研究開発活動
軽量化
-ドア、ピラー、天井、トランクトリム等すべての部品において軽量化が最重要開発テーマ。高品質、軽量、低コストを両立できるような製品開発を推進している。
安全性
-車室内の側面衝突安全性に寄与するエネルギー吸収部品を、同社独自の設計構造とすることで、高性能を低コストの射出成形部品で実現し、量産車に採用された。
-CAE (コンピュータ・シミュレーション) を駆使した側面衝突解析技術は台上実験での検証を裏付けに実用精度に到達し、量産車の安全性確保に寄与。
地球環境保全
-VOC (揮発性有機化学物質) の削減のため、粘着材、水溶性接着剤、ホットメルト等への変更、塗装から樹脂基材へ着色剤の練り込み等の代替工法への変更や各種材料の脱VOCを推進。
-樹脂部品への植物由来樹脂 (ポリ乳酸) の適用や塩化ビニール材のTPO (オレフィン系熱可塑性エラストマー)、TPU (ウレタン系熱可塑性エラストマー) への代替を推進。
車内快適性
-内装部品の防音性能の更なる向上を狙い、四駆シャシーダイナモを用いた実車実験、残響室等を用いた材料実験を踏まえ、音響理論やCAEを駆使して高性能な製品設計を推進している。
-低燃費と快適な車室内温度環境の両立を目指し、天井内装品等の断熱性能の向上開発を進めている。
魅力&便利商品
-ドア表皮やドアウエストオーナメントに代表されるような加飾部品、さわり心地の良い表面処理など美しく、やわらかく、しっとりしたドア内装品、夜間も内装を魅力的にするイルミネーション加飾、擦り傷の目立ちにくい樹脂を用いたピラーやラゲッジ・ルームの開発を推進。
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2016年3月期 | 2015年3月期 | 2014年3月期 | |
日本 | 5,513 | 3,981 | 3,440 |
北米 | 4,059 | 5,801 | 6,052 |
欧州 | 839 | 375 | 1,027 |
アジア | 2,352 | 4,277 | 2,773 |
合計 | 12,765 | 14,435 | 13,294 |
海外投資
<米国>
-米国でホンダ向けの生産体制を増強する。アラバマ州の工場で建屋を拡張するとともに、生産設備を追加し、ホンダ向けの専用工場にする。ホンダは同社にとって日産自動車に次ぐ第2位の取引先。市場が好調な米国では両メーカーともに生産・販売台数を増やしており、同社の売上高も増加している。米国の主要4工場を日産向け、ホンダ向けに2工場ずつ専用化して効率を高め、北米事業の収益力を一段と高める。(2015年7月10日付日刊自動車新聞より)
<中国・メキシコ>
-中国、メキシコで成形天井の生産体制を拡充する。スペインの内装部品メーカー、Grupo Antolinとの提携を解消したため、独自で供給体制を整備する。中国では広州(広東省)の工場に生産設備を導入するほか、東風汽車系の部品メーカー、東風ビステオンとの合弁により生産拠点を広げる。メキシコでは既存工場での生産に加え、新工場の建設も検討する。連結売上高に占める成形天井の割合は2013年度で20%弱だが、受注を増やして中長期的に25~30%に高め、ドアトリムに次ぐ第二の柱に育成する。(2014年6月4日付日刊自動車新聞より)
設備の新設計画 |
(2015年3月31日現在) |
会社名 事業所名/ 所在地 |
設備の内容 | 投資予定額 (百万円) |
着手 | 完了 予定日 |
本社工場 (神奈川県寒川町) |
事務所建物、自動車内装部品組立設備、金型、治工具等 | 7,684 | 2015年 04月 |
2017年 06月 |
三重河西 (株) (三重県津市) |
自動車内装部品組立設備、治工具等 | 473 | 2015年 04月 |
2016年 03月 |
群馬河西 (株) (群馬県明和町) |
自動車内装部品組立設備、治工具等 | 463 | 2015年 04月 |
2016年 03月 |
九州河西 (株) (大分県宇佐市) |
自動車内装部品組立設備、治工具等 | 204 | 2015年 04月 |
2016年 03月 |
M-TEK Inc. (米国テネシー州) |
事務所建物、自動車内装部品組立設備、治工具等 | 5,046 | 2015年 04月 |
2016年 03月 |
Kasai Mexicana S.A. de C. V. (メキシコ グァナファト州) |
自動車内装部品組立設備、治工具等 | 1,269 | 2015年 04月 |
2016年 03月 |
R-TEK Ltd. (英国タイン&ウェア郡) |
自動車内装部品組立設備、治工具等 | 520 | 2015年 04月 |
2016年 03月 |
広州河西汽車内飾件 (有) [Guangzhou Kasai Automotive Interior Trim Parts Co., Ltd.] (中国広州市) |
自動車内装部品組立設備、治工具等 | 455 | 2015年 04月 |
2016年 03月 |
Kasai Tec See Co., Ltd. (タイ アユタヤ県) |
自動車内装部品組立設備、治工具等 | 129 | 2015年 04月 |
2016年 03月 |
PT. Kasai Tec See Indonesia (インドネシア 西ジャワ州) |
自動車内装部品組立設備、治工具等 | 230 | 2015年 04月 |
2016年 03月 |