ジヤトコ (株) 2011年3月期の動向
ハイライト
2011年3月期
-2010年7月、中型FF車用ベルトCVT(JF011E)の生産累計が500万台を達成したと発表した。CVT1機種で500万台に達するのは世界で初めてという。同CVTは新世代ユニットとして2004年に生産開始、日産ラフェスタに初採用、2-2.5リットルクラスに搭載された。2005年11月からはメキシコで、2009年9月には中国・広州でも生産を開始するなどグローバルユニットとして搭載車種・台数を拡大した。納入先は内外7自動車メーカー、搭載車種は30近くに達する。生産開始から約6年で500万台に達した。(2010年7月28日付日刊自動車新聞より)
海外動向
受注
-プレスリリースによる主な受注は以下の通り。メーカー・モデル | 搭載部品 |
日産 Delica D:2 |
軽・小型FF車用副変速機付きCVT |
日産 Moco |
軽・小型FF車用副変速機付きCVT |
スズキ Splash | 軽・小型FF車用副変速機付きCVT |
スズキ MR wagon | 軽・小型FF車用副変速機付きCVT |
スズキ Solio | 軽・小型FF車用副変速機付きCVT |
日産 Juke |
軽・小型FF車用副変速機付きCVT |
日産 March |
小型FF車用4速AT、軽・小型FF車用副変速機付きCVT |
スズキ Landy | 中型FF車用ベルトCVT |
日産 Serena | 中型FF車用ベルトCVT |
日産 Lafesta | 中型FF車用ベルトCVT |
日産 Elgrand | 中型FF車用ベルトCVT、大型FF専用ベルトCVT |
日産 X-Trail |
中型FF車用ベルトCVT |
日産 X-Trail 20GT |
中・大型FF車用6速AT |
日産 Fuga Hybrid |
ハイブリッド車用トランスミッション |
事業概況
-2011年1月、CVT(無段変速機)の累計生産台数が、1997年の生産開始から約14年で1,000万台に達したと発表。同社によると、単一メーカーのCVT累計生産台数が1,000万台に達するのは世界初という。(2011年1月20日付プレスリリースより)-2010年7月、中型FF車用ベルトCVT(JF011E)の生産累計が500万台を達成したと発表した。CVT1機種で500万台に達するのは世界で初めてという。同CVTは新世代ユニットとして2004年に生産開始、日産ラフェスタに初採用、2-2.5リットルクラスに搭載された。2005年11月からはメキシコで、2009年9月には中国・広州でも生産を開始するなどグローバルユニットとして搭載車種・台数を拡大した。納入先は内外7自動車メーカー、搭載車種は30近くに達する。生産開始から約6年で500万台に達した。(2010年7月28日付日刊自動車新聞より)
海外動向
-2010年11月、中国における生産会社ジヤトコ(広州)自動変速機有限公司(ジヤトコ広州)で2011年4月から軽・小型FF車用副変速機付きCVT(無段変速機)の生産を開始すると発表した。同社によるとジヤトコCVTの最新機種である副変速機付きCVTを海外で生産するのは今回が初めて。副変速機付きCVTの生産能力は年間24万台。これによりジヤトコ広州の生産能力は11年4月時点で年間38万台になる。(2010年11月9日付日刊自動車新聞より)
-2010年6月、中国のジヤトコ(広州)自動変速機有限公司でのCVT累計生産台数が10万台に達したと発表。ジヤトコ広州は2009年から2.0-2.5リッタークラス車用のベルトCVTの本格生産を開始。同CVTは現在、東風日産の「Teana」、「Qashqai」、「X-Trail」、「Sylphy」に搭載されている。また、ジヤトコ広州では中国でのCVT需要拡大に対応するため、生産ラインを増設中。新ラインは2011年中頃の稼働を予定している。同工場の年産能力は現在14万台だが、ライン増設後は38万台に拡大する見込み。(2010年6月23日付プレスリリースより)
開発動向
研究開発拠点
本社 | 静岡県富士市 |
厚木開発センター | 神奈川県厚木市 |
岡崎開発センター | 愛知県岡崎市 |
茂木試験場 | 栃木県芳賀郡 |
研究開発活動
以下の開発を推進。ベルトCVT
-変速比率(伝達効率)の改良
-発進・加速性能の向上
-小型軽量
-フリクションの低減
-ワイドレンジ化
-ニュートラルアイドル制御
-アイドルストップ制御の設計・開発
ステップAT
-燃費性能の向上に有効な多段化・ワイドレンジ化
-軽量化
-制御技術の改良
-ロックアップ領域のさらなる拡大ニュートラルアイドル制御
-アイドルストップ制御の設計・開発
ハイブリッド車用トランスミッションの開発
-さらなる環境性能の向上
製品開発
-電気自動車(EV)用の変速機の実用化に向けて、研究開発に着手した。EVの設計ではコストや重量増加につながる変速機を採用しないことが通例だった。しかし、技術的には変速機の活用で電力消費の低減や、より小型なモーターでの走行特性を高めることができる。同社はEVに最適な変速機の設計手法の取り組み、新規ニーズの開拓を目指す。2、3段変速の簡便な機構を想定している。(2010年9月10日付日刊自動車新聞より)-小型FF車用4速AT(JF414E)を開発した。このATは2010年8月に中国で発売された日産「March」に採用されている。ジヤトコが小型FF車用4速ATを刷新したのは約21年ぶり。超扁平トルコンの採用や部品の設計見直しなどにより、同社の従来品に比べて全長が11%短縮されたほか、15%の軽量化および32%のフリクション低減を実現した。なお、この新型ATの生産は富士第4地区(静岡県富士市)で行っている。(2010年8月30日付プレスリリースより)
設備投資
海外投資
<中国>-2010年12月、ジヤトコ (広州)自動変速機有限公司の生産能力を、2012年春をめどに73万台/年まで拡大すると発表した。今回、中国市場で更に拡大が期待されるCVTの需要に対応するため、生産応力を2011年4月時点の38万台/年から、2012年春をめどに73万台/年にまで引き上げる。この拡張に伴う投資は約200億円で、拡張後の人員は、2011年4月時点で予定されている約700人の2倍の約1,400人体制になる予定。(2010年12月20日付プレスリリースより)