(株) タチエス 2013年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2013年 3月期 |
2012年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
売上高 | 217,692 | 204,053 | 6.7 | -中国において得意先である日系自動車メーカーの販売減少による影響は受けたものの、東日本大震災やタイ洪水被害の影響の解消により国内を中心に販売が回復。 |
営業利益 | 6,120 | 7,582 | (19.3) | -中国における売上高減少、メキシコ新会社の立ち上げ費用の発生、国内での売り上げ構成の変動等が影響。 |
経常利益 | 9,326 | 10,156 | (8.2) | - |
当期純利益 | 5,593 | 6,358 | (12.0) | - |
合弁事業
-マレーシアのシートメーカーと合弁会社を設立すると発表。マレーシアのスランゴール州に工場を建設し、2014年下期から年間4万台分の自動車用シートを生産する。同社がマレーシアに生産拠点を設けるのは初めて。複数の日系自動車メーカーの工場に製品を納入する。現地シートメーカー、APM Automotive Holdings Berhadと合弁契約を結び、新会社「APM タチエス シーティングシステムズ」を設立する。当初は技術供与により合弁先に委託して生産を始める。新会社の資本金は350万マレーシア・リンギット (約1億500万円) で、設立当初はタチエスのタイ子会社が40%、APM Automotive Holdings Berhadが60%を出資する。工場の建設に合わせて出資比率は変更する予定。新会社は15年度に32億円の売上高を見込む。 (2013年1月31日付日刊自動車新聞より)-中国のシートメーカー、東風リア (湖北省武漢市) との合弁により中国・大連市 (遼寧省) にシート工場を新設する。年間生産能力が20万台規模の工場とし、当初生産台数は年間10万台を見込んでいる。今年着工し、2014年に稼働する日産自動車の合弁工場に納入する。同社は海外の日産工場向けの シート供給で米部品大手のLearと提携している。中国ではLearの現地合弁会社との協力を拡げ、同国で生産を拡大する日産向けの供給体制を拡充する。 (2013年2月13日付日刊自動車新聞より)
設備投資
-インドネシア子会社「タチエス インドネシア」へ850万ドル (約8億5千万円) を増資すると発表。2014年11月から自動車用シート生産が本格化するため、増資分は工場建設と設備投資に充てる。増資後の資本金は1525万ドル (約15億2500万円) となる。 (2013年6月3日付日刊自動車新聞より)-メキシコ子会社のシーテックス・メキシコの自動車用シートの生産能力増強のため、3億1400万ペソ (約19億円) を4月に増資すると発表。設立時の資本金は5万ペソ (約30万円)。当初の計画より生産台数が大幅に増加するため、増資を決めた。増産により、日系自動車メーカーへの現地供給に迅速に対応する体制を構築する。生産規模は17年度には年間28万台を計画している。 (2013年4月20日付日刊自動車新聞より)
-中国・武漢工場 (湖北省) の生産能力を今夏にも現状の2倍の年間20万台に増強する。同工場の納入先である東風本田汽車有限公司 (東風ホンダ、 湖北省武漢市) から新規車種向けのシートを受注したことによるもの。新規受注を機にシート供給体制を大幅に増強し、中国でのホンダビジネスの拡大につなげ る。中国では日産自動車向けを中心にシートの生産拠点を展開している。日産向けに加えホンダ向けも強化し、中国でのさらなる売り上げ拡大を目指す。 (2013年1月24日付日刊自動車新聞より)
資金調達
-新株発行や自己株式の処分などにより、最大約51億円を調達する計画を発表。今回の資金調達は、アセアン地域・中国における設備投資資金ならびに英国における開発機能の拡充に向けた設備投資資金などに充当する予定。公募増資で102万株、第三者割当増資で最大40万株を発行するほか、自己株式218万株を処分する。今回調達する資金の充当先には、浙江吉倶泰汽車内装有限公司 (中国・浙江省)、Tacle Seating Thailand Co., Ltd. (タイ)、Tachi-S Engineering Europe S.A.R.L. (フランス) が含まれる。 (2012年11月30日付プレスリリースより)
2014年3月期の見通し |
(単位:百万円) |
2014年3月期 (予想) |
2013年3月期 (実績) |
増減 (%) |
|
売上高 | 203,000 | 217,692 | (6.7) |
営業利益 | 5,200 | 6,120 | (15.0) |
経常利益 | 7,400 | 9,326 | (20.7) |
当期純利益 | 4,000 | 5,593 | (28.5) |
>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2013年3月期 | 2012年3月期 | 2011年3月期 | |
全社 | 4,026 | 3,418 | 2,695 |
-2014年3月期の研究開発費は、3,612百万円を予定。
研究開発拠点
タチエス技術センター | 東京都青梅市 |
タチエス技術センター愛知 | 愛知県安城市 |
Tachi-S Engineering U.S.A. Inc. | 米国ミシガン州 |
Tachi-S Engineering Europe S.A.R.L. | フランス ヴェリジー・ビラクブレー市 |
福州泰昌汽車座椅開発有限公司 [Tachi-S Engineering China Co., Ltd.] |
中国福州市 |
Tachi-S Engineering Latin America S.A. DE C.V. | メキシコ アグアスカリエンテス州 |
Tachi-S Engineering Vietnam Co., Ltd. | ベトナム ホーチミン市 |
研究開発体制
