日本板硝子株式会社 2006年度の動向

ハイライト

業績 (単位:百万円)
- 2007年
3月期
2006年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 681,547 265,888 156.3 英国ピルキントン社の完全子会社化による。
営業利益 23,822 8,429 182.6
経常利益 8,001 10,425 (23.3) -
当期純利益 12,095 7,764 55.8 -
自動車用ガラス事業
売上高 268,229 N.A N.A 下記参照
営業利益 13,039 N.A N.A

2006年6月に完全子会社化した英国ピルキントン社の業績について、2007年3月期の第2四半期より連結損益計算書に計上。また、この子会社化によって、これまで「硝子・建材事業」に含めて表示していた「建築用ガラス事業」と「自動車用ガラス事業」が当期より区分される。

自動車用ガラス事業

全体
-新車用売上数量は全体では横ばい。他の地域の上昇が北米の鈍化と相殺された形となった。
-補修用売上は北米が横ばいで、欧州で強い上昇。
-地域別売上構成は、欧米が約5割、日本が約2割、北米が約2割、その他が約1割。

欧州
-乗用車市場全体の成長は約1.2%だったが、新モデル受注により市場平均を越える売上数量の伸びを維持。
-補修用売上は継続的な競争力の強化努力により、強い伸びを示す。

日本
-国内乗用車生産は前年比約7%の高い伸びを示し、新車向けガラス販売が増えたことで収益は好調に推移。

北米
-新車用の売上は米系自動車メーカーの不調の影響を受ける。
-補修用売上は、主として競争環境と燃料コスト増の影響を受けた。

その他地域
-乗用車需要が約8%上昇した南米では、売上数量増加と継続的な効率向上により業績好調。
-中国では急速な市場拡大が継続し、コストと生産の効率化努力によって収益性が改善。

組織再編
同社はピルキントン社の買収を経て、新たに事業拡大を果たした同社グループの組織運営体制を承認、ガラス産業分野において真のグローバル企業の構築を目指す。グローバル戦略の手始めとして、板ガラス事業部門を統一する。2007年4月1日をもって、グローバル板ガラス事業部門(Global Flat Glass Business)を新設、建築/建材用ガラス分野、輸送機材/自動車用ガラスおよびグレイジングシステム分野の、開発、生産、および販売にかかわる同社グループの事業をグローバルレベルで包括的に運営する。グローバル板ガラス事業部門の最高執行責任者(CEO)には、スチュアート・チェンバース氏が就任。同事業部門内のグローバル建材用ガラス分野の責任者は、スチュアート・チェンバース氏が兼務し、グローバル自動車用ガラス分野の責任者には、パット・ジート氏が就任する予定。 (2007年1月15日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発体制
技術研究所、商品開発部、フラットグラス統括室、社内各カンパニー開発部門により研究開発活動を推進。建築用ガラス事業および自動車用ガラス事業においては、ピルキントン社の研究開発組織と一体化し、効率的な運営を目指す。

研究開発費用 (単位:百万円)

-

2007年3月期 2006年3月期 2005年3月期 2004年3月期
全社 13,660 7,623 7,945 7,714
硝子・建材事業 N.A. 2,590 2,825 2,465
自動車用ガラス事業 3,519 N.A. N.A. N.A.


研究開発活動(自動車ガラス事業)
輸送機材カンパニーおよびその関連子会社では、自動車関連のガラス、アンテナの開発等を行う。
輸送機材分野では、自動車用ガラス向けに開発から量産への移行を行っている。
連結子会社であるピルキントン社では、全製品を検査できる自動検査機を開発し、全世界の主要な生産ラインに設置。

自動車用ガラスに関する技術導入契約 (2007年3月現在)

相手先 技術導入の内容 契約期間
Saint Gobain Glass France
(フランス)
自動車用遮音合わせガラスの特許権実施の許諾 2003年12月~2027年11月

設備投資

設備投資費用 (単位:百万円)

-

2007年3月期 2006年3月期 2005年3月期
全社 52,454 21,196 14,271
硝子・建材事業 N.A. 10,179 6,489
自動車用ガラス事業 20,878 N.A. N.A.

・自動車用ガラス事業において、舞鶴事業所における加工ガラス製造設備などへ投資。