カルソニックカンセイ株式会社 2006年度の動向

ハイライト

業績
単位:
百万円
2007年
3月期
2006年
3月期
増減率
(%)
主要要因
全社
売上高 700,775 715,494 (2.1) 主要得意先の販売台数減少、子会社売却等による減収
営業利益 12,266 24,587 (50.1) 主要得意先の生産台数減少に加えて、モデルミックスの変化による操業度影響、 減価償却費の増加、
新車立ち上がりロスの影響による
経常利益 10,270 24,594 (58.2) 売上高減少による利益の減少
当期純利益 156 19,232 (99.2) 構造改革費用の計上による

国内動向

本社移転
さいたま市北区日進町に建設する新社屋の起工式を執り行った。新社屋の竣工は2008年3月の予定。本社を東京都中野区から移転するとともに、現在佐野(栃木県佐野市)、厚木(神奈川県愛川町)、追浜(神奈川県横須賀市)に分散している設計部門を研究開発センターに集約し、技術力の強化を図る。(2007年1月15日付け同社プレスリリースより)

海外動向

会社設立
ルーマニアに空調製品、熱交換器製品などを生産する新会社を設立したと発表。社名は「カルソニックカンセイ・ルーマニア」。ルーマニアに新会社を設立したのは、2007年以降に空調製品や熱交換器製品を新たに受注したためで、労働コストが比較的抑えられるルーマニアに進出して競争力を高め、収益性の向上を図る方針。新会社は空調製品や熱交換器製品をはじめとする主力製品の新規受注獲得も目指す。(2006年6月22日付日刊自動車新聞より)

事業計画
インドに生産進出する。スズキから現地でエアコン用ユニットを新規受注するとともに、筆頭株主の日産自動車が現地生産を検討しているため、これらへの対応をにらみ現地工場の設立に取り組み、2010年までの本格稼働を目指す。また、日本から供給しているエアコン用コンプレッサーをタイ製に切り替えるなど、インドへの部品ソーシングをLCC(リーディング・コンペティティブ・カントリーズ)を中心とした体制に転換する。(2006年12月20日付日刊自動車新聞より)

事業再編
国内外の孫会社2社を解散すると発表。生産量が減少していたオランダの吸排気系部品工場、カルソニックカンセイ・ネーザーランド(バルネベルド市)を2006年末までに閉鎖し、同ユーケー(ウェールズ州スラネスリ)に生産移管する。また、業績低迷が続いていたコンパウンド工場、NS化成(大分県豊後高田市)も2007年月までに解散する。(2006年09月30日付日刊自動車新聞より)

ASEAN地域における事業効率の向上に向け、インドネシアの生産子会社を解散、自動車用メーターなどの部品事業をタイの子会社に集約する。解散するのは、カンセイ・インドネシア・マニュファクチュアリング。インドネシア拠点を解散することで、ASEAN地域における同社グループの生産体制は、タイとコンプレッサーを手掛けるマレーシアの2カ所となる。(2007年1月13日付日刊自動車新聞より)

北米カルソニック社の社名を北米カルソニックカンセイ社に変更すると発表。同社では、経営・組織の統合化を行い、業務の効率化を推進するため、2007年4月1日付けで、製造子会社の北米カルソニックと北米地区統括会社の北米カルソニックカンセイと合併、北米カルソニックカンセイ社が消滅する。これに伴って存続会社の商号を従来の統括会社の社名である北米カルソニックカンセイに変更する。社名変更は2007年4月1日。(2007年1月30日付け同社プレスリリースより)

グローバル生産体制の最適化を目的に、オーストラリアで自動車用熱交換器の製造・販売を手掛ける子会社を2007年12月に解散、同国内の事業から撤退すると発表。オーストラリア向けの部品などは今後、タイの拠点から供給する。解散するのはカルソニック・オーストラリアで、2007年12月までに手続きを完了する。ここ数年は、受注量・生産量ともに減少していたことから撤退を決めた。(2007年3月24日付日刊自動車新聞より)

開発動向

2007年3月期の研究開発費は28,728百万円

研究開発体制

-「環境」「安全」「快適」を重点に新製品、新技術開発に取組んでいる。
-研究所:
日本:テクニカルセンター
英国:Calsonic Kansei Europe Technology Center
米国:Calsonic Kansei North America Technical Center
中国:Calsonic Kansei (Shanghai) Corp.(R&D Center)

開発体制の強化に乗り出し、基本開発、先行開発は日本に集中させて人員を2010年度までに3-4倍に増やすとともに、海外拠点のアプライ(応用)開発人員も2010年度までに2倍に増やす。グローバルでの開発人員を2010年までに2004年度よりも40%増とする。同社は08年3月の本社移転に伴って新開発センターを設置する予定で、ソフト、ハードともに開発体制を強化して競争力の向上を図る。

研究開発のポイント
(1)モジュールの高度化による商品力向上
(2)モジュール、システム、コンポーネントにおける軽量化、省動力及び省燃費化への取組み
(3)環境に配慮したフロンを使わないエアコンシステムや環境負荷物質削減製品の開発
(4)燃料電池をはじめとする次世代の車両動力源に対応したシステム構成部品の開発
(5)安全快適な運転環境の提供を狙いとする電子・情報システムの開発
(6)電子電装分野における表示操作系システム、セキュリティー/セーフティシステムの開発


研究成果(2007年3月期)
・小型高性能の新しいタイプの熱交換器を搭載したエアーコンディショニングの採用により、乗員の快適性とコックピットのスペース効率を向上させたエアコンシステムの製品化。

・白色照明やリング状の照明などを用いて、乗員に分かりやすいメータの採用などを実用化。

技術供与(2007年3月現在)
相手方の名称 国名 契約内容 契約期間
マグナカンセイ社 英国 自動車用樹脂部品の製造技術 2000年6月11日-2001年12月31日
(以降1年毎に自動更新)
デルファイ・カルソニックコンプレッサーズ社 フランス 自動車用空調機器部品の製造技術 カルソニックカンセイがデルファイ・カルソニックコンプレッサーズ社の株式を保有している期間
デルファイ・オートモーティブ・システムズ社 米国 自動車用空調機器部品の製造技術 2004年9月22日 - 2019年9月21日
デルファイ・カルソニック・ハンガリー社 ハンガリー 自動車用空調機器部品の製造技術 カルソニックカンセイがデルファイ・カルソニック・ハンガリー社の株式を保有している期間

設備投資

2007年3月期は、主要受注先のモデルチェンジに対応した生産設備の増設を行ったほか、さいたま新本社、研究開発センター、生産性向上を目的とした合理化投資などを実施し、自動車部品事業を中心に39,500百万円の設備投資を実施。

自動車部品事業においては、モジュール生産対応のための投資を含めた新規立ち上がり製品の生産に対応するため、群馬工場、(株)CKK、北米カルソニック社、カルソニックカンセイ・メキシコ社、カルソニックカンセイ・タイランド社を中心に259億円の投資を実施。

2008年3月期は、グループで38,000百万円の設備投資を計画。