-新製品の開発および新技術の基礎研究は、主に国内の技術センターにおいて効率的な開発を行うとともに、米国・欧州の拠点および国内外の技術提携先企業等を通じて、先進技術や周辺技術の積極的な情報収集を実施している。また、蓄積された新製品・新工法技術は、同社直接または米国・欧州の拠点を通じて、グローバルに自動車メーカー各社や同部品メーカー各社に提案し、採用されている。-国内において1999年8月に富士機工株式会社と、2006年11月には河西工業株式会社とそれぞれ業務提携を行い、機構部品および樹脂成形部品の技術開発力の向上、海外研究開発拠点の共同利用等、グローバルな視点での内装部品の商品力強化につなげる。
-日本国内において開発・生産・調達のモノづくりに関わる部門を集約すべく、2012年8月に東京都青梅市に技術・モノづくりセンターを開設。
-中南米地域の開発拠点として2012年5月にメキシコ・アグアスカリエンテス州にTachi-S Engineering Latin America, S.A. De C.V.を設立。
-2016年3月期には、研究開発人員をグローバルベースで2013年3月期の600名から800人に増員する予定。
研究開発活動
シートおよびオリジナル機構部品開発-自動車およびその他乗り物用シート、またシートのリクライニングデバイス、スライドレール、大移動量リフター、床下格納デバイス、RV車用シートのロングスライドレールおよびその付属機構、回転ユニット等の開発をシートシステムとして行い、得意先各社へ採用が進んでいる。
安全性向上技術開発
-安全性向上として、3点式シートベルト組込シート、サイドエアバック組込シート、乗員感知式スマートエアバック対応シート、頸部障害軽減システム等の開発をシートシステムとして行い、顧客から採用されている。また前後面、側面衝突に対応した安全シート構造の研究開発を行っている。
環境対応技術開発
-環境対策では、各種環境負荷物質の全廃に向けての対応や、自動車の燃費向上のため新材料、新構造技術を織り込んだ超軽量シートの開発等を行い、得意先各社へ提案し採用されている。
福祉車両商品の開発
-福祉車両用に操作性、乗降性に優れたヘルパーシートの開発を行い、得意先各社へ提案し採用されている。
原価低減商品の開発
-標準化、共通化を踏まえた低コスト次世代シートを開発し、国内外の得意先各社に採用されている。
生産技術開発
-接着成形シートの改良技術開発、ヘッドレスト、アームレストの一体発泡成形技術開発、シート組立の省力化・自動化技術開発、CAD/CAMによる型製作等を展開。また、多品種少量生産を可能にした混流ラインを開発し、車種数や商品構成の増加に対応する。
シートの研究分野
-より快適なシートの開発を目指し、「座り心地」評価と、あるべきシートの構造方式について自主研究を継続。さらに、短期間での性能、質量、コストのバランスの取れた設計のため、CAE解析を行い開発期間短縮、コストダウン等を貢献。
シートデザインの開発
-将来シートコンセプト、新商品のデザイン開発、コーポレートデザインなどシートを含め同社に関するあらゆる分野のデザイン開発を独自で取組み、得意先各社へ提案し採用されている。
技術導入契約 |
(2013年3月31日現在) |
相手先 | 国名 | 内容 | 契約期間 |
Isringhausen GmbH & Co. KG | ドイツ | サスペンションシステムの製造・販売継続権に関するライセンス契約およびシート技術と販売ノウハウの相互自由開示と自由使用 (除特許) 契約 | 1985年11月 - 無期限又は一方の6ヶ月前の予告により終結 |
技術援助契約 |
(2013年3月31日現在) |
相手先 | 国名 | 内容 | 契約期間 |
Auto Parts Manufacturers Co., Sdn. Bhd. | マレーシア | 契約製品の製造に必要なノウハウの供与および契約製品の製造に必要な機械・設備の供給 (別契約必要) 等に関する技術援助契約 | 2000年3月 - 2015年3月 |
設備投資
設備投資額
|
(単位:百万円) |
2013年3月期 | 2012年3月期 | 2011年3月期 | |
全社 | 4,535 | 4,808 | 1,873 |
-新規受注およびモデルチェンジ等に伴う生産対応設備を中心に設備投資を実施。
-2014年3月期の設備投資額は、10,207百万円を予定。
<日本>
-主な投資は、新規受注およびモデルチェンジに伴う生産対応設備。設備投資総額は2,825百万円。
<米国>
-主な投資は、モデルチェンジに伴う生産対応設備。設備投資の総額は845百万円。
<メキシコ>
-主な投資は、モデルチェンジおよび生産設備の更新等に伴う生産対応設備。設備投資の総額は604百万円。
<フランス>
-主な投資は、新規受注等に伴う生産対応設備。設備投資の総額は69百万円。
<中国>
-主な投資は、モデルチェンジおよび生産設備の更新等に伴う生産対応設備。設備投資の総額は169百万円。
主な設備の新設 |
(2013年3月31日現在) |
会社名/事業所名 | 設備の内容 | 投資予定総額 (百万円) |
着工 | 完成予定 |
武蔵工場 | 自動車座席用製造設備 | 312 | 2014年2月 | 2014年9月 |
鈴鹿工場 | 自動車座席用製造設備 | 80 | 2014年3月 | 2014年10月 |
技術・モノづくりセンター | 情報システム対応 | 410 | 2013年9月 | 2014年8月 |
Setex Inc. (米国) 本社工場他 |
自動車座席用製造設備 | 939 | 2013年2月 | 2014年1月 |
Industria de Asiento Superior S. A. de C. V. (メキシコ) 新工場 |
組立、縫製工場 | 1,568 | 2012年12月 | 2013年12月 |
Tachi-S Engineering Latin America S.A. de C.V. (メキシコ) 新工場 |
新工場 | 743 | 2013年4月 | 2014年10月 |
Setex Automotive Mexico S.A. de C.V. (メキシコ) 本社工場 |
自動車座席用製造設備 | 934 | 2013年1月 | 2013年9月 |
PT. Tachi-S Indonesia 本社工場 |
新工場 | 569 | 2013年4月 | 2014年5月 |